2021年7月1日
夕 顔 1    100句

夕顔や酔うて顔出す窓の穴   芭蕉

夕顔  ゆふがほ  夕顔の実

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夕顔を咲かせて美しき家族 稲畑汀子 ホトトギス 199808
夕顔にひと塊りの海の闇 水野恒彦 199810
夕顔や喇叭放さぬ兵士の死 丸山海道 京鹿子 199810
夕顔の嘆きて一寸先は黄泉 中原道夫 銀化 199810
夕顔に夕闇といふ闇のあり 粟津松彩子 ホトトギス 199811
夕顔を三途の岸に蒔いて来し 水内慶太 銀化 199907
夕顔やベッド古墳となる韻律 吉田透思朗 海程 199909
夕顔や何時しか慣れし独りの餉 増田富子 馬醉木 199910
夕顔のほつほつ路地に三味の音 伊藤美喜 風土 199910
夕顔や襟足美しく塩を盛る 鳴海清美 六花 199911
夕顔に書類かばんの立ち止まる 小林あつ子 火星 199912
夕顔の実を祖母と干す川堤 近藤憙治 船団
夕顔やその家の孫の木戸口に 松崎鉄之介 200002
路地を駆け行き止まりには夕顔の 尾上有紀子 わがまま 200002
夕顔の種蒔きし夜の雨となる 津田経子 火星 200009
窓の灯の点く夕顔の咲きしころ 井口光雄 200010
夕顔は田鹿のためにひらきけり 緒方敬 200010
夕顔の咲き始めたり三つばかり 津田経子 火星 200010
明日飛ばむ夕顔航空自衛隊 兼近久子 海程 200010
夕顔にひとりの夕餉刻みをり 山西みち子 火星 200011
夕顔のきっぱりと咲き風の盆 大橋敦子 雨月 200011
夕顔のきりきりと白極めけり 堀田清江 雨月 200011
夕顔のぽっかり繊き蔓を曳き 岸はじめ ぐろっけ 200011
夕顔の今朝は蕾のきりきりと 岸はじめ ぐろっけ 200011
夕顔の実をひとしきり鳴らす風 木内美保子 六花 200012
ゆふがほや卑弥呼のたいの冥さです 柳生正名 海程 200102
夕顔や眠りまどはす偏頭痛 村田冨美子 京鹿子 200107
ゆふがほの手話傾けし私小説 田中亜美 海程 200108
夕顔や手許の闇を裏がへす 村上瑪論 銀化 200108
ももいろのゆふがほの種植ゑたるや 岡井省二 200109
夕顔や半蔀閉づる武家屋敷 中御門あや 俳句通信 200109
夕顔の夜ごとの贔屓しらぬなり 中原道夫 銀化 200109
夕顔のこぼれ苗へも垣を結ひ 谷村祐治 雨月 200110
父語るはらから夕顔月夜かな 北川孝子 京鹿子 200111
夕顔の実をひとつだけ残しをく 木戸波留子 いろり 200111
夕顔の純白揺らぐ夜の闇 石原義輝 馬醉木 200112
夕顔や瑠璃戸をうごく人の影 浜麻衣子 六花 200112
夕顔の白さにおわら艶めきぬ 今井松子 遠嶺 200112
夕顔に絹漉しの夕先斗町 奥田筆子 京鹿子 200202
夕顔を蒔く松の影大きかり 本多俊子 200206
夕顔の咲出す朝顔市を去る 宮原みさを 花月亭 200208
夕顔のひらけば早も暮れにけり 水田清子 200210
夕顔の風をまとひて妣来ませ 長沼冨久子 馬醉木 200211
夕顔や大き墓石は能役者 上野澄江 百鳥 200211
夕顔に酔を醒ましてゐたるかな 廣井良介 円虹 200211
夕顔の実を誉めてゐるもらひ風呂 堀義志郎 火星 200211
門灯に夕顔透きてふたつかな 谷ナミ子 200212
夕顔の棚を盾とし煎餅焼く 馬越幸子 ぐろっけ 200212
夕顔の甘き香りは眠秘薬 伊藤公女 ぐろっけ 200301
夕顔の実は熟れ人は箔を得る 森津三郎 京鹿子 200303
夕顔や無口な母と庭に出て 岡山裕美 雲の峰 200309
居酒屋の夕顔白く客を待つ 森田久枝 築港 200309
夕顔や生命の際の笑み浮かべ 田中藤穂 あを 200309
夕顔に貌寄せ老いを深めゆく 金田きみ子 200309
あさがほにはたゆふがほにおめでたう 西野文代 円虹 200310
夕顔や司会の手順とつおいつ 加藤峰子 200310
両の手に子を引き歩く花夕顔 徳丸峻二 風土 200310
夕顔や話のはづむ裏長屋 森本信子 築港 200310
母死なしめし夕顔の開きけり 秋岡朝子 200311
夕顔のすがしき庭や竹矢来 大石たか 遠嶺 200311
夕顔や肩怒らせて猫の来る 田中倫代 ぐろっけ 200311
夕顔のゆらと開くや赤い星 大塚まや 京鹿子 200312
夕顔や古き港のピアノバー 芝川百合子 京鹿子 200312
売れ残りたる夕顔の転がれり 土井三乙 風土 200312
夕顔の実は律に似てかたくなに 渡部伸一郎 百鳥 200312
夕顔のひらく逡巡見えそむる 熊岡俊子 雨月 200409
夕顔や庭灯とどかぬひとところ 熊岡俊子 雨月 200409
夕顔や天外望む懸魚の穴 水谷ひさ江 六花 200409
その中にひそと夕顔買ふ女 落合絹代 雨月 200410
三尺ほどの夕顔入るる宅急便 藪敏子 200410
夕顔や妻に語らぬ昔あり 坪田秀邑 河鹿 200411
待ち人の来ず夕顔のひらきけり 大野崇文 200411
夕顔の花の十ほど闇の数 小林和子 風土 200412
夕顔の明日無き色でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200507
響きあふ一番星と夕顔と 大塚まや 京鹿子 200508
夕顔や折しも富士は野に泛かぶ 瀧春一 菜園 200509
夕顔をめづる夫妻のかたはらに 瀧春一 菜園 200509
夕顔のじやんけんのパー咲きにけ 今瀬剛一 対岸 200510
夕顔や言葉つたなき友見舞ふ 高倉恵美子 200511
夕顔の浮き立つ窓の明りかな 徳田正樹 河鹿 200512
夕顔の仄かな香り妻と愛づ 徳田正樹 河鹿 200512
夕顔の館に在りし美穂女橋 長山あや ホトトギス 200512
人肌の匂ひ夕顔開くとき 清水雅子 栴檀 200512
夕顔の木戸くぐり来る喪の使ひ 師岡洋子 ぐろっけ 200512
夕顔の五辨にはしるうすみどり 木村茂登子 あを 200512
夕顔の棚のあたりの暮れなづむ 木村茂登子 あを 200512
夕顔を赤子のごとく抱き行く 赤司美智子 酸漿 200602
夕顔の水の音して開きけり 本多俊子 さくらの音 200605
夕顔や日月空をわかちをり 岡本眸 200606
夕顔の萎えそめし朝旅立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200607
夕顔の辺りを払ふ花の白 矢島久栄 200609
白縮緬ゆふがほの花天に浮く 本多俊子 200610
夕顔や死出の装束娘が決めて 大橋敦子 雨月 200610
しらじらと路地の夕顔闇に浮く 山口天木 雨月 200610
夕顔や水仕のひまの思ひごと 糸井芳子 200610
屋敷畑の人影消えて夕顔咲く 大塚美孝 200611
湯上りの火照り夕顔に冷ましけり 大塚美孝 200611
半蔀や夕顔に手をさし伸べて 芝尚子 あを 200611
ぼんぼりに浮かぶ踊り子夕顔も 塩井志津 万象 200701
夕顔やその先のなき八十九 各務麗至 200705
夕顔 →2      

 

2021年7月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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