霾ぐもり (霾晦・霾曇)   92句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
労りも時にはうとし霾晦 鈴木幸枝 199905
霾ぐもる頃に届きし釘煮かな 嵯峨根鈴子 火星 199907
鵜殿原ひろびろとある霾ぐもり 大橋敦子 雨月 200005
干す網に暮色もつるる霾ぐもり 高橋好温 馬醉木 200008
やり切れぬ病告げられ霾ぐもり 篠田純子 あを 200104
霾ぐもり液晶画面ふつと消え 藤井みち子 200105
献血の後のふらつき霾ぐもり 泉田秋硯 200105
霾ぐもり山合の町だんまりぬ 河田青嵐 風土 200205
富士見せぬまで霾ぐもり家伝薬 品川鈴子 ぐろっけ 200205
薬草の軒に揺れゐる霾ぐもり 万城希代子 200206
人心に隙間ありけり霾ぐもり 十見達也 銀化 200206
時・時の人の沸点霾ぐもり 坂本敏子 京鹿子 200207
霾晦銃身並ぶ銃砲店 新倉舒子 200306
車中にて女眉引く霾晦 新倉舒子 200306
橋立はSARSパニック霾ぐもる 柴野静 200308
面倒な塵芥の分別霾ぐもり 楯野裕子 200406
霾ぐもり校庭に声あがりけり 亀田宏子 百鳥 200406
子の家の特製カレー霾ぐもり 丸山照子 火星 200507
喪帰りの眼鏡を洗ふ霾ぐもり 田中長明 200508
父征きし記憶おぼろに霾ぐもり 田畑時男 河鹿 200606
霾ぐもり五十年へし母校訪ふ 大西八洲雄 万象 200606
洛西に師の句を思ふ霾晦 阿部範子 200606
ひと盛の魚指で裂く霾ぐもり 大山文子 火星 200606
目の手術終へしに日々の霾ぐもり 大橋敦子 雨月 200606
神鏡のごとき太陽霾ぐもり 大橋敦子 雨月 200606
霾ぐもり仲麻呂家郷恋ひにけり 片山博介 春燈 200607
太陽に異変いたるか霾晦 大橋敦子 雨月 200607
みはるかす村霾ぐもり天も地も 岸本林立 雨月 200607
霾晦ほつたらかしといふ温泉 守屋井蛙 酸漿 200607
一望の大阪平野霾ぐもり 山下青坡 200608
トルファンは遠し上州霾ぐもり 坂本丹荘 遠嶺 200705
地球儀を買ふ切つ掛けの霾ぐもり 清水幸治 200706
はろばろ来し隠国もまた霾晦 松崎鉄之介 200706
街の灯を吸ひ込んで夜の霾ぐもり 大橋晄 雨月 200706
霾晦雲崗仏の口許笑む 松崎鉄之介 200707
老人もユニクロに凝り霾ぐもり 戸田和子 200804
十字架に暗く額づく霾ぐもり 布川直幸 200805
空港の果てかすかなり霾ぐもり 中島玉五郎 200905
発掘の礎石列なす霾ぐもり 長谷川翠 馬酔木 200905
霾ぐもり膝に潤滑油の欲しき 田辺博充 200905
古文書の謎めいてをり霾ぐもり 本多俊子 200906
船笛を濁してをりぬ霾ぐもり 吉田裕志 200907
遠景も近景も消え霾ぐもり 片岡良子 雨月 200907
中京の生家無人や霾ぐもり 北川孝子 京鹿子 200907
俳壇は遠く遙かや霾ぐもり 木船史舟 201005
艦橋のやうなマンション霾ぐもり 原田達夫 201006
日の光封じ込めたる霾ぐもり 大橋晄 雨月 201006
鳳凰に蹴爪ありけり霾ぐもり 栗栖恵通子 201007
山頂や水平線や霾ぐもり 堀志皋 火星 201106
霾ぐもり鴉一羽も居なくなり 福田雅子 万象 201106
日輪の不機嫌募る霾ぐもり 阪本哲弘 201107
墓石めく下界のビルや霾ぐもり 北尾章郎 201108
霾ぐもり玄奘法師旅如何に 河内桜人 京鹿子 201110
陸橋の下も国道霾ぐもり 高橋泰子 201205
二上山を淡く離るる霾ぐもり 有本惠美子 ろんど 201208
托卵の鳥への不信霾ぐもり 塩路隆子 201305
すぐそこの東京タワーも霾ぐもり 篠田純子 あを 201305
校庭の上向く蛇口霾ぐもり 鈴木一三 末黒野 201306
給水の列につきたる霾ぐもり 江見悦子 朴の青空 201307
漢方の散薬ふくむ霾ぐもり 佐々木みどり 馬醉木 201307
霾ぐもりはるかに見ゆるロシア船 宮内とし子 201406
霾晦仏の道は絹の道 塩見英子 雨月 201406
対岸の刑場跡や霾ぐもり 三上程子 春燈 201407
退院の伸びたる吐息霾ぐもり 飯田美千子 201407
日に三度地震のありぬ霾ぐもり0 河口仁志 201408
霾ぐもりランナーズハイと擦れちがふ 篠田純子 あを 201505
犬を曳くつもりが曳かれ霾晦 小林輝子 風土 201506
大鯉の水の反転霾ぐもり 生田恵美子 風土 201506
霾曇る空を単発練習機 瀬島洒望 やぶれ傘 201507
人質の今も世にあり霾ぐもり 羽根嘉津 201508
カーテンに不意の風湧く霾ぐもり 甲州千草 201605
霾ぐもり水の底から五芒星 高木晶子 京鹿子 201607
霾ぐもりコントラバスのケース行く 安藤久美子 やぶれ傘 201705
世を疎む胡越の空は霾ぐもり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201706
明王に異国の相も霾ぐもり 田中とし江 201707
霾ぐもり繕ふ漁網波止に満つ 田中とし江 201709
霾ぐもりひらひらと持つ処方筆 能村研三 201804
製材の粉塵混じる霾ぐもり 曽根富久恵 201907
蜂蜜に花粉の苦み霾ぐもり 林昭太郎 201907
霾ぐもり亀が顔出す池の縁 住田千代子 六花 202007
明王に異国の相も霾ぐもり 田中とし江 202010
糶もなく終る五十集や霾ぐもり 佐々木よし子 202106
里山の鴉声の頻り霾ぐもり 竹内涼子 末黒野 202107
回送車つづく昼前霾ぐもり 柿沼盟子 風土 202107
黒猫の背ナざらつくや霾ぐもり 後藤眞由美 春燈 202205
霾ぐもり運転免許更新す 若松恭子 春燈 202205
九条がありても怪し霾ぐもり 木村みどり 春燈 202206
能天気の時に良きもの霾ぐもり 石黒興平 末黒野 202206

 

2023年3月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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