鳥雲に 4   100句

筐から筐をとり出すあそび鳥雲に   折笠美秋

作品
作者
掲載誌
掲載年月
人と来て道を覺えず鳥雲に 芝尚子 あを 200705
鳥雲に火の神の山遙拝す 服部鹿頭矢 馬醉木 200706
鳥雲にトンネル鉄扉開け放つ 佐々木新 春燈 200706
親鸞の紅絹の重ねぎ鳥雲に 本多俊子 200706
ゆきゆきて風の近江や鳥雲に 宇田喜美栄 200706
あをあをと朝の潮目鳥雲に 山田禮子 遠嶺 200706
神獣鏡に近づけしかほ鳥雲に 山田美恵子 火星 200706
鳥雲に反魂丹の古看板 松山直美 火星 200706
小手かざしては鳥雲に入るを見る 出口賀律子 雨月 200706
離郷して半生を過ぐ鳥雲に 米原秋城 雨月 200706
鳥雲に痩せ煙突の火の粉とび 渡邉友七 あを 200706
師を恋ふとなく句碑に来る鳥雲に 長沼三津夫 200706
講堂の経もまぼろし鳥雲に 勝原文夫 春燈 200707
日本橋まで九里九丁鳥雲に 平田紀美子 風土 200707
鳥雲に一人娘は帰国子女 竪山道助 風土 200707
口遊む津軽民謡鳥雲に 隅田恵子 雨月 200707
お住持やいまもふどしで鳥雲に 定梶じょう あを 200707
鳥雲にさざなみといふ起伏あり 高橋さえ子 200707
ため息をつくことばかり鳥雲に 三村純也 ホトトギス 200708
鍵持たぬ一日となり鳥雲に 柳里笙 200708
鳥雲にしのび笑ひのふくらはぎ 小形さとる 200708
北へ行く貨車のありけり鳥雲に 粕谷澄 馬醉木 200710
埴輪の眼語り顔なり鳥雲に 花島みゆき 八千草 200710
鳥海の山頂目指す鳥雲に 大滝香釈 八千草 200710
天窓の円を残して鳥雲に 鷹羽狩行 200803
閉ざされし学校いくつ鳥雲に 小林呼溪 200803
鳥雲に遺すものなきわれ残し 鷹羽狩行 200804
鳥雲に末等のくじ親しかり 布川直幸 200805
急行の停まらぬ駅舎鳥雲に 中山静枝 200805
洋傘を杖に散歩や鳥雲に 仁平則子 200805
鳥雲にノブの重たき霊枢車 米山喜久子 200805
鳥雲に時代映画のロケ現場 米山喜久子 200805
鳥雲にいつしか疎遠となりし人 米山喜久子 200805
鳥雲に寝ぐせの髪を言ひ訳けす 竹島勝代 200805
母と子の絆は強し鳥雲に 斉藤小夜 風土 200805
過ぎし日の涙思はじ鳥雲に 林翔 200805
辻褄の合はぬ辻あり鳥雲に 高嶋文清 春燈 200805
染めぬきし観音の幡鳥雲に 小林成子 200806
会葬の御礼簡略鳥雲に 中川すみ子 200806
あきらめずあきらめられず鳥雲に 岡部名保子 馬醉木 200806
鳥雲に入る類想をいましめて 遠藤和彦 遠嶺 200806
天界へ文とどけたし鳥雲に 武藤嘉子 200806
鳥雲に入りてわが身に残るもの 武藤嘉子 200806
縦線の多き組織図鳥雲に 林昭太郎 200806
一棹の茶杓箪笥や鳥雲に 林いづみ 風土 200806
鳥雲に物書くことをつつしみて 水野恒彦 200806
囚人に初老の母や鳥雲に 岸はじめ ぐろっけ 200806
空洞を何もて埋めむ鳥雲に 笠井敦子 200806
茫々の塩田跡や鳥雲に 堀井英子 雨月 200806
腑におちぬ煙ひろがり鳥雲に 丸山佳子 京鹿子 200806
辞書重しこの頃重し鳥雲に 安武晨子 200806
鳥雲に入りあとかたもなくなりし 水野恒彦 200807
鳥雲に廃船展示歴史館 坂本節子 200807
鳥雲に箪笥うごかす棒を持ち 服部早苗 200807
鳥雲につつしみ深く話さねば 鈴木榮子 春燈 200807
神々のそらみつ大和鳥雲に 山田夏子 雨月 200807
筆記具を忘れし句会鳥雲に 富崎季実子 200808
清洲橋新大橋や鳥雲に 大久保白村 ホトトギス 200808
年寄りの話つぎはぎ鳥雲に 高倉恵美子 200808

 悼小林廣芝さん

鳥雲に壁に古びしベレー帽

柴崎甲武信 月日 200811
客死てふ碑文の結び鳥雲に 片山博介 春燈 200812
鳥雲に入る船室の写真展 遠藤和彦 彩雲 200901
断層のバームクーヘン鳥雲に 代田青鳥 風土 200903
子の国は時差十時間鳥雲に 久本久美子 春燈 200903
鳥雲に磨く天水槽の底 山仲英子 200904
鳥雲に失ひしもの捨てしもの 岡本眸 200904
鳥雲に光跡紅く「ディスカバリー」 和田政子 200905
鳥雲にロボットの声くぐもれり 柴太香子 炎環 200905
剥がされし写真の跡や鳥雲に 林千鶴子 炎環 200905
旅姿の西行笑まふ鳥雲に 谷村幸子 200905
医師に肺託して月余鳥雲に 渡邉友七 あを 200905
鳥雲にそして不死鳥物語 北川英子 200905
鳥雲に真砂女の忌日忘れめや 小島禾汀 春燈 200905
白波の砕ける音や鳥雲に 大嶋洋子 春燈 200905
鳥雲に土ひと袋買ひにけり 浜口高子 火星 200906
鳥雲に戦火の記憶込めし橋 加藤美代子 炎環 200906
鳥雲に未だ捨てられぬ父の文 笠井敦子 200906
ちちの墓そのちちの墓鳥雲に 岩木茂 風土 200906
時の鐘仰ぐ小路や鳥雲に 竹生田勝次 風土 200906
鳥雲に長子定年間近とや 出口賀律子 雨月 200906
防人の領巾振りし岬鳥雲に 柴田良二 雨月 200906
この國の未来図いづこ鳥雲に 阪本哲弘 200907
改築の落柿舎侘し鳥雲に 有田蟻太 200907
ゴンドラの弓手に安土鳥雲に 田中敬 200907
汝のすみし赤羽台地鳥雲に 島青櫻 炎環 200907
鳥雲にすこし遅るるものも容れ 渡部志津子 200907
4・3・2・1・0発射鳥雲に 竪山道助 風土 200907
鳥雲に家紋崩るる鬼瓦 林紀夫 春燈 200907
鳥雲に入る青春のブルートレーン 吉田克美 ろんど 200907
鳥雲に虚子館資料ひんがしへ 山田弘子 ホトトギス 200908
会へぬまま友の訃音や鳥雲に 永見嘉敏 酸漿 200909
界隈の終の田売られ鳥雲に 淺場英彦 万象 200910
湖を出ることなき魚や鳥雲に 鷹羽狩行 201003
鳥雲にいつか身に憑く沖見癖 竹貰示虹 京鹿子 201003
鳥雲に血縁ときにうとましき 荒井千佐代 200605
鳥雲に富山の薬来る頃か 吉田政江 200605
鳥雲に今日も見送る側にをり 久染康子 200605
鳥雲に栗駒岳鳴子鬼かうべ コ田千鶴子 馬醉木 201004
鳥雲に別れの多くなりにけり 鷹羽狩行 201004
郵便の束で来る日や鳥雲に 鷹羽狩行 201004

鳥雲に→5

     

 

2021年4月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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