薄氷 4     100句

薄氷をなぶらんとする棒の影   川崎展宏

うすらひ  薄氷  初氷  氷

作品
作者
掲載誌
掲載年月
薄氷のわが影をんな盛りめく 山仲英子 200703
薄氷に鼻つけよぎる散歩犬 羽田岳水 馬醉木 200703
薄氷や沈みて棒の如き鯉 久保東海司 200703
鴨のせて薄氷ゆらぎ始めたる 三澤治子 万象句集 200703
診断の知らせ待ちをり薄氷 伊東恵美子 馬醉木 200704
薄氷をのせて川面を水奔る 水井千鶴子 風土 200704
薄氷を割りて人待つハイヒール 杉本薬王子 風土 200704
犬水を飲み薄氷のさと消ゆる 大橋晄 雨月 200704
薄氷に触るる過敏な一指もて 伊藤白潮 200704
薄氷のはなれては寄る祓川 岩下芳子 200705
薄氷の上に真白き羽毛かな 岩月優美子 200705
薄氷を辿れば家の遠くなり 竹下昌子 200705
薄氷の水に戻りし鬼やらひ 百瀬七生子 海光 200705
薄氷は月のこぼれしあたりなる 豊田都峰 京鹿子 200705
薄氷はちりちり風のひとすべり 豊田都峰 京鹿子 200705
草噛みしままに動きて薄氷 藤井昌治 200705
踏みはづせし大事に泣けり薄氷 小島みつ代 200705
透きとほりつつ薄氷の二三片 稲岡長 ホトトギス 200706
風立ちて薄氷波となりにけり 瀧春一 200706
父の星薄氷育てをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708
薄氷の上水に風走りけり 菊地惠子 酸漿 200710
薔薇いろの薄氷遅々と空知川 天田牽牛子 馬醉木 200801
母のこと思へば指と薄氷と あさなが捷 200801
薄氷の大地に還りゆく仔細 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
薄氷に芦屋マダムの靴の先 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
薄氷を踏んで朝日を誘へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
薄氷となりゆくは日の恵みかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
水浴びに来てゐる鳥に薄氷 稲畑汀子 ホトトギス 200802
薄氷を踏み張り替へし芝を避け 稲畑汀子 ホトトギス 200802
よべ星の美しき朝の薄氷 稲畑汀子 ホトトギス 200802
赤き毬のせていつまで薄氷 鷹羽狩行 200802
忘れたる傘数知れず薄氷 山田六甲 六花 200802
薄氷の秘色ありあり水と交し 伊丹さち子 馬醉木 200803
日と話し水と語りて薄氷 鷹羽狩行 200803
日輪の薄氷くづす音にあふ 加藤克 200803
虹鱒の養魚場かな薄氷 山田六甲 六花 200803
漣の形のままに薄氷 狭川青史 馬醉木 200804
薄氷の水に手洗ふ宮大工 戸田和子 200804
薄氷や昔が映る金盥 峰幸子 200804
薄氷や畦川板を渡すのみ 根橋宏次 やぶれ傘 200804
薄氷壷中の天を覆ひたる 東良子 首座星 200804
薄氷の解けゆくやうな別れかな 湯川雅 ホトトギス 200805
薄氷や手水に渡す竹青き 大竹淑子 風土 200805
薄氷や生れたてなる風通り 浅田光代 風土 200805
薄氷に風が閉ぢ込められてをり 須藤美智子 風土 200805
薄氷に触れゆく水の音なかり 峰幸子 200805
薄氷を丸く啄む陽のぬくみ 上田繁 遠嶺 200805
菜を引けば根に薄氷のひとかけら 綱川恵子 万象 200805
鳥よ鳥桶より零す薄氷 天野きく江 200805
薄氷や伯耆大山目の前に 中道愛子 200805
薄氷や下弦の月の残りける 中田禎子 200805
薄氷に遊べる老いの杖の先 武田幸子 200805
故意に道逸れて薄氷踏みにけり 中原敏雄 雨月 200805
薄氷をつつきて指を咬まれたり 山口透 ぐろっけ 200805
薄氷や一声かける子の出先 篠崎荘市 酸漿 200805
薄氷を割りて金魚と対面す 坂本知子 酸漿 200805
日当りて薄氷石を離れけり 藤井昌治 200805
現実と夢の境の薄氷 高橋将夫 200806
力抜く薄氷水にもどるとき 笠井敦子 200806
立つ波に薄氷寄りてまた戻る 遠山のり子 200807
解けまいと草掴みゐる薄氷 加藤克 200901
薄氷に風の跡あり紅の下駄 中田禎子 白猪 200901
爪先で割る薄氷割りつくす 岡本眸 200901
薄氷の下に命の芽生えかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
薄氷の消えて狭庭に池二つ 稲畑汀子 ホトトギス 200102
爪先で割る薄氷割りつくす 岡本眸 200901
鴛鴦の尾を振り止まず薄氷 山田六甲 六花 200902
水に乗り水のせはじむ薄氷 鷹羽狩行 200903
薄氷に下駄の二の字が押印し 中島玉五郎 200903
薄氷の上に氷片飛散せり 森理和 あを 200903
薄氷や放生の池ねむりをり 都丸美陽子 春燈 200903
薄氷の張りし放生池小さし 大西八洲雄 火星 200904
薄氷や目高の機嫌うかがひぬ 早崎泰江 あを 200904
薄氷を踏み金剛へ九十九折 國永靖子 ぐろっけ 200904
薄氷を踏めば小さき詩の生まる 安居正浩 200904
向き合ふに薄氷ほどのわだかまり 柳川晋 200905
触れ合へる薄氷のへり雲の縁 小山徳夫 遠嶺 200905
待つ事のどこかが不安薄氷 伊東恵美子 馬酔木 200905
薄氷の一夜ばかりの厚さかな きくちきみえ やぶれ傘 200905
薄氷の池に魚影の動くとも 羽賀恭子 200905
薄氷の風の欠片となりにけり 戸栗末廣 火星 200905
薄氷や手頃な棒が見つからぬ 直江裕子 春燈 200905
薄氷をかそけく踏めり廓町 村戸弥生 万象 200905
薄氷をかづきて鯉の影動く 門伝史会 風土 200905
約束の時間まで踏む薄氷 中村洋子 風土 200905
あやまちをどの樹に吊す薄氷 大西順子 ろんど 200907
別れたい別れたくない薄氷 梶浦玲良子 六花 200907
薄氷を風の解かしてゆきにけり 久永つう 六花 200908
ものなべて薄氷のなか喉佛 堀内一郎 あを 201101
薄氷の如き命でありしかと 稲畑汀子 ホトトギス 201102
朝の間の薄氷消えてをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201102
心癒えたまへ薄氷失せぬ間に 稲畑汀子 ホトトギス 201102
薄氷の化粧ほどこすにはたづみ 布川直幸 201102
薄氷に地だんだ踏みし反抗期 竹貫示虹 京鹿子 201102
薄氷のごとく天あり道を掃く 田中藤穂 あを 201102
薄氷の石臼底に動くもの 吉田耕人 ぐろっけ 201102
薄氷の綾なす鉢や鳥語降る 伊丹さち子 馬醉木 201103
薄氷の刃のごとし山廬かな 神蔵器 風土 201103
水仙の蕾を包む薄氷 山田六甲 六花 201103
子供らに持ち去られたる薄氷 山田六甲 六花 201103
薄氷→ 5      

 

2021年2月8日 作成

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