赤蜻蛉 3      93句

小春日や石を噛み居る赤蜻蛉    村上鬼城

蜻蛉  赤蜻蛉 とんぼ 糸とんぼ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
赤とんぼ赤に寂しさありにけり 江島照美 201912
赤とんぼ用あるごとくついと来て 野上あつ子 雨月 201912
三叉路の風の自在や赤蜻蛉 山田由利枝 雨月 201912
廃校の鉄棒の子に赤とんぼ 武生喜玖乃 雨月 201912
赤とんぼ命の森に朱を点じ 藤原文代 雨月 201912
おく嵯峨の主になりきり赤蜻蛉 北村梢 京鹿子 202001
赤蜻蛉ニアミスのなく流れをり 小林のり人 春燈 202001
お互いに追ひつ追はれつ赤蜻蛉 中堀倫子 202001
恋ごころまだあるかもね赤とんぼ 太田沙良 202001
赤とんぼ赤きは情の濃きならむ 村上絢子 馬醉木 202001
風と駆く子供の声と赤とんぼ 山本雅子 馬醉木 202001
反芻の牛の牧空赤とんぼ 中村風信子 馬醉木 202001
玉入れの号砲待つ間赤とんぼ 宮澤靖子 末黒野 202002
湿原をつなぐ木の橋赤とんぼ 森清信子 末黒野 202002
おそろひの赤きドレスや赤とんぼ 吉澤恵美子 京鹿子 202002
菜園が農家の庭に赤とんぼ 湯本実 やぶれ傘 202002
赤とんぼ草の葉ゆらし止まりゐる 山本久枝 やぶれ傘 202002
草千里なり老人と赤とんぼ 竹内悦子 喜悦 202002
明日もまた夕陽浴びんと赤とんぼ 阿部さちよ 202002
どこまでも付いていきたし赤とんぼ 小林朱夏 202002
またねって軽い約束赤とんぼ 火箱ひろ 船団 202003
赤とんぼ安曇野統べてまさをなり 丸山千穗子 末黒野 202004
生家なき里となりけり赤とんぼ 森田明成 202005
ふと風の止まりしことも赤蜻蛉 佐藤恭子 あを 202007
梵鐘の一打に湧けり赤蜻蛉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
赤蜻蛉君の指先褥とし 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
赤蜻蛉茜とともに引きにけり 森清信子 露の堂 202008
出棺の空へ湧き立つ赤蜻蛉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
駅員の見当たらぬ駅赤とんぼ 瀬島洒望 やぶれ傘 202010
坂上の馬頭観音あかとんぼ 安藤久美子 やぶれ傘 202010
武蔵野は風の国原赤蜻蛉 栗坪和子 202011
里山や帽子の好きな赤とんぼ 久米憲子 春燈 202011
鍵をせぬ里の暮しや赤とんぼ 大槻祐二 春燈 202011
山門を行きつ戻りつ赤とんぼ 大槻祐二 春燈 202011
赤蜻蛉一気に湧きて触れもせず 大内幸子 六花 202011
赤蜻蛉どこから湧きてどこへ消ゆ 大内幸子 六花 202011
測量に付かず離れず赤とんぼ 森岡正作 201911
切株に見つめる命赤とんぼ 平野無石 202011
子山羊のあたり殊に多くのあかとんぼ 佐藤喜孝 あを 202011
洗濯物とりこむ竿に赤とんぼ 田中藤穂 あを 202011
赤とんぼほどほどの陽の中に 大日向幸江 あを 202011
段々のこの段が好き赤とんぼ 浅田光代 風土 202012
城跡に打つて出るなり赤とんぼ 太田良一 末黒野 202012
風わたる青粉の沼や赤とんぼ 加藤静汀 末黒野 202012
釣竿にふれてははなれ赤とんぼ 堺昌子 末黒野 202012
釣人の釣竿の先赤とんぼ 堺昌子 末黒野 202012
赤とんぼの群るる本栖湖富士映し 宮澤靖子 末黒野 202012
山裾の棚田に低く赤とんぼ 塚越弥栄子 末黒野 202012
古池や影を遊ばす赤とんぼ 石原孝人 京鹿子 202101
赤とんぼ水車は水を裏返す 石原孝人 京鹿子 202101
墓碑はみな待つ形なり赤蜻蛉 甲州千草 202101
一匹に広き空あり赤とんぼ 木下晃 末黒野 202102
石蹴りに夢中な頃の赤とんぼ 三井所美智子 202102
古民家の弓場の空や赤とんぼ 与田幸江 末黒野 202103
沈黙も時には愉し赤とんぼ 西住三惠子 202104
赤蜻蛉夕日に吸はれゆく刹那 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
竿あれば竿を友とし赤蜻蛉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
出棺の警笛に湧く赤蜻蛉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
赤とんぼ逸れて街の声拾ふ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202110
赤蜻蛉かき消え空の残りけり 西川保子 春燈 202110
空海の錫丈錆びし赤とんぼ 鈴木和江 202111
生家なき郷となりけり赤とんぼ 里村梨邨 202111
赤蜻蛉思ひ出せないことばかり 廣瀬正雄 やぶれ傘 202111
赤とんぼ電池仕掛けの子の玩具 井尻妙子 京鹿子 202111
追憶の空は真青や赤とんぼ 安田優歌 京鹿子 202111
百尋の渓間に浮游赤蜻蛉 七郎衛門吉保 あを 202111
心地よき西の風吹く赤とんぼ 長崎桂子 あを 202111
瀬戸の海出船入船赤とんぼ 木下圭子 ホトトギス 202112
腐葉土の匂ふ小径や赤とんぼ 久保久子 春燈 202112
赤とんぼ六肢固めて棒の先 大坂正 末黒野 202112
鍬の柄を立つれば止まる赤とんぼ 竹村淳 202112
はな丸をどの子にあげよ赤とんぼ 中貞子 202112
鍬の柄を立つれば止まる赤とんぼ 竹村淳 202112
さあ来たぞ庭の高木に赤とんぼ 奥田温子 やぶれ傘 202112
青年の肩にとまるや赤とんぼ 佐藤まさ子 春燈 202201
赤とんぼ夕日に舞うて米所 黒滝志麻子 末黒野 202201
風わたる青粉の沼や赤とんぼ 加藤静江 末黒野 202201
守るかに水子地蔵へ赤とんぼ 渡辺美智子 末黒野 202201
大声に呼ばるる夕べ赤とんぼ 伊藤由良 末黒野 202201
懐郷の鐘の音遠し赤とんぼ 安田優歌 京鹿子 202203
腐葉土の匂ふ小径や赤とんぼ 久保久子 春燈 202212
ゆきあひの空に群れ飛ぶ赤とんぼ 小池一司 やぶれ傘 202212
街道の火の見櫓に赤とんぼ 佐藤稲子 やぶれ傘 202212
回転扉まで付いてくる赤とんぼ 細川洋子 202212
苔なせる石仏群や赤とんぼ 岡田史女 末黒野 202212
赤とんぼそちらの空は行き止まり 山中志津子 京鹿子 202212
たはごとを田に捨ててくる赤とんぼ 江見巌 六花 202212
線描の光となれり赤とんぼ 森清信子 末黒野 202301
己が肩へ寂しからんと赤とんぼ 大坂正 末黒野 202301
目配りをあなたこなたへ赤とんぼ 山本正 京鹿子 202301
赤とんぼ群れ飛ぶ中で野球して 広瀬 済 やぶれ傘 202302
赤とんぼ群れ来て球審タイムかけ 広瀬 済 やぶれ傘 202302
今生は遊ぶ生なり赤とんぼ 木暮陶句郎 ホトトギス 202302
尼寺の跡と伝へて赤蜻蛉 今村千年 末黒野 202302
赤蜻蛉→1

 

2023年9月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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