秋の風 1     85句

身にしみて大根からし秋の風   芭蕉

秋の風  秋風  金風  色無き風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
石畳より秋の風起りけり 山田弘子 春節 199503
魁けしものより秋の風まとふ 稲畑汀子 ホトトギス 199808
見えてゐる砂丘の迷路秋の風 稲畑汀子 ホトトギス 199810
れんこんも九竅の類秋の風 中原道夫 銀化 199811
師の石仏隻眼隻手秋の風 松崎鉄之介 199811
吊橋を渡りて秋の風と会ふ 中沢三省 風土 199901
六帖をまっすぐ抜けし秋の風 荻野美佐子 船団 199902
木と土で出来た酒屋や秋の風 津田このみ 船団 199903
遊女の碑裏もおもても秋の風 山田弘子 円虹 199910
薬草の中の毒草秋の風 大橋櫻坡子 雨月 199910
いさぎよく朝の出勤秋の風 池田幸子 春耕 199910
月琴のむかし玄かに秋の風 山田弘子 円虹 199911
馬繋ぎ石をかすめる秋の風 大場燈児 風土 199911
電線にぶら下がっている秋の風 小枝恵美子 ポケット 199911
四方から秋の風吹く浮見堂 城孝子 火星 199912
秋の風通天閣と河馬起立 児玉硝子 六花 199912
身を起す秋の風とはなりにけり 冨田正吉 199912
飛石をとべば膝鳴る秋の風 服部幸 199912
砂浜の草はなれゆく秋の風 柴田いさを 船団 199912
夢殿へ行ってきました秋の風 樫井賢一 船団 199912
狛犬の耳の缺けゐて秋の風 多田鬼堂 200001
ゆきあひの雲つれてくる秋の風 白石秀雄 酸漿 200001
秋の風男喪服で群れてをり 松崎鉄之介 200001
秋の風見終つて手に一壺かな 仲村菜花 200002
しろじろと礎石を渡る秋の風 田中藤穂 水瓶座 200002
秋の風はや落醜の胡桃の木 山口速 200002
添寝してみたきピューマよ秋の風 夏秋明子 ヒッポ千番地 200003
触れられて化石になれば秋の風 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
竣工の二三手直し秋の風 稲畑汀子 ホトトギス 200008
適塾や折り目正しき秋の風 白倉ボラン ヒッポ千番地 200008
連結がゴトンと終はる秋の風 内野修 海程 200010
最果ての旅の鉄路に秋の風 遠藤和子 俳句通信 200010
絶筆の句碑に吹きゐる秋の風 中林京子 雨月 200010
秋の風指で作った丸抜けて 中原幸子 「遠くの山」 200010
頸椎は曲りついでに秋の風 中原道夫 銀化 200010
幕切のそのひとことを秋の風 中原道夫 銀化 200010
独り居に翳りて過ぐる秋の風 西村博子 馬醉木 200011
その人が飛び石にゐる秋の風 飯塚ゑ子 火星 200011
四本の天柱秋の風放つ 神蔵器 風土 200011
揖斐川へ水門固し秋の風 深川知子 俳句通信 200011
楊貴妃の能面白し秋の風 堀田清江 雨月 200011
フルートといふ横笛に秋の風 庄中健吉 200012
誇るもの失ひし身に秋の風 朝倉和江 馬醉木 200012
主婦の座にはろばろとくる秋の風 戸村よねこ 遠嶺 200012
門扉ふとさらりとふれし秋の風 新関澄子 遠嶺 200012
水をでて水にもどりし秋の風 西村純吉 200012
早朝のコーランの声秋の風 菊地惠子 酸漿 200012
主のなき舟を湖畔に秋の風 小滝奈津江 酸漿 200012
やうやくに秋の風吹く糸柳 中島徳子 酸漿 200012
滞(たん)と湾織りなす漓江秋の風 松崎鉄之介 200012
このところとんと見ぬ人秋の風 亀田愚風 銀化 200012
首筋を刃物で切るよな秋の風 桑原敏枝 いろり 200012
いつのまの眼鏡二つや秋の風 岡本眸 200012
籠売が居て参道の秋の風 八木下巌 200012
競り聳ゆ漓江群峰秋の風 千代田葛彦 馬醉木 200101
頸伸べて何に鶴啼く秋の風 有働亨 馬醉木 200101
新聞の端を動かす秋の風 鈴木しどみ ホトトギス 200102
虚子館を訪ひ学ぶもの秋の風 日夏緑影 ホトトギス 200102
記念館守るや六甲秋の風 日夏緑影 ホトトギス 200102
カンバスに村描き残す秋の風 長しず子 京鹿子 200103
ひとりゐてひとり分だけ秋の風 能村登四郎 200108
安曇野ははや秋の風小梨熟る 渡辺友七 あを 200109
秋の風蛸焼の鰹節が散る 栢森定男 あを 200109
歌口に朱ののこれるや秋の風 神蔵器 風土 200110
名残ありつつも家路の秋の風 稲畑汀子 ホトトギス 200110
蛇籠積む姿あらはや秋の風 水原春郎 馬醉木 200110
杉玉の辺りに見ゆる秋の風 山尾玉藻 火星 200110
蝉折の笛のごとくに秋の風 春田淳子 俳句通信 200110
身反らせば少しは強気秋の風 林翔 200110
青い蝶秋の風うけ鮮やかに 早崎泰江 あを 200110
われも亦色なきをとこ秋の風 林翔 馬醉木 200111
杉戸絵の鶏の光彩秋の風 水野あき子 遠嶺 200111
この上もなき木道の秋の風 斎藤珠子 遠嶺 200111
秋の風アリラン峠知らずなり 嵯峨根鈴子 火星 200111
つながれし人の行方や秋の風 堀内一郎 あを 200111
額外す秋の風立つ煤け壁 渡邉友七 あを 200111
秋の風鏡の顔の母に似し 河合笑子 あを 200111
歩道どこも平らではなし秋の風 松崎鉄之介 200111
腎虚とはかかるものかは秋の風 土井田晩聖 銀化 200111
秋の風葉つぱに似たる羽拾ふ 金子つとむ 俳句通信 200111
箱詰めも出荷も秋の風の中 山田六甲 六花 200111
秋の風新造船の幣鳴らす 澤野粂子 春耕 200111
踝のさわさわ即ち秋の風 篠田悦子 海程 200112
秋の風2→      

 

2021年10月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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