2  159句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ビルマ僧日本語上手霾れり 角直指 京鹿子 200507
霾や買はずに帰す帚売 守屋井蛙 酸漿 200507
霾や娘は日付変更線を越え 小林むつみ 200507
霾やパンドラの箱閉めずおく 竹村尚紘 200507
近づきし富士も望めぬ霾の空 安原葉 ホトトギス 200508
霾やモヘンジョ・ダロの首飾り 宮澤さくら 今生 200510
霾りしかや長駐車せし車 稲畑汀子 ホトトギス 200603
六甲の今日はうすうす霾りて 稲畑汀子 ホトトギス 200603
霾れる窓や確かに飛蚊症 大橋麻沙子 雨月 200605
置き薬の流行るモンゴル霾れり 後藤眞由美 春燈 200606
霾るやフロントガラスの護符揺るる 呉文宗 春燈 200606
霾や太陽白く遠く置き 宮津昭彦 200606
霾や居心地のよき檻もあり 高倉和子 200606
霾や後歩きの羊飼 中田みなみ 200606
霾やシルクロードは西へ向く 吉田裕志 200607
霾るや黒毛和牛の背あたり 尾崎貞 春燈 200607
霾れるバスの中なるシャンデリア 城孝子 火星 200607
画として徒に白き日霾れる 浅井青二 雨月 200607
シルクロード辿りたき夢霾れる 久保田雪枝 雨月 200607
霾や煙突のある白き家 米須あや子 遠嶺 200608
霾や墓標のやうに摩天楼 小林眞彦 遠嶺 200608
霾や鍛冶屋小路に夕餉の香 工藤ミネ子 風土 200608
霾やいまも血湧かせ三国志 河内桜人 京鹿子 200608
霾風に乗り帰り来よ金糸猴 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200608
霾に俳誌の未来隠せざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
六ケ国妥協早速霾り来 泉田秋硯 200705
霾るや生駒も信貴もかき消えて 大橋敦子 雨月 200705
太陽もなく霾れる視界なり 大橋敦子 雨月 200705
霾るとさらし鯨を買うて来し 吉田康子 火星 200705
十年のビザ切れとなり霾れる 森下康子 200706
霾や灰より拾ふ喉仏 岩木茂 風土 200706
霾るや袋物屋の吊し売り 野路斉子 200706
日本病む無気味な程の霾りて 泉田秋硯 200707
山描けば異国風情や霾れる 北尾章郎 200707
霾や鶏の砂浴ぶ昼下がり 杉山たかを 200707
霾や兵火のがれし観世音 青山悠 200707
霾るや確と黄色の空なりと 大橋晄 雨月 200707
霾るや模糊と聳ゆる摩天楼 大橋淳一 雨月 200707
霾や倒るる荷物足で止め 鈴木朋魚 200708
霾や足腰弱き友ばかり 高倉恵美子 200708
雲切れてより霾の大地かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
霾や異国風情と思ひつつ 伊東和子 200805
霾やセピア色なる大都会 伊藤克子 酸漿 200805
霾や空は異国と続きをり 坂本知子 酸漿 200805
おほいなる蓋あるごとし霾ふれり 長崎桂子 あを 200805
丹波路の恐竜化石霾れる 塩路五郎 200806
霾やいつもどこかにある戦火 水原春郎 馬醉木 200806
霾るや地球を齧る浚渫船 東良子 遠嶺 200806
霾れりフェリーは巨き口開き 荒井千佐代 200806
霾や東へ下る飛鳥仏 大山文子 火星 200806
額で泣く文樂人形霾れる 城孝子 火星 200806
わが町もわが生も霾る中に 岩岡中正 ホトトギス 200808
下町といふ大都市に霾れり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
霾りて都会沈んでをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200903
チベットは今も鳥葬霾れる 田下宮子 200905
霾りて故宮へ旅のプランかな 塩路五郎 200905
霾れり不気味な国と一つ宙 小澤菜美 200905
霾や乾坤鳶を舞はしめず 石本秋翠 馬酔木 200905
霾や紅白戦は零のまま 相良牧人 200905
国境を謡ひけふも霾れり 山本喜朗 雨月 200905
霾るやモンゴル多き大相撲 田中芳夫 200906
洗車後に霾る天の嫌がらせ 金山藤之助 200906
霾れる西安の旅遥かなり 大原絹子 遠嶺 200906
霾や芭蕉の越えし河いくつ 石寒太 炎環 200906
ミサイルの飛来予測図霾れり 丹間美智子 炎環 200906
霾や書架より抜いて三国志 岩木茂 風土 200906
表札のなきアパート群霾れり 柿沼盟子 風土 200906
霾れる始業のチャイム樹間越え 櫻木道代 ぐろっけ 200906
霾るや笑みを湛へし渡来仏 山下佳子 200907
霾るや空なき海に船浮ける 柴野静 200907
霾りて日輪のみの景となる 片岡良子 雨月 200907
霾や日は白銅の銭のごと 山本無蓋 200908
霾るとくるくる廻る風見鶏 園多佳女 雨月 200908
答すぐ出ずに霾る窓に倚る 園多佳女 雨月 200908
霾るや胸のチーフで拭く眼鏡 杉良介 201003
霾に地球締めつけられてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
瓦斯燈に暁の霾ゐたる 山田六甲 六花 201003
モンゴルの横綱ひとり霾れる 田中芳夫 201005
霾や陵の水弛みなし 大山文子 火星 201005
路地奥に手押しポンプや霾れる 松井倫子 火星 201005
霾りて山河一色近江かな 中川すみ子 201006
霾や古代の人の夢連れて 宮田香 201006
日本の亡びる予言霾る日 泉田秋硯 201006
新塔の高みに足場霾れり 和田満水 201006
霾や碁石並べしやうなパオ 彦根伊波穂 201007
霾や蒙古国史の五輪塔 佐藤満智子 ろんど 201007
ぽつねんと昭和のポスト霾や 川井秀夫 ろんど 201007
興亡の果ての大地や霾れり あさなが捷 201008
霾やマストの上の風向計 松井倫子 火星 201008
霾の風六郷土手を通過中 田中貞雄 ろんど 201008
一天に霾り人に生死あり 竹下陶子 ホトトギス 201009
霾るも六甲はわがまほろばよ 稲畑汀子 ホトトギス 201103
霾りて尖閣諸島隠しける 阪本哲弘 201105
つちふるや密にて洩るる謀 苑実耶 201106
野球部のくりくり頭霾天に 米山喜久子 201106
霾やタクラマカンの砂も降る 上辻蒼人 風土 201106
霾や多摩丘陵の古墳群 菅野日出子 末黒野 201107
四条より北山かけて霾れる 大橋晄 雨月 201107
つちふるや水平線の白く照り 志方章子 六花 201109
つちふるや煮豆呟く外竈 大場ひろみ 馬醉木 201110
霾や気持ち色つく眼鏡買ふ 布川直幸 201204
敦煌行きの旅の果せず霾れる 竹内悦子 201205
霾や地下の深きを都営線 林昭太郎 201205
霾や老眼知らぬ目に涙 国包澄子 201206
霾れり生きとし生けるものの上に 松本幹雄 馬醉木 201206
岩山に行幸の碑や霾る 山田六甲 六花 201206
霾や煙を吐かぬ煙突群 郡山真帆 かさね 201207
霾やラジオの拾ふ広東語 林昭太郎 201207
親しみもシルクロードの霾ならば 大橋晄 雨月 201207
つちふるや戦に果てし誰彼を 安斎久英 末黒野 201207
入相を半時急かし霾れる 窪田佳津子 雨月 201208
霾れる富士全容を失はず 安原葉 ホトトギス 201210
霾を払ふアラジンのランプかな 前田恵美子 青鷹 201210
「霾れる」季語に複雑多様かな 能村研三 201303
托卵の鳥への不信霾ぐもり 塩路隆子 201305
霾りて視界六尺昼の闇 森下康子 201305
復興の言葉の軽さ霾れる 赤座典子 あを 201305
すぐそこの東京タワーも霾ぐもり 篠田純子 あを 201305
大陸に近き小倉や霾曇 山口キミコ 201306
霾や稜線靄り目を擦る 岡野安雅 かさね 201306
蒙古もつこ来る霾天越しの高笑ひ 柳川晋 201306
霾や命の気配隠れをる 時澤藍 201306
霾や逆さまに捺す認印 鈴木藤子 ろんど 201306
津波体験在す露座仏霾れり 菅野雅生 ろんど 201306
校庭の上向く蛇口霾ぐもり 鈴木一三 末黒野 201306
建て売りは三階建てや霾れり 國保八江 やぶれ傘 201306
シルクロード終点の古都霾れる 古賀しぐれ ホトトギス 201307
給水の列につきたる霾ぐもり 江見悦子 朴の青空 201307
霾るに山動けりと幼言ふ 古井公代 ぐろっけ 201307
窓枠の大きさで切る霾の空 三橋早苗 ぐろっけ 201307
オスプレイ霾る故郷低飛行 居内真澄 ぐろっけ 201307
漢方の散薬ふくむ霾ぐもり 佐々木みどり 馬醉木 201307
霾や漢字に馴染み二千年 千田敬 201401
跳ぶものは霾花粉鳥その他 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
今に残る廓格子や霾埃 橋本靖子 201405
霾や古寺にかかりし曼荼羅図 中村紀美子 春燈 201405
霾や帝釈天は美男にて 小澤菜美 201405
霾ぐもりはるかに見ゆるロシア船 宮内とし子 201406
霾や高層ビルの玻璃の壁 後藤眞由美 春燈 201406
霾や遊女の墓のアルミ銭 二宮一知 万象 201406
霾晦仏の道は絹の道 塩見英子 雨月 201406
つちふるや西国街道東へと たかはしすなお 201406
つちふるや段々畑のややこしい 高貴美子 201406
霾やうつうつ眠る檻の狒狒 比嘉半升 万象 201407
霾や港狭むる倉庫群 河合とき 末黒野 201407
霾や背より抜きて海老のわた 宮内とし子 201407
対岸の刑場跡や霾ぐもり 三上程子 春燈 201407
退院の伸びたる吐息霾ぐもり 飯田美千子 201407
日に三度地震のありぬ霾ぐもり 河口仁志 201408
六甲の稜線遠し霾れる 稲畑汀子 ホトトギス 201503
祝ぎの日の過ぎるは早し霾れる 稲畑汀子 ホトトギス 201503
霾るや瞬の失語は繕はず 能村研三 201704
霾やノートは昔ざら紙で 栗原公子 201705
霾やをとこの低き巡礼歌 高野春子 京鹿子 201706
霾や地球にもある偏頭痛 下村たつゑ 201706
霾やうつろ広がる石の棺 江島照美 201706
霾るやクルーズ船より六千人 荒井千佐代 201707
霾やキリンの大き眼に涙 是松三雄 末黒野 201709
霾るや書架より落つる『西遊記』 竪山道助 風土 201801
霾→ 3      

 

2021年3月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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