鳥帰る 3    100句

寝るだけの二階となりぬ鳥帰る   堀口トモ子   歳時記(第三書館)

鳥歸る  鳥引く  引鳥  鳥雲に

作品
作者
掲載誌
掲載年月
母子寮の窓に灯ともり鳥帰る 徳田正樹 河鹿 200506
飛行雲三筋の空や鳥帰る 石岡祐子 200506
余部の鉄橋の上鳥帰る 野村由美 200506
湾岸の千枚の窓鳥帰る 岩淵彰 遠嶺 200506
直線で結ぶ家系図鳥帰る 城間芙美子 対岸 200506
飛火野にパワーショベルや鳥帰る 丸山照子 火星 200506
わらべうたどこかかなしく鳥帰る 松岡三夫 200506
モネの絵に似たる断崖鳥帰る 的池遙 百鳥 200506
鈴の鳴る通園かばん鳥帰る 横田晶子 風土 200506
鳥帰る遠き彼方の海光る 木内美保子 六花 200506
鳥帰るころ石塀の潮いたみ 前田陶代子 200506
しらしらと波寄す岬鳥帰る 吉田島江 火星 200507
橋の上を人は往き来や鳥帰る 島谷征良 風土 200507
シユレツダーに入るる原稿鳥帰る 中嶋陽子 風土 200507
噴煙のまぎれしあたり鳥帰る 伊嶋淡々 200508
断頭台ありし広場や鳥帰る 三好かほる 万象 200509
鳥帰る片道切符で行きし夫 上間和子 八千草 200510
グラシン紙の封書の小窓鳥帰る 高橋あゆみ 200510
牧水の歌碑の松原鳥帰る 菅野末野 風土 200511
鳥帰る空を大きく開けてあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200603
秩父路の山々越えて鳥帰る 稲畑汀子 ホトトギス 200603
その後の消息問はん鳥帰る 稲畑汀子 ホトトギス 200603
泊船の中の一艦鳥帰る 迫田白庭子 百鳥 200604
むらさきに染まる大琵琶鳥帰る 杉本綾 200605
鳥帰るそろそろ手紙書かむとす 山田暢子 風土 200605
草の上に櫂の日ざらし鳥帰る 松岡隆子 200605
鳥帰る風が転がす空ばけつ 今瀬剛一 対岸 200605
灯台を見しことも過去鳥帰る 今瀬剛一 対岸 200605
鳥帰る津軽ヤンシュのその上を 片田千鶴 馬醉木 200606
鳥帰る嶺白無垢に装ひて 鈴木漱玉 馬醉木 200606
鳥帰る今日御岳のよく見えて 寺嶋育子 四葩 200606
幾万のいのち虚空に鳥帰る 岩月優美子 200606
硝子戸の向かうの硝子鳥帰る 戸村よねこ 遠嶺 200606
夕空にさざなみのこし鳥帰る 大泉伸 遠嶺 200606
海苔粗朶の傾ぎの上を鳥帰る 岡和絵 火星 200606
甘酒をゆすりて飲めば鳥帰る 垣岡暎子 火星 200606
吃水線保つ沖雲鳥帰る 禰寝瓶史 京鹿子 200606
いつの間に雲生まれしか鳥帰る 佐川あけみ 対岸 200606
万葉の国見の山を鳥帰る 大石喜美子 雨月 200606
捨て舟の埋もる浜を鳥帰る 足利徹 ぐろっけ 200606
十三の橋の由来や鳥帰る 中村洋子 風土 200606
鳥帰るグラバー邸を下に見て 奥田弦鬼 風土 200606
鳥帰るはるかなものへ目をひらき 青野れい子 200606
鳥帰る卓上のこの乱れやう 青野れい子 200606
鳥帰る心休める國ありと 長崎桂子 あを 200606
父の振るドロップの缶鳥かへる 城孝子 火星 200606
噴火湖に波立つ気配鳥帰る 山元海郎 河鹿 200607
鳥帰るかんばせ隠す富士の山 松本文一郎 六花 200607
明石の門うすけむる日や鳥帰る 中瀬定子 六花 200607
出羽の郷白鳥帰る月遅れ 安部暘子 四葩 200607
鳥帰る河口そのまま船溜 長沼三津夫 200607
曼荼羅の彩雲を連れ鳥帰る 川口襄 遠嶺 200608
鳥帰る生きて別れを重ねけり 土屋酔月 火星 200608
四阿の屋根の円錐鳥帰る 前田陶代子 200608
鳥帰るテレビの画面いつぱいに 平島利男 酸漿 200702
鳥帰る郷に布令出る寺普請 成宮紀代子 200704
裸婦像の指差す方へ鳥帰る 松嶋一洋 200705
白光を放つ連峰鳥帰る 佐々木ミツヱ 200705
鳥帰る秩父の里に機の音 嶋木勝次郎 遠嶺 200705
阿羅漢のおしくらまんぢゆう鳥帰る 丸山照子 火星 200705
園児らの声を後方に鳥帰る 鎌田重光 200706
生家さへなき故里や鳥帰る 土屋啓 馬醉木 200706
青き海ばかりの空を鳥帰る 関口青稲 万象 200706
猫地獄てふ断崖や鳥帰る 田村愛子 万象 200706
台北に一ト日の縁鳥帰る 陳妹蓉 春燈 200706
遥かより呼ぶ声のあり鳥帰る 中嶋昌子 春燈 200706
鳥帰り星の山河を残しけり 川口襄 遠嶺 200706
上げ潮の佃大橋鳥帰る 岩淵彰 遠嶺 200706
亡き友の植ゑし杉山鳥帰る 宮崎とき女 200706
両岸をつなぐ飛石鳥帰る 天谷翔子 火星 200706
このごろの空の深さや鳥帰る 水谷芳子 雨月 200706
鳥帰る空に昼月置き去りに 水谷芳子 雨月 200706
鳥帰りたる神鈴のうす埃 坪井洋子 200706
ゆるゆると開く跳橋鳥帰る 大山春江 万象 200707
よき詩を窓辺にのこし鳥帰る 横松しげる 遠嶺 200707
ブラックホール探るアンテナ鳥帰る 望月洋子 200707
鳥帰る夕日に向けて窓並び 木内憲子 200707
童謡のやうな夕映鳥帰る 高橋さえ子 200708
こんりんざい変へぬ住処すみかよ鳥帰る 山元志津香 八千草 200709
鳥帰るいづこの空もさびしからむに 安住敦 歴日抄 200803
鳥帰る茹で卵五個残しけり 中島玉五郎 200804
鳥帰る堅田に遠き夕汽笛 米山喜久子 200805
鳥帰るわが七十路も通過点 河口仁志 200805
鳥帰る双眼鏡の輪をぬけて 服部早苗 200805
校門の鎖の錠や鳥帰る 齊藤實 200805
分校を閉ざす噂や鳥帰る 西村梛子 馬醉木 200805
屋上の小さきチャペル鳥帰る 西畑敦子 火星 200805
鳥帰る「これより飛騨」の分かれ道 紀川和子 200806
分校の生徒七人鳥帰る 山口順子 200806
天地に再会誓ひ鳥帰る 曷川克 遠嶺 200806
流木のたゆたふ夕ベ鳥帰る 峰幸子 200806
鳥帰る日の逼りけり風迅し 石川龍士 春燈 200806
鳥帰る食事の不満こぼしけり 富沢敏子 200806
ひとひらは一語にも似て鳥帰る 佐々木紗知 京鹿子 200806
鳥帰る大きく空をしならせて 高倉和子 200806
鳥帰るただそれだけでさびしき日 藤井昌治 200806
天領の空をよぎりて鳥帰る 石田野武男 万象 200807

 悼明史先生

かぎろへる水平線や鳥帰る

田中佐知子 風土 200807
鳥帰る玄界灘の空埋めて 清水明子 遠嶺 200807
国後の島影蒼し鳥帰る 馬崎千恵子 春燈 200807
鳥帰る →4      

 

2021年3月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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