春日傘   186句

日傘  絵日傘  秋日傘  春日傘  パラソル

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花嫁に教会までの春日傘
飯塚ゑ子
火星
199810
優しさについつまづいて春日傘
丸山佳子
京鹿子
199905
吹つとびぬ春の日傘と鶏と
奥田節子
火星
199905
春日傘つくりゑ顔のすぐばれて
大平保子
いろり
199906
すれちがふ清水坂の春日傘
松宮幹彦
春耕
199906
宇治十帖の道を半日春日傘
大山文子
火星
199906
春日傘門前町の店先に
岡村美恵子
春耕
199907
硝子戸にまた倒れたる春日傘
岡本高明
200004
婚の荷を見せてもらひに春日傘
小林あつ子
火星
200006
春日傘たたみ茶の師の薄化粧
辻井桂子
俳句通信
200006
旧友と会えて町ゆく春日傘
柴田美佐子
いろり
200006
春日傘まはして妻になりきれず
小澤克己
遠嶺
200007
あすか風天平色の春日傘
辻享子
六花
200007
亀の上に亀のっており春日傘
中原幸子
『遠くの山』
200010
帰路はどの径も登りや春日傘
嶋田摩耶子
ホトトギス
200011
自転車に追ひ越されゆく春日傘
中根美保
風土
200106
春日傘留守居あづかり拗ねてをり
朱間繭生
銀化
200106
潮の香の満つればたたみ春日傘
松岡隆子
200106
退院の妻へとひらく春日傘
唐沢静男
春耕
200107
長身の娘に傾けて春日傘
浦川澄江
雨月
200107
三崎坂いせ辰を出る春日傘
舘泰生
風土
200107
言ひ出せぬ心が廻す春日傘
三沢蘭
遠嶺
200205
測量士片目で捉ふ春日傘
佐藤真次
200205
追ひつかぬことの床しさ春日傘
暮岸江
銀化
200205
春日傘まはして眠くなりにけり
平田倫子
百鳥
200206
春日傘水天宮を素通りす
鈴木恭子
200206
むらさきの匂ふ人なり春日傘
南敦子
200206
川風に吹かれて閉づる春日傘
清わかば
雲の峰
200206
亡き人と会ふ約ありぬ春日傘
武井清子
銀化
200206
青き瞳の猫近づきし春日傘
小田 元
六花
200206
白壁の影法師より春日傘
川口襄
遠嶺
200207
油断なき園の広さの春日傘
村田明子
円虹
200207
マドンナの顔して廻す春日傘
千坂美津恵
200208
春日傘九十九里浜波高き
山下佳子
200208
春日傘ひらきて沼をよろこばす
岡本眸
200209
新墓に春の日傘をさしかけぬ
岩上とし子
200305
夢いろいろ回す五十路の春日傘
岡山裕美
雲の峰
200305
いくたびも曲りたる道春日傘
中田禎子
200305
初宮の子に傾くる春日傘
原茂美
雲の峯
200306
春日傘時に佇み岸を行く
高垣和恵
雨月
200306
マドンナを気取りて回す春日傘
田下宮子
200307
引潮の波打ぎはを春日傘
今井千鶴子
円虹
200307
春日傘病院前のバスを待つ
代田青鳥
風土
200307
ベビーカー丸ごと入れて春日傘
代田青鳥
風土
200307
春日傘回し年齢はぐらかす
伊与田秀一
200308
前髪の揃ひし稚に春日傘
東亜未
あを
200404
持たされて軽しと思ふ春日傘
今瀬剛一
対岸
200404
下町は橋が舞台や春日傘
岡本眸
200404
豆腐屋へ豆乳飲みに春日傘
櫻井幹郎
百鳥
200405
祇王忌の墓に寄りたる春日傘
橋本榮治
馬醉木
200405
会釈して見覚えのなき春日傘
喜多初枝
雨月
200406
太陽の塔の裏ゆく春日傘
川野喜代子
雲の峰
200406
蔵屋敷また蔵屋敷春日傘
高橋千美
京鹿子
200406
春日傘ためらひがちに回りたる
高橋将夫
200407
流れ橋を戻つてきたる春日傘
大山文子
火星
200408
どこまでも和歌の浦沿ひ春日傘
鷹羽狩行
200410
仰ぎ見る丸き地球や春日傘
佐々木薫
帆船
200504
春日傘伯母ごピンクの似合ひたり
近藤紀子
200506
水軍の島に廻せる春日傘
丸山照子
火星
200506
春日傘漁船に弁当渡しをり
山遊亭金太郎
百鳥
200506
春日傘行人坂にたたみをり
岩田都女
風土
200506
綿雲の匂ふばかりに春日傘
高橋さえ子
200506
忘れ雪昨日なりしを春日傘
池田やよひ
200506
潮騒に幼日の唄春日傘
関口幹雄
遠嶺
200507
銅鑼の音にきちんと畳む春日傘
飯塚ゑ子
火星
200507
春日傘木の影揺れてをりにけり
浜田久美子
六花
200507
糶に出す馬の背に差す春日傘
佐藤哲
万象
200508
詠草のことりと届く春日傘
鈴木清子
遠嶺
200508
春日傘ためらひがちに回りたる
高橋将夫
炎心
200510
春日傘鴎の粗相許しけり
横田初美
春燈
200606
生垣の外ゆつくりと春日傘
福澤乙
酸漿
200606
春日傘四脚門にてたたまれし
浜田南風
200608
見送りて空港去らず春日傘
松本文一郎
六花
200609
流れつくものに寄りたる春日傘
百瀬七生子
海光
200705
児を抱きし妻にさしかく春日傘
茅貴美子
春燈
200706
春日傘うしろ向いても若々し
鴨下昭
200706
青空へ模様を置きて春日傘
塙告冬
ホトトギス
200707
東山へ飛石つたふ春日傘
丸山照子
火星
200707
渡船場の水底覗く春日傘
松山直美
火星
200707
屈託あり顔翳るまで春日傘
高久清美
200707
海は日の溢るるところ春日傘
高橋さえ子
200707
みくじ吉くるりと回す春日傘
北川キヨ子
200708
春日傘昔五条に登り窯
岩崎真理子
遠嶺
200708
春日傘墨染尼の歩巾かな
斉藤小夜
風土
200805
HowDoYouDo吃飽了没つーぱおらめい春日傘
柳川晋
200805
摩羅石の前でたたみし春日傘
山尾玉藻
火星
200805
佳人より受けたる会釈春日傘
三川美代子
200806
影と影重ねて歩く春日傘
白井爽風
馬醉木
200806
奈良町の古き眼科へ春日傘
宮田香
200807
春日傘をちよつと追ひけり烏骨鶏
重見久子
火星
200807
春日傘かたむけて来し友の亡し
田原陽子
200808
ささねばと思へば翳り春日傘
鶴岡加苗
200811
春日傘墓を巡るに貸し呉るる
椿和枝
200905
春日傘たためば近き鳥の声
西宮舞
200906
春日傘鬼の雪隠見にきたる
杉浦典子
火星
200906
くろ谷を歩き疲れし春日傘
岡和絵
火星
200906
媼には大き花柄春日傘
長田曄子
火星
200906
機嫌よき一日をたたむ春日傘
高橋あさの
200906
春日傘俯く母に差しかけぬ
大塚和子
200907
暮るるまで海を見てゐる春日傘
赤羽陽子
春燈
200907
巴塚へさしかけてゐし春日傘
坂口夫佐子
火星
200907
微笑の近づきてくる春日傘
高木千鶴子
酸漿
200908
春日傘さしてわが城つくりけり
武田巨子
春燈
200908
春日傘何度もおじぎして別る
小林玲子
ぐろっけ
200909
春日傘二つならびて店のぞく
滝沢伊代次
万象
201005

なば形の雲消えにけり春日傘

 なば=中国・九州地方できのこ

延広禎一
201006
婆娑羅なる一座建立春日傘
雨村敏子
201006
美しき人の会釈や春日傘
三川美代子
201007
春日傘たつきの染みをつけまじく
小山ミツ子
末黒野
201007
人待ちのかたはらを過ぐ春日傘
青和子
201007
ゆるゆると美濃路日和の春日傘
永島雅子
春燈
201007
径なりに島をめぐるや春日傘
西岡啓子
春燈
201007
軍艦やたたみて振れる春日傘
山本耀子
火星
201007
三の丸広場を過ぎる春日傘
浜福惠
風土
201105
ひとを待つときめき少し春日傘
清水節子
馬醉木
201106
靴ぬいで砂丘を登る春日傘
西村節子
火星
201106
さつきから人待ち顔の春日傘
久染康子
201106
松風の渚にたたむ春日傘
乙坂きみ子
末黒野
201107
川沿の歩みそぞろや春日傘
青木政江
酸漿
201107
渡船場のベンチに親子春日傘
白石正躬
やぶれ傘
201108
海がめの来るてふ浜の春日傘
有賀昌子
やぶれ傘
201108
春日傘色が躍つてをりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201204
春日傘佳人が差せば色生れ
稲畑廣太郎
ホトトギス
201204
ふと会話途切れ去りゆく春日傘
稲畑廣太郎
ホトトギス
201204
買物の主婦も手に手に春日傘 金田和代 かさね 201205
行方知れぬ沖を見てゐる春日傘 石田きよし 201205
無口なる少年を入れ春日傘 山尾玉藻 火星 201205
下町には路地のしきたり春日傘 金田和代 かさね 201206
花びらのゆれるがさまに春日傘 辻香秀 201207
階の上より声す春日傘 木村傘休 春燈 201207
春日傘身をあましゆく通ひ路 小山繁子 春燈 201305
寺町の辻を左に春日傘 石井美智子 風土 201401
春日傘乙女に淡き翳生まれ 貝森光洋 六花 201405
時勢とは春の日傘の白と黒 高橋将夫 201406
首里城の朱にまみれゐる春日傘 鈴木礼子 末黒野 201406
寄り道をしたくなるよな春日傘 宮崎高根 201406
釣りの子に立ち止まりけり春日傘 上原重一 201406
さしかけてやはり一人の春日傘 遠山みち子 201407
子は母の速度に合はせ春日傘 佐用圭子 201407
会釈してまた振り返へる春日傘 岡野ひろ子 201407
春日傘すこし斜めに身籠もりぬ 城台洋子 馬醉木 201407
春日傘たたみて墓に預けたる 山田暢子 風土 201407
アオザイをすらりと着たる春日傘 柳川晋 201408
出島見る春の日傘や橋凭れ 桂樟蹊子 201502
紺絣似合ひし人の春日傘 コ田千鶴子 馬醉木 201504
海見ゆる場所をさがしに春日傘 木村ふく 馬醉木 201607
春日傘愛染坂より口縄へ 樺山翠 雨月 201607
春日傘かたむけ巨船見上げをり 石黒興平 末黒野 201607
鶴亀算得意の妻や春日傘 佐藤喬風 末黒野 201607
遅れ来る妻の緋色の春日傘 久世孝雄 やぶれ傘 201608
春日傘辻田あづきはベレー帽 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704
歩く事好む姉妹の春日傘 磯野しをり 雨月 201704
春日傘すねて甘えて回しけり 清水美子 春燈 201705
春日傘一寸おしやれな人通る 稲畑汀子 ホトトギス 201804
快晴となりしと今日は春日傘 稲畑汀子 ホトトギス 201804
春日傘閉ぢる姿も令夫人 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
アオザイとメコンデルタと春日傘 七郎衛門吉保 あを 201805
待たされてゐたり踏切春日傘 定梶じょう あを 201806
くるくるとをのこの回す春日傘 秋川泉 あを 201806
持ち替へて挨拶交す春日傘 今井充子 201807
早々と日に逆らひて春日傘 荻巣純子 雨月 201808
無意識に回してをりし春日傘 高橋将夫 201905
さよならのくるりと回す春日傘 大谷満智子 春燈 201906
白雲のごとく野を行く春日傘 高橋将夫 201906
線香の香り漂ふ春日傘 瀬戸薫 風土 201906
駅を出て前の前ゆく春日傘 山田健太 風土 201907
五歳児に諭されてをり春日傘 今村千年 末黒野 201907
顔の影うつくしき春日傘 藤井啓子 ホトトギス 201908
春日傘くるくる思ひ出し笑ひ 天谷翔子 201909
ふはふはと山裾をゆく春日傘 河原敬子 201911
春日傘開き句心開きゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202004
春日傘差さねば眩し過ぎる君 稲畑廣太郎 ホトトギス 202004
春日傘閉じて佳人を返上す 稲畑廣太郎 ホトトギス 202004
春日傘に顔を隠して行き違ふ 志方章子 六花 202007
春日傘刺繍の花の満開に 永島雅子 春燈 202105
春日傘ほしき齢となりにけり 小林共代 風土 202106
大いなる楠を仰ぎぬ春日傘 中根美保 風土 202106
持つ我と共に古りたり春日傘 佐々木澄子 末黒野 202107
春日傘晩年の帆は全開に 山中志津子 京鹿子 202107
玄関に外出を待つ春日傘 鈴木石花 風土 202107
春日傘疲れをたたみ蔭に入る 橋添やよひ 風土 202107
ネモフィラの一面の丘春日傘 津野桂子 末黒野 202108
藤色の影曳いてゆく春日傘 山田佳乃 ホトトギス 202109
春日傘ほどよき距離の会釈かな 小嶋恵美 春燈 202207
すれちがふ人に見覚え春日傘 小倉陶女 春燈 202207

 

2023年4月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。