五 月 2       100句

日出前五月のポスト町に町に   石田波郷   鶴の眼

作品
作者
掲載誌
掲載年月
学生街五月の風の足早に 石本百合子 馬醉木 200012
百花咲く淡路島抜け旅五月 稲畑汀子 ホトトギス 200105
蠍座や五月の冷えのプチホテル 田中藤穂 あを 200105
日動画廊ノブのつめたき五月くる 竹内弘子 あを 200106
ショートケーキ甘し五月の風うまし 内藤悦子 あを 200106
鉄橋のとどろき青き五月かな 鷹羽狩行 200107
朝の鯉敏く反転して五月 佐藤よしい 風土 200107
補助輪をつけて風切る五月かな 大柳篤子 俳句通信 200107
老松に樹脂噴く五月来たりけり 高鴨アヤ子 春耕 200107
泣きぬれて遺影曇らす五月ゆく 岩崎婦美江 200107
霊異記にかかる夜ありき五月忌 西村和子 知音 200107
二の腕の眩し五月の死角なる 中野哲子 六花 200107
地に座せば海盛りあがる五月かな 岡本眸 200107
日まみれの五月たのしや氷菓売 岡本眸 200107
子に五月父のズボンの膝の光り 岡本眸 200107
塗り替へし燈台五月の空の芯 新田巣鳩 馬酔木 200108
小さき手が握る鉄棒五月来る 外川玲子 風土 200108
座して知る赤子に高き五月波 西山美枝子 酸漿 200108
すし清のにぎりのうまき五月なり 高橋ふじ 酸漿 200108
北国の桜吹雪の五月かな 野口年江 酸漿 200108
五月の葬登四郎晴となりにけり 林翔 200108
登四郎登四郎登四郎憶ひ五月逝く 林翔 200108
五月来と朝の彌撤曲厨より 山本三樹夫 百鳥 200108
すれちがふひとのまぶしや五月来ぬ 柿澤喜三郎 百鳥 200108
純白の卓布ひろげて五月くる 伊藤和枝 百鳥 200108
五月くるカザルスの弾く「鳥の歌」 佐藤京子 百鳥 200108
クレヨンの空いろ減りて風五月 小島和子 百鳥 200108
風の五月俺らは水に小牡鹿に 阿部吉友 海程 200108
曲終へて清しき笑みや五月果つ 桑垣信子 いろり 200108
師と弟子を喪くし五月を送りけり 小澤克己 遠嶺 200108
杉脂のルビーの光五月かな 山越勝美 遠嶺 200108
五月来る未来まだまだありさうに 山田弘子 円虹 200108
朝戸繰る五月の空と思ひけり 村田明子 円虹 200108
五月病森林浴で癒しけり 峰尾秀之 200109
病む母に遠く五月の沖つ浪 瀬戸悠 風土 200109
五月逝く雨の一樹に雨の鳩 瀬戸悠 風土 200109
友の声五月の風に届けらる 重高湧子 遠嶺 200109
墓五月水を惜しまず洗ひをり 柳生千枝子 火星 200109
はらからと故山に遊ぶ五月かな 山田弘子 円虹 200109
五月照る白き巨船の同窓会 岡本幸枝 ぐろっけ 200109
風知草五月は風のやさしき月 後藤比奈夫 ホトトギス 200110
五月わが生れ月いのち充ちあふれ 村上光子 馬醉木 200110
五月へと発声練習するこだま 山本純子 船団 200110
五月旅了へて気負もやや育つ 能村登四郎 羽化 200110
能登五月終と決めたる句碑建てり 能村登四郎 羽化 200110
オレンジ五月午後六時オレンジ 滝浪貴史 船団 200111
久保純子納豆ねとねと五月かな 時枝武 船団 200111
黒傘に入れて五月の貝のひも 鳥居真里子 船団 200111
採点のペンの勢い五月来る 東莎逍 船団 200111
五月礼讃天衝く一の御柱 堀田清江 雨月 200201
脛腓五月の川をわたりけり 唯野まり 200204
或る晴れた日の切絵めく五月かな 鷹羽狩行 200205
鯉の背の水を割りゆく五月かな 片山由美子 200205
海峡を渡る五月の旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 200205
活けし花白がちにして卓五月 稲畑汀子 ホトトギス 200205
キー叩く音に五月の稿生れ 稲畑汀子 ホトトギス 200205
水音を五月の庭のもてなしに 稲畑汀子 ホトトギス 200205
又伸びし高速道路旅五月 稲畑汀子 ホトトギス 200205
旅のこと問はず語らず風五月 稲畑汀子 ホトトギス 200205
口ふさぐ猿の十年五月来る 山田六甲 六花 200205
五月三日は六花一号出た日だよ 松山律子 六花 200205
朴花忌男五月の忌に加ふ 能村研三 200205
房総の海の色濃く五月来る 葵かける 200206
傾ける大くすのきに五月来る 山田六甲 六花 200206
髪黒く染めたる子供五月病 佐藤喜孝 あを 200206
耕運機五月農婦がきて跨がる 堀内一郎 あを 200206
ハーモニカ五月の穴を埋めてもや 堀内一郎 あを 200206
後書きに死を書き五月ずぶ濡れに 堀内一郎 あを 200206
役所務めの鯱張って五月病 篠田純子 あを 200206
林道の直なることも五月かな 鷹羽狩行 200207
ふるさとは伊豆と横浜五月来る 山田暢子 風土 200207
街五月若人はみな髪染めて 山田暢子 風土 200207
はたきなどかけて五月の日曜日 山田暢子 風土 200207
足形を五月の雪に深く捺す 菅原康 風土 200207
退院の服に着替へる五月かな 高野清風 雲の峯 200207
風五月丘に白亜の男子校 仲尾弥栄子 雲の峯 200207
着流しの兄に付きゆく五月場所 西村純一 雲の峯 200207
青空へ五月の風の渡りくる 増田智子 帆船 200207
妙齢の気合五月に剣道場 野口伸二 帆船 200207
木洩れ日と五月の風とコンサート 鏡山千恵子 帆船 200207
千本の畔に五月の来てゐたり 梅田津 銀化 200207
故山五月顔見知りなる雲もなし 亀田憲壱 銀化 200207
耳窮まですつきり通る五月かな 葛迫空山 銀化 200207
速潮に五月の朝の麺麭ちぎる 山田六甲 六花 200207
われとわが身嘆かひ夜々の五月冷ゆ 大橋敦子 雨月 200207
木の肌を敲ひてをりし五月かな 天野きく江 200207
金銀のスプーンを使ふ五月かな 谷口佳世子 200207
五ヶ所富士絹雲かけて五月来ぬ 内藤順子 酸漿 200207
顔拭かれ墓も五月はたのしげに 岡本眸 200207
五月来る赤きカヌーを横抱きに 前田陽子 200208
椎樫の森は小暗き五月かな 有働亨 馬醉木 200208
五月来る日のさざ波の金魚村 中村風信子 馬醉木 200208
しらかし林五月の日矢を通しけり 中谷葉留 風土 200208
刑場跡五月の風のはばたけり 小野寺節子 風土 200208
鳥声のあまた散りばめ山毛欅五月 宮津昭彦 200208
五月光木陰に広ぐ白馬の絵 上田祥子 遠嶺 200208
潮騒の森に五月の風衣 田中聡子 遠嶺 200208
鎌倉の五月五日の日章旗 小山徳夫 遠嶺 200208
跳ね橋の跳ねて五月の風がくる 川端実 遠嶺 200208
夫から貰ふ賃金五月尽 竹山みや子 築港 200208
五月 →3      

 

2021年5月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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