秋の風 2     93句

かな釘のやうな手足を秋の風    一茶

秋の風  秋風  金風  色無き風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
おぼつかぬ足たてて聞く秋の風 下田水心子 円虹 200112
秋の風さへ糧にして生きゆかん 下田水心子 円虹 200112
蒟蒻の葉のしろじろと秋の風 外川玲子 風土 200112
露座仏の胸ふくよかに秋の風 高村令子 風土 200112
埒を行く馬の高さや秋の風 中島陽華 200112
生も死も流るるのみや秋の風 沼田巴字 京鹿子 200112
柔らかきニスの匂ひの秋の風 市川伊團次 六花 200112
玉乗りの玉降りるまで秋の風 小田さやか 船団 200112
喪の人のうなじのながし秋の風 栢森敏子 あを 200112
耳打ちの耳のあたりの秋の風 城孝子 火星 200201
秋の風バリウムの唇ぬぐひけり 城孝子 火星 200201
沙漠は天と地の合ふところ秋の風 有働亨 馬醉木 200201
羽拡げ鳴き合ふ鴉秋の風 赤池貴のえ 春耕 200201
牛久仏つつみて秋の風生る 笠原フミ 酸漿 200201
いななける馬のまなざし秋の風 寺田きよし 酸漿 200201
上天や秋の風立つ茅渟の海 中島陽華 200201
今朝喜寿の顔吹き抜けて秋の風 宮みさを 百鳥 200201
新しき木の香の水車秋の風 高村洋子 遠嶺 200201
丸刈りの子規いつも病み秋の風 木田千女 200201
秋の風伏見人形寄り目して 大森美恵 風土 200201
土壁に塗り込められし秋の風 柿原金米 船団 200201
動物園象の耳より秋の風 北畠明子 ぐろっけ 200201
ともしびに纏はりつくや秋の風 金子桜花 百鳥 200202
大いなる神馬のふぐり秋の風 嵯峨根鈴子 火星 200202
秋の風足踏み替へてする洗濯 嵯峨根鈴子 火星 200202
みづうみに鐘の音とどく秋の風 水田清子 200202
カリヨンの鳴りわたりゆく秋の風 水田清子 200202
たちまちに蝦夷の土踏み秋の風 稲畑汀子 ホトトギス 200209
貝殻が杭にびつしり秋の風 太田寛郎 200209
石臼に蕎麦は擂られて秋の風 堀内一郎 あを 200209
飲みさしのモカ珈琲に秋の風 山田六甲 六花 200210
土産にと選びし紅茶秋の風 小澤克己 遠嶺 200211
今朝秋の風島ぢゆうをめぐりけり 阿部いく子 百鳥 200211
長江の淀みに秋の風集ふ 上野孝行 百鳥 200211
乗り換ふる小舟に重き秋の風 上野孝行 百鳥 200211
レリーフの子規の横顔秋の風 神蔵器 風土 200211
上げられしのあくび秋の風 城孝子 火星 200211
尾の長きものもありけり秋の風 竹村悦子 銀化 200211
金絲雀の籠とおもへり秋の風 佐藤喜孝 あを 200211
丸き石一つが仏秋の風 西川五郎 馬醉木 200212
人生に句読点あり秋の風 塩川雄三 築港 200212
足揉んで憩ふ遍路に秋の風 丸川越司 円虹 200212
秋の風花鳥月を手近うす 瀧新珠 京鹿子 200212
市営住宅廊下を走る秋の風 田中呑舟 火星 200212
阿羅漢のそれぞれに聞く秋の風 三代川次郎 雲の峰 200212
蚕の宮の提灯揺らす秋の風 中野薫 雲の峰 200212
草の穂にささやきのあり秋の風 大山妙子 酸漿 200212
浪音の衰へて来し秋の風 元山富代 200212
刈りすぎし頭をなづる秋の風 菅原光恵 百鳥 200212
秋の風海月にもある横流れ 今瀬剛一 対岸 200212
秋の風ワイングラスの触れる音 浅田光喜 対岸 200212
世は無常無情と秋の風に立つ 滝青佳 ホトトギス 200301
杖ひびくこれも跫音秋の風 安達実生子 200301
さだかなる碓氷峠の秋の風 小野寺節子 風土 200301
線香の煙に吹きぬ秋の風 黒川悦子 円虹 200301
黒猫の鋼の尾つぽ秋の風 三栖隆介 200301
祖谷九十九小便岩に秋の風 松本恒司 ぐろっけ 200301
朝夕の雨戸開け閉め秋の風 山口和子 ぐろっけ 200301
印章のつまみの龍や秋の風 高松由利子 火星 200302
仏ともつかぬ一石秋の風 角直指 京鹿子 200302
自転車の一こぎごとに秋の風 宮森毅 六花 200304
うかつにも臍吹かれけり秋の風 佐藤喜孝 青寫眞 200304
半袖にまだ未練あり秋の風 宮森毅 六花 200305
竹秋の風ゆつくりと空たわめ 上野孝行 百鳥 200307
白樺に色を貰ひて秋の風 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310
手のキブス柱にこつんと秋の風 浜口高子 火星 200310
片膝を抱きし羅漢秋の風 浅田光代 風土 200311
渡舟着くまでの櫓音や秋の風 遠藤真砂明 200311
秋の風振り返りても秋の風 今瀬剛一 対岸 200311
瀧壺に水の集まり秋の風 今瀬剛一 対岸 200311
二人ゐて一人は無口秋の風 三好智子 200312
竹林の小径一歩に秋の風 神山ゆき子 200312
船見えて動く歩道に秋の風 石平周蛙 対岸 200312
秋の風港倉庫で折り返し 蓮井崇男 対岸 200312
尾瀬沼の波しづかなり秋の風 石川英利 百鳥 200312
警備員つと帽上げり秋の風 宮沢千恵子 200312
前頭葉右脳左脳や秋の風 遠野萌 200312
拭きあげし畳に秋の風新た 高倉和子 200312
呼び鈴に扉開ければ秋の風 入江和子 ぐろっけ 200312
身をあづけ橋の欄干秋の風 徳田干鶴子 馬醉木 200401
病む鳥のおはやうと言ふ秋の風 数長藤代 200401
渇きたる子宮ふきぬく秋の風 片山クケ子 200401
秋の風オタリア急に泳ぎだす 角直指 京鹿子 200401
夢二の部屋の小窓覗けば秋の風 近藤豊子 雨月 200401
鳥の居ぬ鳥籠に吹く秋の風 大沢敦子 雲の峰 200401
牛つなぐ石に塩の香秋の風 小宮山勇 遠嶺 200401
応援の声運び来る秋の風 清水明子 遠嶺 200401
秋の風杉の直情深むなり 小林希世子 200401
足湯してくるぶしに来る秋の風 林之子 草の花 200401
大声を恵比須の耳に秋の風 神村鉄雄 草の花 200401
見上げたる櫓太鼓の秋の風 浜田みち子 草の花 200401
吹割の滝ショロショロと秋の風 浜本広子 ぐろっけ 200401
地獄坂とは名ばかりの秋の風 築城百々平 馬醉木 200402
裏日本吹きあぐねたり秋の風 加藤君子 火星 200402
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2021年10月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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