2    100句

友に恋われに税くる蕗の雨  大木あまり  雲の塔

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蕗摘んで湯治七日の暮しかな 田中峰雪 雨月 200408
蕗包みくれし地方紙拾ひ読む 窪田粧子 馬醉木 200408
蕗の葉や天水ゆたかなりし山 近藤喜子 200408
蕗を煮て水晶といふうすみどり 鎌倉喜久恵 あを 200408
蕗の葉に晝餉よそひて里居かな 鎌倉喜久恵 あを 200408
葉もて歓迎みちみちの秋田蕗 鷹羽狩行 200408
蕗の葉をかぶり日照雨の山下りる 鎌須賀礼子 万象 200409
後戻りして確かめる蕗の丈 瀬下るか 200409
大鍋の湯を溢れさせ蕗茹でる 谷口外穂 200410
蕗の葉に音立つ雨のはじめかな 杉浦典子 火星 200410
蕗の葉の雨をはじける楸邨忌 土屋酔月 火星 200410
蕗を煮てつくづく二人きりの昼 ほんだゆき 馬醉木 200501
蕗の味噌擂る痛み忘れしやうに 風間史子 200505
水谺蕗の花咲くあたりなり 中野京子 200506
蕗の花首たて関口芭蕉庵 布施まさ子 風土 200507
飛びたくてとびたくなくて蕗の絮 南洋子 対岸 200507
秋田蕗母は昔を語りたし 赤座典子 あを 200507
蕗の葉のしわしわ山雨俄かなる 加瀬美代子 200507
生節と蕗煮て午後のジャズダンス 中道愛子 200508
蕗広葉ちよこに靡ける風雨かな 三関浩舟 栴檀 200508
蕗を剥く腹立てしこと忘れたり 山崎祐子 栴檀 200508
蕗を煮ていつか一人になる思ひ 竹貫示虹 京鹿子 200508
蕗の葉を転がる雨滴友逝けり 貝森光大 六花 200508
蕗煮るやみちのく育ちの知恵を借り 市川玲子 春燈 200509
蕗を食むほろほろ苦き青春期 三浦澄江 ぐろっけ 200509
五月の風蕗の若葉の崖を吹く 瀧春一 菜園 200509
蕗摘むやわづかばかりの坂のぼり 大城まつ子 200509
山の蕗煮るぬばたまとなれるまで 杉山瑞恵 雨月 200510
厨事すんで蕗の香部屋に満つ 広瀬敏子 酸漿 200606
明日への希望や春の蕗を煮る 亀ヶ谷照子 遠嶺 200607
妹の忌止む気配なき蕗の雨 石田砧女 200607
政局を聞きつつ厨で蕗を煮る 足利ロ子 ぐろっけ 200607
蕗刈るやしとしと雨の降る中で 南原正子 酸漿 200607
深庇若き日の母蕗を剥く 平野貴美 四葩 200607
蕗採りの妻の早立ち山晴るる 大畑善昭 200608
雨の蕗ことさら青く茹であがり 伊藤百江 春燈 200608
蕗むいて己の生をいとほしむ 戸村よねこ 遠嶺 200608
蕗飯や八十もつて童顔ぞ 黒田咲子 200608
蕗叢に残れる蕗の匂ひかな 高尾豊子 火星 200608
狐雨真田の洗馬川蕗がくれ 阿部由紀子 200608
蕗採りの蕗もて差せり奥の院 小野千枝子 万象 200608
蕗を摘む一茶の里の句碑周り 阿部月山子 万象 200609
蕗を煮る知足の一日ありにけり 道給一恵 遠嶺 200609
蟇の子を蕗の葉に乗せて夫帰る 大塚美孝 200609
蕗の葉の若さほんのり蘞みあり 浅井よしみ 八千草 200609
蕗の大葉お茶目なおばば傘代り 上間和子 八千草 200701
亜麻色の産毛まとひし春の蕗 赤座典子 あを 200704
心よわき日やあをあをと蕗を煮て 百瀬七生子 海光 200705
亡き母の小言の味よ蕗を煮る 佐藤洋子 200705
蕗を煮る母似の味のうすみどり 上原重一 200707
をさな子と蕗むいてをり更衣 城孝子 火星 200708
丁寧に蕗刈り残し草刈女 西畑敦子 火星 200708
蕗を採る腰にくひ込む籠の紐 市川十二代 ぐろっけ 200709
蕗刈や母の元気の素となり 南原正子 酸漿 200709
耳奥に母の声する蕗の雨 生井慶子 万象 200711
蕗剥きて親子の会話もどりけり 真木朝実 万象 200711
ちちははより長き付合ひ蕗煮る妻 野沢しの武 風土 200711
父の忌や姉妹挙りて蕗をむく 苑実耶 200711
金蝿の舞ふ月の出の蕗の原 岡本高明 船団 200801
野に摘みし蕗ほろにがき夫婦かな 布村松景 春燈 200805
男世帯蕗のしうとめ狭庭にみつ 松崎鉄之介 200805
逡巡の幾度ありて蕗の味噌 邑橋節夫 菊揃へ 200806
蕗を煮る昏れの灘想ひつつ 荒井千佐代 200807
蕗刈つて身ぬち一日野の匂 大沢美智子 200807
白山の深きふところ蕗を摘む 井口淳子 200808
蕗炊きの朝に始まり暮にけり 羽賀恭子 200808
はるかなる雨の気配や野蕗煮る 三枝正子 万象 200808
しやきしやきと歯ざはりしかと蕗を煮る 片野光子 ぐろっけ 200808
蕗を切る太き細きをなひ交ぜに 丑久保勲 やぶれ傘 200808
飛石の蕗がくれなり雑草園 白澤よし子 馬醉木 200809
蕗の葉を叩きて雨の通り過ぐ 土井三乙 風土 200809
蕗は葉をうち重ねつつ束ねけり 柿沼盟子 風土 200809
大蕗葉惑星の水享け留むる 荻野千枝 京鹿子 200809
儚なきは蕗葉にまろぶ雨滴星 荻野千枝 京鹿子 200809
しがらみや蕗の広葉の日暮雨 北川孝子 京鹿子 200809
大蕗の蔭に河童の気配あり 松本文一郎 六花 200809
蕗刈と言ふ程もなき畠にて 岸本林立 雨月 200809
指先にあくの黒じみ蕗御膳 古林田鶴子 ぐろっけ 200809
ぼたんえびその甘き身に蕗の味噌 松村光典 やぶれ傘 200809
蕗の葉になまじ隠れし北狐 高橋澄子 200810
蕗逞し荒蕪の土に打ち込む鍬 瀧春一 深林 200901
庭摘みの蕗味のよし朝の膳 阿部ひろし 酸漿 200905
春の蕗手にのけぞつて運ばるる 佐々木秀子 200906
蕗むくやひといろにして朝の彩 鈴鹿仁 京鹿子 200906
春蕗の香りの中に母のゐる 本多俊子 200907
蕗茹でて遠き日となる母のこと 藤原さちよ 酸漿 200907
みちのくの野蕗野武士のやうな味 田中藤穂 あを 200907
蕗の葉を煮つめ夜更けのしづごころ 芝尚子 あを 200907
蕗摘むや風来て傘を取り落とす 大東由美子 火星 200908
蕗の葉に寝ものがたりのやうな雨 山中志津子 京鹿子 200908
蕗茹でし淡きみどりの湯をこぼす 黒川俊郎 200908
蕗の葉に雨の馬酔木のこぼれをり 八田木枯 晩紅 200908
岩蕗や心眼すでに澄みゐたり 小澤克己 遠嶺 200909
コロポックル潜みし跡か蕗の雨 榎美辛 万象 200909
聞き役をこなすひと日の蕗に雨 北川孝子 京鹿子 200909
蕗の葉に激しき雨のひとしきり 橋本貞二 酸漿 200909
甘酢煮の蕗のさみどり手に受けて 白石正躬 やぶれ傘 200910
予後の身の食欲倍増蕗の味噌 岡野ひろ子 201005
居酒屋の一会なりけり蕗の味噌 山本無蓋 201005
野放図に生きて還暦蕗苦し 篠田純子 あを 201006
蕗→ 3      

 

2021年5月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。