鳥帰る 4    101句

太郎杉次郎杉越え鳥帰る   野見山ひふみ   歳時記(第三書館)

鳥歸る  鳥引く  引鳥  鳥雲に

作品
作者
掲載誌
掲載年月
信濃いま諸花盛り鳥帰る 千田百里 200807
山国の道は川沿ひ鳥帰る 竹貫示虹 京鹿子 200903
鳥帰る病室の窓いつぱいに 高倉和子 200903
鳥かへる水際にて書を焚きしあと 岡本眸 200903
鳥帰る天路に磁気のありやあり 千田敬 200904
思ひ出は持たずひらひら鳥帰る 小澤菜美 200905
記紀の世のたましひの白鳥帰る 近藤喜子 200905
噴煙の上がる火の山鳥帰る 石原節子 春燈 200905
鳥帰る千里丘陵遥かにし 大橋晄 雨月 200905
鳥帰る埠頭に丸木積まれゐて 根橋宏次 やぶれ傘 200905
還暦の視界に古稀や鳥帰る 貝森光洋 六花 200905
鬱いくつ聞いて貰ひし鳥帰る 小澤菜美 200906
便せんに残る筆圧鳥帰る 大東由美子 火星 200906
歳月の果ての胞衣塚鳥帰る 遠藤真砂明 200906
書き出しの一字滲めり鳥帰る 柿本麗子 200906
青天へ嘴を伸ばして鳥帰る 小林正史 200906
鳥帰る海にのこせる笑窪かな 工藤はるみ 風土 200906
佇めば鳥帰りゆく風の音 小宮淳子 春燈 200906
長堤のはたてを茫と鳥帰る 丸尾和子 雨月 200906
鳥帰る雲の彼方の光みて 堀田こう 雨月 200906
先頭は日本武尊か鳥帰る 山路紀子 風土 200907
鳥帰る明日定年の机拭く 竪山道助 風土 200907
六浦津古刹遺構や鳥帰る 下山田美江 風土 200907
海光と伝説の島鳥帰る 三宅文子 春燈 200907
湖の果てなき空や鳥帰る田 部みどり 200907
大いなる寝釈迦の空を鳥帰る 青山悠 200907
啼きごゑの地には届かず鳥帰る 土屋草子 ろんど 200907
アッシジの空の広さへ鳥帰る 佐土井智津子 ホトトギス 200908
力ふと抜けたる沼や鳥帰る 今橋眞理子 ホトトギス 200908
城下には江戸の七橋鳥帰る 水谷洋子 十進法 200911
鳥帰るしばらく空を波たたせ 木村公子 花貝母 200911
鳥帰るふり返る事もう出来ぬ 木村公子 花貝母 200911
干潟とは命の里よ鳥帰る 大西よしき ろんど 200912
鳥帰るふりをしてゐるだけの舞 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
軒下のガランとなりし玄鳥帰 吉弘恭子 あをかき 201002
蒼天の何をしるべに鳥帰る 栗原公子 201004
鳥帰る網棚はもう網でなく 小嶋洋子 201004
連山の雲をつらぬき鳥帰る 佐々木よし子 201004
鳥帰る寝釈迦の丘に影おとし 山本とく江 万象 201005
鳥帰る遠くに住める姉いもと 舩越美喜 京鹿子 201005
東京の空なる深度鳥帰る 古屋元 200605
峰を越す高さ白鳥帰りけり 工藤ミネ子 風土 201005
大空の扉を開けて鳥帰る 柴田久子 風土 201005
木の皮の捲れ大きく鳥帰る 飯田ひでを 201006
入港の合図の汽笛鳥帰る 久保東海司 201006
一列はいのちの高さ鳥帰る 熊川暁子 201006
鳥帰る吾も北への旅支度 横井明子 201006
さいはての絆に引かれ鳥帰る 秋葉雅治 201006
鳥帰る郵便不在連絡票 鳥居秀雄 201006
山の訓(よみ)胸にをさめて鳥帰る 鈴鹿仁 京鹿子 201006
一列は悲しい形鳥帰る 松田都青 京鹿子 201006
別荘の名残の町や鳥帰る 関根洋子 風土 201006
天空の奥へ奥へと鳥帰る 中村洋子 風土 201006
三郎は大器晩成鳥帰る 古川よし子 風土 201006
対岸のドックに巨船鳥帰る 古川よし子 風土 201006
鳥帰る諸味の眠る蔵の上 菅原末野 風土 201006
鳥帰る郵便ポスト撤去中 上田雪夫 ぐろっけ 201006
鳥帰る椰子の実の碑は海の辺に 松永房子 201006
鳥帰る我がふる里の山河越え 恒川とも子 201006
床下に父のどぶろく鳥帰る 山城孝子 火星 201006
鳥帰る均して広き池の底 杉浦典子 火星 201006
海神は光の器鳥帰る 本多俊子 201007
県境は橋の真ん中鳥帰る 竪山道助 風土 201007
首ずいと伸ばし白鳥帰りけり 大野崇文 201007
この村の一戸の藁屋鳥帰る 水谷靖 雨月 201007
海の碧空に移して鳥帰る 森清信子 末黒野 201009
鳥歸るクラーク像の指す方へ 竹貫示虹 京鹿子 201103
鳥帰る庭の日溜り広がりて 柴田靖子 201104
くねくねの頸を伸ばして鳥帰る 浅沼久男 201104
大地震の跡無残なり鳥帰る 竹内悦子 201105
鳥帰るごとくに視力検査表 十川たかし 201105
体操の両手を空へ鳥帰る 筏愛子 201105
鳥帰る一羽旧知の『花喰鳥』 松本峰春 春燈 201105
鳥帰る引止むる術なきままに 篠原幸子 春燈 201105
帰る場所あるを信じて鳥帰る 安居正浩 201105
ぜんざいの餅の焦げ目や鳥帰る 柴田志津子 201105
鳥帰る川波ひかる日なりけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
鳥帰る愛の傷痕背に負うて 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
激震の空の真中鳥帰る 池元道雄 馬醉木 201106
奥羽山脈右に左に鳥帰る 柴崎甲武信 春燈 201106
鳥帰る子は父の背を見て育つ 鈴鹿仁 京鹿子 201106
鳥帰る揃ひしものゝ一つ欠け 服部郁史 京鹿子 201106
観音の在す島を視野鳥帰る 三輪温子 雨月 201106
余震なほつづく列島鳥帰る 新江たか ろんど 201106
震災を知るや知らずや鳥帰る 前川明子 201107
表札に総員の名や鳥帰る 五十嵐紀子 201107
みちのくの濤荒るる日や鳥帰る 大室恵美子 春燈 201107
みちのくの山河にいやし鳥帰る 秋葉雅治 201107
鳥帰る桜前線待たずして 上辻蒼人 風土 201107
みづうみは大き日だまり鳥帰る 高村令子 風土 201107
鳥帰る天変地異にかかわらず 藤岡紫水 京鹿子 201107
地震あとの空の余白を鳥帰る 神田美穂子 万象 201107
発電の風車の空を鳥帰る 吉野美智子 万象 201107
鳥帰る津波禍の空渡るかや 川村欽子 雨月 201107
読み終へし俳書難解鳥帰る 中原敏雄 雨月 201107
教会の畳に立てば鳥帰る 西村節子 火星 201107
鳥帰るなんぞ持たしてやるまいか 栗栖恵通子 201107
二十六聖人の生国遠し鳥帰る 大地真理 201108
古里は通過駅なり鳥帰る 能美昌二郎 201108
炊き出しの大鍋の湯気鳥帰る 大場ひろみ 馬醉木 201110
村々を水鏡にして鳥帰る 鷹崎由未子 花野 201112
鳥帰る蒼い地球を半周し 三浦澄江 ぐろっけ 201202
鳥帰る→ 5      

 

2021年3月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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