薄 氷 2     100句

薄氷をたたき割りたる山の雨    大串章

うすらひ  薄氷  初氷  氷

作品
作者
掲載誌
掲載年月
薄氷となるに躊躇許されず 戸田喜久子 200204
薄氷の流るる方へ蹤いて行く 戸田喜久子 200204
土の階崩るるままに薄氷へる 戸田喜久子 200204
薄氷や遥かを過ぐる風の音 戸田喜久子 200204
薄氷にひびきて汽車の通る音 井口光雄 200205
薄氷心のひだをたたみけり 遊橋恵美子 風土 200205
薄氷の一瞬かげる遊び雲 金國久子 遠嶺 200205
薄氷やハスキー犬の声変り 池崎るり子 六花 200205
薄氷の割られてゐたる靴のあと 池崎るり子 六花 200205
薄氷や相手の心よく見える 平松かをる 六花 200205
薄氷の底にいびつな魚を飼ひ 柴田朱美 京鹿子 200205
薄氷や見えかくれする秘事ひとつ 柴田朱美 京鹿子 200205
薄氷や少女微熱をひきづれり 柴田朱美 京鹿子 200205
薄氷に迷へる顔を落しけり 柴田朱美 京鹿子 200205
薄氷の余熱言ひ訳してをりぬ 柴田朱美 京鹿子 200205
薄氷を赤い白轉車漕ぎとほる 坂田和嘉子 京鹿子 200205
薄氷や踏まずにすませたき踏絵 木戸渥子 京鹿子 200205
薄氷の緩び初めたる鶴居村 山本耀子 火星 200205
投げし石つぽと沈める薄氷 菊地恵子 酸漿 200205
渦型に張る水口の薄氷 山崎羅春 春耕 200205
薄氷を柄杓もて割る手水鉢 赤池貴のえ 春耕 200205
禰宜の割る放生池の薄氷 出岡実 春耕 200205
山の田の捨菜からまる薄氷 田村文江 春耕 200205
薄氷を割りて光を殖やしけり 小松誠一 200205
やがて消えゆくもの恋も薄氷も 松尾規子 200206
沈金の一葉かくして薄氷 尾上直子 200206
薄氷となりゆくままに風の跡 橋本佐智 円虹 200206
県境越え薄氷の光る町 加藤あけみ 円虹 200206
薄氷の一枚に置く日の重さ 加藤あけみ 円虹 200206
薄氷や浅間山に今日も雲かかり 水田清子 200206
夜汽車着く窓薄氷ひて人の影 水田清子 200206
薄氷を一人が踏めば子等どつと 稲畑廣太郎 ホトトギス 200207
薄氷のとけ太陽の底に着く 塙告冬 ホトトギス 200207
薄氷に透けし流れの音を聴く 砂川せい輝 遠嶺 200207
薄氷の溶けて漂ひはじめたり 宮原みさを 花月亭 200208
夕月をのせて薄氷やや動く 山田弘子 夜光杯 200211
薄氷の下は底なしかも知れぬ 梅村達子 帆船 200301
薄氷を踏んで太陽増やしけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
薄氷の下の深さやズブと足 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
薄氷を割れば過去あり未来あり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
薄氷に朝の時間の経ち易く 稲畑汀子 ホトトギス 200302
薄氷のとけて午後の日高きこと 稲畑汀子 ホトトギス 200302
薄氷や忌日のことにふれ乍ら 稲畑汀子 ホトトギス 200302
薄氷の岸辺の草を放しけり 稲畑汀子 ホトトギス 200302
薄氷の解けて流れて音となる 稲畑汀子 ホトトギス 200302
薄氷の端にたゆたふ光かな 尾崎恭子 雨月 200302
薄氷の下のまどゐや鯉家族 宇津木友和 酸漿 200302
薄氷の何やら赤き実を嵌めて 宮本俊子 雨月 200303
波音に放り出されし薄氷 山尾玉藻 火星 200303
薄氷の少し動きて水うまる 鎌倉喜久恵 あを 200303
薄氷を柔らかく踏む長靴かな 後藤志づ あを 200303
薄氷に金魚のあぶく上りけり 吉田泰子 火星 200304
水甕の月薄氷となりゐたり 竹内悦子 200304
天狗寺天水桶の薄氷 磯海具子 帆船 200304
薄氷や門川に置く縄だはし 吉沢かねよ 帆船 200304
薄氷の湾処わんどに小石投げてみる 谷野由紀子 雲の峰 200304
屈み見て日の生き生きと薄氷 阿部ひろし 酸漿 200304
薄氷を割つて混声合唱団 中村堯子 銀化 200304
成分のおほかた光薄氷 春川暖慕 銀化 200304
薄氷を壊さぬやうに日の差しぬ 柘植晴美 銀化 200304
薄氷を欠けし硝子のごとく持つ 小澤友江 築港 200304
汲み置きし防火バケツに薄氷 樋口美津子 築港 200304
薄氷をざくりと踏んで女ゆく 大石喜美子 雨月 200304
薄氷を割らんと片足立ちをせり 佐藤喜孝 青寫眞 200304
薄氷の葛桶醒ます鳥のこゑ 長谷川閑乙 馬醉木 200305
薄氷のごとき眠りや母病めば 田中由喜子 馬醉木 200305
薄氷を持てあましたる両手かな 次井義泰 200305
薄氷に滲みしビラの感嘆符 吉田明子 200305
薄氷や昨夜より疼く指の傷 高畑信子 遠嶺 200305
薄氷のゆらぎ刃物の匂ひせり 門伝史会 風土 200305
剃りたての僧のつむりや薄氷 南うみを 風土 200305
薄氷に鷺脚高く上げにけり 根岸善行 風土 200305
蹲踞に一葉閉ぢ込め薄氷 松浦静子 築港 200305
薄氷少年の声遠くより 影山わこ 百鳥 200305
薄氷の水より白く流れけり 長谷川守可 百鳥 200305
薄氷や鍼灸院に母を連れ 三澤福泉 雲の峰 200305
薄氷の田の面斜めに登校児 葛馬房夫 雨月 200305
薄氷を砕きつ心他にあり 江木紀子 雨月 200305
薄氷しづかに風の吹いてをり 木下野生 200305
薄氷のゆれて滲めり緋鯉の斑 菅谷たけし 200305
薄氷の刃先は水になつてをり 今瀬一博 200305
薄氷の誇大妄想ともいへる 村上瑪論 銀化 200305
薄氷をほどく草間の音であり 山田弘子 草の蝉 200305
薄氷を踏めば八方罅走る 坂口三保子 ぐろっけ 200305
薄氷に朝の世界の動きけり 岡田順子 ホトトギス 200306
薄氷や熊笹を鳥翔ちしなり 浜口高子 火星 200306
薄氷を踏んで光を撒き散らす 鎌居千代 築港 200306
薄氷も菜食好み噛んでゐる 佐藤香女 京鹿子 200306
山国の薄氷に名をなのりゆく 大串章 百鳥 200306
青空の薄氷とけし日和かな 山野洋子 百鳥 200306
薄氷の神水を汲む老夫婦 片渕清子 ぐろっけ 200306
薄氷割れば割拠の国境 吉武千束 200307
鳥立ちしあと薄氷の流れゆく 島田美恵 200312
薄氷の肉桂いろに寝を積める 岡井省二 省二全句集 200312
薄氷を鹿の嗅ぎ寄り潰えけり 西村操 雨月 200401
つまやかに薄氷籠めの一羽毛 能村研三 200402
薄氷や四角に尖る牛の尻 須佐薫子 帆船 200402
薄氷を踏んで叛心育てゐる 豊田都峰 京鹿子 200402
薄氷に青い鉛筆ささりゐる 山田六甲 六花 200402
地割り杭打つ師居あとの薄氷に 品川鈴子 ぐろっけ 200402
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2021年2月6日 作成

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