綿 虫 2    262句

綿虫の浮遊のながし仁王門   高島茂   点線

雪蛍 大綿 雪婆(白粉婆)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
綿虫の喪服の列に紛れけり 井之口貢久 対岸 200401
綿虫の命と思ふ手のぬくみ 大房帝子 酸漿 200401
綿虫や沼尻川となるところ 岡本眸 200401
綿虫や葺茅厚き寺の門 水原春郎 馬醉木 200402
松過ぎの綿虫として流れけり 山尾玉藻 火星 200402
下るさは綿虫なんぞ吹きながら 田中英子 火星 200402
綿虫をつかみそこねし菊の前 木野本加寿江 火星 200402
綿虫の麓に下りて来し安堵 山田美恵子 火星 200402
綿虫を庚申堂に置いて来し 吉田康子 火星 200402
綿虫を見失ひたる山の窪 高村洋子 遠嶺 200402
綿虫のまはりの薄き空気かな 成井侃 対岸 200402
綿虫の人を怖れぬ高さ飛ぶ 小橋末吉 対岸 200402
綿虫やかなしきときの水の色 諸橋廣子 対岸 200402
綿虫や園の入り口昏れて来し 石井悦子 風土 200402
杜を背に舞ふよ綿虫数知れず 林翔 200402
綿虫となりて母来る日暮どき 坂本俊子 200402
綿虫の浮力この世と思はれず 子安教子 200402
綿虫の飛びゐて誰も気にとめず 塩川雄三 築港 200402
宙を飛ぶ綿虫掴みどころ無し 加納花子 築港 200402
綿虫のとびきて庭に情生まれ 赤松せつよ 築港 200402
風に乗るやうに綿虫消えてゆく 西村しげ子 雨月 200402
遅れたり綿虫一つ遣り過し 今井妙子 雨月 200402
綿虫の日に浮き風に見失ふ 大畠政子 雨月 200402
綿虫や塀めぐらして宗家なる 中村房枝 六花 200402
残照に飛ぶ綿虫の一途なり 青木陽子 酸漿 200402
綿虫の飛ぶ夕ぐれは人恋し 大里快子 酸漿 200402
法善寺綿虫飛んでゐる日暮 玉置かよ子 雨月 200403
綿虫の孤愁の翳を曳きゐたる 安達風越 雨月 200403
掬ひたる掌に綿虫のこそばゆし 竹原惣一 200403
綿虫のすき透りたる何かかな 小堀裕子 草の花 200403
綿虫やあめつちなんとたよりなし 高千夏子 200403
綿虫や仔牛の跳ねて仕方なく 長沼三津夫 200403
綿虫に蒼き時間の流れをり 小澤克己 遠嶺 200404
綿虫が飛ぶ黄泉からの使者のごと 佐脇葭紅 築港 200404
綿虫や遺跡は小石積みしのみ 井手由紀江 築港 200404
綿虫やぴんと立つ毛の翁眉 佐々木スガ子 ぐろっけ 200405
綿虫や現実のがるる術なきを 原田竜子 河鹿 200406
綿虫に愚かれて橋を渡りけり 薄美津子 対岸 200406
綿虫と行き交ひ風邪の引きはじめ 黒田咲子 200408
綿虫やこころ弱れば父憶ひ 野沢しの武 風土 200409
綿虫や死後の褒貶ささやかれ 伊藤白潮 200412
綿虫の飛びさうな日の坂下る 村越化石 200412
綿虫や磴降りる身をはすかひに 岡本眸 200412
綿虫や胸に火のつく風鶴忌 神蔵器 風土 200501
一つ会ふ綿虫やがて二つかな 神蔵器 風土 200501
綿虫へ伸ばす手一塁手のやうに 伊藤白潮 200501
綿虫がとべり手垢のつく言葉 中山純子 万象 200501
まばたけば綿虫それも山日和 古川洋三 遠嶺 200501
綿虫や厩のあとの農具小屋 朝妻力 雲の峰 200501
綿虫の豊かに午後の御陵道 山口マサエ 雲の峰 200501
綿虫や早暮れかかる納経所 大橋克巳 雲の峰 200501
鰐口を鳴らし綿虫振り払ふ 森木久美 雲の峰 200501
綿虫を連れて鳥居を潜りけり 芝尚子 あを 200501
綿虫を獲る一丈の蜘蛛の糸 品川鈴子 六香 200501
小町てふ白髪綿虫つきまとふ 品川鈴子 六香 200501
綿虫の辺に単線の対向待ち 品川鈴子 六香 200501
綿虫にこころひらけば紅きざす 鷹羽狩行 200501
ヘルメット脱ぎて綿虫殖やしけり 山尾玉藻 火星 200501
綿虫を見つむる眼うつろなり 大串章 百鳥 200501
綿虫の飛んで誓子の句碑掴む 塩川雄三 築港 200501
綿虫に引力と言ふ力あり 塩川雄三 築港 200501
綿虫を手で払ひゐる自己嫌悪 塩川雄三 築港 200501
綿虫の命は風の意のままに 西教文江 築港 200501
綿虫の光りて風の石切場 西郷利子 200501
昼月へ大綿虫の青みたる 西郷利子 200501
ふんはりと綿虫ひとつ木歩句碑 井原ミチ 万象 200502
風に飛ぶ綿虫風に逆らはず 横井澄子 築港 200502
翳み眼を綿虫に揶揄されをりぬ 杉山瑞恵 雨月 200502
綿虫の逃ぐる抵抗見せにけり 西村しげ子 雨月 200502
綿虫の流さる風の意に添ひて 谷村祐治 雨月 200502
綿虫の心許なきその自由 密門令子 雨月 200502
原爆ドームに来て綿虫のつまづける 密門令子 雨月 200502
句碑読みし目を綿虫に移しけり 宮津昭彦 200502
浮き沈む綿虫翅の必死なり 成井侃 対岸 200502
すれちがひ綿虫は海目指すかな 安嶋都峯 対岸 200502
ほらほらと手に綿虫のうすみどり 古宇田敬子 対岸 200502
水湧いてをり綿虫につきゆけば 杉浦典子 火星 200502
牛売られ綿虫とんとゐずなりぬ 戸栗末廣 火星 200502
恋塚や綿虫ふたつ浮かしゐる 豊田都峰 京鹿子 200502
綿虫と同じ日向にゐて睡し 鹿野佳子 200502
綿虫の無意味に殖ゆる墓苑かな 冨田正吉 200502
綿虫や道づれのなき旅つづく 松内佳子 百鳥 200502
伝言のあり綿虫を呼びもどす 工藤ミネ子 風土 200502
綿虫のなにゆゑとなく飛びにけり 橋本之宏 風土 200502
綿虫のよく飛ぶ電子工学部 浅田光代 風土 200502
綿虫や窯出しの皿ほの温し 遠藤典子 栴檀 200502
イエズス留標綿虫に日の離れざり 中尾杏子 200502
顔にくる潮入川の綿虫は 風間史子 200502
綿虫の静かに舞ひて青く見ゆ 小林幸子 酸漿 200503
綿虫の白き日暮となりにけり 工藤進 200503
地に近く綿虫消えてしまひけり 榎本文代 万象 200503
鮠釣りの浮子に綿虫飛び交へり 松田富夫 万象 200503
田に出でし綿虫いづこまで行くや 佐藤国夫 馬醉木 200503
友の忌と気づく綿虫胸の辺に 大見川久代 馬醉木 200503
綿虫や谷戸も奥なる吹き溜り 中田みなみ 200503
綿虫に綿虫ほどの意志を見き 大橋敦子 雨月 200503
綿虫とぶ蹴上の昔知れるかや 大橋敦子 雨月 200503
綿虫と見れば掴んで見たくなる 高垣和恵 雨月 200503
綿虫の漂ふ水の暗さかな 甲斐ゆき子 百鳥 200503
綿虫や托鉢僧は異国人 岡野恵美子 百鳥 200503
綿虫の風が決めたる行方かな 岡野恵美子 百鳥 200503
綿虫のかろき命を手のひらに 柿澤喜三郎 百鳥 200503
綿虫や一竹染の四季の富士 小島とよ子 遠嶺 200503
綿虫や祈りてかなふことのある 田原陽子 200503
綿虫をくぐりて影を消しにけり 関戸洋子 対岸 200504
考へてゐて綿虫に囲まるる 関戸洋子 対岸 200504
日の中に浮ぶ綿虫七七忌 瀬戸悠 風土 200504
口ごもる反論綿虫吹いてみる 藤井寿江子 馬醉木 200504
白で来し綿虫青に変り消ゆ 後藤比奈夫 ホトトギス 200505
綿虫や釈迦堂の香絶え間なし 石川賢吾 200505
土壇場に綿虫とんでをりにけり 高橋将夫 星の渦 200507
綿虫に男の弱音聞かれしか 伊藤白潮 200512
綿虫のはたして舞へる池畔なり 阿部ひろし 酸漿 200512
綿虫にゆるりと体を躱されし 山尾玉藻 火星 200512
綿虫の蹤きくるは誰が転生ぞ ほんだゆき 馬醉木 200601
綿虫を追ふてのひらのおくれけり 藤井寿江子 馬醉木 200601
綿虫と業平橋を渡りけり 山尾玉藻 火星 200601
陵に綿虫いくつとび交へる 大野ツネ子 酸漿 200601
うきうきと大綿虫のよぎりたる 高橋将夫 200602
偕老やまた綿虫を見失ふ 大島翠木 200602
綿虫や新駅山の名に同じ 田村園子 200602
飲食なき綿虫吹かれ白燈台 中山純子 万象 200602
人づての訃報のやうに綿虫は 井原美鳥 200602
手にとれど綿虫しかと綿抱けり 室伏やすし 200602
綿虫の向うちちはは話しをり 杉浦典子 火星 200602
降り出て綿虫迷ふ傘の内 関まさを 酸漿 200602
綿虫を両手にてふと包みけり 北島上巳 酸漿 200602
綿虫を掻き分け行きて賽を投ぐ 泉田秋硯 200603
綿虫のさう遠くへはゆかぬらし 佐藤博美 200603
終着の駅綿虫が顔を打つ 大沢美智子 200603
綿虫や雷封じの池平ら 浜口高子 火星 200603
綿虫を追ふ手だんだん高くなる 仲村洋子 百鳥 200603
綿虫や人の生き死に語る友 岡久枝 酸漿 200603
風のみの知る綿虫の行方かな 水谷芳子 雨月 200603
綿虫を掴まむとして空つかむ 廣瀬義一 雨月 200603
綿虫の消えなむとするうすみどり 高橋さえ子 200603
綿虫のかくれしもとへ一歩履む 吉弘恭子 あを 200603
ははの家綿虫の飛ぶ目の高さ 桜井眞子 対岸 200603
綿虫とおなじ空気を吸うて眠し 坂ようこ 200604
綿虫や子守埴輪の唄聞え 立石萌木 雨月 200604
綿虫の命の行方追うてをり 手島伸子 雨月 200604
綿虫や五体軋ませ生きてをり 古賀勇理央 百鳥 200604
綿虫の横切る谷の深さかな 岡崎桂子 対岸 200604
綿虫も残照も消ゆかりそめとは 成瀬櫻桃子 春燈 200607
綿虫や白はときをり光る色 辻直美 200611
消えてしまひたい日もあり綿虫も 鈴木榮子 春燈 200612
綿虫の記憶に鉄路ありにけり 岡本眸 200612
綿虫や碧落はまた沼のいろ 岡田貞峰 馬醉木 200701
綿虫に覗かれてゐる胸の底 伊藤白潮 200701
朝市の終へし陣屋に綿虫舞ふ 小林昌子 200701
桂郎の綿虫波郷の雪蛍 神蔵器 風土 200701
綿虫や青磁白磁の玻璃籠めに 伊丹さち子 馬醉木 200702
綿虫やナップザックを揺すり上げ 田村園子 200702
綿虫や森の奥なる美術館 内山花葉 200702
綿虫や木橋を過ぎるバイク音 高松由利子 火星 200702
綿虫の漂ふ日なり非常口 前田忍 火星 200702
綿虫てふ儚きものをいとしめる 水野節子 雨月 200702
綿虫の汝も遊行か庵暮るる 三輪温子 雨月 200702
綿虫を見失ひたる蕪村の碑 田中佐知子 風土 200702
翅立てて綿虫歩むたなごころ 石井邦子 酸漿 200702
綿虫を目もて追ひつつ歩みけり 渋谷ひろ子 酸漿 200702
綿虫や風なき所流れ飛ぶ 平島利男 酸漿 200702
綿虫を話とぎれて目に追へり 永見嘉敏 酸漿 200702
綿虫やゆふべを急かす駅のベル 長沼三津夫 200702
綿虫の寄辺の塀の毀たるる 野路斉子 200702
綿虫の行方は知らず峡暮るる 木下ふみ子 馬醉木 200703
水琴窟鳴るや綿虫舞ひ上がる 小長井弘子 万象 200703
綿虫の散らかつてをる羅生門 栗栖恵通子 200703
綿虫に思慕の重さのありにけり 坂ようこ 200703
綿虫と古墳の裏へまはりけり 杉浦典子 火星 200703
出発の合図綿虫とり逃がす 小林正史 200703
綿虫の目につくことよ雨もよひ 永見嘉敏 酸漿 200703
綿虫の芯に物干竿通す 中田みなみ 200703
綿虫や面影偲ぶ清記席 大久保白村 ホトトギス 200704
綿虫の掌より遁るること迅し 池田倶子 雨月 200704
綿虫と会はずに春となりしこと 阿部ひろし 酸漿 200704
綿虫や日向は人の寄りやすく 向山雅子 200705
北国の綿虫日和といふはこれ 百瀬七生子 海光 200705
顔消さぬよう綿虫をこぼさぬよう 渋川京子 200706
綿虫のはや大綿となりて舞ふ 阿部ひろし 二の杉 200710
綿虫のあそび対手をして帰る 青山丈 200712
悌やもう綿虫の深大寺 水原春郎 馬醉木 200801
綿虫に夕月青く透けにけり 山田天 雨月 200801
綿虫や小さき天地を倦きもせず 林翔 200801
綿虫の群れに衝突日暮れ時 宮入河童 200802
綿虫に逢ふは故旧に逢ふごとし 渡邊千枝子 馬醉木 200802
綿虫を追ひて夕日に追はれをり 丸山美奈子 馬醉木 200802
綿虫に落ちる重さのありにけり 布川直幸 200802
綿虫や名水湧ける薬師堂 綱川恵子 万象 200802
綿虫とぶ墓の去来は膝の丈 宮川みね子 風土 200802
綿虫の光悦垣に沿うてをり 浅田光代 風土 200802
母の忌の綿虫はてのひらが好き 浅田光代 風土 200802
綿虫の飛ぶに日暮は重すぎる 安居正浩 200802
綿虫の日に吸はれゆく流浪かな 諸岡和子 200802
人におくれて綿虫にかこまるる 中山皓雪 200802
綿虫や碁会所誰もゐなくなる 浜口高子 火星 200802
綿虫や太閤行列ありし道 竹内水穂 火星 200802
世にまぎれ出で綿虫の浮きしづみ 井田実代子 雨月 200802
綿虫のただよふ日なり真間の里 西山美枝子 酸漿 200802
寄りそふは綿虫であり我であり 佐々木しづ子 酸漿 200802
人を待つごと大沼も綿虫も 青山丈 200802
綿虫や海へ岐れてゆく鉄路 太田寛郎 200803
綿虫を見失ひたる列車音 高橋邦夫 風土 200803
綿虫の顔にまつはる信濃かな 内海保子 万象 200803
綿虫とび麻沙子師と見し日をまざと 佐藤史づ代 雨月 200803
綿虫のいのちの不思議飽かず追ふ 堀田こう 雨月 200803
同寸大のルルドの窟に綿虫舞ふ 田中豊子 200803
愛宕社のお宮参りに綿虫飛ぶ 牧野睦子 200803
綿虫を煽れば疼く手術痕 田村園子 200803
肩にきて綿虫こつと囁けり 加藤峰子 200803
綿虫の現れては消ゆる薄日かな 東良子 遠嶺 200803
綿虫や子規の泊りし旅籠跡 夏秋明子 船団 200803
婆の箕が綿虫の舞みだしをり 守屋井蛙 酸漿 200803
綿虫や日和にさそふ絵画展 永見嘉敏 酸漿 200803
遁れむとせし綿虫の日いろかな 高橋さえ子 200803
綿虫の飛び交ふ峡の休み窯 林八重子 馬醉木 200804
綿虫や風の止みたる石舞台 城孝子 飛火野 200808
逃がしやる綿虫の空蒼しあをし 鈴木直充 素影 200811
綿虫の色を言ふべく窮しけり 山尾玉藻 火星 200812
綿虫に遊ばすこころ翳り初む 笠井敦子 200901
綿虫を捕へて放す眼の遊び 安居正浩 200901
綿虫の二の丸跡に飛び交へり 小野タマ枝 酸漿 200901
綿蟲といへば即ち消えてゐし 石寒太 炎環 200901
花嫁のきざはしに来し綿蟲よ 石寒太 炎環 200901
胸に寄る綿虫邪険には出来ず 塩路隆子 200902
綿虫や余生も夢の続きなる 本多俊子 200902
綿虫のぶつかりさうでぶつからず 藤野力 馬醉木 200902
綿虫を追ひかけて来て比翼塚 長谷川翠 馬醉木 200902
綿虫の薬壺より立つ薬師仏 水岡芳子 馬醉木 200902
十年や綿虫ひとつ来て去りぬ 田中まや 炎環 200902
綿虫と別れ芋汁熱かりし 浜口高子 火星 200902
薪積む嵩に綿虫殖ゆるかな 山本耀子 火星 200902
磐座に生れし綿虫なり青し 渡辺数子 火星 200902
綿虫や文殊菩薩の髪ゆたか 久米憲子 春燈 200902
衆目の綿虫高くたかくとび 大石喜美子 雨月 200902
綿虫や日向たまりのひとところ 荒井和昭 200902
綿虫の霧に紛れて遠出せり 久染康子 200902
綿虫のふえくる通り雨のあと 根橋宏次 やぶれ傘 200902
綿虫のすでに傾く陽の中に 天野美登里 やぶれ傘 200902
綿虫や禅語すとんと胸奥へ 小澤克己 遠嶺 200903
綿虫に見えて我には見えぬもの 清水晃子 遠嶺 200903
綿虫に頬の温みを与へんか 鈴木陽子 炎環 200903
碌山館出てより綿虫日和かな 鈴木とおる 風土 200903
掬はれて綿虫の綿痩せにけり 森脇貞子 雨月 200903
綿虫のとんで株価の乱高下 井田実代子 雨月 200903
綿虫や髪の根濡るるまで歩く 田村園子 200903
綿虫の綿のあたりをまぶしめり 小林正史 200903
綿虫やかつて遊女の港町 和田照海 京鹿子 200903
綿虫や母の喪の日にどこか似て 菅谷たけし 200903
綿虫の思ひ思ひか庭を飛ぶ 網野茂子 酸漿 200903
綿虫の三粒に会って戻ったよ 坪内稔典 船団 200903
綿虫やこの頃いかゞお過ごしで 陽山道子 船団 200903
息吹きかけて綿虫を驚かす 中島知恵子 雨月 200904
綿虫の群れゐて綿のふれあはず 落合由季女 雨月 200904
綿虫とぶや生命線といふ大河 岡澤田鶴 200904
綿虫の余生の夢をつなぎをり 木下忠雄 酸漿 200904
綿虫に姿を変へてゐやうとも 相良牧人 200905
綿虫や死は一言に語られず 野沢しの武 風土 200905
綿虫の一匹が目の底に棲む 土井三乙 風土 200905
綿虫ただよふ日なり真間の里 西山美枝子 酸漿 200905
綿虫のふえつゝ夕の日のありど 八田木枯 晩紅 200908
綿虫のほかには会はぬ寺の裏 丁野弘 200911
綿虫→3      

 

2021年12月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。