日傘 6   110句

たましいは幼な顔なり日傘さす   岸本マチ子   ジャックナイフ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
黒日傘ときには杖や九段坂 加藤良子 春燈 201207
黒日傘地球の未来危ふさう 田中藤穂 あを 201207
日傘して印度香炉を並べけり 山田六甲 六花 201207
奈良漬を買うて日傘の持ち重り 木戸宏子 201208
訳ありの札の下がりし白日傘 森下康子 201208
漱石の句碑に差し掛く白日傘 中村洋子 風土 201208
おしやべりの日傘に仲間はづれされ 中島玉五郎 201208
帰る背へ礼など言はれたる日傘 山尾玉藻 火星 201208
朝風に日傘を深くさしゆける 山田六甲 六花 201208
まづ空を見上げて日傘ひらきけり 柴田佐知子 201209
連れ立ちて男は入れぬ白日傘 大室恵美子 春燈 201209
何気なく顔のぞかるる黒日傘 神田恵琳 春燈 201209
自分しか信じぬひとの白日傘 辻美奈子 201209
白日傘翼を畳むやうに閉づ 細川洋子 201209
西教寺の総門くぐる白日傘 中沢三省 風土 201209
神鈴や拡げし儘の白日傘 鈴鹿仁 京鹿子 201209
芙美子忌の沖を見てをり白日傘 北崎展江 くりから 201209
守るものふゆる齢の白日傘 頓所友枝 冬の金魚 201209
見覚えの日傘佇ちをり待たれをり 田中藤穂 あを 201209
外野には日傘の母も地区予選 小西和子 201210
二人とも半身はみ出す白日傘 古川千鶴 かさね 201210
日傘さす母よ飛行船がゆくよ 辻直美 201210
遠の海引き寄せて帆の白日傘 安藤しおん 201210
夫渡る木橋へ妻の白日傘 塩貝朱千 京鹿子 201210
百%遮光の日傘手放せず 藤田京子 ぐろっけ 201210
鎌倉に似合ふ和服と日傘かな 松本三千夫 末黒野 201210
白日傘廻しさみしさ紛らはす 加藤八重子 末黒野 201210
後戻りできぬ日傘が振り返る 鴨下昭 201210
ブルーベリー摘めり日傘の浮き沈み 南うみを 風土 201210
遅れゆく利休鼠の日傘かな 中島芳郎 201210
日傘たたみ鳴門大橋存分に 出口貴美子 雨月 201210
車椅子日傘の陰を抜けたがる 堀内五齢 春燈 201211
日傘して男の歩幅広くなり 太田健嗣 ぐろっけ 201211
日傘まはしこどもふやさぬおかあさん 乾有杏 201211
鎌倉へ行く白日傘買ひにけり ふじの茜 201211
フリルある日傘小唄の師匠かな 瀬島洒望 やぶれ傘 201212
花そばの風に日傘をたたみけり 山本耀子 火星 201212
白壁に影伝ひ行く日傘かな 五ヶ瀬川流一 六花 201212
黒日傘行き白日傘追うて行く 須藤常央 ホトトギス 201302
ライバルの如白日傘黒日傘 岩田公次 ホトトギス 201302
遺失物の山の中なる吾が日傘 竹内弘子 あを 201306
にんげんに會ひたくなき日の日傘さし 竹内弘子 あを 201306
漱石の美禰子のやうな白日傘 竹内弘子 あを 201306
共犯者めきし目くばせ白日傘 山崎青史 ろんど 201309
浜日傘をんなくづれて砂になる 山崎青史 ろんど 201309
考への立ちどまりたる日傘かな 岩岡中正 ホトトギス 201310
しぐれ白むつみは黒き日傘かな 大久保白村 ホトトギス 201310
世迷言ぱんと弾いて日傘さす 川崎真樹子 春燈 201310
白日傘心の中に立ち止る 松田泰子 末黒野 201310
八つ橋を渡る日傘を開きけり 安斎久英 末黒野 201310
禿頭のやをらに差せる黒日傘 杉本光祥 201310
影を売る如く日傘の売られをり 七種年男 201310
青空へ一音ありて日傘の娘 丸井巴水 京鹿子 201310
櫛比せるビルの大底日傘さし 大島寛治 雨月 201310
傾けて涙をかくす古日傘 尾崎みつ子 雨月 201310
白日傘レースまはして畳みけり 安藤久美子 やぶれ傘 201310
ビル風に飛ばされさうな日傘かな 小山陽子 やぶれ傘 201310
ちよと傾げ日傘美人となりにけり 涌羅由美 ホトトギス 201311
日傘高く天上界を行くごとし 岩岡中正 ホトトギス 201311
紳士めく男の日傘街を行く 小林久子 201311
傘立てに日傘一本忌明けぬ 瀬戸悠 風土 201311
対岸の同じ日傘に目礼す 石橋萬里 ぐろっけ 201311
医へ通ふのみの日傘を描きけり 水谷芳子 雨月 201311
白日傘まはせど夫の帰り来ず 久保久子 湖心 201402
句心は君の日傘に入るより 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406
追従がわざとらしくて黒日傘 橋本靖子 201408
どなたかと日傘の女を追ひ越しぬ 松本文一郎 六花 201408
ガーデンアーチ潜るモネ絵の日傘かな 鈴木照子 201408
木洩日の径に影揺る白日傘 塩貝朱千 京鹿子 201408
死に顔を見にゆく日傘開きけり 山尾玉藻 火星 201408
奥久慈の山ごとゆれる黒日傘 鴨下昭 201408
働く蟻日傘に入りてなほ早し 半田稜 ろんど 201408
唐門を出できし風の白日傘 蘭定かず子 火星 201408
映画見し余韻の歩幅黒日傘 布川直幸 201408
フクシマの子にさしかける日傘かな 池田光子 201408
吾が動いて砂日傘動かざる 高橋将夫 201408
爪立ちて観るパレードや白日傘 小田里己 201409
太陽の塔にお目文字白日傘 佐藤淑子 雨月 201409
絵絣の日傘を贈る人をらず 瀬川公馨 201409
白日傘海の光を集めつつ 市村健夫 馬醉木 201409
万世橋日傘の人と渡りけり 竹生田勝次 風土 201409
北斎展日傘の列のしんがりに 竹中一花 201409
訪ぬるは日傘の異国宣教師 高谷栄一 201409
日傘閉ぢ願ひ一つの地蔵尊 渡部法子 201409
八十路まだ遊び心の日傘さし 佐藤淑子 雨月 201409
白日傘くるり廻して嘘を吐き 藤井彰二 馬醉木 201409
さし卸す日傘の柄に合はす服 久保東海司 201409
チンドン屋太鼓に日傘アーケード 神田惣介 京鹿子 201409
ゆつくりと振りむく母の白日傘 浅田光代 風土 201409
吊橋を日傘の影と渡りけり 堀田順子 馬醉木 201409
退院の赤子に日傘差しやりぬ 住田千代子 六花 201410
川隔て日傘振り合ふ会釈かな 西川みほ 末黒野 201410
外出に晴雨を兼ねる日傘かな 久保東海司 201410
道問へば先づは日傘に入れ呉れし 細川洋子 201410
白日傘含羞といふ言ありき 齋藤晴夫 春燈 201410
さよならのらに開かるる黒日傘 石田きよし 201410
影白く日傘の白く足早に 今井千鶴子 ホトトギス 201410
紐育ひとりつきりの日傘かな 大西由美子 春燈 201410
産寧坂舞妓芸妓の日傘往く 塩路五郎 201410
さよならのらに開かるる黒日傘 石田きよし 201410
妻癒す旅のなかばに日傘さす 元橋孝之 京鹿子 201410
二度三度日傘同士が頭下げ 久世孝雄 やぶれ傘 201410
黒日傘浜に開いて潮浴びる 羽賀恭子 201410
黒日傘たたみてこぼす日のほてり 菊池ひろ子 やぶれ傘 201410
一人居にやさしき言葉白日傘 鴨下昭 201410
日傘ふとうれしきときは回しをり 吉武千束 太古のこゑ 201411
空が真つ青で飛べさう白日傘 すずき巴里 ろんど 201411
砂日傘もう夕日しかゐ.ぬ浜に 熊川暁子 201411
待つてゐる日傘と過ぎてゆく日傘 湖東紀子 ホトトギス 201412
結局は挿さずに一日持つ日傘 稲畑汀子 ホトトギス 201507
日傘 →7      

 

2021年7月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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