朝 寝 2     111句

花を踏みし草履も見えて朝寝かな    蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
うなさかをのぼりつめたる朝寝かな 八田木枯 夜さり 200409
うなさかに朝寝の枕捨ててきし 八田木枯 夜さり 200409
朝寝して伊勢の苫屋の貝すだれ 八田木枯 夜さり 200409
朝寝して性善説に傾けり 伊藤白潮 200503
朝寝など勿体なき旅吉野山 稲畑汀子 ホトトギス 200504
木菟時計汝も朝寝してをりしや 鷹羽狩行 200504
多山さはに積みてながめて朝寝して 吉弘恭子 あを 200504
現世を置去りにして大朝寝 篠田純子 あを 200504
地震の後たつぷり朝寝したりけり 古宇田敬子 対岸 200505
朝寝してすみからすみまで明るかり 柴田由乃 風土 200505
朝寝せし瞼に訃報ありにけり 浜口高子 火星 200505
朝寝して一人にされし日曜日 小林朱夏 200505
一子得て実家の朝寝をたのしめり 酒本八重 里着 200506
朝寝して壁に過密な予定表 飛鳥由紀 200506
朝寝覚む脛骨のなき魚のごと 工藤進 200506
受験子の顔安らかな朝寝なり 小林幸子 酸漿 200506
啓蟄の朝寝を妻に起こさるる 田中武彦 六花 200506
鬼瓦乾いてゐたる朝寝かな 城孝子 火星 200507
朝寝して定年の身を労へる 中家桂子 築港 200507
家族旅の朝寝を叱る時鳥 筏愛子 200509
朝寝して妙に家族の気が合へり 田所節子 涼しき嵩 200511
朝寝せりロンドンの夫寝る頃か 大森慶子 母衣 200602
朝寝して取り戻したる意欲かな 稲畑汀子 ホトトギス 200604
遺影には申し訳なきほど朝寝かな 鷹羽狩行 200604
朝寝より覚め仏心の嶺仰ぐ 小澤克己 遠嶺 200604
気難しき人の朝寝でありにけり 井上信子 200605
朝寝して備忘録など探しをり 渡邉友七 あを 200605
父母のゐるかのやうに朝寢せり 高橋道子 200606
朝寝して濡髪神社詣かな 里中章子 200607
身の丈にあわせて生きて大朝寝 井上博 八千草 200608
朝寝してしまへば狂ふスケジュール 稲畑汀子 ホトトギス 200703
さまざまな音を楽しむ朝寝かな 横田初美 春燈 200705
朝寝して竹の太根の墓浮かす 神蔵器 風土 200705
歯ブラシに疲れの溜る朝寝して 瀬下るか 200706
養生と言ひて朝寝をむさぼりぬ 竹下昌子 200706
朝寝せる母の安堵を察しけり 大塚初江 200706
戸袋に指はさまるる朝寝かな 竹内弘子 あを 200706
も少しが繰り返されてゐる朝寝 湯川雅 ホトトギス 200707
家中が朝寝の中の電話かな 湯川雅 ホトトギス 200707
伸べし手に畳ひやりと朝寝覚 八染藍子 200707
大朝寝夢にジヤングル抜けられず 丹生をだまき 京鹿子 200707
朝寝する目覚し時計を揺すりけり 貝森光洋 六花 200707
病後てふ口実にして朝寝して 山本漾子 雨月 200707
モスクより祈りの聲や朝寝覚 木暮剛平 万象 200708
女性軍早出男性軍朝寝 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
朝寝して耳のきれいな人のそば 坪内稔典 稔典句集U 200804
大朝寝して太陽は僕のもの 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
朝寝して夢路の辻にゐるごとし 鷹羽狩行 200805
朝寝して学生気分夢の中 竹内悦子 200806
奥の細道松島で果て朝寝かな 穐好樹菟男 馬醉木 200806
妻の声夢に入りくる朝寝かな 松嶋一洋 200806
囀を聞きつ朝寝や贅独り 能勢栄子 200807
百歳の我に朝寝の夢で逢ふ 大久保白村 ホトトギス 200809
朝寝せる嫁のゐぬ間の気のゆるび 奥村佐栄子 200811
朝寝尾を曳かざることも旅路なる 稲畑汀子 ホトトギス 200903
大朝寝地球の自転止めてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904
地震に覚めもう朝寝などして居れず 千原叡子 ホトトギス 200907
朝寝して聞き逃したるスキャンダル 近藤倫子 ぐろっけ 200907
荒るる日は朝寝深海魚のごとく 佐藤美紀 ろんど 200908
母許は草木の香り朝寝して 小嶋洋子 泡の音色 200912
健康な故の朝寝をたのしめる 竹下陶子 ホトトギス 201001
欲得を抛り出したる朝寝かな 塩路隆子 201005
朝寝して春めく雨を聞きゐたり 柳生千枝子 火星 201005
大朝寝して晩節の緒につきぬ 千田百里 200605
指先がふくらんでゐる大朝寝 和田満水 200605
大朝寝夢の中にも夢を見て 西山春文 201006
黄金にて三両ほどの朝寝かな 柳川晋 201006
鉢植の根のあたたまる朝寝かな 辻美奈子 201006
起きてゐる夢見てをりし朝寝かな 小山ミツ子 末黒野 201007
夢に覚め夢にまた寝て大朝寝 藤岡紫水 京鹿子 201007
大朝寝生きているかと問はれたる 隅田享子 201007
二番鶏三番鶏と朝寝して 柳生千枝子 火星 201007
朝寝することも失念することも 中杉隆世 ホトトギス 201010
みんみんに朝寝決めしを起こさるる 冨田君代 酸奬 201011
朝寝坊の田園詩人小鳥来る 荒井慈 春燈 201012
朝寝して大海原を一人占め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
朝寝などする人のなし吉野山 稲畑汀子 ホトトギス 201104
予定などありてなかりし朝寝かな 稲畑汀子 ホトトギス 201104
上京の予定に朝寝加はらず 稲畑汀子 ホトトギス 201104
朝寝して朝風呂正座五分間 稲畑汀子 ホトトギス 201104
大朝寝この世の他の人に逢ふ 篠田純子 あを 201104
覚めて二時ラジオに触れて朝寝かな 岡野ひろ子 201105
一条の光射しをり朝寝して 柳生千枝子 火星 201105
朝寝してまだ白黒のつけられぬ 安居正浩 201106
亡き妻に起こされてゐる朝寝かな 廣瀬義一 雨月 201107
朝寝して窓を開ければ風そよと 辻香秀 201205
亡夫の画に見下ろされをり朝寝して 柳生千枝子 火星 201205
朝寝して何も言はれぬ頼りなさ 北尾章郎 201206
朝寝して夢の続きを夢の中 鈴木セツ 201206
庭履のたつぷり濡れてゐし朝寝 坂口夫佐子 火星 201207
登校の子らの声聞く朝寝かな 岡井マスミ 末黒野 201208
花に暮つづきは夢に朝寝かな 菊谷潔 六花 201212
大朝寝して故郷と気付くまで 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
朝寝して身のどことなく透き通る 原友子 201302
早起きも朝寝も一人あるがまま 稲畑汀子 ホトトギス 201304
家のこと投げ出したかに大朝寝 塩千恵子 201304
朝寝して今日人来るを思ひ出す 田中藤穂 あを 201306
朝寝よりはじまる旅のスケジュール 稲畑汀子 ホトトギス 201403
沈丁花朝寝朝風呂朝ワイン 平井奇散人 船団 201403
出し巻に朝寝心地の解かれゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404
朝寝して間に合ふほどの会場へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201404
現し世の端に頑張る大朝寝 千田敬 201405
朝寝する自由夜更しする自由 栗原公子 201405
手も足も失ひしかに朝寝かな 柴田靖子 201406
羊水にたゆたふごとし大朝寝 白井友梨 馬醉木 201406
一碧の凪乙姫の朝寝かな 西田孝 ろんど 201407
本性の覚めやらぬまま朝寝かな 村田岳洋 ろんど 201407
生きていま八十路自在の大朝寝 渡部良子 馬醉木 201407
朝寝して花粉に弱き者どうし 大久保白村 ホトトギス 201407
大朝寝して雨音を聞く忌明け 大木さつき ホトトギス 201408
朝寝してけふの終はりし心地かな 天谷翔子 201408
朝寝 →3      

 

 

2022年10月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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