秋日傘 1     200句

秋日傘船にたゝみてふりてみし  白樹  俳句大観

日傘  絵日傘  秋日傘  春日傘  パラソル

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋日傘毘沙門天と共にせり
小倉行子
風土
199911
日の強き天城を越えぬ秋日傘
青山丈
199911
秋日傘芝居見物又のこと
山田弘子
円虹
199912
秋日傘水子佛に長居せる
松本恒子
ぐろっけ
199912
太陽をいつまで疎む秋日傘
窪田佳津子
雨月
200001
軍艦の停泊三日秋日傘
山尾玉藻
火星
200011
秋日傘たたみて拝す二月堂
林和子
俳句通信
200011
折りたたむ風も秋なる日傘かな
岡本眸
200012
雨傘を開き二人の秋日傘
藏本博美
ぐろっけ
200012
遠くより秋の日傘を傾げをり
細田いずほ
遠嶺
200101
みづうみにありなしの波秋日傘
朝妻力
俳句通信
200110
秋日傘たたみて空の広さあり
多田節子
雨月
200111
もう声は届かぬ岸の秋日傘
山田弘子
円虹
200111
碧落の起点となりぬ秋日傘
村上瑪論
銀化
200112
通ひつつ看取のいつか秋日傘
橋本佐智
円虹
200112
空海の砂にねかせる秋日傘
城孝子
火星
200201
秋日傘さし行く今日の小買物
東芳子
酸漿
200201
マドンナの如くかざして秋日傘
辻美智子
円虹
200201
秋日傘つと人波を離れたり
藤井勢津子
六花
200206
あづかりし忘れものとは秋日傘
稲畑汀子
ホトトギス
200209
又誰か忘れて秋の日傘かな
稲畑汀子
ホトトギス
200209
秋日傘女心のある限り
稲畑汀子
ホトトギス
200209
秋日傘さして私室の影運ぶ
小澤克己
遠嶺
200209
秋日傘かの麗人と判るまで
稲畑廣太郎
ホトトギス
200210
行基像にみな背を向けし秋日傘
谷野由紀子
雲の峰
200210
男日傘今日もかざしてああ秋暑
小林清之介
風土
200211
不機嫌も御愛想のうち秋日傘
平野隆志
銀化
200211
一本は読書の秋の砂日傘
西山美枝子
酸漿
200211
秋日傘たたむ接岸待てずをり
中原道夫
銀化
200212
吊橋にすがりつき閉づ秋日傘
池田倶子
雨月
200301
顳顬にあたりぬ妻の秋日傘
島谷征良
風土
200310
遠出とて妻の派手なる秋日傘
長沼三津夫
200311
陸橋を行く秋日傘黒ばかり
青木光子
築港
200312
秋日傘芙美子の海の風はらむ
大石喜美子
雨月
200312
秋日傘犬にひそひそ話かな
田中みのる
火星
200312
岸壁の端に一つの秋日傘
斉藤小夜
風土
200312
訛りある舞妓もをりて秋日傘
滝本香世
百鳥
200312
湖へ秋の日傘のふくらめり
青山丈
200312
人待つに秋の日傘を開きけり
野内妙子
200312
麟麟より高くひらきし秋日傘
小林朱夏
200312
秋日傘さしかけてくる妻の老ゆ
閑田梅月
馬醉木
200401
蕉翁の裾に逃げ込む秋日傘
稲畑廣太郎
ホトトギス
200409
曳船にちよこんと赤き秋日傘
稲畑廣太郎
ホトトギス
200409
今年ほど持ちて出掛けし秋日傘
稲畑汀子
ホトトギス
200409
秋日傘シナリオのごと坂に出し
岡本眸
200409
秋日傘老いて眠たき沼の色
岡本眸
200410
女来て塀に影生む秋日傘
岡本眸
200410
夕日見てみな向かうむき秋日傘
中山純子
万象
200411
ポストまでけふは二度秋日傘
青木政江
酸漿
200411
秋日傘水面の照りの衰へず
大串章
百鳥
200411
秋風にさからつてゆく日傘かな
板橋智恵子
百鳥
200411
高さうな犬連れて行く秋日傘
浅川正
雲の峰
200411
誰に逢ふとも言はぬまま秋日傘
堀一郎
雲の峰
200411
海を見にホームの端へ秋日傘
若林杜紀子
百鳥
200412
しばらくは濠に佇む秋日傘
前迫寛子
河鹿
200501
法善寺横丁へ入る秋日傘
堀内千鶴子
帆船
200501
古径展観に行く列の秋日傘
大槻球子
遠嶺
200212
秋日傘遠ざかりゆく砂丘かな
日浦静代
百鳥
200511
ビル風のふいに煽りぬ秋日傘
市原美恵
200511
万博の人人のなか秋日傘
須賀敏子
あを
200511
秋日傘海が見ゆると歩をとどめ
片山由美子
200512
秋日傘アメリカ夫人笑顔よき
丸山佳子
京鹿子
200512
秋日傘ひしめく参道銀閣寺
三反田輝夫
河鹿
200601
秋日傘人の流れに逆らひぬ
立花かほる
六花
200601
さざなみのしろがねづくし秋日傘
高橋さえ子
200601
吟行の木道歩む秋日傘
道給一恵
遠嶺
200602
秋日傘デッキチェアーのまどろみに
品川鈴子
ぐろっけ
200610
一列に燈上りゆく秋日傘
久保田嘉郎
酸漿
200611
引越しの女の荷物秋日傘
濱上こういち
200612
秋日傘望郷の句碑に佇めり
遠藤白雲子
200612
秋日傘旅の座長に女の香
松本恒司
ぐろっけ
200612
白樺の林抜けゆく秋日傘
山田暢子
風土
200612
秋日傘まだ帆を張れる齢とも
山中志津子
京鹿子
200701
銅像の裏へ廻りし秋日傘
垣岡暎子
火星
200702
水辺りの草樹匂へり秋日傘
高橋さえ子
200702
再会や湖光あふるる秋日傘
佐々木幸
200702
汐けむりふりかぶりゐる秋日傘
百瀬七生子
海光
200705
悌の甦りたる秋日傘
稲畑廣太郎
ホトトギス
200709
秋日傘黒は汚れの目立たざる
稲畑汀子
ホトトギス
200709
さすお洒落ささぬお洒落も秋日傘
稲畑汀子
ホトトギス
200709
バス去りて野の広がりし秋日傘
根岸善行
風土
200711
東山三条下る秋日傘
生田作
風土
200712
秋日傘繕ふたまごいろの糸
風間史子
200712
生国の長きたう往く秋日傘
伊藤豊美
遠嶺
200712
秋日傘悲しきときは傾けて
細川コマヱ
雨月
200712
武蔵野の樹間しづかに秋日傘
加瀬美代子
200712
樹々の風聴かむとたたむ秋日傘
伊藤奈津
200712
秋日傘閉ぢて華僑の路地を抜く
荒井千佐代
200712
跳ね橋の上るを待てる秋日傘
河崎尚子
火星
200801
子午線の町へ降りたつ秋日傘
前田忍
火星
200801
人の世へ戻りて来たる秋日傘
富沢敏子
200801
秋日傘傾け男近寄せず
大久保白村
ホトトギス
200802
老へ歩の低くすすめる秋日傘
真保喜代子
200802
川下りの飛沫を浴びる秋日傘
新倉舒子
200803
咳こむや傾ぎかしぎて秋日傘
岡本眸
200809
秋日傘佳人いふことにしとこか
稲畑廣太郎
ホトトギス
200810
秋日傘まだ続きゐる立ち話
棗怜子
春燈
200811
風そより歩道橋ゆく秋日傘
上原重一
200811
上野より鶯谷へ秋日傘
須賀敏子
あを
200811
バス停の大樹に畳む秋日傘
秋千晴
200902
世間より己を隠す秋日傘
葦原葭切
春燈
200902
秋日傘句敵といふ二人連れ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200909
秋日傘誰も差しかけてくれへん
稲畑廣太郎
ホトトギス
200909
膝を折り供華に水足す秋日傘
田村園子
200911
秋日傘まはし心の揺れ宥む
高垣和恵
雨月
200911
見舞ひ来て静かにたたむ秋日傘
大澤洋子
酸漿
200911
わが影の老人歩き秋日傘
田中藤穂
あを
200911
歩みきて文学館へ秋日傘
田中藤穂
あを
200911
秋日傘犬の歩みに合はせをり
後藤とみ子
ぐろっけ
200912
ふり向かず手を上ぐ妻の秋日傘
石田きよし
201001
秋日傘ひとつ遠くの帆のやうに
岩岡中正
ホトトギス
201003
窶れかくす秋の日傘となりにけり
見田英子
春燈
201009
菊柄の帯ちらちらと秋日傘
ことり
六花
201010
我が儘であること誇り秋日傘
吉田希望
201011
狛犬に秋の日傘の落ち合へる
蘭定かず子
火星
201011
潮騒に身をひたしゆく秋日傘
佐藤いね子
馬醉木
201012
影もまた秋の日傘でありにけり
芝尚子
あを
201012
会釈して鳩を翔たせる秋日傘
鴨下昭
201101
秋団扇秋扇秋日傘行く
稲畑廣太郎
ホトトギス
201109
そこまでを雨に開きし秋日傘
稲畑汀子
ホトトギス
201109
秋日傘みんなかくれていなくなる 鴨下昭 201112
仲見世や傾げて通る秋日傘 安藤久美子 やぶれ傘 201112
水に映え遠ざかりゆく秋日傘 天谷翔子 火星 201112
シャッター音せせらぎ歩む秋日傘 福田かよ子 ぐろっけ 201112
秋日傘とほくの海のまぶしくて 大川ゆかり 201112
かたむけて秋の日傘となりてゐし 辻美奈子 201112
ならざかや鴟尾の傾く秋日傘 雨宮桂子 風土 201112
お茶会へ妣の帯しめ秋日傘 辻香秀 201201
秋日傘低く傾しげて花屋まで 細川知子 ぐろっけ 201201
陰口も何処吹く風の秋日傘 松田都青 京鹿子 201202
秋日傘ゆつくりあるくベビーカー 池田光子 201210
影少し長くなりたる秋日傘 和田森早苗 201211
外出終へ日差しをたたむ秋日傘 大川暉美 末黒野 201211
電柱の影と重なる秋日傘 きくちきみえ やぶれ傘 201212
秋日傘運河の風の青青と 水野範子 ぐろっけ 201212
砂丘まで十分ほどの秋日傘 今井千鶴子 ホトトギス 201301
喪帰りの籠るごとくに秋日傘 大川ゆかり 201301
ひとりには一人の小蔭秋日傘 和田慈子 末黒野 201301
ゴルフウィドウの一人吟行秋日傘 田嶋洋子 七線譜 201306
嬰児の薄目開けたり秋日傘 赤座典子 あを 201310
したり顔にくき男の秋日傘 川山根征子 201311
秋日傘させばをとこもひらがなに 濱上こういち 201311
さざ波の寄する浜辺を秋日傘 廣瀬雅男 やぶれ傘 201311
高野槙買ふ秋日傘たたみけり 山尾玉藻 火星 201311
地下出て斜めにかざす秋日傘 伊東和子 201312
秋日傘女の意地のハイヒール 後藤マツエ 201312
波音を胸にたためる秋日傘 藤田素子 火星 201312
秋日傘太陽軽くなりにけり 高村令子 風土 201401
ゆきあひの空の渋滞秋日傘 江島照美 201401
また京都殺人事件秋日傘 南北佳昭 船団 201403
秋日傘の影のとらへし道をしへ 山本耀子 絵襖 201404
秋日傘たたみ日陰の色となる 今井肖子 ホトトギス 201407
嬰児の薄目開けたり秋日傘 赤座典子 あを 201410
跛引いて行かねばならぬ秋日傘 川村文英 ろんど 201411
秋日傘ななめ坐りに茶の床几 山田六甲 六花 201411
劇場に屋上庭園秋日傘 赤座典子 あを 201412
焼きたてのフランスパン提げ秋日傘 寺沢千都子 万象 201412
秋日傘北病棟へたたみけり 数長藤代 201412
辰鼓楼は待合ふ基点秋日傘 浜福恵 風土 201412
秋日傘さしかけ墓へ語りをり 久布白文子 馬醉木 201501
秋日傘川に映して橋渡る 石原節子 春燈 201511
秋日傘少女の像を袖囲ひ 田村すゝむ 風土 201511
桟橋に逢うて別るる秋日傘 田村すゝむ 風土 201511
出番待つテントの嬰に秋日傘 赤座典子 あを 201511
秋日傘在所の道のよく曲り 市村明代 馬醉木 201512
銀座には銀座の匂ひ秋日傘 金子正道 京鹿子 201512
次の波つぎの波待つ秋日傘 中村洋子 風土 201512
秋日傘日ざしからりとありにけり 今橋眞理子 ホトトギス 201602
秋日傘きのふ白波立ちし浜 田邊豊子 201602
ハンチング少し遅れて秋日傘 森清堯 末黒野 201602
秋日傘二人並んで墓地を行く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
痩身の影すつぽりと秋日傘 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
秋日傘雨に濡らして帰りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201609
秋日傘たたみて風を仰ぎけり 今井肖子 ホトトギス 201610
秋日傘差し花嫁となりゆける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
子規庵の開門を待つ秋日傘 奥田茶々 風土 201612
夕まぐれ熱きままなる秋日傘 赤座典子 あを 201610
半生を時計まはしの秋日傘 高野春子 京鹿子 201702
友情がないぶん友達秋日傘 寺田伸一 船団 201702
秋日傘法事を決めて帰りけり 中川句寿夫 ここのもん 201705
秋日傘傾げて魚籠を覗かるる 中川句寿夫 ここのもん 201705
高層の間を抜け来て秋日傘 秋葉雅治 201711
閉店のパルコに開く秋日傘 波戸辺のばら 201712
丸ビルの分厚き扉秋日傘 箕輪カオル 201712
けふの旅とす秋日傘さしてより 辻美奈子 201712
木洩れ日を乗せてくるりと秋日傘 浜田久美子 六花 201712
やや褪せてより秋日傘らしくなる 今井千鶴子 ホトトギス 201802
妻遣したる秋日傘何ン本も 木村享史 ホトトギス 201804
たたみたるまま持ち帰る秋日傘 稲畑汀子 ホトトギス 201809
秋日傘閉ぢ野の色に紛れゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
秋日傘連ねて母の遠忌かな 千田百里 201811
いつしかに秋の日傘となりてゐし 山田暢子 風土 201811
遠ざかる重さに開く秋日傘 亀井福恵 京鹿子 201902
オランダ坂秋の日傘をひと回し 荒井千佐代 201911
秋日傘ドラマ一つを棄ててきし 井上菜摘子 京鹿子 201911
コンビニを出て開きたる秋日傘 廣瀬雅男 やぶれ傘 201911
秋日傘持ってるだけでホッとする 林田麻裕 201912
秋日傘 →2      

 

2023年9月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。