元 朝     123句

元朝の氷すてたり手水鉢   高浜虚子

大旦 元朝 元日 歳旦 鶏旦  元旦

作品
作者
掲載誌
掲載年月
元朝の駒ヶ岳一ひらの雲浮べ 太田黒みさ江 酸漿 200003
元朝や刻を知らせの湯揉み唄 北原東洋男 200003
元朝の霓の歯ざわりウエハース 塩見恵介 虹の種 200005
元朝の鏡のわれの顎かな 岡井省二 200103
元朝の槇の小枝の雀かな 小澤克己 遠嶺 200105
元朝の新世紀なる月曜日 辻村拓夫 船団 200106
元朝や真珠の如き天主堂 松崎鉄之介 200201
元朝や仏足石に何の糞 三嶋隆英 馬醉木 200206
元朝のはじめに起す厨の火 水井千鶴子 風土 200303
元朝の文机われに硬かりし 坂ようこ 200403
元朝の火なき客間の軸の鶴 池田俊二 草の花 200403
元朝や霊湖靄立ち真つ平 岡田日郎 200404
元朝のピタリと決まる風見鶏 竹貫示虹 京鹿子 200501
元朝や白鳥徳利振つてみせ 吉弘恭子 あを 200502
元朝や街まで凪ぎて居るごとし 菅原健一 200503
元朝の海へ肥後ちやぼ鬨告げる 川崎光一郎 京鹿子 200503
元朝や七度めぐる酉の干支 二村蘭秋 雨月 200504
背に兆しくる元朝の日影かな 山田天 雨月 200504
海馬起きてをり元朝の潮かな 雨村敏子 200504
何はともあれ元朝の五体かな 岩月優美子 200504
旧災を断つ元朝の居合剣 泉田秋硯 200504
掌を揃へ元朝となる日を握る 芝生南天 河鹿 200504
元朝の光調う膝頭 大森桂子 200504
元朝や父の遺愛の太刀飾る 小澤克己 雪舟 200506
青汁を飲み元朝の願いごと 佐藤稲詩 200507
元朝の垣根にふくら雀かな 山上房子 万象 200605
元朝の光届けり万年青の実 海上俊臣 酸漿 200702
元朝はまだ胎内のくらさかな 辻美奈子 200703
元朝のひかりが町にあふれ来し 矢崎暉文 酸漿 200703
元朝の顔見合はせてよろしくね 安部里子 あを 200703
十五年祝ぐ元朝の嶺明り 原島ふじ子 遠嶺 200704
元朝や万年筆にインク注す 安田久太朗 遠嶺 200704
元朝の外濠に群る鴨の声 赤松丹山 雨月 200704
音秘めてひめて元朝五時の鐘 出来由子 200704
元朝祭衣冠束帯先頭成 武井哲 八千草 200707
元朝の道一塵も無かりけり 松崎鉄之介 200803
元朝の庭に番の鷦鷯 松崎鉄之介 200803
元朝の海を拝めり夫婦海人 若松一男 200803
元朝の富士の白さの際立てり 坂井和子 酸漿 200803
元朝の村に動きのなかりけり 水谷靖 雨月 200804
恙なし元朝空の大鏡 岸野美知子 酸漿 200804
元朝の空一塵もなかりけり 若槻妙子 200804
元朝の山並せまりきたりけり 島谷征良 風土 200805
元朝や丑年ゆつくり動きだす 高橋将夫 200901
元朝の水飼に鹿毛いななけり 大坪景章 万象 200901
盃満たし除喪の元朝ひとりなり 上田玲子 200903
元朝の日の深く入る書斎かな いしだゆか 遠嶺 200904
元朝の海を見てゐる美髯かな 小澤克己 遠嶺 201001
木々の間に元朝の月沈みゆく 阿部文子 酸奬 201002
元朝の水音につづく火の匂ひ 雨村敏子 201003
元朝の雀の声に目覚めたり 前川明子 201004
元朝の普段の顔を洗ひけり 竹生田勝次 風土 201004
元朝の満月白し宮の森 谷村幸子 201004
元朝や眩き雲の二つ三つ 岡田誠吾 201004
元朝の夫の目覚の恙無し 島崎久美子 酸漿 201004
一念を込め元朝の帯締むる 小山徳夫 遠嶺 201005
元朝や鏡の奥の顔に会う 古川忠利 ろんど 201005
コーヒーで締む元朝の雑煮膳 田中貞雄 ろんど 201101
元朝の空を吸ひ込み気功法 松田とよ子 201103
元朝やおーい徳永辰雄元気か 植田利一 春燈 201103
元朝の閃々と竹林かな 岡田史女 末黒野 201104
元朝やまづ仏壇へ正信偈 川崎光三郎 京鹿子 201104
元朝の鶏声ひびく過疎の村 岡佳代子 201203
枕辺に元朝の衣を揃へ置く 阪本哲弘 201203
元朝の闇を脱ぎたり烏帽子岩 小川玉泉 末黒野句集 201203
元朝や養生訓を読みて酌み 大島みよし 201204
大玻璃に元朝の日の満ちあふる 八代洋子 万象選集 201205
元朝や拍手打ちて富士を撮る 上岡佳子 万象選集 201205
元朝の祭太鼓の風にのり 新井満子 万象選集 201205
元朝や頭上を過ぐる一番機 柴田志津子 201206
元朝の冷気肌刺し四股を踏む 丸山酔宵子 かさね 201303
元朝の国旗すつくと仕舞屋に 成宮紀代子 201303
元朝の坂多き街清々し 大橋晄 雨月 201303
元朝や神在す嶺雲脱がず 佐津のぼる 六花 201304
元朝の雪は常よりやはらかし 高橋将夫 201401
元朝や艦旗掲揚喇叭起つ 田中貞雄 ろんど 201401
元朝の父の気配を確かむる 松井季湖 201403
元朝や去年と同じ顔洗ふ 栗原京子 201405
元朝や白一色に心を洗ひ 水谷直子 京鹿子 201405
元朝の空へ平和の大花火 竹下陶子 ホトトギス 201406
換気扇窓より元朝の光 笹村惠美子 201503
元朝の路地を奥ヘと石叩 小川玉泉 末黒野 201503
元朝やまさらな顔の始動せる 大島みよし 201503
元朝や古今伝授の松匂ふ 田中佐知子 風土 201504
元朝の白雪来し方透きとほる 北川孝子 京鹿子 201504
元朝の一番風呂を溢れさす 久世孝雄 やぶれ傘 201504
元朝の闇穏やかや四方拝 落合由季女 雨月 201508
元朝の雲の遊びは天の息 鈴鹿呂仁 京鹿子 201602
元朝やあをあをと湧く寺井かな 佐藤恭子 あを 201603
元朝やすでに厨の音のして 久世孝雄 やぶれ傘 201604
元朝のかがやき残す二十日月 森清堯 末黒野 201604
元朝の高野参道杉木立 雨村敏子 201604
元朝やうす桃色に明け初めし 水谷直子 京鹿子 201605
元朝の道にケバブのにほひかな 藤井美晴 やぶれ傘 201703
元朝の光こぼるる手水鉢 矢野百合子 201704
元朝のほの暗き坂のぼりけり 永田万年青 六花 201704
元朝のなんでも叶ひさうな空 金森教子 雨月 201704
元朝の塵金色に昇天す 加茂達彌 201707
源流の村や元朝火伏祭 曽根満 万象 201801
元朝や鳥人獣おとを消し 鈴木光影 201803
元朝や昭和平成生きてさて 粟山恵子 雨月 201804
元朝や街の高みの富士見台 今村千年 末黒野 201804
元朝や富岳阿夫利嶺ひかり合ひ 今村千年 末黒野 201804
元朝やいつものごとき願ひごと 佐藤恭子 あを 201901
元朝の墓地分譲のチラシかな 近藤かな 201903
元朝の厨の床の軋みかな 柳橋繁子 201904
元朝や神鶏ことに落ち着かず 石黒興平 末黒野 201904
元朝やひとりの昼に日の溢れ 加藤静江 末黒野 201904
元朝や富岳阿夫利嶺ひかり合ひ. 今村千年 末黒野 201904
元朝の日のやはらかし番鳩 上村葉子 風土 202004
こう山に元朝の日のゆきわたる 竹中一花 202004
元朝や先づは仏へ熱き茶を 梅田武 末黒野 202004
元朝の尿さらさらとこぼれけり 木村和也 船団 202006
元朝や屋敷稲荷へ灯をともす 小河原清江 梛の木 202007
元朝や金粉入りの吟醸酒 林紀夫 春燈 202103
元朝の川雪塊の流れをり 岩木茂 風土 202104
元朝の火鉢にかざす子の肌着 佐藤竹僊 あを 202202
元朝の目覚め促す鴉声かな 森清堯 末黒野 202204
仰ぎ見る元朝の空ゆるぎなし 岡田史女 末黒野 202204
元朝の瑕瑾なき空果てしなく 加藤静江 末黒野 202204
元朝や神将の覇気堂に満つ 山中志津子 京鹿子 202205
元朝の目覚めの早し椀並べ 北野節子 末黒野 202205

 

2023年1月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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