秋 風 5    129句

吹きおこる秋風鶴をあゆましむ    石田波郷

秋の風  秋風  金風  色無き風

作品
作者
掲載誌
掲載年月 
秋風をよすがとしたる久を句碑 桑田青虎 ホトトギス 200503
秋風や阿蘇見はるかし久を句碑 桑田青虎 ホトトギス 200503
秋風や身はひたぶるに仏恋ふ 前迫寛子 河鹿 200503
秋風や大仏の掌に生命線 成瀬櫻桃子 春燈 200504
秋風の中に生れし切火かな 高橋将夫 星の渦 200507
秋風や小諸と芦屋繋ぐ旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
秋風のときに潮風島巡り 稲畑汀子 ホトトギス 200509
鴎に餌秋風に手を乗せて待つ 稲畑汀子 ホトトギス 200509
省線の夜の秋風に身を曝らす 瀧春一 菜園 200509
野にひかる秋風窓にはしり來ぬ 瀧春一 菜園 200509
下駄穿いてゆく秋風の道硬く 瀧春一 菜園 200509
秋風の馳せゆく巖をわがつたふ 瀧春一 菜園 200509
目をほそめ萱の秋風をむかへける 瀧春一 菜園 200509
健けき妻秋風をわびしめる 瀧春一 菜園 200509
秋風やひとりの暇のうしろ手に 岡本眸 200509
秋風に向く取舵でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200510
秋風のやうやくといふ帰国かな 稲畑汀子 ホトトギス 200510
秋風や又旅多き日々となる 稲畑汀子 ホトトギス 200510
ずぶぬれの水車秋風遠くより 今瀬剛一 対岸 200510
秋風や遺品の蛙眼を開いて 今瀬剛一 対岸 200510
秋風や閂太き地蔵堂 鈴木とき子 対岸 200510
秋風の交譲木ゆずりぎに聞く開山史 能村研三 200510
秋風や焼印薄き玉子焼 太田佳代子 春燈 200511
秋風のあまりにまろき太鼓橋 中村恭子 200511
灯台としばらく聴けり秋風を 宮津昭彦 200511
鹿踊跳んで秋風定まれり 栗城静子 200511
秋風やオペの傷痕撫でさすり 大橋敦子 雨月 200511
背ラ吹く秋風海へ出てゆくか 宮尾直美 200511
秋風の大山マグマはなほ眠り 浜田南風 200512
海に出て秋風の先もう見えず 工藤義夫 馬醉木 200512
首筋に拾ふ秋風那智に来し 森嘉夫 春燈 200512
秋風が苛む椨のえぐり傷 能村研三 200512
秋風を受くにほどよき堂の反り 能村研三 200512
秋風につかまつてゆく葬かな 大島雄作 200512
秋風に何か問はれているやうな 菅原健一 200512
秋風が男に嘘をつかせをり 瀬下るか 200512
秋風と共に去りけり好奇心 瀬下るか 200512
秋風に農夫が憩ふレタス畑 青木政江 酸漿 200512
秋風の枯山水に流れあり 牧原佳代子 酸漿 200512
故郷墓見上ぐる恵那や秋風裡 豊田都峰 京鹿子 200512
秋風や人の噂が歩き出す 舩越美喜 京鹿子 200512
ある日その時の秋風奈良小路 岩木茂 風土 200512
半島や秋風軒を古びさす 八田木枯 晩紅 200512
秋風やふと振り返り誰もゐず 小谷延子 栴檀 200512
秋風の影にうごめく猫のゐて 榎本孤星 築港 200512
篠笛の指秋風をあやつれり 田中藤穂 あを 200512
秋風におぼれ妣より老いふかむ 吉弘恭子 あを 200512
秋風や金髪の子も葬の列 山嵜加代子 河鹿 200601
嘶きは馬の母恋ひ秋風裡 泉田秋硯 200601
秋風や解体進む地球博 加藤泰子 四葩 200601
秋風に押されて人の遠ざかる 佐藤文昭 四葩 200601
藩校の庭秋風の七曲り 鈴木榮子 春燈 200601
秋風や内ポケットに針と糸 飛鳥由紀 200601
秋風や諏訪の木落し坂に佇ち 加地芳女 雨月 200601
秋風の高き低きに鴎あり 牧原佳代子 酸漿 200601
秋風と塔のへつりへ渡る橋 中緒和子 酸漿 200601
秋風や乾きて木綿ものばかり 鹿野佳子 200601
秋風の身ぬちにおよぶ水際かな 糸井芳子 200601
秋風に籠る醤の匂ひかな 次井義泰 200602
サッポロの秋風添へて貼る切手 岸田爾子 200602
露天湯に胸乳沈めて秋風裡 林和子 200602
秋風の吊橋雲を踏んでゆく 岩岡中正 ホトトギス 200602
秋風に色あらば伊賀の水の色 稲岡長 ホトトギス 200602
秋風に流されて行く蝶は点 丹生をだまき 京鹿子 200602
秋風も吾も過客や色ケ浜 山田弘子 ホトトギス 200603
秋風や水に落ちたる空のいろ 久保田万太郎 春燈 200603
秋風や花鳥諷詠人老いず 久保田万太郎 春燈 200603
山脈のかたちは秋風のかたち 岩岡中正 ホトトギス 200604
秋風の通りぬけゆく蛍籠 ことり 六花 200605
秋風や何もでて来ぬ穴があり 本多俊子 さくらの音 200605
海の雲朝の秋風に毟らるる 瀧春一 常念 200606
秋風や一と間を隱す葛の蔓 瀧春一 常念 200606
秋風と家離る子よ強く生きよ 瀧春一 常念 200606
秋風やおおきみむねにいだかるる 瀧春一 常念 200606
秋風や赤く見ゆるは黍車 瀧春一 常念 200606
秋風が扉を開けたままの晝寝夫婦 瀧春一 瓦礫 200606
秋風や遅遁句碑に人々に 稲畑汀子 ホトトギス 200608
秋風や句碑の春秋偲びつつ 稲畑汀子 ホトトギス 200608
秋風に鼈甲飴の林立す 山尾玉藻 火星 200610
秋風の人のかげより人現るる 宮津昭彦 200610
秋風や白をひろぐる鷺の舞 苑実耶 200610
かはほりの秋風に吹き戻さるる 山田六甲 六花 200610
木にのぼるから秋風が見えてくる 堀内一郎 あを 200610
たゆき身を心は離れ秋風裡 林翔 200611
「僕もそろそろ」あと秋風に攫はるる 湯橋喜美 200611
秋風を鋤き込んでゆく鍬づかひ 酒本八重 200611
秋風や引く波の音身に残り 大川ゆかり 200611
秋風に背中押さるる気配かな 島田和子 風土 200611
秋風や比叡の山を際立たす 杉本薬王子 風土 200611
秋風やわが手のひらの過去未来 藤井寿江子 馬醉木 200611
秋風を連れてトロット軽やかに 高根照子 200612
秋風や高き荷負うて歩荷来る 木暮剛平 万象 200612
秋風や研師に貸せる軒と水 飛鳥由紀 200612
秋風や左手のみのピアニスト 片山タケ子 200612
秋風やキリンの耳の奥うねる 戸田和子 200612
秋風や君に香華を手向くとは 安達風越 雨月 200612
秋風や寂れし町のまた寂れ 山田暢子 風土 200612
秋風や砕きて白き貝の殻 南うみを 風土 200612
額縁を出て秋風にとりまかれ 木村茂登子 あを 200612
秋風を歩くに水のほか持たず 青山丈 200612
絆とはつたはる温み秋風に 沢田邦子 200612
秋風を洗濯挟みで止めて置く 和田照子 200701
秋風や回りの道のよく見えて 高倉和子 200612
オープンキャンパス秋風にカレーの香 荒井千佐代 200612
いづこより来しと問ふ巨樹秋風裡 戸田和子 200701
秋風にひたるよろこび山仕事 吉澤利治 遠嶺 200701
山気満つ杉の葉擦れも秋風も 山田天 雨月 200701
秋風のうごくのれんに「ゆ」の一字 中村碧泉 ぐろっけ 200701
秋風や重なり合へる絵馬の音 KOKIA 六花 200701
秋風を受けて夜空を仰ぎたる わかやぎすずめ 六花 200701
秋風や親しき友が訪うて来し わかやぎすずめ 六花 200701
宙返る唐子秋風うらがへし 刈米育子 200702
心地好き秋風とほる醤蔵 柴崎則子 遠嶺 200702
すみずみへ秋風とどく永平寺 武藤ともお 京鹿子 200702
秋風や干網高き網代浜 松本文一郎 六花 200702
秋風を捉へ山湖のさざなみす 佐々木幸 200702
秋風に雲流るるな父逝くな 森田子月 ぐろっけ 200703
谷戸谷戸に秋風の行く道あり 百瀬七生子 海光 200705
秋風の門がいくつも山城に 百瀬七生子 海光 200705
秋風にゆるゆる剥がれ棕櫚の皮 百瀬七生子 海光 200705
秋風に白蘇るヨットの帆 百瀬七生子 海光 200705
日盛りを秋風さそふ黍畑 瀧春一 200706
日本海には秋風のあり余る 稲畑汀子 ホトトギス 200708
大川の秋風いつも裏切らず 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
秋風と対話してゐるビルの窓 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
秋風にスクリュー音の谺して 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
秋風や網戸の網は見えざりき 山田六甲 六花 200709
秋風の句碑秋風に磨かれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
快晴の旅秋風を身ほとりに 稲畑汀子 ホトトギス 200710
秋風 6      

 

2021年10月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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