4 (蝦蟇)      173句

老鶏の蟇ぶらさげてあるくかな  飯田蛇笏  山響集

ひきがへる  ひきがえる  蟾蜍  蟇(蝦蟇)  がまがへる

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
壬生狂言張子の蟇の出でませり 鈴木朗月 万象 200901  
蓮の葉に大き顔出す蟇 滝沢伊代次 万象 200906  
手をついて庭の主と蟇出づる 高橋和女 春燈 200906  
天と地のぶつかり合ひて蟇出づる 近藤喜子 200907  
本堂の扉の全開に蟇鳴けり 岩月優美子 200907  
すつとぼけ貌で出できし蟇 石脇みはる 200908  
蟇蛙出でし寿限無寿限無と鳴いてをる 中島陽華 200908  
裏庭に住みつく蟇や走り梅雨 橋本貞二 酸漿 200908  
一山の闇知り尽す蟇 菅原末野 風土 200908  
まぎれなく去年のお前蟇 斉藤裕子 あを 200908  
蟇模索止めよと吾に告ぐ 泉田秋硯 200909  
黙の蟇と一会の息を合はしけり 岸田爾子 200909  
噴煙や乱を好みし蟇 延広禎一 200909  
大吟醸たしかに蟇ののどぼとけ 久津見風牛 200909  
裏木戸に足留めされし夜の蟇 齋藤朋子 やぶれ傘 200909  
休日の馬場に現れたる蟇 浜口高子 火星 200909  
いちまいの石の濡れぐせ蟇 戸栗末廣 火星 200909  
かの戦とは応仁の乱蟇の恋 深澤鱶 火星 200909  
蟇鳴きて池膨れくる夕べかな 阪上多恵子 雨月 200909  
水撒けば何処より来る蟇 斉藤裕子 あを 200909  
今日はまだか蟇の心配してをりぬ 斉藤裕子 あを 200909  
のびさうな肌をしてをり蟇 斉藤裕子 あを 200909  
蟇鳴いて大闇ずらしをり 川崎かずえ ろんど 200909  
人去りし夕べの苑に蟇とゐる 小山徳夫 遠嶺 200910  
蟇久しく酔を忘れゐし 鎌田篤 雨月 200910  
沼杉の聳ゆる森の蟇の声 塩見治郎 雨月 200910  
三坪の庭に大蟇飼ふてをり 飯島風花 200910  
小暗さに蟇昼をなく法の庭 宮崎正 ホトトギス 200911  
庭隅の屋敷稲荷と蟇 國保八江 やぶれ傘 200912  
蟇鳴くや母の生家の太柱 山本耀子 火星 201003  
蟇出でて睡気覚しの鳴き袋 平子公一 馬醉木 201005  
蟇数珠子見付け岸辺に座りこむ 木村コウ 酸漿 201005  
山の池顔出し鳴くや蟇 滝沢伊代次 万象 201006  
蟇鳴くや文殊菩薩に祈るとき 水原春郎 馬醉木 201007  
蟇出でて「歩こう会」の列横切る 持田信子 春燈 201007  
目が合うて上目遣ひし蟇 松岡和子 201008  
国盗りの城に出でける蟇 延広禎一 201008  
蟇交む天満宮の祝詞かな 竹内悦子 201008  
太陽は母の光よ蟇交む 本多俊子 201008  
旧居かの蟇ともどもに失せたるよ 辻直美 201008  
身じろがぬ箱根関所の蟇 石原光徳 酸漿 201008  
夕風に蟇鳴立てて恙無し 長崎桂子 あを 201008  
土下座せる本性如何に蟇 塩路五郎 201009  
蟇出でて大将軍の面構へ 岩下芳子 201009  
産卵の蟇裏山を降りて来し 佐野和子 万象 201009  
蟇こゑモノクロに写りけり 甲州千草 201009  
蟇太郎蟇子と名付け庭の蝦蟇 葦原葭切 春燈 201009  
わが祖父の声かと見れば蟇 遠藤若狭男 201010  
泥の田の蟇顔をあげ動きけり 石脇みはる 201010  
沼神の在すとでんと蟇 近藤きくえ 201010  
蝦蟇一歩動きしのちをかしこまる 藤井美晴 やぶれ傘 201010  
蟇譜代家老となりて棲む 鈴木直枝 ろんど 201010  
庭石にでんとかまえて蟇 筏愛子 201011  
蟇鳴くやこの世と違ふ夜の淵に 服部早苗 201011  
禅院の回廊くぐる蟇 阿部ひろし 酸漿 201011  
蟇戻り池に住みつく猛暑なり 伊藤いな栄 酸漿 201011  
穴を出て昨日や今日の蟇でなし 安住敦 春燈 201103  
ひやひやと蝦蟇の目あまた大唐津 瀬川公馨 201104  
土くれの動くとも見え蟇 熊切修 末黒野 201104  
山荘は廃居となりぬ蟇 稲畑汀子 ホトトギス 201106  
棲む蟇に明け渡したる山の荘 稲畑汀子 ホトトギス 201106  
足許にかしこまりたる蟇 稲畑汀子 ホトトギス 201106  
太腹を抱へて蟇の穴出づる 児玉寛幸 馬醉木 201106  
大地震の停電の夜を蟇出づる 沼崎千枝 末黒野 201106  
裏庭に桜月夜の蟇鳴けり 橋本貞二 酸漿 201106  
蟇穴を出て筮竹をさばきけり 柴田佐知子 201107  
片脚の遅れて出たる蟇 山田六甲 六花 201107  
池の端超低音の蟇鳴けり 坂根宏子 201108  
蟇交ると云へばなぜか法善寺 小形さとる 201108  
低音は雨を呼ぶ声蟇 藤本章子 201109  
夜を醒めて途切れがちなる蟇のこゑ 平野みち代 201109  
蟇一期一会といふ構へ 相良牧人 201109  
蟇いづこ池は寄進の蓮ばかり 大坪景章 万象 201109  
切株が玉座となりし蟇 酒本八重 201109  
蟇交る巨きな闇となりゐたり 小形さとる 201109  
大海なぞ知らぬ存ぜぬ蟇 正谷民夫 末黒野 201110  
夕闇の影ぬらし来る蟇 齋藤厚子 201110  
南無三宝撫で肩の蟇穴に入る 柴田佐知子 201111  
生きること死ぬこと蟇の目の左右 伊藤希眸 京鹿子 201111  
蟇鳴いて戒壇堂の暮れのこる 雨宮桂子 風土 201111  
なかなかに一歩が出でず蟇 根岸善行 風土 201201  
蟇なくや曾津若松本覺寺 久保田万太郎 春燈 201205  
蟇穴を山て無呼吸外来の戸 荒井和昭 201205  
蟇出でて居座りゐたり風木舎 山田春生 万象 201206  
三月やまかり出でたる蟇 小川玉泉 末黒野 201206  
山ひとつ負うて出てくる蟇 柴田佐知子 201207  
酢の匂ふ夕べ出でゐし蟇 山尾玉藻 火星 201207  
蟇穴を出でまつかうの鳳凰堂 山田美恵子 火星 201207  
まほろばに石の顔して蟇出づる 本多俊子 201208  
鬱勃の闇のゆらぎを蟇 上谷昌憲 201208  
万太郎を知る蟇なるや本覚寺 物江康平 春燈 201208  
御尊牌守りてみてらの蟇鳴けり 佐藤美紀 ろんど 201208  
蟇鳴いて室生寺の闇ひろごりぬ 天谷翔子 火星 201208  
蛇様へ蟇の貫録舌を出す 植木緑愁 201209  
蟇出でて子の居ぬ家を賑はす 安住敦 春燈 201209 『午前午後』
薄ぐもり蟇鳴く八雲旧居かな 北崎展江 くりから 201209  
月赭くして生酔の蟇出づる 竹内弘子 あを 201209  
言いたきこと黙して勝ちよ蟇親し 福島しげ子 ろんど 201209  
遺伝子の糸脈々と蟇 中田禎子 201210  
己が声意外にひびく蟇の鈍 鴨下昭 201210  
どの郷も捨て田を抱ふ蟇 森屋慶基 風土 201210  
大風の止みしベンチの蟇 浜口高子 火星 201210  
穴出でし蟇に日照雨の通りたる 榎本文代 万象 201210  
蝦蟇の棲む山懐や新走り 萩庭一幹 馬醉木 201211  
往還に蝦蟇ゐる雨後の月 藤井美晴 やぶれ傘 201211  
屋敷神の辺りいつもの蟇の出て 國保八江 やぶれ傘 201301  
都より赦免は未だ蟇鳴けり 和田照海 京鹿子 201301  
蟇家出でてなほ母の圏 田中貞雄 田中貞雄自註句集 201301  
蟇発条ねむらせてゐる容 山尾玉藻 火星 201306  
老眼鏡ずらして蟇の眼と合ひぬ 浜口高子 火星 201306  
蝦蟇出てきて代田にごりかな 山田六甲 六花 201306  
蟇礫かれて紙となりゐたる 福島せいぎ 万象 201310  
蟇池塘に浸り動かざる 内藤恵子 万象 201311  
仲間内ではソプラノなんです蟇蛙 甕秀麿 201402  
がうがうと此の世をなげく蟇 小菅美代子 ぐろっけ 201403  
蟇出でて区画整理に遭ひにけり 吉田葎 201405  
天竺の岸に着きたるがまがえる 竹中一花 201405  
蟇出でてすぐ初陣や沼濁す 鳥居美智子 ろんど 201406  
残されしひとはひとりや蟇の闇 竹貫示虹 京鹿子 201406  
掃き寄せに重石のごとく蟇 久染康子 201407  
蟇の黙ふかし浮世のうたてさに 丸山佳子 京鹿子 201407  
外灯のふいに点りし蟇 山尾玉藻 火星 201407  
婿をあつめて沼を揺らせり蟇の婚 鳥居美智子 ろんど 201407  
棒でよける蟇の體重感じけり 丸山佳子 京鹿子 201407  
日の暮れの垣根の下に蟇の待ち 石原健二 やぶれ傘 201407  
目瞑りて明日を想へばひき蟇の声 木村ふく 馬醉木 201408  
こゑ立てず動かぬ蟇の大きかり 加藤みき 201408  
蟇出でて隣りの猫が気がかりに 飛高隆夫 万象 201409  
緑青の風流れゐる蟇の恋 城孝子 火星 201409  
我が蟇と思へば金色にも見ゆる 飛高隆夫 万象 201409  
わが気配捉へ動かぬ蟇 小川玉泉 末黒野 201409  
湿原やほしいままなる蟇の声 鈴木鞠子 末黒野 201409  
法医学を尻に敷きゐる蟇 鴨下昭 201409  
蟇廃墟に残る釣瓶井戸 阿部綾子 ろんど 201411  
道真中の蝦蟇がま踏ん張つて通せんぼ 今井充子 201411  
根の国を出で来し蟇の仏がほ 熊川暁子 201411  
少女来て啓蟄の蟇うらがへす 堀内一郎 堀内一郎集 201412
右足を畳み忘れて春の蟇 奥田茶々 風土 201506  
蟇穴を出てしばらくを日溜りに 荒井和昭 201506  
蟇のこゑを聞かむと集まりぬ 加藤みき 201507  
たぢろがぬ蟇にも風のたはむれり 黒沢登美枝 201507  
俳聖の庵かくも侘しく蟇啼けり 錫木妙子 馬醉木 201508  
一寸の光陰いかに蟇 豊田都峰 京鹿子 201508  
絶交と言ひたし蟇のひとつ跳ぶ 上野紫泉 京鹿子 201508  
自分史の晩節汚す蟇 鴨下昭 201508  
名を付けむ我家の一員蟇 赤座典子 あを 201509  
卵塔の台座に坐り夜の蟇 大崎紀夫 虻の昼 201510  
池巡る足を止めぬ蟇の声 片岡さか江 末黒野 201510  
称名寺の静けさ破る蟇の声 塩川君子 末黒野 201510  
何おもふ動かぬものに蟇 吉澤恵美子 春燈 201510  
蟇ふみとどまるといふ力 岩岡中正 ホトトギス 201511  
蟇一歩も引かぬ構かな 内海良太 万象 201511  
月映る池面に蟇の大合唱 勝木享子 万象 201511  
秘め事を語りし友よ蟇 秋川泉 あを 201511  
蟇のそり奪衣婆冥し堂の内 大山夏子 201603  
蟇出でて沼一枚の深曇り 徳井節子 馬醉木 201605  
雨雲のたれて川辺に蟇鳴けり 白石正躬 やぶれ傘 201608  
庭棲みの蟇の太郎の茂みかな 荒井和昭 201608  
蹲踞して退かざる蟇の面構へ 佐藤山人 201608  
通せんぼされて向き合ひ蟇 窪田佳津子 雨月 201608  
蟾蜍長子の無口親ゆづり 窪田佳津子 雨月 201608  
本陣染野家畏みて蟇 楠原幹子 201608  
時空から零れていたる蟾蜍 水野恒彦 201608  
白昼の静寂破りし蟾蜍 寺田すず江 201608  
蟇山へ帰る月夜の渓明り 薮脇晴美 馬醉木 201609  
改築す蟇の住処を安堵して 田嶋洋子 春燈 201609  
よそゆきの顔して蟇の通りけり 久米憲子 春燈 201609  
山神の小兵なるかな蟇 森屋慶基 風土 201609  
鬱蒼とまさに隠沼蟇鳴けり 足立典子 雨月 201609  
坪庭へ居候決め蟾蜍太る 伊藤希眸 京鹿子 201610  
蟇人間界を問ふ構へ 相良牧人 201610  
思案してゐるうち暮るる蟇 笠井敦子 201610  
続々と昭和が逝くや蟇の声 田中藤穂 あを 201610 蟇→ 1

 

2017年5月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。