蕗の薹 4    102句

人住むと知るや知らずや蕗の薹   会津八一   歳時記(産調出版)

蕗の薹  蕗のたう    蕗味噌

作品
作者
掲載誌
掲載年月
しばらくは水盤に置く蕗の薹 宇田喜美栄 200705
徒然にいでし桐畠蕗の薹 谷村幸子 200705
膝行をして蕗の薹さがしけり 田村園子 200705
人の手の届かぬところ蕗の薹 根岸美智子 200705
掌に受くる雨の重みの蕗の薹 上谷昌憲 200705
街の友待たせて揚ぐる蕗の薹 坂本たま子 200705
矢筒石訪ね歩くに蕗の薹 坂本たま子 200705
蕗の薹小学校の校門に 甲田雅子 200705
越後より風来る川原蕗の薹 岡田章子 ぐろっけ 200705
絵ごころは詩心に通ず蕗の薹 大谷茂 遠嶺 200705
今覚めし瞳さながら蕗の薹 浅野惠美子 酸漿 200705
廃屋の並びし村に蕗の薹 須賀敏子 あを 200705
雪の息洩れしところに蕗の薹 渡邊千枝子 馬醉木 200706
蕗の薹群れ呆けをり廃家址 三宅句生 馬醉木 200706
散歩道変へて両手に蕗の薹 仁平則子 200706
手の届きそうで届かぬ蕗の薹 佐原由紀子 200706
初物の山女と並ぶ蕗の薹 笹原紀世子 200706
雪うすく覆へる地より蕗の薹 金月洋子 六花 200706
工場の煤のふれども蕗の薹 瀧春一 200706
あの人もこの人も亡し蕗の薹 小林輝子 風土 200707
早や水を引きたる田あり蕗の薹 山村修 酸漿 200707
蕗の薹人来て水辺解れだす 木内憲子 200707
蕗の薹長けしも摘みてゐしことを 稲畑汀子 ホトトギス 200802
この会も二十五年目蕗の薹 稲畑汀子 ホトトギス 200802
蕗の薹三つ四つ摘みてまた摘みて 羽賀恭子 200803
蕗の薹蝦夷の大地を潤せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
一山に靄立ち上る蕗の薹 岩木茂 風土 200804
蕗の薹生れしばかりに摘まれたる 大橋晄 雨月 200804
屋敷神へたどれる径に蕗の薹 松崎鉄之介 200804
蕗の薹太陽丸ごと飲み込んで 小林朱夏 200804
水車小屋に水の匂ひの蕗の薹 塩路五郎 200805
頼られる今が幸わせ蕗の薹 井口淳子 200805
末っ子は母生きうつし蕗の薹 金井香ル 200805
蕗の薹見つけて沢を飛び越える 渡辺安酔 200805
摘み頃や見るためだけの蕗の薹 折橋綾子 200805
コンクリの土管抜け出て蕗の薹 吉岡一三 200805
香を放つ雪より摘みし蕗の薹 田中佐知子 風土 200805
蕗の薹城趾にのこる啄木碑 中沢三省 風土 200805
究極の生きざま欲らば蕗の薹 小澤克己 遠嶺 200805
蕗の薹湯の沸きたぎる厨かな 岩下芳子 200805
柿の木の根本に群るる蕗の薹 松崎鉄之介 200805
ひとつひとつ影をひきたる蕗の薹 廣瀬雅男 やぶれ傘 200805
滔々のしぶきのかかる蕗の薹 浜口高子 火星 200805
出張の帰りに摘みぬ蕗の薹 内藤玲二 200805
蕗の薹蕗の花穂のひかりかな 福盛悦子 雨月 200805
建仁寺垣に目覚めし蕗の薹 水谷芳子 雨月 200805
蕗の薹採りに来よとの里だより 細川コマヱ 雨月 200805
分け入りて高野旧道蕗の薹 指尾直子 雨月 200805
蕗の薹苞はぎとれば指にも香 岡野峯代 ぐろっけ 200805
重ね着をしてぽつちりと蕗の薹 木内美保子 六花 200805
土の香のつと広がりし蕗の薹 岸野美知子 酸漿 200805
雛のごと温もりありぬ蕗の薹 森理和 あを 200805
ポケットをひつくり返し蕗の薹 稲垣いつを 200806
蕗の薹我が総身に日の宿る 松野睦子 遠嶺 200806
指先の香にまみれ摘む蕗の薹 おかたかお 200806
蕗の薹探す眼の吾と会ふ 清水幸治 200806
手渡して喜び合へり蕗の薹 田宮勝代 酸漿 200806
蕗の薹鉢植されて売られをり 大塚民枝 酸漿 200806
土からのたよりと思ふ蕗の薹 久島洋子 200807
吉報はきつと来るはず蕗の薹 遠藤和彦 彩雲 200901
また一つ試歩を導く蕗の薹 北川英子 200903
蕗の薹見つけてよりの里びより 豊田都峰 京鹿子 200904
噛みしめて母の好みし蕗の薹 斎藤道子 馬醉木 200904
汁椀に摘みしばかりの蕗の薹 鈴木阿久 200904
神よりの一語一語や蕗の薹 神蔵器 風土 200904
蕗の薹朝餉にくばる一つづつ 阿部ひろし 酸漿 200904
鹿ヶ谷峰起のさまに蕗の薹 中川すみ子 200905
迸る水車のリズム蕗の薹 木村幸 200905
感染症研究所裏蕗の薹 飯塚恵美子 炎環 200905
蕗の薹のつむり覚めたり眠つたり 佐藤弥生 炎環 200905
母の齢までは生きたし蕗の薹 薪豊子 馬酔木 200905
通帳に利息少々蕗の薹 野坂民子 馬酔木 200905
余生なり靴先にある蕗の薹 大島翠木 200905
蕗の薹風の切つ先まるまろし 冨松寛子 200905
忽然と蕗の薹湧く二つ三つ 田原陽子 200905
ほろ苦く心づくしの蕗の薹 折橋綾子 200905
陳列へ戻す袋の蕗の薹 矢田部なほ子 200905
蕗の薹ほほけてさうだ街に用 定梶じょう あを 200905
発見はいつも子が先蕗の薹 伊吹之博 春燈 200905
蕗の薹根岸の里のすゑ今に 安立公彦 春燈 200905
ひとつだけ分けてもらひぬ蕗の薹 松山三千江 春燈 200905
墓碑銘は大戦戦士蕗の薹 妹尾貞雪 春燈 200905
妻の目を逃れてひそむ蕗の薹 中里信司 酸漿 200905
スーパーの棚に見付けし蕗の薹 戸谷たみ子 酸漿 200905
畑濡らす雨のありけり蕗の薹 廣瀬雅男 やぶれ傘 200905
馬頭印結ぶ石仏蕗の薹 有賀昌子 やぶれ傘 200905
恐竜の出でし土より蕗の薹 岩垣子鹿 ホトトギス 200906
蕗の薹すでに蕗の香ただよはす 山下美典 ホトトギス 200906
雛段に供へてありぬ蕗の薹 大西八洲雄 万象 200906
湧水の音軽やかに蕗の薹 清水明子 遠嶺 200906
絵手紙に蕗の薹あり一行詩 加藤克 200906
蕗の薹食べ香りの呼気吸気 山田夏子 雨月 200906
香淳陵御前にいくつ蕗の薹 古川さかえ 酸漿 200906
蕗の薹里の香りの届きけり 池田いつ子 酸漿 200906
もてなしに急ぎて取りぬ蕗の薹 坂本知子 酸漿 200906
浅間火を噴き蕗の薹背伸びする 岩垣子鹿 ホトトギス 200907
近道と云ふは崖径蕗の薹 嶋田摩耶子 ホトトギス 200907
揚鍋にぱと開きたる蕗の薹 野木富貴 雨月 200907
釣り人の川辺に摘める蕗の薹 渡部光徳 やぶれ傘 200907
ゆたかなるこゝろに副ひし蕗の薹 浅井青陽子 ホトトギス 200908
蕗の薹北の大地の目覚めかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
蕗の薹→ 5      

 

2021年2月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。