秋の風 6   132句

秋の風ことしの音の耳ざわり    長谷部朝子

秋の風  秋風  金風  色無き風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
秋の風父情さらりと流しけり 藤岡紫水 京鹿子 201512  
磴なかばより渓谷の秋の風 大橋弘子 末黒野 201512  
切株に残る木の香や秋の風 太田良一 末黒野 201512  
高原の木道走る秋の風 塚篤子 末黒野 201512  
白き帆の数定まらぬ秋の風 中村洋子 風土 201512  
芭蕉読む八潮橋より秋の風 石井ケエ子 風土 201512  
子ら去にて揺るるふらここ秋の風 堀田こう 雨月 201512  
ゲレンデを滑り降りくる秋の風 岡田ちた子 雨月 201512  
高館の夢跡に佇ち秋の風 石井秀一 風土 201512 平泉
秋の風諸手に小さき絆創膏 野中圭子 京鹿子 201601  
文の束クリップに錆秋の風 松林依子 201601  
野地蔵に銭が錆ゐる秋の風 青野安佐子 201601  
寺山の蝉塚渡る秋の風 堺昌子 末黒野 201601  
木道の先は池塘や秋の風 松浦哲夫 末黒野 201601  
空といふ無きもの高し秋の風 小田嶋野笛 末黒野 201601  
秋の風陳列棚に石包丁 竹内弘子 あを 201601  
背の闇にあまさず吹きし秋の風 柴田靖子 201601  
重き雲追ひ出してゐる秋の風 橋本くに彦 ホトトギス 201602  
庭めぐり栞によき葉秋の風 水谷直子 京鹿子 201602  
繰り言を巧みに躱す秋の風 押田裕見子 201602  
読めぬ句碑なぞれる指に秋の風 遠藤清子 末黒野 201602  
胸の奥へと一すぢの秋の風 岩岡中正 ホトトギス 201603  
みづうみの青き翳より秋の風 深川淑枝 201605  
住職と二た言三言秋の風 稲畑汀子 ホトトギス 201608  
立秋の風と思へばそれらしく 稲畑汀子 ホトトギス 201608  
立秋の風をまとひて旅立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201608  
影恋うて日差を恋うて秋の風 稲畑汀子 ホトトギス 201610  
バスを待つ列の間合を秋の風 横田初美 春燈 201610  
表札は昔のままよ秋の風 大坪景章 万象 201610  
目薬の雫を待てば秋の風 林昭太郎 201611  
つまづくも杖が頼りや秋の風 佐藤淑子 雨月 201611  
塔拝し全身清し秋の風 磯野しをり 雨月 201611  
部屋のものなべて遺品や秋の風 川上恵子 雨月 201611  
秋の風未知の扉を開けて来る 岩月優美子 201611  
秋の風そよと命をはこびくる 柴田靖子 201611  
重ね着く句稿へ秋の風やさし 数長藤代 201611  
われより先はらわたのあり秋の風 佐藤喜孝 あを 201611  
序破急のリズムに適ひ秋の風 松本三千夫 末黒野 201611  
ビル街の辻に素秋の風立ちぬ 東小薗美千代 末黒野 201611  
胸中を貫くことも秋の風 大橋晄 雨月 201612  
舫ひ綱ゆるめば締る秋の風 熊川暁子 201612  
マネキンの素肌にまとふ秋の風 高野昌代 201612  
静かに確と沼の面を吹く秋の風 土井三乙 風土 201612  
飯を炊く匂ひの中や秋の風 野中圭子 京鹿子 201612  
廃業の窯へ吹き込む秋の風 阿久津勝利 万象 201612  
秋の風減りゆくものに消臭剤 中川句寿夫 あを 201610  
鐡棒は垂直に落つ秋の風 佐藤喜孝 あを 201612  
朝鴉の声の低さや秋の風 岩田洋子 201701  
靴紐の解けてしばらく秋の風 安居正浩 201701  
マネキンに見えてゐるなり秋の風 森なほ子 あを 201701  
子守歌いつしか秋の風となる 林八重子 馬醉木 201702  
でで虫の殻ごろがして秋の風 飛高隆夫 万象 201702  
かはらけの的に当らず秋の風 福島せいぎ 万象 201702  
祝事の余韻まぶたに秋の風 伊藤由良 末黒野 201702  
秋の風遊女の墓は片隅に 武藤節子 やぶれ傘 201702  
雲までもさざ波となる秋の風 山本素竹 ホトトギス 201704  
秋の風オペラシテイの赤ワイン 松村光典 やぶれ傘 201710  
筋トレの後の体に秋の風 枝みや子 やぶれ傘 201710  
誰彼の遠くなりたる秋の風 辻前冨美枝 201710  
晩年のづかづかと来る秋の風 西村博子 馬醉木 201710  
仲見世を抜け来る秋の風に彩 七田文子 201711  
ふりむけば秋の風なり迷ひ星 寺田すず江 201711  
開け放つどの窓からも秋の風 水谷文謝子 雨月 201711  
通帳へ差し入る風も秋の風 井上石動 あを 201711  
一歳のうなじを秋の風が吹く はしもと風里 201712  
横たはる體の下を秋の風 佐藤喜孝 あを 201712  
千年家鉄瓶揺らす秋の風 石谷淳子 雨月 201801  
橋わたる在所在所の秋の風 加藤翅英 京鹿子 201801  
夕やみが迫りころりと秋の風 中島好江 京鹿子 201801  
弟の遠ざかりゆく秋の風 田代民子 201801  
虚子庵の惚け紫苑や秋の風 岡野里子 末黒野 201802  
酔ふほどは飲めなくなりぬ秋の風 森田明成 201802  
路地曲がるたび新しき秋の風 矢野百合子 201802  
ご朱印の墨の香りや秋の風 及川照子 末黒野 201804  
地球の穴ドーナツの穴秋の風 西村亜紀子 船団 201805  
たいがいのことはひとごと秋の風 池田澄子 201805  
秋の風仏ごころがふと涌けり 丸井巴水 京鹿子 201810  
グーグルでぐるぐる迷ふ秋の風 篠田純子 あを 201811  
鴉除けシートを捲る秋の風 丸井巴水 京鹿子 201811  
殿の山車に付き来る秋の風 能美昌二郎 201811  
風紋を残して去りぬ秋の風 石川りゆうし 201811  
万年橋芭蕉と渡る秋の風 若泉真樹 201811  
どつしりと地を這う松や秋の風 工藤はる子 201811  
素秋の風弥陀の御顔となり眠る 伊藤希眸 京鹿子 201811  
園児等の無心な舞踊秋の風 長崎桂子 あを 201812  
秋の風犬にもあるや診察券 深川敏子 春燈 201812  
花を切るうなじをさーと秋の風 はしもと風里 201812  
潮の香のしめり纏へり秋の風 安斎久英 末黒野 201812  
源流の森の奥より秋の風 森清堯 末黒野 201812  
御百度の踏まれし石や秋の風 藤生不二男 六花 201812  
死ぬことは忘れて生きる秋の風 篠田純子 あを 201812  
秋の風鈴かそけき声が二階より たかはしすなお 201901  
やはらかきもの見えてきし秋の風 仲まゆみ 風土 201901  
提げて打つトライアングル秋の風 青谷小枝 やぶれ傘 201901  
行秋の風の中なる膳所城址 村上悦子 雨月 201901  
古書街の回廊巡り秋の風 木村純子 末黒野 201902  
墳山の形のままに秋の風 高倉和子 201902  
精神の風景喩へば秋の風 竹村淳 201903  
いま欲しきものに詩才と秋の風 岩岡中正 ホトトギス 201903  
秋の風大手町に森出現す 田中藤穂 201904  
仕込樽に匂うひしおや秋の風 伊藤昌枝 201904  
のぞみ一号麦秋の風ひろふ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201905  
己が身を離れて見ゆる秋の風 神蔵器 風土 201909 『貴椿』
昨日伊予今日は難波の秋の風 稲畑汀子 ホトトギス 201909  
庭桜大きな洞に秋の風 秋川泉 あを 201910  
風の中一筋すがし秋の風 奈辺慶子 雨月 201910  
すこしくは秋の風鈴らしく鳴る 辻美奈子 201910  
見ゆるものすべて詠めよと秋の風 戸田澄子 末黒野 201911  
醤油の香佃路地より秋の風 千田敬 201911  
一掬の水に空あり秋の風 丹羽啓子 馬醉木 201911  
八高の寮歌の歌碑に秋の風 加藤北天 雨月 201911  
新しきウッドデッキに秋の風 山浦紀子 春燈 201912  
明日へと草木を誘ふ秋の風 柴田靖子 201912  
厩戸皇子の吹かせる秋の風 瀬川公馨 201912  
濡れし手に集まつてくる秋の風 近藤喜子 201912  
古典からそよいできたる秋の風 高橋将夫 201912  
頼まれしことの疎まし秋の風 眞弓真翁 風土 201912  
解体の市場見下ろす秋の風 都築繁子 201912  
伊良湖岬流人の歌碑に秋の風 村上美智子 雨月 202001  
手渡しで手紙が届く秋の風 つじあきこ 202001  
晩餐会果てし二人に秋の風 鈴木石花 風土 202001  
無より出て無に帰りたる秋の風 田尻勝子 六花 202001  
朝戸風秋の風鈴淀みなく 上月智子 末黒野 202001  
ゆきずりの祠の絵馬や秋の風 及川照子 末黒野 202001  
風紋を心に残す秋の風 三木享 202001  
少年は一点みつめ秋の風 中堀倫子 202001  
翻る紅絹の紅さや秋の風 小川礼子 202001  
行く秋の風はらわたに張子虎 鈴木まゆ 馬醉木 202001  
舞ふ二人その手から手へ秋の風 立村霜衣 ホトトギス 202001  
秋の風欅の洞に行き止まる 宇都宮敦子 琴引鳥 202002  
板塀に囲ふ海女小屋秋の風 蒲田雅子 雨月 202002  
古の湯に足つけて秋の風 北村ちえ子 六花 202002  
生垣の隙間を抜けて秋の風 増田裕司 やぶれ傘 202002  
火渡りの炎を煽る秋の風 橋本美代 やぶれ傘 202002  
いちにちの過客は秋の風ばかり 荒川心星 202002  
大仏の胸に岐るる秋の風 田丸千種 ホトトギス 202002  
それとなく待つ返信や秋の風 吉原ひろ子 末黒野 202002  
行秋の風となりたる人のこと 岩岡中正 ホトトギス 202004  
手庇のかなたの母へ秋の風 佐藤恭子 あを 202006  
友癒えよ初秋の風ふところに 岩永はるみ 春燈 202009  
名ある草名のなき草も秋の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010  
秋の風邪とは言ひながら出掛け来し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010 秋の風 →1

2020年10月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。