日 傘 4            99句

昼が夜となりし日傘を持ちつづけ    波多野爽波

日傘  絵日傘  秋日傘  春日傘  パラソル

作品
作者
掲載誌
掲載年月
回し行く日傘の包む笑顔かな 並木重助 酸漿 200610
時刻表見る白日傘黒日傘 舛田初惠 酸漿 200610
出迎の日傘まはして海の前 高橋さえ子 200610
足下に落つる日傘の影の濃し 久保田真理 200610
賑やかに日傘を畳むテラスかな 阪本哲弘 200611
島神をあがめて日傘たたみけり 高根照子 200611
待たされし日傘に夫を入れにけり 吉田島江 火星 200611
遊亀の画の母子のやうな日傘ゆく 篠原幸子 春燈 200611
白日傘とぢてこの世の水をのむ 吉澤利治 遠嶺 200611
十人の反戦デモ隊白日傘 平田紀美子 風土 200611
身籠りて匂ひたつ子や白日傘 成智いづみ 馬醉木 200611
対岸の夫に日傘を高振りす 今井忍 ぐろっけ 200612
山門へ九月の日傘たたみけり 植松安子 200612
日傘もういらぬ句会に急ぎけり 浅井青陽子 ホトトギス 200702
ひとつづつ顔のありたる日傘かな 百瀬七生子 海光 200705
白日傘黒日傘絵日傘闊歩 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
一会にて詩仲間となる黒日傘 品川鈴子 ぐろっけ 200706
黒日傘組みたるあしの他見えず ことり 六花 200706
声かけてあら人違ひ紺日傘 横山迫子 六花 200706
美しき過去絵日傘にをさめけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
絵日傘の万華鏡めく交差点 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
黒日傘さして白づくめの女 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
滝壷へ近づきゆける日傘かな ことり 六花 200707
滝風に日傘飛ばされゆきにけり ことり 六花 200707
草の名を僧に聞きをる白日傘 加瀬美代子 200707
軽やかに燈を降りくる白日傘 吉沢洋子 200708
行く先は内緒日傘を廻しけり 藤井佐和子 200708
追ひ越して行く横顔と白日傘 宮津昭彦 200708
ビル風に骨を折らるる白日傘 新倉舒子 200708
詩の道をかろやかに行く白日傘 横松しげる 遠嶺 200708
スクランブルに日傘ふれあふ多佳子の忌 寺坂近子 風土 200708
愛しめぐ干す雨傘を日傘とし 林翔 200708
色白の昭和遥けし黒日傘 秋葉雅治 200708
まつすぐに来る舟の上の白日傘 山尾玉藻 火星 200708
知らぬ間に日傘下げをり蝉の森 ことり 六花 200708
突堤や日傘の影の小さくて 長沼紫紅 200708
白日傘誰待つでなく歩きけり 長沼紫紅 200708
白日傘たたみてこぼる陽の匂ひ 中村悦子 200709
日傘さすなべて黒色つまらなし 加藤峰子 200709
白日傘監視カメラを外れけり 宮澤さくら 遠嶺 200709
大桟橋真直に行く日傘かな 神蔵器 風土 200709
信号待つ母の日傘に母のこゑ 平田すみ子 風土 200709
菖蒲園の日傘白より黒多し 竹尾志眞子 200709
日傘ふとうれしきときは回しをり 吉武千束 200709
影さがす日傘の中のあめんぼう 西山美枝子 酸漿 200709
このところ日傘恃みの用多き 坪井洋子 200709
白日傘とぢて隣へ遠会釈 河本由紀子 春燈 200710
にこやかに斜め会釈の白日傘 岡野ひろ子 200710
畳まむと日傘の張りや仁王門 加藤季代 万象 200710
日傘より檄とばされて草野球 林弘 200710
白日傘かざし「地獄の門」仰ぐ 森田節子 風土 200710
待ち合す日傘を高く挙げにけり 須藤美智子 風土 200710
畳みゐる日傘に残る熱さかな 佐野つたえ 風土 200710
レース張り母の遺品の白日傘 池崎るり子 六花 200710
夢二絵の貌のひとりや白日傘 和田照海 京鹿子 200710
絵日傘や病棟回る女医ひとり 伊吹之博 京鹿子 200710
何処へか日傘をさして嫁姑 田中峰雪 雨月 200710
久闊や日傘をたたみ駆け寄りぬ 東野鈴子 雨月 200710
対岸へ日傘を振れば声返り 小島みつ代 200710
帆のごとく日傘翳せる舟の上 野路斉子 200710
日傘より足出て歩く原爆忌 樋口みのぶ 200711
白日傘黒日傘とて橋渡る 舩越美喜 京鹿子 200711
独りゆくわが影小さき白日傘 加瀬美代子 200711
産み月の胎児に日傘傾けり 阿久津勝利 万象 200712
しんがりを母の大きな日傘行く 岩岡中正 ホトトギス 200801
浜日傘風知るためのイヤリング 木山杏理 京鹿子 200801
女三人黒日傘二つ 火箱遊歩 船団 200801
絵のやうな日傘出島を逍遙す 築城京 馬醉木 200804
俄雨しのぎにつかひたる日傘 山田六甲 六花 200804
天地をくるりと廻す白日傘 林友次郎 天帝 200806
日傘さすとき突堤をおもひ出す 岡本眸 200807
また同じ日傘に出合ふ石塀小路 村上絢子 馬醉木 200808
面影の母は束髪白日傘 林翔 200808
療院まで日傘を杖にしてしまふ 渕上千津 200808
大仏殿の闇に日傘を脇ばさむ 山尾玉藻 火星 200808
照返し入れつつ日傘進みけり 山田六甲 六花 200808
花刺繍の日傘水色空の色 奈佐幸子 200809
パドックの馬を見に立つ白日傘 成宮紀代子 200809
逆転のヒット日傘の総立ちす 成宮紀代子 200809
号外を受け取つてゐる日傘かな 小林奈穂 200809
菩薩の背拝すに列の日傘かな 青山正生 200809
メトロより出でし漢の手に日傘 妹尾貞雪 春燈 200809
逢ひたくて母の墓前に白日傘 岡野ひろ子 200809
すれ違ふ日傘花柄匂はせて 舩越美喜 京鹿子 200809
にわか雨日傘で避けてをりにけり 永田勇 六花 200809
さざ波や絵日傘一つ遠ざかる 岸本久栄 雨月 200809
白日傘オランウータンに見上げられ 野崎タミ子 炎環 200809
廻しつつ畳む日傘の先に君 浦川聡子 炎環 200809
太陽をころがしてゐる白日傘 竹内悦子 200809
ハーブ園列なす日傘子等すり抜け 木原今女 ぐろっけ 200809
黒日傘人形焼を手土産に 安藤久美子 やぶれ傘 200809
頭頂と日傘の間の風の道 赤座典子 あを 200809
日傘してシャッターチャンス構へ待ち 山口キミコ 200810
すれ違ふ度に傾く日傘かな 竹中一花 200810
日傘さし縁を切りたき手を合はす 竹林月夜 春燈 200810
塔裏の風の冥加を白日傘 渡辺昭 200810
目礼ですます互に日傘さし 舩越美喜 京鹿子 200810
階段の影の段々白日傘 丹羽晶子 炎環 200810
啼きごゑの鵜籠の方へ白日傘 奥田順子 火星 200810
日傘 5→      

 

2021年7月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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