2021年2月15日

蕗の薹 2    100句

水ぐるまひかりやまずよ蕗の薹   木下夕爾   木下夕爾全句集

蕗の薹  蕗のたう    蕗味噌

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝市のしづけき活気蕗の薹 朝妻力 雲の峰 200303
丁寧に包まれ届く蕗の薹 宮崎千恵子 帆船 200304
一村に一軒の宿蕗の薹 外川玲子 風土 200304
蕗の薹流人時忠住みし跡 山口たけし 雲の峰 200304
半分は荷の片隅に蕗の薹 城戸愛子 酸漿 200304
並び立つ覚悟を見する蕗の薹 土井田晩聖 銀化 200304
神島の神の世よりの蕗の薹 上原一郎 築港 200304
里の土つけ持ち帰る蕗の薹 久保田雪枝 雨月 200304
地に覚めて空の深さの蕗の薹 笠間圭子 京鹿子 200304
せせらぎは母の懐蕗の薹 高畑信子 遠嶺 200305
土手沿ひに行く隣町蕗の薹 橋口寛子 遠嶺 200305
四年前よりこの墓所のこの蕗の薹 岩木茂 風土 200305
滾々と山動きだす蕗の薹 根岸善行 風土 200305
蕗の薹刻めば香りちらばれる 飯田政子 築港 200305
縄張つてここにも売地蕗の薹 板倉幸子 築港 200305
さみどりは魁のいろ蕗の薹 佐藤淑子 雨月 200305
手に置きて野の湿りある蕗の薹 山田由利枝 雨月 200305
雑木山にぬくみありけり蕗の薹 植木戴子 200305
蕗の薹僧衣につきし泥乾く 福山悦一 200305
数へつゝ母に手渡す蕗の薹 笹村政子 六花 200305
母の佇つ辺りより摘む蕗の薹 前田永子 200305
霊山に早や頭を出せる蕗の薹 田中嘉代子 ぐろっけ 200305
並べ売る見事な蕗の薹の鉢 岡田章子 ぐろっけ 200305
越天楽目笊の蕗の薹なりし 中島陽華 200306
蕗の薹写経の筆を凭せかけ 大森美恵 風土 200306
小流の光ゆらゆら蕗の薹 檀原さち子 酸漿 200306
蕗の薹一つに迷ふ夕厨 大房帝子 酸漿 200306
蕗の薹摘む指先を匂はせつ 唐澤まさし 酸漿 200306
蕗の薹円を描きて出にけり 籾山和子 酸漿 200306
停年の牧師の庭の蕗の薹 宮津昭彦 200306
ほろ苦さ舌に残れる蕗の薹 辻川錫子 築港 200306
人恋ひといふ微熱あり蕗の薹 柴田朱美 京鹿子 200306
本陣を逸れて野に摘む蕗の薹 谷泰子 ぐろっけ 200306
忌ごもりに花となりたる蕗の薹 岡田章子 ぐろっけ 200306
川音の逸りごころや蕗の薹 鳴海清美 六花 200307
日の目見しその日に摘まれ蕗の薹 北川英子 200307
魚津には行かずじまひや蕗の薹 竹内悦子 200307
春慶の椀にもりたる蕗の薹 吉原敏子 200312
蕗の薹水仕の後の手に息を 青砥真貴子 200401
朝市の最前列に蕗の薹 藤井美智子 対岸 200402
蕗の薹入れし袋のくもりけり 藤井美智子 対岸 200402
蕗の薹これより右へ余生かな 浜明史 風土 200403
蕗の薹出合ひはいつも同じ場所 三木満士暑子 帆船 200403
蕗の薹いづれも一寸法師ほど 遠藤若狭男 200403
先生に近づき過ぎて蕗の薹 今瀬剛一 対岸 200403
蕗の薹洗ひ出す雨降りにけり 今瀬剛一 対岸 200403
人住みし跡地狭さよ蕗の薹 朝妻力 雲の峰 200404
蕗の薹提げひょつこりと友きたる 浅川悦子 雲の峰 200404
盗掘の古墳あちこち蕗の薹 須原正三 200404
番所跡雪のもたげし蕗の薹 田中佐知子 風土 200404
大いなる石を守りに蕗の薹 阿部ひろし 酸漿 200404
蕗の薹笑ひ堪へてゐたりけり 鹿志村正子 対岸 200404
居酒屋のおまかせ料理蕗の薹 木藤ヒデ子 築港 200404
大雨になつてしまひし蕗の薹 木下野生 200405
走り来し童女がくれし蕗の薹 谷村幸子 200405
蕗の薹摘むや横切る鷹の影 長田秋男 酸漿 200405
和物に交りて苦し蕗の薹 永田あき 酸漿 200405
曲屋に人住む気配蕗の薹 酒井多加子 雲の峰 200405
遥かより水音たしか蕗の薹 佐藤ナオ子 遠嶺 200405
蕗の薹地に呟きのあるごとく 中島あきら 200405
球児らの個性でこぼこ蕗の薹 今瀬一博 200405
蕗の薹不屈の爪を切り飛ばす 田村園子 200405
石道寺てふバス停の蕗の薹 戸栗末廣 火星 200405
五つ六つ蕗の薹ある紙漉場 山田美恵子 火星 200405
老僧の手招きしをり蕗の薹 奥田順子 火星 200405
日の転ぶ傾斜二十度蕗の薹 小林和子 風土 200405
本丸跡踏み潰されし蕗の薹 高梨水青 築港 200405
石垣の崩れに出でし蕗の薹 高野政幸 築港 200405
こんな所に子供のころの蕗の薹 西川五郎 馬醉木 200405
銭湯に赤子の声や蕗の薹 中元英雄 河鹿 200406
蕗の薹順序正しく嫁ぐ友 玉川梨恵 200406
蕗の薹のさみどりの香をもてなさる 江頭文子 雨月 200406
あらあらといふ間に蕗の薹は花 藤井美智子 対岸 200406
蕗の薹ちらす味噌汁朝の霜 中澤文次郎 200406
土砂降りのあひだの小降り蕗の薹 木下野生 200406
農小屋の壁の剥落蕗の薹 大野公子 栴檀 200406
先生を風除けにして蕗の薹 今瀬剛一 対岸 200406
河口まで真直ぐな川蕗の薹 薄美津子 対岸 200406
分身と思ふ師の句碑蕗の薹 辻口静夫 ホトトギス 200407
石走る水の速さや蕗の薹 里中章子 200407
垣外の人に摘まるる蕗の薹 二瓶洋子 六花 200407
解く紙の湿り仄かに蕗の薹 三間菜々絵 遠嶺 200407
ひとり住む媼の呉れし蕗の薹 宮川迫夫 遠嶺 200407
海の音遠くに聞え蕗の薹 栢森定男 風よ 200407
黒き土もち上げてをり蕗の薹 秋千晴 200408
晩年にゆとりいささか蕗の薹 橘澄男 山景 200408
雨後の土吹つ切れている蕗の薹 藤原りくを 八千草 200409
採りそこね絮しろじろと蕗の薹 阿部ひろし 酸漿 200410
蕗の薹土の黒さに紛れざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200502
北国の明るうなりて蕗の薹 稲畑廣太郎 ホトトギス 200502

 生まれしところ

小日向てふ小字の村や蕗の薹

滝沢伊代次 万象 200502
羽音には聞き耳を立て蕗の薹 今瀬剛一 対岸 200503
蕗の薹仕切り直しの距離であり 今瀬剛一 対岸 200503
蕗の薹午後からは雪来るやうな 及川茂登子 対岸 200503
土割つて拝むかたちに蕗の薹 久島洋子 200503
蕗の薹摘むも摘まぬも二つなり 木村迪子 酸漿 200504
野仏と日を分けあふて蕗の薹 宇田喜美栄 200504
一つ掌に二つ野におく蕗の薹 神蔵器 風土 200504
蕗の薹 →3      

2021年2月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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