鳥雲に 3   100句

大正九年以来われ在り雲に鳥   三橋敏雄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
吊り下がるだけの鉄棒鳥雲に 小橋末吉 対岸 200406
鳥雲に入りて羅漢の黙五百 遠藤和彦 遠嶺 200406
書出しのことばを思案鳥雲に 中島霞 ぐろっけ 200406
鳥雲に杜氏の帰る予定表 入江和子 ぐろっけ 200406
魚塚も鳥塚もあり鳥雲に 坊城俊樹 ホトトギス 200407
はらからの老いたる月日鳥雲に 岡久枝 酸漿 200407
鳥雲に刺身こんにやく薄みどり 大山里 200407
鳥雲に崇烈碑とは敵味方なし 角直指 京鹿子 200407
鳥雲に失ひしもの美しく 舩越美喜 京鹿子 200407
夢声の居毀たれ久し鳥雲に 大橋敦子 雨月 200407
五十年の絆おもほゆ鳥雲に 佐野布娑 雨月 200407
鳥雲にふたたび話し合はぬなり 桑添礼子 栴檀 200407
この駅にいくたび降りむ鳥雲に 片山由美子 200407
別れより会うが楽しき鳥雲に 前園美智子 河鹿 200407
鳥雲にスカート穿いた鬼の声 木村みかん 200407
望郷の日蓮の像鳥雲に 今瀬剛一 対岸 200407
老年の身過ぎ世過ぎや鳥雲に 佐藤淑子 雨月 200408
残りしはやさしき言葉鳥雲に 前迫寛子 河鹿 200408
鳥雲にブツセの空を恋ひしこと 江崎成則 栴檀 200409
鳥雲に入る自転車の二重鍵 斎藤和江 帆船 200412
踏むたびに傾く梯子鳥雲に 中村葉子 帆船 200501
鳥雲に吾も鴉も町を出ず 細川知子 ぐろっけ 200502
鳥雲にがうがうと鳴る山の川 滝沢伊代次 万象 200503
ペンキ塗りたての小舟や鳥雲に 朝妻力 雲の峰 200504
登四郎の呆と口開け鳥雲に 今瀬剛一 対岸 200504
時刻とは人の世のこと鳥雲に 加瀬美代子 200504
ガンジーを葬りし大河鳥雲に 須賀允子 万象 200505
故郷を捨てし父母鳥雲に 加藤はま子 200505
鳥雲に人差指で靴はけば 服部早苗 200505
鳥雲に手元を離れ子の育つ 荻野みゆき 対岸 200505
つながれし犬が見てゐる鳥雲に 丸山佳子 京鹿子 200505
鳥雲にふるさとつくづく遠きかな 原田竜子 河鹿 200506
大空襲忘れてならじ鳥雲に 泉田秋硯 200506
無名橋と記しありけり鳥雲に 近藤きくえ 200506
味噌の香は生家の匂ひ鳥雲に 今瀬剛一 対岸 200506
鳥雲に鞭を掲げて牧童は 吉川隆史 200506
定年の最終講義鳥雲に 小儀洋子 百鳥 200506
鳥雲にふたたび渚たどりけり 吉村一郎 百鳥 200506
西国の一揆供養碑鳥雲に 高橋喜和 百鳥 200506
日本が端にある地図鳥雲に 高橋照葉 ぐろっけ 200506
鳥雲に入る軒先は千曲川 齋藤宣子 帆船 200506
名君の在せし古城鳥雲に 東野鈴子 雨月 200506
旅果つる石州雲州鳥雲に 堀田清江 雨月 200506
鳥雲にむかし高等女学生 中谷葉留 風土 200506
子がひだりみぎ見てひだり鳥雲に 中嶋陽子 風土 200506
海光のさざなみづくし鳥雲に 高橋さえ子 200506
執着心失せたる齢鳥雲に 北川慶子 200507
鳥雲に取りのこされし余呉の湖 遠藤若狭男 200507
欄干にハープの飾り鳥雲に 坂本ひさ子 遠嶺 200507
なきがらの母の手大き鳥雲に 藤田佑美子 栴檀 200507
モナリザの尽きぬほほゑみ鳥雲に 代田幸子 200507
倒れ木の葉のつやつやと鳥雲に 田中敬子 百鳥 200507
蔵壁に浸みたる醤油鳥雲に 鳴海清美 六花 200507
大風車発電開始鳥雲に 大山夏子 200507
墳守りの筑後訛や鳥雲に 青山悠 200507
鳥雲にホチキスの弾撃ちまくる 樋口愚堂 200508
鳥雲に耳納連山杉多し 高倉恵美子 200508
鳥雲に消えゆく村名惜しみつつ 物江晴子 八千草 200510
鳥雲に郡上紬の名刺入 宮澤さくら 今生 200510
棒読みの留守番電話鳥雲に 菅野末野 風土 200511
鳥雲に折衷案でまとまりぬ 楠原幹子 白卓布 200602
鳥雲に入るイントロの長い曲 戸村よねこ 遠き海 200602
鳥雲に入りて敦に妻子の句 鷹羽狩行 200603

中村梅玉、逝く。われら、この人の素顔さへみしこと

なし。その人となり、たゞすべてうはさにきけるのみ

藝は藝人は人なり鳥雲に

久保田万太郎 春燈 200603
鳥雲に行く人なしの村の道 鷹羽狩行 200604
釉薬に壺浸しをり鳥雲に 安岡房子 200604
踊り場で変はる軸足鳥雲に 林昭太郎 200604
鳥雲に粛と衛兵交代す 水原春郎 馬醉木 200605
ロケ隊のセットをたたむ鳥雲に 穐好樹菟男 馬醉木 200605
鳥雲に廃れしものに貰ひ風呂 水上れんげ 200605
鳥雲に苑の芝生のエロスの塔 小澤克己 遠嶺 200605
鳥雲に入り上げ潮のひたひたと 寺田すず江 200605
鳥雲に岬の風のないでをる 石脇みはる 200605
裏山の騒めきにけり鳥雲に 水谷ひさ江 六花 200605
濯ぎ干す在りし日思ふ鳥雲に 田上勝生 河鹿 200606
文集に子らの夢満つ鳥雲に 緑川啓子 馬醉木 200606
笑ひこらへて涙のこぼる鳥雲に 太田慶子 春燈 200606
鳥雲に板一枚の潟の舟 藤原千代子 万象 200606
鳥雲に見送る胸に新書受く 三崎由紀子 遠嶺 200606
登校の新班長や鳥雲に 奥秋義貫 遠嶺 200606
鳥雲に米の図書館伊能大図 林日圓 京鹿子 200606
鳥雲に勾玉の知る墳の主 高橋千美 京鹿子 200606
鳥雲に入りて干潟に潮の道 恒川絢子 対岸 200606
突堤のおけさ灯台鳥雲に 金子知代 万象 200606
鳥雲に地球を覆ふ電波網 谷口みちる 200607
望郷の声あげて鳥雲に入る 坂根北陵 京鹿子 200607
健忘のややに重なり鳥雲に 河内桜人 京鹿子 200608
鳥雲に入る紀伊殿の屋敷跡 小澤克己 塩竃 200608
シベリアの水は甘いか鳥雲に 井上博 八千草 200608
繙きし系図の長さ鳥雲に 鈴木憲一 200609
鳥雲にかつて清瀬の療養所 林いづみ 風土 200611
陶工の蹴轆轤軽し鳥雲に 阿部月山子 万象 200704
薄墨の伊豆の大島鳥雲に 山川好美 春燈 200704
鳥雲に鍵また鍵の貸金庫 小嶋洋子 200704
鳥雲に躓き易き言葉かな 松崎豊 200704
シベリアを目指す一群鳥雲に 泉田秋硯 200705
パンの耳切つてをりけり鳥雲に 宇田喜美栄 200705
流寓のこゑしきりなり鳥雲に 水野恒彦 200705
鳥雲に編隊といふ組形 鈴木榮子 春燈 200705
二十五年を欠かさぬ墓参鳥雲に 松崎鉄之介 200705
鳥雲に →4      

 

 

2021年4月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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