蕗の薹 3    100句

蕗の薹喰べる空気をよごさずに   細見綾子   和語

蕗の薹  蕗のたう    蕗味噌

作品
作者
掲載誌
掲載年月
今生儚かりしがめぐし蕗の薹 木村風師 馬醉木 200504
蕗の薹摘みに書斎をとび出さう 伊藤白潮 200504
足萎えし吾が踏む土に蕗の薹 安達加寿子 200505
旅人に焼いてくれたる蕗の薹 内海保子 万象 200505
蕗の薹出るときぽつと音しさう 齋藤實 200505
自問して答ふる日々や蕗の薹 戸村よねこ 遠嶺 200505
焦げ跡のそこここにあり蕗の薹 竹内悦子 200505
理科室へ持ち込まれたる蕗の薹 梅村五月 栴檀 200505
根つこまでつけて蕗の薹売らる 梅村五月 栴檀 200505
木道に先をゆづるや蕗の薹 浅田光代 風土 200505
採りにゆく子安の里の蕗の薹 平田紀美子 風土 200505
竹林に雨の音沁む蕗の薹 高村令子 風土 200505
問ひ質す前のまばたき蕗の薹 田村園子 200505
子の酒の肴としたり蕗の薹 府川鈴 200505
躓きしところにありぬ蕗の薹 土屋酔月 火星 200505
口中のひろごり確か蕗の薹 大橋敦子 雨月 200505
誘ひ合ふかに顔を出す蕗の薹 中源信子 築港 200505
山水の流れに透ける蕗の薹 木内徴子 万象 200505
蕗の薹野に採むと言ふ屈み買ふ 仲村青彦 200505
堰落つる水のきらめき蕗の薹 松山佐治彦 河鹿 200506
瀬渡りの丸木ぐらつく蕗の薹 石田厚子 馬醉木 200506
せせらぎに合はす歩幅や蕗の薹 西口鶴子 遠嶺 200506
蕗の薹忍者の里の隠れ径 宮沢治子 春燈 200506
重なりし父母の忌修す蕗の薹 八田節子 ぐろっけ 200506
罔象女在すほとりに蕗の薹 宮原悦子 雨月 200506
蕗の薹漉屋より水流れ出づ 田中佐知子 風土 200506
西行の後に就く道蕗の薹 菅原末野 風土 200506
関ヶ原蕗の薹みなほほけたる 辻恵美子 栴檀 200506
蕗の薹マリア地蔵の下に買ふ 藤田佑美子 栴檀 200506
見つけしは庭をはづれし蕗の薹 阿部ひろし 酸漿 200506
蕗の薹一椀にあり春の膳 福田栄子 帆船 200507
蕗の薹日に四便のバスがくる 鈴木實 百鳥 200507
山の香も日の香もありて蕗の薹 木内美保子 六花 200507
禅寺のはりつめし気や蕗の薹 大山夏子 200507
左眼は良く見ゆ先づは蕗の薹 大高芭瑠子 炎夏 200507
バーコードで読み解く濁世蕗の薹 樋口愚堂 200508
賑やかに籠より出され蕗の薹 若井新一 200509
絵手紙をしやがみ描く女蕗の薹 真木早苗 八千草 200509
残雪の迫る道のべの蕗の薹 井出やすはる 酸漿 200509
ほほけんとして蕗の薹なしりかな 稲畑汀子 ホトトギス 200602
午後よりは雨の予報や蕗の薹 稲畑汀子 ホトトギス 200602
古疵のまたうづきだす蕗の薹 戸村よねこ 遠き海 200602
庭の幸三つ四つ五つ蕗の薹 島谷征良 風土 200602
思ひたるところにありぬ蕗の薹 阿部ひろし 酸漿 200603
ひつそりと杣の墓あり蕗の薹 水田清子 200603
妻に見えわれには見えず蕗の薹 戸栗末廣 火星 200604
なんとまあ物置のかげ蕗の薹 林翔 200604
友眠る草葉の陰や蕗の薹 村越化石 200604
曳き売りもパック詰めせり蕗の薹 矢野律子 200604
初物は夫の味見の蕗の薹 河野政恵 酸漿 200604
蕗の薹までの木橋のありにけり 荒井千佐代 200604
和紙のごとき雪のシエードに蕗の薹 神蔵器 風土 200604
空つぽのこころに摘んで蕗の薹 外川玲子 風土 200604
蕗の薹熊の眠りを覚しけり 物江康平 春燈 200605
流れあるところあたたか蕗の薹 大竹淑子 風土 200605
悪筆の護摩木も積みぬ蕗の薹 奥田茶々 風土 200605
蕗の薹雅楽の笛の揃ひ来る 奥田茶々 風土 200605
ちちははへ匂へと刻む蕗の薹 田村園子 200605
蕗の薹ひなた日影の土匂ふ 寺田すず江 200605
竹垣の縄の緩める蕗の薹 西畑敦子 火星 200605
採れ過ぎて配つて歩く蕗の薹 足利徹 ぐろっけ 200605
やはらかくなりし土踏み蕗の薹 瀬崎憲子 百鳥 200605
裏庭に一つ授かり蕗の薹 石川喜代美 百鳥 200605
山を負ふ寺苑の隅や蕗の薹 橋本光子 酸漿 200605
日溜りに又一つあり蕗の薹 浦山正子 酸漿 200605
土の中に丸々とあり蕗の薹 牧原佳代子 酸漿 200605
蕗の薹摘むよろこびの美しき 瀧春一 常念 200606
蕗の薹古陶の急須おほどかに 瀧春一 常念 200606

 末の子と妹を信州に疎開させて

やすらぎや蕗の薹など縁に干し

瀧春一 常念 200606
小石つむ段々畑蕗の薹 中元英雄 河鹿 200606
手を打てば矮鶏ついてくる蕗の薹 宇田喜美栄 200606
山の風野の風ここに蕗の薹 谷村幸子 200606
大地より便りのとどく蕗の薹 水谷芳子 雨月 200606
蕗の薹土筆を添へて鉢植ゑす 水谷芳子 雨月 200606
行きずりに一盛買いし蕗の薹 先山実子 ぐろっけ 200606
予定にはなき一品や蕗の薹 梅田秀子 酸漿 200606
一つ見て続く列あり蕗の薹 村田さだ子 酸漿 200606
渡し場の土を擡げし蕗の薹 金子知代 万象 200606
降り癖は昼も小暗らし蕗の薹 土生逸麿 河鹿 200607
富士宮市富士市裾野市蕗の薹 嶋田一歩 ホトトギス 200607
わづかなることの美味しや蕗の薹 嶋田摩耶子 ホトトギス 200607
蕗の薹寺領にありし小川かな 里中章子 200607
蕗の薹取りてもみたし眺めたし 渡辺暁 酸漿 200607
水増すや越後の土手の蕗の薹 浅井よしみ 八千草 200609
ぽつかりと朝日を受けて蕗の薹 滝沢伊代次 万象 200702
雪もたげ六根清浄蕗の薹 中山純子 万象 200703
さきがけの火の匂ひして蕗の薹 神蔵器 風土 200703
朝市の磯ものに和す蕗の薹 白澤よし子 馬醉木 200704
山荘の餐蕗の薹にて始む 大橋晄 雨月 200704
陵の土を押し上げ蕗の薹 松林順子 雨月 200704
父祖の地に淡々と生き蕗の薹 乗光雅子 雨月 200704
いまおもへば蕗の薹ほど力持 辻直美 200704
両の掌をつぼめほのぼの蕗の薹 北川英子 200704
今年また始まる畑や蕗の薹 井上幸子 酸漿 200704
国訛り笑顔も添へて蕗の薹 和田政子 200704
落し物探す草叢蕗の薹 本藤みつ 200704
万葉の野に子等と摘む蕗の薹 名取袿子 200705
明日香路は古代ロマンよ蕗の薹 田下宮子 200705
また住んでみたき岡山蕗の薹 石田玲子 200705
蕗の薹→ 4      

 

2021年2月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。