五 月 3       100句

子の髪の風に流るる五月来ぬ   大野林火   海門

作品
作者
掲載誌
掲載年月
庭の彩一挙に増えし五月かな 岸本林立 雨月 200208
詩欲りて五月の海と向きあへり 武政礼子 雨月 200208
五月かな紅茶に浮きしレモンの輪 武政礼子 雨月 200208
父母病みて娘に産月の五月来る 藤田誉子 雨月 200208
隔日の点滴に耐へ五月憂し 藤田誉子 雨月 200208
音百選の鐘午を告ぐ風五月 江木紀子 雨月 200208
子無き身の末は思はず旅五月 乗光雅子 雨月 200208
森は五月の鳥言葉草ことば 中島あきら 200208
五月連休馬耳東風にリハビリす 吉田多美 京鹿子 200208
ぎす青く生れし五月の日ざらしに 黒田咲子 200208
椰子の葉に五月の風の集まりぬ 岡山裕美 雲の峰 200208
五月の海年令不詳のワンピース 角田信子 六花 200208
五月の海斜にかまえて誕生日 角田信子 六花 200208
五月の海Tシャツ墨絵の髑髏 角田信子 六花 200208
雪嶺の未踏仰げる五月かな 中里カヨ 酸漿 200208
ライラック五月の雨の上がりけり 大内恵 酸漿 200208
やや冷えて五月はじまる朝炊ぎ 岡本眸 200208
瀬戸内の五月の海の全反射 丸山敏幸 200208
黒板の反転五月来たりけり 佐藤みほ 200209
裕次郎館五月五日の風吹ける 城孝子 火星 200209
カリヨンの響き五月の風にのり 守山井口淳子 200209
おたがひ水なり五月の扉あけ放つ 坂本敏子 京鹿子 200209
薔薇競ひ咲けり五月を送らむと 宮津昭彦 200209
旅五月父の遺愛の腕時計 寺内佶 遠嶺 200209
一望の河二筋に五月来る 湯浅夏以 遠嶺 200209
目指す師のなほ杳々と五月来る 小澤克己 遠嶺 200210
倒木の朽ちて始まる森五月 高木晶子 京鹿子 200210
五月憂し橋より橋を見てをりて 川上昌子 200210
風五月オーケストラの音合せ 梅村達子 帆船 200301
嬰に五月生れて十日の乳臭き 田中美智代 200302
子も母も無くて五月の花舗の前 長井順子 200302
たましひを野放しにして五月病む 小野寺節子 風土 200304
明るさも五月の海よ大橋よ 稲畑汀子 ホトトギス 200305
五月てふ連休疲れありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
仕事あり句会飲み会あり五月 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
五月尽任重而道遠 松山律子 六花 200305
大江戸の五月揺さ振る神輿かな 杉本光 200307
水門の魚道きらら五月来る 高橋あゆみ 200307
あげ潮にのりゆく小舟風五月 中野了一 200307
深く吸ひ浅く吐く息五月来る 村越化石 200307
ライダーの風はらませて行く五月 中野たけみ 雨月 200307
降り続く五月の雨や遠き母 須賀敏子 あを 200307
千枚田五月の風に耀ひぬ 中御門あや 雲の峯 200307
薬草の乾いてゐたる五月かな 石脇みはる 200307
やや冷えて薔薇の五月のはじまりぬ 岡本眸 200307
白根三山雲の列座の五月来ぬ 岡田貞峰 馬醉木 200308
かんばせを上げて五月の風の中 岡部名保子 馬醉木 200308
空の色海と溶けあひ五月逝く 平田はつみ 馬醉木 200308
鏡に字書くや二重の五月の詩 泉田秋硯 200308
五月憂しこきりこ館の火縄銃 柴田由乃 風土 200308
武家町を五月の水とさらり出る 松本鷹根 京鹿子 200308
きらきらと五月の薮で姫さがす 丸井巴水 京鹿子 200308
五月病み真近の吾が家夢に見て 千葉冴子 200308
二度落とし二度拾はるる五月旅 高橋道子 200308
揺り椅子の肘掛け撓ふ五月かな 田村園子 200308
酢の匂ふ風呂敷包み五月来ぬ 田村園子 200308
二人して五月の夜の炬燵かな 二瓶洋子 六花 200308
五月の夜冷えてきており雨の音 馬場美智子 六花 200308
深呼吸に終る体操風五月 出口賀律子 雨月 200308
眼の手術事なく済みて五月来る 斉藤陽子 雨月 200308
白熊の首振りやまぬ五月憂し 板橋智恵子 百鳥 200308
黄金のシュトラウス像五月来ぬ 石川英利 百鳥 200308
風五月接岸急ぐ荷役船 松原ふみ子 200308
シャネルの店出来て銀座の風五月 牧原和美 200308
そよぐもの好みし庭に五月来る 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 200308
少し泣き少し笑ひて五月果つ 新家生子 200309
田原坂遠見なれども五月光 井上信子 200309
個性惜し安芸が退くてふ五月場所 北村香朗 京鹿子 200309
干されたる病衣に動く五月の陽 十河波津 200310
自由人たらんと覚悟する五月 滝青佳 ホトトギス 200311
降りつのる雨も五月の空のもの 稲畑汀子 ホトトギス 200405
これよりは旅多き日々五月かな 稲畑汀子 ホトトギス 200405
移りゆく五月の雲の早さかな 稲畑汀子 ホトトギス 200405
皆濡れて集ふ五月の雨押して 稲畑汀子 ホトトギス 200405
秒針は微速前進五月来る 松山律子 六花 200405
もろもろは見えず五月の風を受く 鈴木白洋 雲の峰 200406
風五月テープ聞くにも涙ぐみ 鈴木白洋 雲の峰 200406
をとこようぞめ咲きて高尾の五月かな 阿部ひろし 酸漿 200406
像ひとつ歩き出したる風五月 鈴鹿仁 京鹿子 200406
やや冷えて五月はじまる朝の木々 岡本眸 200406
道五月高低ありて水勢ふ 岡本眸 200406
五月三日期限切れたる非常食 梅村達子 帆船 200407
太鼓橋渡るや門の風五月 小川初恵 帆船 200407
駅前のカルチャーセンター五月病 山崎悠二 帆船 200407
誓ひますの聖なる言葉婚五月 大橋敦子 雨月 200407
人の世に嫁ぐてふこと薔薇五月 大橋敦子 雨月 200407
嫁とりの話のすすむ風五月 高橋照子 雨月 200407
うなじまで浸す朝風呂五月来ぬ 田中藤穂 あを 200407
五月かな壁に掛けたる少女の絵 山田暢子 風土 200407
街角にメロンパン買ふ五月かな 志水芳秀 雲の峰 200407
髭結へぬ付き人もゐる五月場所 田中重子 雲の峰 200407
避難小屋前に五月の蝌蚪の水 伊藤白潮 200407
風五月少女となりて渚駆く 松井志津子 200407
文豪の熱き文読む風五月 望月晴美 200407
とろとろと五月の夕日田水張る 内山花葉 200407
沖に帆のみるみる増えて風五月 恒川絢子 対岸 200407
五月来るささやかな夢膨らませ 府川房江 遠嶺 200408
片側の泪出やすき風五月 田村園子 200408
補聴器も杖も拒めり五月病 大塚まや 京鹿子 200408
五月まぶし老いたることはまぎれなく 中西道子 百鳥 200408
五月 →4      

 

2021年5月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。