夏 書   47句

橘のかたみの衣に夏書せん   几董

安居  雨安居  夏籠  夏行  一夏  夏断  夏書  夏花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
虚子百句おろそかならず夏書かな 辻口静夫 ホトトギス 199912
白毫にまづ一筆を夏書かな 水谷芳子 200008
しんしんと八方青き夏書かな 杉山瑞恵 雨月 200009
三輪の砂撒いてありける夏書かな 中島陽華 200010
指先に夏書の墨のいつつきし 佐藤淑子 雨月 200010
夏書の僧時に筆擱き瞑想す 中川濱子 ぐろっけ 200010
砂浜に少年棒で夏書する 日吉わたる 船団 200102
まつしろな飯を供へて夏書きとす 宇田喜美栄 200208
跳ね強き馬毛の筆や夏書せる 乗光雅子 雨月 200309
よろこびの夏書きの墨のいろとなる 雨村敏子 200309
夏書きする中のひとりは左利き 高千夏子 200310
孟宗の青き風くる夏書かな 下平しづ子 雨月 200311
しばらくは雨に耳藉す夏書かな 中島知恵子 雨月 200311
墨の濃き淡きも老の夏書かな 林田江美 馬醉木 200409
学友へまゐらす夏書墨にじむ 有島夛美 河鹿 200410
ちちははを忘れねばこそ夏書かな 古田考鵬 雨月 200410
日蓮が海の落日夏書せる 中山純子 万象 200608
百日の行とし夏書仕る 古田考鵬 雨月 200609
松の空はればれ夏書してゐたる 谷村幸子 200610
夏書かな金泥に書く般若経 中島知恵子 雨月 200611
仏弟子の観音経の夏書かな 古田考鵬 雨月 200708
赤松に夕日滴る夏書かな 高橋さえ子 200709
亡父母と話して独り夏書の夜 上林孝子 200710
僧の打つ鉦に夏書の始まりぬ 加藤北天 雨月 200808
夏書する墨は名だたる寧楽の墨 寺岡ひろし 雨月 200809
小筆持つ式部のおはす夏書院 勝野薫 ぐろっけ 200810
硯屏の堆朱でありし夏書かな 故勝村透石 ホトトギス 200811
座右に置く闘病日記夏書とす 故勝村透石 ホトトギス 200811
一病の心静かに夏書かな 故勝村透石 ホトトギス 200811
夏書あと烈しき雨となりにけり 山田暢子 風土 200811
松籟の塔におよべる夏書かな 佐藤信子 佐藤信子集 200905
奈良墨を磨れば香にたつ夏書かな 佐藤信子 春燈 200910
夏書せむ書院へつづく渡り石 博多永楽 雨月 201008
楷行草決めかねてゐる夏書かな 千田敬 201009
筆墨の土産を試す夏書かな 木下もと子 201009
夏書してをるや多羅葉郵便局 石倉千賀子 ろんど 201101
鎌倉の松風通ふ夏書かな 齋藤晴夫 春燈 201110
鳥籠に鳥しづかなる夏書かな 広渡敬雄 201303
夏書せる紺紙金泥経光る 字佐美慈子 201410
墨すつて髪かたくなる夏書かな 近藤喜子 201808
遊行寺の本堂広き夏書かな 赤石梨花 風土 201811
端渓にひかる墨色夏書かな 菅澤陽子 春燈 202009
夏書果つ無の字ばかりが上手くなり 金光浩彰 202110
永らへて亡き子に夏書奉る 辻美彌子 ホトトギス 202111
文机のガラス文鎮夏書して 阿部重夫 末黒野 202210
雨粒に水面のへこむ夏書かな 南うみを 風土 202210

 

2023年5月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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