春疾風 2     78句

春疾風屍は敢て出でゆくも    石田波郷

春荒  春疾風  春嵐  春はやて  春北風  春ならひ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
補聴器の音の尖りや春疾風 藤原照子 201605
シーバスの汽笛千切れる春疾風 佐藤惠子 風土 201605
海鼠壁豆州松崎春疾風 飯田久美子 末黒野 201605
クランブル交叉点一気に渡り春疾風 佐藤まさ子 春燈 201605
春疾風川辺に揺るる舫ひ船 白石正躬 やぶれ傘 201605
春疾風五彩の幕の揺れやまず 石黒興平 末黒野 201606
バツグ一杯介護の本を春疾風 伊藤希眸 京鹿子 201607
六角堂丸ごと揺する春疾風 内海保子 万象 201610
江の島へ帆を集めをり春疾風 庵原敏典 末黒野 201704
春疾風空一枚をはがし去る 小林昌子 馬醉木 201705
犬槙の大樹のうねり春疾風 辻美奈子 201705
春疾風待ち会ふ時を狂はせり 東正則 末黒野 201705
閉店の紙裏返す春疾風 長谷川はまゆう 末黒野 201706
春疾風仁丹わたしの鎮静剤 木戸渥子 京鹿子 201707
参道の松の高きを春疾風 遠山のり子 201706
春疾風くの字に曲がる古街道 南北佳昭 船団 201802
春疾風額田王の胸に 東英幸 船団 201802
春疾風さうか手品の種明し 齊藤實 201804
兜町からウォール街へ春疾風 岩下芳子 201805
モンローの衣ひるがへす春疾風 持田信子 春燈 201805
春疾風籠の青菜の飛びたがる 甲州千草 201805
春疾風蛇口の弁を換へてをり 甲州千草 201805
春疾風欠航告ぐる手書き文字 中西恒弘 201805
船舷に波迫り上ぐや春疾風 安斎久英 末黒野 201805
出航の遅れてをりし春疾風 谷村祐治 雨月 201806
戸袋の夜はからつぽ春疾風 菊地光子 201806
後鳥羽院胡座をかくや春疾風 たかはしすなお 201806
春疾風ドミノと化すや駐輪場 長谷仁子 春燈 201808
切れ切れに牛の鳴き声春疾風 石黒興平 末黒野 201808
吹けば吹くほどにまぶしき春疾風 宮崎洋 春燈 201905
あかさたな挑む脳トレ春疾風 植村蘇星 京鹿子 201905
独り居と見せむ気骨や春疾風 植村蘇星 京鹿子 201905
東雲や不開門あかずのもんに春疾風 東珠生 京鹿子 201905
地も空も埃にまみれ春疾風 佐津のぼる 六花 201905
春疾風起きろ歩けと戸を叩く 樺山翌 雨月 201905
破れ寺の首欠地蔵や春疾風 鈴木鳳来 春燈 201906
春疾風乗車位置よりずれるドア 甲州千草 201906
三、四の手読みの深さや春疾風 植村蘇星 京鹿子 201906
春疾風わだち啄む番鳥 笹村政子 六花 201906
春疾風主婦入院の一大事 赤塚篤子 末黒野 201906
影向の松の偉容や春疾風 都築繁子 201907
春疾風老松の枝波打てり 篠田純子 201907
仁徳陵杜の木樹うつ春疾風 吉田万喜子 雨月 201907
二輪車の進路をはばむ春疾風 西村白杼 京鹿子 201907
スカジャンの竜の目玉や春疾風 斉藤マキ子 末黒野 201907
春疾風筆に背中のありにけり 伊藤隆 201908
春疾風工事現場を軋ませて 仁上博恵 201909
春疾風物干竿はいづれへぞ 壺井久子 馬醉木 202004
春疾風しかめつ面の眩しげに 辻美奈子 202005
にはとりのゐない鶏小屋春疾風 藤井奨晴 やぶれ傘 202005
白波の白波を呑み春疾風 森清信子 末黒野 202006
春疾風我が白髪の天を衝き 滝口洋子 末黒野 202006
牧駆ける馬のたてがみ春疾風 石塚清文 やぶれ傘 202006
土煙り立てて過ぎたる春疾風 村田武 やぶれ傘 202006
春疾風子象の硬き産毛かな 岡本尚子 風土 202006
休業の貼り紙飛ばす春疾風 田中玉泉 風土 202007
春疾風抱きて離れぬ道祖神 高村令子 風土 202007
春疾風ベンチ無人の昼休み 柿沼盟子 風土 202007
低気圧西に東に春疾風 及川照子 末黒野 202007
春疾風水撤けば即砂ぼこり 湯本正友 やぶれ傘 202007
春疾風追ひし心の絡まりぬ 江島照美 202008
春疾風ブライユで知る恩師の訃 堅山道助 風土 202011
片隅に地鶏固まる春疾風 森岡正作 202104
地獄耳政界騒ぐ春疾風 豊谷青峰 春燈 202105
七重八重逆巻く怒濤春疾風 長尾タイ 末黒野 202105
春疾風ありえぬ噂聞きにけり 小池桃代 末黒野 202105
体幹を鍛錬中や春疾風 渡部恭子 202105
春疾風五年日記の今日を記す 瀬戸美文 202105
春疾風トランペットと少年と 中野あぐり 春燈 202107
半鐘の用無く立つや春疾風 大霜朔朗 末黒野 202107
草々の葉裏を返す春疾風 湯本正友 やぶれ傘 202108
逝く犬のおなかの熱し春疾風 田中とし江 202108
東塔の風鐸響く春疾風 井上和子 202108
春疾風声をのこして鳥の翔つ 小林共代 風土 202204
公園のテントが歪む春疾風 渡邊孝彦 やぶれ傘 202206
春疾風鳶巻き揚ぐる三崎口 平田きみ 末黒野 202206
額打つ枝葉のしなり春疾風 大曲ゆき枝 末黒野 202208
春疾風錆びし碇の町晒しに 相川健 202210
春疾風 →1

 

2023年3月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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