夕 焼 9       119句

  秋夕焼  冬夕焼  寒夕焼  春夕焼  春茜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
行き合ひの空彩るや大夕焼 加藤静江 末黒野 201911
寄せ返す万変の波大夕焼 森清信子 末黒野 201911
夕焼の水面に水輪また水輪 岡田桃子 201911
大夕焼己が影を耕せり 岩田洋子 201911
遠富士に夕焼雲のひとかけら 廣瀬雅男 やぶれ傘 201911
夕焼の中の鐘楼仰ぎ見る 手島伸子 雨月 201911
指切りは小指の仕事夕焼雲 藤野雅彦 船団 201912
乱立するガラスの窓の大夕焼 小沢えみ子 201912
夕焼の消えていつもの夜となる 今橋眞理子 ホトトギス 202001
海夕焼山夕焼となりて消ゆ 嶋田一歩 ホトトギス 202001
海夕焼高き広きがすぐに消え 嶋田一歩 ホトトギス 202001
夕焼空海より広く見せて消ゆ 嶋田一歩 ホトトギス 202001
夕焼や水面油絵のやうに映ゆ 佐藤恭子 あを 202004
揚舟を引きて艇庫へ夕焼かな 丸山千穗子 末黒野 202004
負け鶏を夕焼の野に帰したる 江見巌 六花 202006
オフィス街ひつくり返し大夕焼 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
夕焼にトランペットの音外す 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
SLの煙突つ込む大夕焼 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
街染むる哀しみ色や夕焼空 川端正紀 春燈 202008
大夕焼一日分を燃えつくす 松本峰春 春燈 202008
夕焼消ゆ一番星をおきざりに 松本峰春 春燈 202008
立夏夕焼おのれの影の濃くなりぬ 寺田すず江 202008
夕焼の美しとの電話友こひし 菅野日出子 末黒野 202008
塾へ急ぐ子らの後の夕焼空 森なほ子 あを 202009
二羽の鳥無音のままに夏夕焼 江口九星 202009
織姫の天つ領巾なる夕焼雲 今泉忠芳 日輪馬車のタクト 202009
ジオラマの京(まち)は丸ごと夕焼けり 鈴鹿呂仁 京鹿子 202009
マンションの全戸の窓の夕焼くる 井上菜摘子 京鹿子 202009
八百八島すつぽりと夕焼中 山崎正子 202009
日輪の夕焼といふ忘れもの 高野昌代 202009
捨て難き亡夫の日記夕焼雲 有賀鈴乃 末黒野 202009
夕焼けを映すビル群マジックアワー 篠田純子 202009
夕焼や老犬抱き帰り来る 高井修一 春燈 202009
夕焼けて笠雲富士のほしいまま 望月郁江 春燈 202009
大夕焼テノール漠と吹き流れ 伊藤希眸 京鹿子 202010
夕焼雲つれて飛来の米軍機 森田節子 風土 202010
びいどろの溶けゆくやうに瀬戸夕焼 七種年男 202010
夕焼の心に沁むる齢かな 志方章子 六花 202010
夕焼や背伸びして見し紙芝居 阿部さちよ 202011
水色の空の中なる夕焼雲 永田万年青 六花 202011
かごめかごめ夢の継ぎ目に夕焼雲 塩貝朱千 京鹿子 202011
大夕焼け怖れの中にある安堵 直江裕子 京鹿子 202011
夕焼けて醤油の匂ふ船厨 栗坪和子 202011
相輪の黒く浮きたり大夕焼 石黒興平 末黒野 202011
縮緬の波寄す入江夏夕焼 菅野日出子 末黒野 202011
晩年の生き方如何に夕焼雲 及川照子 末黒野 202011
光より徐徐に薄れてゆく夕焼 藤浦昭代 ホトトギス 202012
潮鳴りの届く霊園夕焼雲 今井康子 202101
大夕焼島影残し染めにけり 今井康子 202101
村はみな同じ仏徒や夕焼雲 河原敬子 202102
大夕焼次も地球に生まれたし 栗原京子 202102
夕焼や笛の音に和ぐ港町 須賀ゆかり 202105
はじめての町のカリヨン夕焼くる 井上菜摘子 京鹿子 202106
コロナ禍にエールと思ふ大夕焼 谷田貝順子 202107
大夕焼山の一片欠け始む 沼田巴字 京鹿子 202107
石抛りたし夕焼の沖あれば 増成栗人 202108
東京は坂多き町大夕焼 栗坪和子 202108
晩年の夕焼けの風こそ新た 中田光介 202108
夕焼を白き卓布へ招き入れ 森村江風 202109
大夕焼ひと日の幸に合掌す 石川雪江 202109
夕焼け雲外階段が銹びてゐる 藤井美晴 やぶれ傘 202109
夕焼に感染したる放水路 神原三千世 京鹿子 202109
亜麻鷺の畦に一列梅雨夕焼 升田ヤス子 六花 202109
夕焼けの染めし隙無き榛名山 鈴木石花 風土 202109
シャンパンと夕焼入れるグラスかな 北城美佐 202109
大夕焼峰二つある坂戸山 赤座典子 あを 202109
夕焼や懐紙に受くる隠岐の塩 栗坪和子 202110
「コリほぐします」の看板夕焼雲 近藤真啓 春燈 202110
病み伏して大夕焼の中にあり 古谷昌女 春燈 202110
豆腐屋がくる夕焼の辻へくる 小林和子 202110
ビー玉の芯に灯りし夕焼かな 澤田英紀 202111
行く鳥の影焦がすかに大夕焼 小田嶋野笛 末黒野 202111
遠き日の空襲のごと夕焼けて 今村千年 末黒野 202111
夕焼や空き家の壁の鴇色に 鈴木礼子 末黒野 202111
大夕焼へ向かひ自転車こぐ家路 臼居澄子 末黒野 202111
前山の向かうは夕焼け當麻寺 秋山信行 やぶれ傘 202111
やさしさと野性が同居する夕焼 中西厚子 202111
色足して足して故山の夕焼かな 石原孝人 京鹿子 202111
長恨歌音読するや夕焼雲 丹羽武正 京鹿子 202111
大夕焼借景にして塔立てり 松川昌義 末黒野 202112
すべて為し終へたるごとく夕焼消ゆ 兒玉充代 202112
夕焼けに少し遅れて風の来て 吉田幸恵 やぶれ傘 202112
何色と言へぬ夕焼けの下にをり 江口恵子 やぶれ傘 202112
ビー玉の芯に灯りし夕焼かな 澤田英紀 202201
夢つなぐ遥か来島大夕焼 鈴鹿呂仁 京鹿子 202207
夕焼の極彩色といふ三瓶 稲畑廣太郎 ホトトギス 202207
食前酒窓の向かうの夕焼雲 豊谷青峰 春燈 202208
夕焼の色褪するまで母を待つ 吉田葎 202208
西口を出て夕焼けの真ん中へ 鷺山珀眉 京鹿子 202209
遠山の大夕焼や観覧車 遠山悟史 京鹿子 202209
夕焼に佇つ鍬の父畚の母 南うみを 風土 202209
漆黒のべールを纏ふ夕焼かな 高橋将夫 202209
夕焼や獣の頃のかくれんぼ 篠田大佳 あを 202210
夕焼に染まりて戻り牧の牛 黒滝志麻子 末黒野 202210
犬三匹の巨頭の寄りて梅雨夕焼 滝口洋子 末黒野 202210
夕焼ごと熟睡子渡さるる腕 甲州千草 202210
癒えぬ子に心残して夕焼道 高村令子 風土 202210
牧草ロール影ごと動き大夕焼 小林共代 風土 202210
五島列島奇岩の火照る大夕焼 三好康子 風土 202210
大夕焼父の乗りたる列車来る 出口誠 六花 202210
大夕焼「おつかれさま」と父に言ふ 出口誠 六花 202210
想ひ出の駅はもうなし大夕焼 出口誠 六花 202210
野仏に血の通ひだす大夕焼 安田優歌 京鹿子 202210
鷺一羽火の鳥となる大夕焼 安田優歌 京鹿子 202210
六十五年の縁の航路大夕焼 安田優歌 京鹿子 202210
火の帯を流す湖大夕焼 土江比露 春燈 202211
観音の光放つや夕焼雲 坂井博 202211
石文の彫目きはやか梅雨夕焼 横路尚子 末黒野 202211
大夕焼一湾越ゆる旅心 田中由紀子 末黒野 202211
今日泊る大夕焼の白馬村 綾戸五十枝 202211
たっぷりと夕焼も畳むタオルかな 伊藤芙沙江 202212
主峰なる骨格さはに夕焼す 藤森すみれ 202301
夕焼や沈みしままの旅客船 大西乃子 202302
出来ながら消ゆる飛行機雲夕焼 大島英昭 やぶれ傘 202307
はまの夕焼大観覧車停車せず 和田照海 京鹿子 202307
夕焼にきのふもゐた子一人欠く 井上菜摘子 京鹿子 202307
大夕焼一番星を遠ざけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202307
夕焼や三瓶これより星の宴 稲畑廣太郎 ホトトギス 202307
夕焼の果より君の現れさうな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202307
夕焼→ 1

 

2023年8月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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