日傘 2            100句

日傘さすとき突堤をおもひ出す    岡本眸

日傘  絵日傘  秋日傘  春日傘  パラソル

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
病院に畳む日傘のほてりかな
高橋さえ子
200110
日傘もて人に呼ばるる港かな
冨田正吉
200110
高台の立子の句碑や白日傘
内藤紀子
遠嶺
200111
白日傘女は老いて海を見る
湯浅夏以
遠嶺
200112
ふみみふまずみ緒絶の橋を黒日傘
桜井菜緒
200202
羽づくろひして何くはぬ黒日傘
佐渡美佐子
船団
200202
退院の母にさしかけ白日傘
永本純子
200203
颯爽と日傘取り出す佳人かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200205
市役所に野暮用ありて白日傘
山田暢子
風土
200207
一瞬に日傘雨傘へと変はり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200207
その中の孤高に紺の日傘かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200207
鉄柵をギイと出てゆく白日傘
竹内弘子
あを
200207
餓鬼道に投げ捨ててあり白日傘
山崎未可
銀化
200207
白象と汀を歩み白日傘
山本田津子
200207
朔太郎忌生家の跡へ白日傘
高瀬志ず江
風土
200208
待合はす娘の日傘新しき
小峯雅子
酸漿
200208
伎芸天の御堂でたたむ白日傘
内田靖子
春耕
200208
被せかけて乳母日傘の牡丹かな
三村純也
ホトトギス
200209
馬券売場にちよつと止まりし白日傘
浜口高子
火星
200209
孕みたる風に浮かしてゆく日傘
橋田憲明
円虹
200209
潮の香を入れ桟橋を歩す日傘
村田明子
円虹
200209
三門へ坂一筋の白日傘
鈴鹿仁
京鹿子
200209
数珠もつて正座しにゆく日傘かな
飯塚ゑ子
火星
200209
喫煙所日傘を提げて出でゆけり
望月周
百鳥
200209
銀將橋先行くひとも黒日傘
黄川田美千穂
200209
無人駅抜け道となり黒日傘
田中せつ
帆船
200209
午後二時の待ちあぐねたる黒日傘
藤井基史
帆船
200209
八達嶺登る日傘を高々と
笹倉さえみ
雨月
200209
短命な砂のふた文字白日傘
渡辺知美
銀化
200209
白日傘にて包み込む舌禍かな
篠原俊博
銀化
200209
太腿のふるふる揺れる日傘かな
林裕美子
六花
200209
お狐は細身でありし白日傘
堀内一郎
あを
200209
にこやかに近づいてきし白日傘
田中藤穂
あを
200209
白日傘湖北に風の立ちにけり
斉藤由美子
ぐろっけ
200209
夕暮れがまだまだ来ぬよ白日傘
吉田久子
200210
磐梯山を容れし日傘の動かざる
田中矢水
遠嶺
200210
白日傘差して花柄映えにけり
宮津昭彦
200210
日傘からこぼるる笑顔道を問ふ
伊藤いな栄
酸漿
200210
日傘して革命基地の碑を仰ぐ
網野茂子
酸漿
200210
草原の広さに開く日傘かな
磯野しをり
雨月
200210
何処にか絹の日傘を忘れきし
寺島順子
雨月
200210
さびしくて日傘くるくる回しけり
明田和子
200210
逢へざりし悔ぽきぽきと日傘たたむ
下村志津子
銀化
200210
雨傘を日傘に下校の昼下り
蔵本博美
ぐろっけ
200210
日傘預けて迷路めく美術館
野澤光代
ぐろっけ
200210
足弱の母の日傘の後歩む
西原康子
ぐろっけ
200210
見えすぎる日は黒日傘が似合ふ
木山杏理
京鹿子
200211
モネのよな日傘の下に逢ひにけり
小林恵子
遠嶺
200211
出航の濤岩壁に白日傘
岡本眸
200211
腕塚を拝む日傘を脇挟み
馬越幸子
ぐろっけ
200212
置き傘を日傘に変へし無人駅
川合正男
ぐろっけ
200212
踏切に日傘が溜り風がたまり
田中美智代
200302
行きあいの空くるくると黒日傘
小菅美代子
ぐろっけ
200302
石垣の粗き秩父路白日傘
阿部正枝
絵具箱
200304
防波堤進むモーゼの白日傘
小林朱夏
200305
今日のこと話す日傘を閉ぢながら
稲畑汀子
ホトトギス
200307
ともかくも日傘をさして行くことに
稲畑汀子
ホトトギス
200307
太陽を日傘の中に一つかな
山田六甲
六花
200307
本丸を日傘で隠す女かな
山田六甲
六花
200307
日傘して光を買ひに行きませう
山田六甲
六花
200307
檀家衆寺の牡丹へ日傘を立つ
小山梧雨
200307
洞窟に二三歩入りし日傘かな
山尾玉藻
火星
200307
神殿を戻る日傘とすれ違ふ
浅田光代
風土
200308
絵日傘の通りすぎゆく武家屋敷
高木智
京鹿子
200308
おもざしのあなや空似の黒日傘
伊藤白潮
200308
白日傘杖ともなして磴のぼる
重森健吉
築港
200308
順路行く日傘閉ぢたり開いたり
上出曙美
築港
200308
絵日傘に手をあげ海女の潜りけり
忽那保
雲の峯
200308
パフェ食べし唇甘し白日傘
徳永真弓
百鳥
200308
妹が喜寿の祝ひに黒日傘
長谷川としゑ
ぐろっけ
200308
王陵に陰をもたらす日傘かな
浜田南風
200309
一礼のふはりと傾ぐ白日傘
伊藤敬子
遠嶺
200309
ジーパンの舞妓のまはす白日傘
山口マサエ
雲の峰
200309
出航を見やり日傘の無言なる
大串章
百鳥
200309
丹田に力の入らず黒日傘
折橋綾子
200309
白日傘看取りの椅子にもたせあり
城孝子
火星
200309
香を手に日傘の列や市営墓地
毛利宏
酸漿
200309
寺の磴降りる日傘を高くしぬ
岡本眸
200309
姫塚の供華挿し替ふる白日傘
秋山ユキ子
200309
日傘まはして木洩日をもてあそぶ
馬場公江
200310
日傘廻し体育系の女学生
吉田裕志
200310
日傘たたんで老婆小さくなりにけり
梅村すみを
200310
遠き日を追ひ母の日傘を閉ぢにけり
鈴木夫佐子
200310
日傘傾げ汝の視線を避けてゐる
中島知恵子
雨月
200310
立話日傘ひとつにひそひそと
細川コマヱ
雨月
200310
迷ひ猫さがす日傘をたたみけり
谷上佳那
百鳥
200310
運勢を聞くに日傘の列につく
吉田明子
200310
この世から出てゆくやうに白日傘
富沢敏子
200310
茶わん坂日傘の舞妓またここで
丸山佳子
京鹿子
200310
ひとすぢの風の先なる白日傘
豊田都峰
京鹿子
200310
鴨川の流れ見てゐる日傘かな
水田清子
200310
黒日傘象頭人身像拝む
黒田咲子
200311
黒日傘決して許さぬ顔がある
直江裕子
京鹿子
200311
日の匂ひ嗅ぎし真白な日傘かな
岩崎恵子
200312
相鎚をうちつポキポキ日傘折る
武田正子
ぐろっけ
200312
迷ひ猫探す日傘をたたみけり
谷上佳那
百鳥
200402
翁道思考の日傘深うして
藤井寿江子
馬醉木
200407
膕に水の影ろふK日傘
佐藤喜孝
あを
200407
色黒は仕方なきとて日傘さす
上原口チヱ
ぐろっけ
200407
一塁側応援席の日傘かな
青池亘
百鳥
200408

 

2020年7月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。