秋 風 2     103句

秋風やそのつもりなくまた眠り    久保田万太郎

秋の風  秋風  金風  色無き風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋風の吹きぬけてゆく千社札 有山光子 遠嶺 200101
秋風に宝篋印塔削がるるごと 二神節子 200101
秋風とつぶやいてみる二度三度 鎌倉喜久恵 あを 200101
秋風や離れさうなる夢を抱き 柴田美佐子 いろり 200101
校庭に出て秋風の校舎みる 盛良孝 200101
秋風も都会に染まりをりにけり 中川萩坊子 ホトトギス 200102
ビル谷間あれば秋風埋めんとす 中川萩坊子 ホトトギス 200102
東京の秋風人に触れ過ぎし 中川萩坊子 ホトトギス 200102
秋風に触れては戻り来るその日 鈴木しどみ ホトトギス 200102
秋風のわが耳に来てものを言ふ 鈴木しどみ ホトトギス 200102
大虚子に遇ひ六甲の秋風に 日夏緑影 ホトトギス 200102
秋風や指に爪なき聖母像 大庭土筆 ホトトギス 200102
秋風やグレゴリアンに日の落つる 大庭土筆 ホトトギス 200102
秋風や大きく反らす帽庇 塙告冬 ホトトギス 200102
秋風の残せし雲を染め夕日 塙告冬 ホトトギス 200102
風紋として秋風を残しけり 塙告冬 ホトトギス 200102
一本の指秋風を探りをり 小原扉外 ホトトギス 200102
秋風の闇へ硝子戸ロックする 小原扉外 ホトトギス 200102
秋風や船尾を上げて氷川丸 鷹羽狩行 200102
秋風の吹きぬけてゐる埴輪の目 岡和絵 火星 200102
水走るもののひとつに秋風も 中島真沙 円虹 200102
秋風にすこし流れて漕ぎはじむ 高瀬哲夫 200102
秋風にトランク転がす曲芸師 日吉わたる 船団 200102
うきわれの句碑に秋風あきのかぜ 水谷芳子 200103
秋風や魔よけのように吊る背広 延原ユキエ 船団 200103
秋風の中を抜けいできて笑ふ 岡井省二 200107
身のうちの秋風といふ耳澄ます 能村登四郎 200108
いつよりか秋風ごろを病むならひ 能村登四郎 200108
秋風の岩にとびつく水馬 山尾玉藻 火星 200109
どこに臍ある秋風と思ひをり 岡井省二 200109
秋風の家路に名残ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200110
秋風や絹組むやうに竹組みて 山仲英子 200110
秋風や血のいろ透かせ豚の耳 笠松浩子 200110
秋風や栗鼠跳梁の荘の庭 水原春郎 馬醉木 200110
難聴の耳に秋風ひびきけり 三宅句生 馬醉木 200110
秋風やテント残され祭あと 三井公子 酸漿 200110
秋風を起こす天狗の羽団扇 岡田万壽美 俳句通信 200110
忘れずにゐて秋風を立たせけり 中原道夫 銀化 200110
秋風とおもふ風吹くおくれ毛に 大田かづみ いろり 200110
秋風の行く先見える船溜まり 大平保子 いろり 200110
裏道や秋風にのるカレーの香 斉藤静枝 あを 200110
秋風の銀座にいくつ路地稲荷 能村登四郎 羽化 200110
秋風や箍のゆるみし産湯桶 平田安生 風土 200111
秋風一過ホームに次の一過待つ 武井美代子 風土 200111
ひらひらと秋風渡り来たるなり 武井美代子 風土 200111
秋風の根元に首輪埋めにけり 杉浦典子 火星 200111
カーテンのゆれて秋風見えにけり 加藤君子 火星 200111
秋風やグラバー園の古時計 中里カヨ 酸漿 200111
秋風や子は棒拾ひ帰りくる 林田加杜子 いろり 200111
秋風や笑ふほかなし老いに老い 芝尚子 あを 200111
かの篩秋風漉せとばかりなり 中原道夫 銀化 200111
肉ゆるびとは秋風を生む慣ひ 竹村悦子 銀化 200111
駅を出て独り忽ち秋風裡 松村富子 200112
ころぶ老人秋風のせいにする 植村立風子 海程 200112
秋風の思ひ當るをいくたびも 中原道夫 銀化 200112
西ノ下の秋風起こる松一樹 山田弘子 円虹 200112
秋風を聞く俳磚の汝がほとり 山田弘子 円虹 200112
静けさの苑秋風の過ぐるのみ 梅田実三郎 円虹 200112
辻々に出逢ふ秋風古都の晴 梅田実三郎 円虹 200112
秋風の子よ指折りて何数ふ 岡本眸 200112
自動ドア開けば秋風ついて来る 竹川美佐子 いろり 200112
秋風や鮠の匂ひの男とは 小山森生 200112
秋風や羽毛のごとく鳥流れ 山西雅子 200112
秋風の小柄な豹を見に来たり 田村みどり 京鹿子 200112
花鳥図の秋風通ふ大天井 佐藤悦子 百鳥 200112
秋風や貝の化石の振れば鳴る 幡江美智子 百鳥 200112
牡丹の絵馬秋風に打ち合へり 武田孝子 春耕 200112
秋風をうなじに感じをりにけり 成嶋いはほ ホトトギス 200201
秋風を海へ広げて隅田川 今瀬剛一 200201
秋風や女の抱けるペルシヤ猫 城孝子 火星 200201
十字架となりし鉄骨秋風裡 山陰石楠 200201
秋風や孤絶極むる烽火台 有働亨 馬醉木 200201
いづくまで秋風吹かば沙漠果てむ 有働亨 馬醉木 200201
秋風や河口に広き木地師村 田中由喜子 馬醉木 200201
文楽の里の秋風頬を撫で 永田あき 酸漿 200201
秋風の木々吹き心吹き抜くる 安陪青人 雨月 200201
秋風のかたまって吹く切通し 片山喜久子 雨月 200201
秋風を孕む上手をしてゐたる 中原道夫 銀化 200201
つれなくも秋風の梳く癖毛かな 中原道夫 銀化 200201
秋風や銀のボタンに穴二つ 高橋将夫 200201
秋風に向ひて墨を磨つてをる 雨村敏子 200201
秋風にふらりと戻り来はせぬか 堀川千代子 百鳥 200201
秋風の砦の森に夕日落つ 寺内佶 遠嶺 200201
秋風や天女のもたぬ土ふまず 大森美恵 風土 200201
背伸びして濃き秋風にひたりけり 武井美代子 風土 200201
秋風のぼくが叩いて渡る橋 堀内一郎 あを 200201
秋風やゴーツと木の葉走り出す 森田子月 ぐろっけ 200201
夕鐘の南無とひびきぬ秋風裡 林和子 200202
なすことをなし秋風の人となる 小川文子 京鹿子 200202
秋風や瑞歯の生えてゐたるなり 中島陽華 200202
西の原秋風聴きに再遊し 大石喜美子 雨月 200202
パンの耳とて秋風を聞きをらん 宮みさお 百鳥 200202
秋風の透けしなじみのボールペン 寺内佶 遠嶺 200202
秋風に一寸眉目よき鬼瓦 岡本幸枝 ぐろっけ 200202
秋風にくすぐられてや水笑ふ 北畠明子 ぐろっけ 200202
秋風や身体髪膚吾にもあり 嶋田一歩 ホトトギス 200203
古町に老いて秋風聞くべかり 浅井青陽子 ホトトギス 200203
秋風や体の不調一つ増え 山本潤子 いろり 200203
虚子は秋風の情春風の情 岩岡中正 ホトトギス 200204
法善寺横丁秋風の幾曲り 宮原みさを 花月亭 200208
芭蕉展見む秋風に誘はれて 宮原みさを 花月亭 200208
古簾より秋風を覗きみる 宮原みさを 花月亭 200208
秋風に覚めて赤子の泣き止まず 宮原みさを 花月亭 200208
秋風 3→      

2021年10月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。