日傘 3            99句

母の忌や一つ日傘を姉とさし    渡辺恭子

日傘  絵日傘  秋日傘  春日傘  パラソル

作品
作者
掲載誌
掲載年月
日傘閉ぢ大佛様を拝しけり 大西八洲雄 万象 200408
三人の日傘の一人立ちどまる 山尾玉藻 火星 200408
花水木夫の選びし日傘して 野澤あき 火星 200408
真つ直ぐに沖を見てゐる日傘かな 近藤幸三郎 風土 200408
夕風の閉ぢし日傘を脇挟み 岡本眸 200408
浦凪の駅に降りたる日傘かな 中島紅からす 草の花 200408
歩道橋粛粛と行く黒日傘 中田寿子 ぐろっけ 200408
やはらかに交はす会釈や白日傘 山口順子 200409
人違ひ気付きて日傘傾げけり 中村房子 馬醉木 200409
敦忌の黒き日傘を墓に置き 鈴木榮子 春燈 200409
花買ひに小舟でゆけり白日傘 飯塚ゑ子 火星 200409
武相荘より白日傘夏帽子 中村洋子 風土 200409
一団となりて布教や白日傘 布施まさ子 風土 200409
俄雨日傘で避ける坂の道 芝宮須磨子 あを 200409
ここだけの話日傘の中で聞く 伊藤賢三 春燈 200410
絵日傘の裏は荒海かもしれぬ 小澤克己 遠嶺 200410
擦れ違ふかすかな香り白日傘 鈴木清子 遠嶺 200410
日を押して開く日傘や蔵の町 横溝幸子 遠嶺 200410
灯台へ続く坂道白日傘 中嶋陽子 風土 200410
列車過ぎ日傘の女立つてゐる 高木智 京鹿子 200410
日傘より少し離れて歩きけり 後閑達雄 対岸 200410
日傘差し白ききびすの軽やかな 佐治奈津 雨月 200410
蔵町の主役のごとく白日傘 戸田円三 200411
膝の辺に日傘の温し映画館 林昭太郎 200411
世阿弥忌の太鼓橋来る日傘かな 比田誠子 百鳥 200411
日傘置き三本杉といふを撫づ 山口マサエ 雲の峰 200411
銅鐸に弥生なかばの絵の日傘 林日圓 京鹿子 200411
武家屋敷曲角より白日傘 内藤ゑつ ゑつ 200411
錦帯橋のおばしまの耀り黒日傘 林美水流 河鹿 200412
婚近し母の日傘に素直に入る 服部早苗 200412
老や佳しひらく日傘は夫が持ち 岡本眸 200412
ちりちりと日傘通して日矢の降る 竹内方乃 ぐろっけ 200412
すれ違ふ日傘に小倉遊亀図思ふ 安永圭子 風土 200501
絵日傘の様に咲きゐるしだれ梅 田辺哲子 帆船 200505
鳶影に日傘一瞬打たれたる 山田六甲 六花 200506
閑居とは隅にたためる白日傘 岩上とし子 200507
地下道へ忽と吸はれし日傘かな 淵脇護 河鹿 200508
サヨナラを残して小さくなる日傘 永利恍郷 河鹿 200508
尼様のまれの外出や白日傘 川勝春 馬醉木 200508
傾ぎつつ湾処へ下りし白日傘 山尾玉藻 火星 200508
黒日傘振り向きもせず乗船す 大串章 百鳥 200508
日傘たたみ訪ふまなざしの涼やかに 中西道子 百鳥 200508
絵日傘の少女ひらひら三の丸 堀井乃武子 ぐろっけ 200508
古墳より古墳の見ゆる白日傘 松本恒子 ぐろっけ 200508
湿原の歩板を渡る白日傘 平野照子 築港 200508
白日傘遠目美人といはれけり あさなが捷 200508
水神を覗きて行きし日傘かな 青山丈 200508
バス停の小さき椅子に白日傘 芝宮須磨子 あを 200508
貴婦人になりきる白き日傘かな 高村洋子 遠嶺 200509
マーメイド号日傘の影に着きにけり 浜口高子 火星 200509
リボンして忘られてをり白日傘 高橋道子 200509
応援の目をつむりをり白日傘 高杉風至 百鳥 200509
校庭をよぎる教師の日傘かな 浜和佳子 百鳥 200509
辰雄忌や日傘たためば森匂ふ 前田陶代子 200509
桜巨樹めぐりめぐりて白日傘 長谷川史郊 馬醉木 200510
祝ぎごとの島にをりたる白日傘 田中英子 火星 200510
糠漬けのかすかに匂ふ日傘の手 永塚尚代 ぐろっけ 200510
大砲の筒先に立つ白日傘 比田誠子 百鳥 200510
日傘して小笠原流総師範 石川英利 百鳥 200510
黒日傘眉うごかさぬおんなかな 北川孝子 京鹿子 200510
海響は母が呼ぶ声白日傘 沼田巴字 京鹿子 200510
をのこさす日傘の意匠凝りにける 西村しげ子 雨月 200510
潮の香を溜めて日傘をたゝみけり 木内美保子 六花 200510
日傘挿しゴルファーコース移動する 山本よしを 築港 200510
日傘持ち地下街ばかり通りをり 大杉千津子 築港 200510
江ノ島の橋の長さや白日傘 石川笙児 200510
愛用の日傘古りけり夫亡き後 坪井洋子 200510
贈られしわたし好みの白日傘 林和子 200511
子の言葉素直に容れて白日傘 神宮きよい 馬酔木 200511
山鳩鳴く参道日傘広げけり 石川敬子 対岸 200511
手短かに道を教へる白日傘 三浦澄江 ぐろっけ 200511
再会に意味なく廻す白日傘 あさなが捷 200511
黒日傘直射日光転げ落つ 名和美枝子 八千草 200511
本探す街角図書館日傘さし 森津三郎 京鹿子 200512
つくば嶺の光押し上げ白日傘 山下升子 八千草 200512
草の香にまみれし旅の白日傘 山田弘子 ホトトギス 200601
黒日傘一つに流れて道渡り 井上加世子 ぐろっけ 200601
濤おとや今昔杳として日傘 吉村たけを 海市蝶 200606
陸橋下出づる日傘をひと振りす 岡本眸 200606
鳥語聴く日傘十五度傾けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
草原に黒日傘てふ句読点 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
富士塚へ登るに日傘たたみけり 市川翠峯 200607
水音の日傘にはねて来たりけり 山田六甲 六花 200607
日傘を雨に女心のかはるとき 堀内一郎 あを 200607
白日傘まはしたねやの栗饅頭 久米憲子 春燈 200608
お隣に黒き日傘のひと停てり 神蔵器 風土 200608
黒日傘袋小路に入りにけり 杉浦典子 火星 200608
饒舌のひとを躱せり白日傘 山口順子 200609
ゴルファーの日傘かざしてすれ違ふ 鷹羽狩行 200609
白日傘新京極の蛸食べに 山尾玉藻 火星 200609
見え隠れするポピンズの白日傘 吉田明子 200609
たたまれて俄に暗くなる日傘 齊藤實 200609
丹田も露はな乙女黒日傘 山口博通 ぐろっけ 200609
生垣の陰より出でし白日傘 坂本幸子 酸漿 200609
帝釈天の山門くぐる白日傘 中島静子 酸漿 200609
歩き神冥き日傘を折り畳む 栗栖恵通子 200610
白日傘表通りへ出てひらく 柳生千枝子 火星 200610
軽井沢邸宅内を日傘行く 阿部由紀子 200610
白日傘覗かれてゐるうしろ髪 宇都宮滴水 京鹿子 200610
日傘 4→      

 

2021年7月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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