赤蜻蛉 2      200句

小春日や石を噛み居る赤蜻蛉    村上鬼城

蜻蛉  赤蜻蛉 とんぼ 糸とんぼ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
止まったよタマの尾つぽへ赤とんぼ 井上石動 あを 201409
カーペンターズの声に乘り来る赤蜻蛉 大日向幸江 あを 201409
絵日記の最後の頁赤蜻蛉 岩永はるみ 春燈 201411
つながりて群がりてはや赤とんぼ 黒滝志麻子 末黒野 201411
覗きたるレンズを過る赤蜻蛉 川上久美 ろんど 201411
群るること好きで夕べの赤蜻蛉 樋口みのぶ 201411
かはたれに切れ良く飛びし赤とんぼ 江島照美 201411
色の田の風に褪せゆく赤とんぼ 松本鷹根 京鹿子 201411
人麿の歌碑に寄り来る赤蜻蛉 西村しげ子 雨月 201411
羽やはし低きに群るる赤とんぼ 山本孝夫 201412
子の指の魔術に酔へる赤蜻蛉 塩路五郎 201412
赤蜻蛉群れて落暉に溶け込める 田中淺子 201412
大奥跡見回る様に赤蜻蛉 野村重子 末黒野 201412
虫捕りの網の輪つかに赤とんぼ 黒木東吾 やぶれ傘 201412
赤とんぼ幼馴染の匂ひせり 熊川暁子 201412
看板の耳鼻科すぐそこ赤とんぼ 庄司久美子 201412
ウエディングドレスの好きな赤蜻蛉 椿和枝 201412
赤とんぼ乱舞の影や落暉急 椿和枝 201412
山の子に空の高くて赤とんぼ 播磨武子 雨月 201412
湯煙の片方に群るる赤蜻蛉 四條進 201412
赤とんぼ並んでゐたる防波堤 大崎紀夫 やぶれ傘 201501
慰問して泣かれてゐたる赤とんぼ 樋口みのぶ 201501
風に乗り光に乗りて赤とんぼ 小林和世 201501
赤とんぼ手話晩学の光の輪 鴨下昭 201501
赤とんぼ舟溜りより湧きにけり 前田忍 火星 201501
ロシア正教教会ドアに赤蜻蛉 土井ゆう子 風土 201501
金色の没日の沼辺赤とんぼ 中村紀美子 春燈 201501
晩節はゆるりとすすむ赤とんぼ 本多俊子 201501
赤トンボたんぼアートの富士越える 鎌田慶子 ろんど 201501
赤とんぼ黙つて人の遠くなり 三木千代 201502
干竿の高さ赤とんぼの高さ 戸栗末廣 201503
百度石に行きつ戻りつ赤とんぼ 安野眞澄 201510
堰音に遊ぶ親子と赤とんぼ 上原重一 201510
畦川に影を流して赤とんぼ 平田はつみ 馬醉木 201511
草の葉を揺らすことなき赤蜻蛉 飯田ひでを 201511
遥拝の向きにとまりし赤とんぼ 鈴木庸子 風土 201511
赤とんぼ地平線まで馬塞つづく 山田春生 万象 201511
赤蜻蛉より高くゐる電工夫 大内マキ子 万象 201511
水杙の芯の残れり赤とんぼ 岡井マスミ 末黒野 201511
かはりなき漁港のにほひ赤とんぼ 根橋宏次 やぶれ傘 201511
用水を草流れゆく赤とんぼ 丑久保勲 やぶれ傘 201511
あかとんぼ群れ病棟の長き屋根 青谷小枝 やぶれ傘 201511
かつて原子野赤とんぼ赤とんぼ 千波悠 201511
赤とんぼ賑やかな子の登校日 平野みち代 201511
回想の起点としたり赤とんぼ 能村研三 201511
赤とんぼ杭よりはなれ風となる 望月晴美 201512
赤とんぼ上りホームが好きらしく 千田百里 201512
里山の雲燃え残る赤とんぼ 大上充子 馬醉木 201512
とまりたる草ごと吹かれ赤とんぼ 菊池洋子 やぶれ傘 201512
風の来て影揺れてをり赤とんぼ 久世孝雄 やぶれ傘 201512
天守跡の大き礎石や赤蜻蛉 秋山信行 やぶれ傘 201512
赤とんぼ競ひて採りし子の日あり 長谷川友子 春燈 201512
喜寿祝ふごとくあまたの赤とんぼ 中貞子 201512
伊勢湾を遠景にして赤蜻蛉 中貞子 201512
赤とんぼとまりてゆきぬ砂の城 坂本具子 万象 201512
赤とんぼ野外舞台につるみけり 加藤峰子 201512
ドローンの奇襲を受くる赤とんぼ 相良牧人 201512
自動車の屋根の自転車赤とんぼ 平野みち代 201512
赤とんぼフォーメイションを怠らず 相良牧人 201512
赤とんぼ群れて山から里へくる 田中藤穂 あを 201512
山合の一字覆ふ赤とんぼ 田中藤穂 あを 201512
方位盤に止まり直して赤とんぼ 鈴木庸子 風土 201512
蒼天の宙に静止す赤とんぼ 栗山恵子 雨月 201512
父子句碑祝ぎて輪舞の赤蜻蛉 横山昭子 雨月 201512
赤蜻蛉曲輪門跡櫓跡 根岸善行 風土 201512
ゆく道の迷ひに増ゆる赤蜻蛉 高野春子 京鹿子 201601
どの指も意志をもちをり赤とんぼ 中山皓雪 201601
夕刊に乗つて来たのか赤とんぼ 田原陽子 201601
飛ぶよりも吹かれてゆきぬ赤とんぼ 畠山昭司 201601
赤蜻蛉群れゐて音のなき流れ 松田泰子 末黒野 201601
風道を平らに均し赤とんぼ 松浦哲夫 末黒野 201601
秋晴や数を増したる赤蜻蛉 宮ア他異雅 末黒野 201601
赤蜻蛉休みの長き竿の先 今野明子 末黒野 201601
赤とんぼ雲より湧きて来るごとし 吉田順子 201601
海見えぬ海浜通り赤とんぼ 山田正子 201601
昼月の近江舞子の赤とんぼ 中島陽華 201602
赤とんぼ芝生の庭の先に海 青谷小枝 やぶれ傘 201602
川越しに明日の約束赤とんぼ 青谷小枝 やぶれ傘 201602
空に赤蜻蛉池には緋鯉群れ 木村享史 ホトトギス 201603
遊ぶ子の去にたる河原赤とんぼ 落合由季女 雨月 201606
宿題半ば赤とんぼ増えてをり 内山花葉 201611
古いほど記憶鮮明赤とんぼ 浅野吉弘 201611
土木課の女性の技師や赤とんぼ 浅野吉弘 201611
測量の基点の杭に赤とんぼ 浅野吉弘 201611
赤とんぼ空の青きに入りゆけり 大橋晄 雨月 201611
橋にある入口出口赤とんぼ 高橋道子 201611
防人の峰火台より赤とんぼ 山本則男 201611
日本海茫茫たるや赤蜻蛉 大日向幸江 あを 201611
干されゐる網に止まりて赤蜻蛉 瀬島洒望 やぶれ傘 201611
汽車すぎて宙にとどまる赤とんぼ 那須淳男 馬醉木 201612
草丈は風のシーソー赤とんぼ 工藤ミネ子 風土 201612
赤蜻蛉こどもの声に居るを知る 藤波松山 京鹿子 201612
竹藪の闇よりふいと赤とんぼ 加藤峰子 201612
赤とんぼ汀女の影を見失ふ 中村紀美子 春燈 201612
父母ありてこその故郷赤とんぼ 赤岡茂子 春燈 201612
学生記者の肩先の赤とんぼかな 佐藤博重 春燈 201612
敗戦日赤とんぼうの現はるる 松村光典 やぶれ傘 201612
風渡る猿島にはや赤蜻蛉 飯田久美子 末黒野 201612
赤蜻蛉草刈る人の背をかすめ 加藤昌安 末黒野 201612
熱闘の後のグランド赤とんぼ 鈴木みのり 201612
赤とんぼ親しむ石の欄干よ 岡田桃子 201701
遥拝の向きにとまりし赤とんぼ 鈴木庸子 風土 201701
雷声を収む日晴れて赤とんぼ 荒井和昭 201701
いちいちにこの赤とんほお節介 相良牧人 201701
赤とんぼ鉄条網は今も錆ぶ 荒木甫 201701
日時計に大き誤差あり赤とんぼ 宮崎高根 201701
車座の園児の上を赤とんぼ 鍋島広子 万象 201701
赤とんぼ湧きくるごとし分教場 野畑さゆり 201701
親類の親類が増ゆ赤とんぼ 森岡正作 201701
野路行けば膝の高一に赤とんぼ 廣瀬雅男 やぶれ傘 201701
赤とんぼどの子もみんな上を向き 河西志帆 京鹿子 201702
公園に園児の声縫ふ赤とんぼ 藤波松山 京鹿子 201702
午後四時の宇宙の寝息赤とんぼ 香川昭子 船団 201707
ひだまりのなんおくねんの赤とんぼ 香川昭子 船団 201707
さよならのカツ丼あれは赤とんぼ 香川昭子 船団 201707
ラ・マンチャの男追ってる赤とんぼ 香川昭子 船団 201707
親しらず出ている赤とんぼいない 香川昭子 船団 201707
赤とんぼ眼球地球をはみ出して 香川昭子 船団 201707
赤とんぼ改行なしのラブレター 香川昭子 船団 201707
赤蜻蛉昔の悪さごめんなさい 篠原京子 201709
火の山の飛火のごとき赤蜻蛉 穐好樹菟男 馬醉木 201710
水槽のやうな空間赤とんぼ 高橋まき子 風土 201710
一乗谷滅びの跡や赤とんぼ 佐藤貞子 雨月 201710
集ひきては風起こしゆく赤とんぼ 谷田明日香 風土 201711
休校の運動場の赤蜻蛉 栗山恵子 雨月 201711
大仏に円舞奉ずる赤蜻蛉 奈辺慶子 雨月 201711
クレーン伸ぶ近々泳ぐ赤とんぼ 富永小谷 馬醉木 201712
棟こえて行きつ戻りつ赤とんぼ 富永小谷 馬醉木 201712
仮の屋根もつれ遊ぶは赤とんぼ 富永小谷 馬醉木 201712
赤蜻蛉宵の明星見える頃 大日向幸江 あを 201711
赤蜻蛉メタセコイアの末の空 岡崎春菜 万象 201712
チチカカ湖まで旅に出るわと赤とんぼ 辻響子 201712
水玉に目を回してる赤とんぼ 波戸辺のばら 201712
ゼロ並ぶスコアボードや赤とんぼ 斉藤マキ子 末黒野 201712
空を切る百いな千の赤とんぼ 平野みち代 201712
近道は女坂なり赤蜻蛉 横田初美 春燈 201712
赤とんぼ飛行機雲をゆらしけり 佐々木並 春燈 201712
山気和ぐや群れ赤とんぼ河なせり 渕上千津 201712
郷愁に色あらばこの赤蜻蛉 林昭太郎 201712
ファンファーレ馬場を飛び立つ赤とんぼ 稗田寿明 201712
行先は風が教へる赤とんぼ 有松洋子 201712
赤とんぼふやしてゆきし狐雨 片山煕子 京鹿子 201712
赤とんぼ糸で吊られてゐるやうな 菅谷たけし 201801
比良の裾野は風おだやかに赤とんぼ 駒井でる太 馬醉木 201801
赤とんぼ隣の塀に止まりさう 瀬島洒望 やぶれ傘 201711
青空へ広い空へと赤とんぼ 赤羽陽子 春燈 201801
一色に空を染め来る赤とんぼ 赤川誓城 ホトトギス 201802
赤とんぼ墓の高さを離れざる 岸洋子 201801
赤とんぼ代り映えせぬ日の暮るる 田岡千章 201803
左目の瞼に住まわす赤蜻蛉 梨地ことこ 船団 201805
草の丈使ひ切つたる赤蜻蛉 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
滝口の風断つ念誦赤とんぼ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201810
赤とんぼ休ませ慈眼野の佛 藤岡紫水 京鹿子 201811
峡の田の風に段差や赤とんぼ 大沢美智子 201811
竜笛の流れに乗りし赤蜻蛉 中貞子 201811
赤蜻蛉すいと思索の途切れたる 吉田順子 201811
吉備の空掻き混ぜてゐる赤蜻蛉 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
赤とんぼリビングの灯に狂ひ飛ぶ 篠田純子 あを 201812
わが町のノラ猫マップ赤とんぼ 火箱ひろ 201812
赤とんぼ触れば目病む言ひ伝へ 近藤紀子 201812
山頂の石積む標赤とんぼ 斉藤マキ子 末黒野 201812
赤とんぼ風より先に風になり 松本幸子 馬醉木 201812
赤とんぼ寡黙な町のこゑ拾ふ 小川すみれ 京鹿子 201812
かくれんぼの鬼の分身赤蜻蛉 井尻妙子 京鹿子 201901
赤とんぼ風の段差に躓きぬ 平田初音 京鹿子 201901
ポソ・ポソと爺じの散歩赤とんぼ 安田優歌 京鹿子 201901
集ひきては風起こしゆく赤とんぼ 谷田明日香 風土 201901
灯篭の天辺にゐる赤とんぼ 丑久保勲 やぶれ傘 201901
雨上がりたり赤とんぼ群れ来たる 廣瀬雅男 やぶれ傘 201901
年寄りの青春切符赤トンボ いろは 201901
ハモニカの音の中なる赤とんぼ 押田裕見子 201902
もういらぬ鍵の鈴鳴る赤とんぼ えとう樹里 201902
げんげ蒔く児についてゆく赤とんぼ 眞田忠雄 やぶれ傘 201902
統合の続く寒村赤とんぼ 植村蘇星 京鹿子 201909
飛び石の庭の掟や赤とんぼ 鈴鹿仁 京鹿子 201909
赤とんぼ過ぎし日のみな透きとほり 北川孝子 京鹿子 201910
赤とんぼ穂波の空も青々と 鈴鹿呂仁 京鹿子 201910
赤とんぼ素知らぬ貌の駅ホーム 鈴鹿呂仁 京鹿子 201910
赤とんぼ夕日に羽の赤く透け 樺山翠 雨月 201910
はらからのみんな遠くに赤とんぼ 森岡正作 201910
放心か無心か見送る赤とんぼ 北川孝子 京鹿子 201910
空つぽのリフトが動く赤とんぼ 有賀昌子 やぶれ傘 201911
谷川の風をななめに赤とんぼ 西村白杼 京鹿子 201911
忌を修す夕日返しの赤とんぼ 村田あを衣 京鹿子 201911
デイパック置くや止まりぬ赤蜻蛉 松本三千夫 末黒野 201911
赤とんぼ群れ夕空の動かざる 吉田順子 201911
指揮棒の先に生れたる赤蜻蛉 岩下芳子 201911
赤蜻蛉水平線を染め上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
往診の白衣赤とんぼを肩に 山浦紀子 春燈 201911
野を燃やす夕日のかけら赤蜻蛉 藤野力 馬醉木 201911
ただ広き出城の跡を赤とんぼ 青谷小枝 やぶれ傘 201911
湖畔ゆく帽子に背ナに赤とんぼ 福岡かがり 雨月 201911
どこまでも付いていきたし赤とんぼ 小林朱夏 201912
赤とんぼ会っておきなよ会える時 たかはしすなお 201912
赤とんぼくるり私のウラオモテ おーたえつこ 201912
人は泣く生き物なんだ赤蜻蛉 林田麻裕 201912
赤とんぼ甘辛のある唐辛子 江見巌 六花 201912
測量に付かず離れず赤とんぼ 森岡正作 201912
ついて来て肩に止まりし赤蜻蛉 池上昌子 春燈 201912
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