青 嵐 3     179句

青嵐吹やずらりと植木売    小林一茶

青嵐  青あらし  風青し  夏嵐

作品
作者
掲載誌
掲載年月
翔ちし鷺吹き戻さるる青嵐
安達風越
雨月
200310
青嵐撒水栓の光りけり
谷上佳那
百鳥
200310
大牛が太鼓となりぬ青嵐
柴田佐知子
200310
卑下するは老いることなり青嵐
小林朱夏
200310
潮騒のごとき山鳴り青嵐
松岡路石
対岸
200310
今更に坂多き町青嵐
鹿野佳子
200310
青嵐子の咀嚼音たのもしき
福間須美恵
200310
青嵐臆せず橋をわたりけり
青野れい子
200310
高圧線十字に交差青嵐
秋山ユキ子
200310
青嵐骨肉の争ひいつの世も
山田をがたま
京鹿子
200311
青嵐伐折羅の怒髪目に残り
小林成子
200402
青嵐「血をください」といふ叫び
今瀬剛一
対岸
200406
青嵐桜も桃も必死なり
今瀬剛一
対岸
200406
根を踏んで人は傾き青嵐
今瀬剛一
対岸
200406
沸騰の湯気折り曲げて青嵐
鷹羽狩行
200406
いのちなり西行と佇つ青嵐
神蔵器
風土
200406
吹割りに落つる滝なり青嵐
阿部ひろし
酸漿
200407
目つむりて小犬寄りそふ青嵐
小山香月
酸漿
200407
阿も吽も忿怒そのもの青嵐
塩路隆子
200407
青嵐やクルスの前に組む十指
山崎泰世
200407
伊佐沼は千の波来る青嵐
小林てる子
草の花
200407
「今からでも遅くはない」と青嵐
森田子月
ぐろっけ
200407
青嵐人形までも佐渡言葉
今瀬剛一
対岸
200407
黒門の弾痕の穴青嵐
松本静江
遠嶺
200408
青嵐いつも何かがくひ違ひ
舩越美喜
京鹿子
200408
万噸の水たたふダム青嵐
玉置かよ子
雨月
200408
青嵐胸の高さに下馬の石
丸山照子
火星
200408
犀の背の泥乾きゐる青嵐
今里満子
火星
200408
青嵐子のゐる家を狙ひ撃つ
保田英太郎
風土
200408
鏡拭く病後の力青嵐
岡本眸
200408
海光の飛沫まじりの青嵐
長沼三津夫
200408
青嵐窓に寄る身を浮き立たす
村越化石
200408
毛の国の兎跳ね来よ青嵐
村越化石
200408
山国の森より森へ青嵐
村越化石
200408
少年のけものの匂ひ青嵐
高橋瑛子
河鹿
200408
青嵐志賀のさざなみ吹き払ひ
山下青坡
200409
誠の幡立つ鳥羽伏見青嵐
金山藤之助
200409
十三重塔や青嵐おさまりし
竹中一花
200409
青嵐葉隠れの鳩卵抱く
山本敦子
万象
200409
青嵐すは鎌倉の古道かな
長谷川歌子
春燈
200409
青嵐や身よりはなさぬあかざ杖
加藤君子
火星
200409
青嵐空を磨きてをりにけり
中村重雄
百鳥
200409
逃げし犬探せば青嵐の中
鈴木えり子
百鳥
200409
青嵐和紙に金箔拡ごれる
斉藤利枝子
対岸
200409
青嵐乙女の髪を喜ばす
吉原理夫
対岸
200409
青嵐ひと夜伝へる鎮魂碑
林日圓
京鹿子
200409
ジヤスミンの香を押し潰し青嵐
長村雄作
栴檀
200409
栗鼠登る大樹騒ぐや青嵐
山本漾子
雨月
200409
維新の士駆け抜けし山青嵐
岡淑子
雨月
200409
一山を揺り動かして青嵐
河中透水
雨月
200409
アルプスを視野いっぱいに青嵐
渕脇登女
200410
青嵐鶏卵鼬すするとぞ
林典子
雨月
200410
青嵐の音に聞き入る虚子旧居
三関浩舟
栴檀
200411
青嵐や絵馬の蹄の風重ね
丸山冬鳳
京鹿子
200411
青嵐甚五郎の龍翔ちそうに
芦川まり
八千草
200411
墓ひとつ離れて在りぬ青嵐
内藤ゑつ
ゑつ
200411
青嵐正面に受け掃除頭かもん
平野きぬ子
八千草
200412
青嵐ブーフーウーのウーの家
斉藤利枝子
対岸
200502
青嵐生きとし生けるもの沈め
稲畑廣太郎
ホトトギス
200506
青嵐や檜皮の屋根の学問所
能村研三
200506
青嵐の庵机上の未完の詩
小澤克己
雪舟
200506
青嵐句碑泰然と野に馴染み
稲畑廣太郎
ホトトギス
200507
月山をまなかひにして青嵐
林和子
万象
200507
飛ばすもの飛ばして止みぬ青嵐
名村早智子
築港
200507
青嵐地図にはのらぬ岬道
峰幸子
200507
青嵐カウントの声かきけせり
赤座典子
あを
200507
青嵐大事決まらぬをんなかな
蒲地裕子
河鹿
200508
たてがみの如きうねりや青嵐
山岸治子
馬醉木
200508
大き荷を曳きゆく蟻や青嵐
藤原たかを
馬醉木
200508
青嵐回転木馬の空回り
林雪江
春燈
200508
御仏に縋る衆生に青嵐
馬場龍雨
200508
白山の杜をうねらす青嵐
長南憲章
200508
青嵐や猟犬耳をつんと立て
須永トシ
栴檀
200508
北からは雪のたよりや青嵐
菊地恵子
酸漿
200508
猫の目にとらへきれない青嵐
高田令子
200508
青嵐鹿鳴館の衣の音
今瀬剛一
対岸
200508
青嵐釣りの少年岩を跳ぶ
大串章
百鳥
200508
青嵐鉄工所より熱き音
田中敬子
百鳥
200508
大王の国見どころや青嵐
豊田都峰
京鹿子
200508
山城の天守閣跡青嵐
高田佐土子
築港
200508
青嵐高齢マークの車越す
鈴木石花
風土
200508
音読の『剃刀日記』青嵐
柿沼盟子
風土
200508
一舟を沖へ放ちて青嵐
鹿野佳子
200508
青嵐戦火を経たる天守閣
沼口蓬風
河鹿
200509
青嵐呼子港の旗揃へ
永利枕郷
河鹿
200509
青嵐息を小出しに鏡拭く
高村洋子
遠嶺
200509
青嵐祇園の飴を含みけり
荒川清司
遠嶺
200509
青嵐の野原に牛の角高し
内田稔
遠嶺
200509
青嵐の奥に中央公会堂
丸山照子
火星
200509
雲龍を呼びし護摩火や青嵐
竹中一花
200509
鹿島立つ稚内空港青嵐
沖野貞子
ぐろっけ
200509
青嵐大手門より天守まで
木原紀幸
河鹿
200510
青嵐どよむ山刀伐峠かな
三宅句生
馬醉木
200510
青嵐や入山之書と納札
冨松寛子
200510
廃校の時計正確青嵐
田中敬子
百鳥
200510
青嵐もの忘れなど気にとめず
河内桜人
京鹿子
200510
連絡を待つだけの日々青嵐
わかやぎすずめ
六花
200510
青嵐円空仏の目のひとすぢ
服部早苗
200510
棘の血の指にふくらむ青嵐
遠野萌
200511
声援の髪逆巻ける青嵐
中原吟子
雨月
200601
麟麟の眼高々とあり青嵐
浅田光代
風土
200601
名苑を塗替へてゆく青嵐
稲畑廣太郎
ホトトギス
200605
青嵐裸のわれに爐の火あり
瀧春一
常念
200606
青嵐騎乘のわざも忘れざる
瀧春一
常念
200606
青嵐病臥の夢のきれぎれに
瀧春一
常念
200606
青嵐病めば風にもおびゆるを
瀧春一
常念
200606
きよらなる褥ひとつに青嵐
瀧春一
常念
200606
里山を丸くをさめて青嵐
稲畑汀子
ホトトギス
200606
青嵐海の一滴芝にふる
瀧春一
瓦礫
200606
青嵐沖の一線撓むなし
瀧春一
瓦礫
200606
青嵐あかがねは金色に沸き立つ泡
瀧春一
瓦礫
200606
しんがりに船長降りる青嵐
荒井千佐代
200606
恐竜を飼ふなら砂丘青嵐
掛井広通
200607
自轉車を尻立て漕ぐや青嵐
宮入河童
200608
セントバーナードまだ子犬とよ青嵐
宮沢治子
春燈
200608
青嵐の湖畔明治の石館
小山徳夫
遠嶺
200608
謙信の像の双眸青嵐
柴村郁子
遠嶺
200608
青嵐しなやかにゆく一馬身
水野恒彦
200608
御在所は機嫌晴して青嵐
豊田都峰
京鹿子
200608
目の中のものみな揺るる青嵐
土屋酔月
火星
200608
青嵐悔み謡で友送る
松木清川
ぐろっけ
200608
関守のひなびしこゑを青嵐
小澤克己
塩竃
200608
青嵐や寮歌合唱みな老いし
木船史舟
200609
青嵐渡る吊り橋また揺らす
石田玲子
200609
パレットの彩のまじらふ青嵐
生方義紹
春燈
200609
青嵐浮かれ比丘尼のつむじかな
栗栖恵通子
200609
本音のみ言ひて去る子や青嵐
佐山苑子
遠嶺
200609
京よりの絵葉書届く青嵐
村本真由美
遠嶺
200609
青嵐に刺ある言葉聞き流す
梁瀬照恵
ぐろっけ
200609
埴輪馬の首闕くるや青嵐
久保晴子
雨月
200609
娘の一年祖母の一年青嵐
服部郁史
京鹿子
200609
青嵐車椅子重し力瘤
牧野麦芽
京鹿子
200609
宇奈月の山々揺らし青嵐
長沼紫紅
200609
青嵐野球スタンドウェーブす
長崎桂子
あを
200609
ライバルと交はす目礼青嵐
熊谷尚
200610
鬼瓦の目ン玉抜けし青嵐
雨村敏子
200610
青嵐足場の繋ぎ締め直す
中尾公彦
200610
青嵐や銚子大橋一文字
佐々木よし子
200610
彼方なる山刀伐峠青嵐
柴村郁子」
遠嶺
200610
ステージも客席も野に青嵐
梅原幸子
遠嶺
200610
靖国はただ黙しをり青嵐
鎌倉喜久恵
あを
200610
韃靼の攻めくるごとし青嵐
野村智恵子
八千草
200612
鍵穴の前方後圓青嵐
竹貫示虹
京鹿子
200705
狭庭にも季節のはざま青嵐
稲畑汀子
ホトトギス
200706
六甲の山を沈めて青嵐
稲畑汀子
ホトトギス
200706
かの杜もこれの林も青嵐
瀧春一
200706
大人たいじんはやはり大人青嵐
加藤みき
200707
鳩の翅吹かれ撓みぬ青嵐
大橋敦子
雨月
200707
青嵐道寄り合ひて橋となる
岡本眸
200707
龍神の雨意を払ひし青嵐
田中芳夫
200708
山頂へ愛の逆撫で青嵐
鷹羽狩行
200708
青嵐の山に向きたる校旗台
栗栖恵通子
200708
青嵐椰の木肌に触れて来し
木下もと子
200708
反論の口封じけり青嵐
清水幸治
200708
いづれはと覚悟の手術青嵐
小菅礼子
春燈
200708
一麓に神社仏閣青嵐
小山徳夫
遠嶺
200708
白樺派文士の夢や青嵐
中谷葉留
万象
200708
青嵐「アンネの家」を出でしより
島田和子
万象
200708
鬼貫の親子墓なり青嵐
西畑敦子
火星
200708
青嵐教会の塔天を刺す
苑実耶
200708
何鳥かついと宿りに青嵐
大橋敦子
雨月
200708
ロープウェー山頂駅の青嵐
大石喜美子
雨月
200708
峠越ゆ東海道の青嵐
豊田都峰
京鹿子
200708

 夫退院

夫の座に夫ゐて寧し青嵐

上林孝子
200708
つぎつぎに街路樹うねる青嵐
金居欽一
万象
200709
回廊に僧衣干しあり青嵐
増田幸子
万象
200709
精霊のこゑ束ねたる青嵐
近藤喜子
200709
青嵐わが初志時に立て直す
加藤峰子
200709
青嵐を警策とせし大雄寺
吉澤利治
遠嶺
200709
青嵐歯を食ひ縛る逆上がり
井内佳代子
遠嶺
200709
三鬼の地の城址吹き抜く青嵐
塩見治郎
雨月
200709
青嵐花咲く水木揺りに揺り
阿部ひろし
酸漿
200709
漢にも貌の佳きころ青嵐
加瀬美代子
200709
決断の時は今なり青嵐
水原春郎
馬醉木
200709
勇壮に倍臚を舞へり青嵐
林日圓
京鹿子
200710
青嵐や最上川辺の一軒家
鈴木照子
200711
青嵐湖に構へし彦根城
宮崎正
ホトトギス
200711
青嵐口紅の赤少し足す
陽山道子
船団
200801
昼の階段まっすぐで青嵐
陽山道子
船団
200801
青嵐 4→      

 

2021年5月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。