鳥帰る 2    100句

鳥帰る一羽の残すひとのこゑ   三木聆古   ザ・俳句

鳥歸る  鳥引く  引鳥  鳥雲に

作品
作者
掲載誌
掲載年月
潮目立つ海境越えて鳥帰る 吉田百合子 春耕 200206
合鍵を持ちて白鳥帰りけり 山崎未可 銀化 200206
鳥帰る鳥を守りゐる老夫婦 水田清子 200206
鳥帰る千畳岩に寄する波 水田清子 200206
先達に挙りしたがひ鳥帰る 熊口三兄子 ぐろっけ 200206
法眼や法橋に酔ひ鳥かへる 林日圓 京鹿子 200206
累代の半鐘一打鳥帰る 宇都宮滴水 京鹿子 200207
墨東の空の濡れ色鳥帰る 山路紀子 風土 200207
潮騒は岬の調べ鳥帰る 仁科聖鳥 円虹 200207
燈台に待てば群生れ鳥帰る 仁科聖鳥 円虹 200207
燈台は陸の孤島よ鳥帰る 仁科聖鳥 円虹 200207
一片の雲なく晴れし鳥帰る 仁科聖鳥 円虹 200207
濠に浮く羽毛ひと舟鳥帰る 田中武彦 六花 200207
鳥帰る空にいくつの停車駅 丸山分水 200207
鳥帰るころの病み癖今年また 西郷利子 200207
若書きの行間に鳥帰るなり 田村はじめ 銀化 200301
まだ暁けぬ空の消息鳥帰る 稲畑汀子 ホトトギス 200303
出棺の一笛長し鳥帰る 上田繁 遠嶺 200305
黒潮の岬を回して鳥帰る 島玲子 風土 200305
迷ひなきことは力よ鳥帰る 長山あや 円虹 200305
鉱石船入り来ぬ白鳥帰りし海 土田祈久男 200305
鳥帰る群れ横列に広ごれる 大川嘉智香 築港 200305
播磨路の空点点と鳥帰る 本荘初枝 築港 200305
鳥帰る湖北に薄き雲かかり 池尻足穂 雲の峰 200305
鳥帰る胸の釦のとれかかり 高橋あゆみ 200305
大白鳥帰心昂ぶり啼き交はす 長谷川春 200305
夢ひとつたわむことなく鳥帰る 橋本喜夫 銀化 200305
鳥帰り居ねぶつてゐる雲二つ 丸山佳子 京鹿子 200305
切れ目なき些事やいつしか鳥帰り 藤井昌治 200305
パスポート余白一枚鳥帰る 島村耕作 200306
鳥帰り湖の余白の拡がりぬ 小澤菜美 200306
鳥帰る殿魁一羽づつ 岡正実 200306
鳥帰る大きさ違ふ夫婦茶碗 木村みかん 200306
鳥帰る出稼ぎ終へし灯油売 大房帝子 酸漿 200306
鳥帰る人の叡智の遥かへと 長山あや 円虹 200306
空の果は旅の始まり鳥帰る 長山あや 円虹 200306
天と地の約束のごと鳥帰る 長山あや 円虹 200306
憧れの田舎暮しや鳥帰る 宮本幸子 円虹 200306
鳥帰るらし電線のこの混みやう 宮本幸子 円虹 200306
鳥帰る空に残りし風の音 橋本佐智 円虹 200306
鳥帰る人の生死にかかはらず 田中子 円虹 200306
鳥帰るズボンの裾のすり切れて 吉田島江 火星 200306
鳥帰る風に傷つくことあらむ 高倉和子 200306
鳥かへるころや手擦れの狐桶 戸田春月 火星 200306
鳥帰る黄鶴楼に雲巻きて 市ケ谷洋子 馬醉木 200307
手庇にあまる陽光鳥帰る 平野静 京鹿子 200307
汝が翼支ふるは何鳥帰る 海輪久子 円虹 200307
鳥帰る防人歌の遺る岬 海輪久子 円虹 200307
塩蔵の跡地の湿り鳥帰る 望月ひろゆき 百鳥 200307
鳥帰る片付けてをく机かな 北嶋美都里 200307
鳥帰る師の背ばかりが大きくて 長沼三津夫 200307
鳥帰る銭屋五兵衛の埋立地 宮田悦子 200307
鳥帰る母の匂ひの古箪笥 三間菜々絵 遠嶺 200308
鳥帰る先頭風を漕ぐやうに 高橋房子 200309
鳥帰る遠さざなみにブイ赫き 飯塚雅子 200401
北国の誘ひは其々に鳥帰る 鈴鹿仁 京鹿子 200404
鳥帰る人を見る目の知覚せり 鈴鹿仁 京鹿子 200404
鳥帰る此処は丹波の分水嶺 水谷ひさ江 六花 200404
鳥帰る数多の人の頭上へて 水谷ひさ江 六花 200404
鳥帰る見知らぬ国の地図貰ひ 水谷ひさ江 六花 200404
おそらくはわが背暗しよ鳥帰る 岡本眸 200404
鳥帰るおいてきぼりにされたやう 森理和 あを 200405
鳥帰るあけぼの杉の高々立つ 荒井正隆 200405
鳥帰る霧に浮かべる竹生島 木村てる代 雲の峰 200405
双塔の見ゆるまほろば鳥帰る 谷野由紀子 雲の峰 200405
大沢の池の静けし鳥帰る 辰巳陽子 雲の峰 200405
子のものを干して飯場や鳥帰る 坂ようこ 200405
マネ・モネ・セザソヌあまた見て鳥帰るなり 福井隆子 つぎつぎと 200405
坪庭の四角き空を鳥帰る 志方章子 六花 200405
天道に規制などなし鳥帰る 塩川雄三 築港 200405
塔二つ水煙二つ鳥帰る 塩川雄三 築港 200405
この峡に翅を馴らして鳥帰る 塩川雄三 築港 200405
鳥帰る峰を伝うて雲に乗り 柴田毅 築港 200405
鳥帰る陰干しといふ忘れもの 高橋澄子 200406
甕棺の向きのさまざま鳥帰る 江本怜子 対岸 200406
鳥帰る日暮れの色に染まりゆき 杉江美枝 百鳥 200406
鳥帰る沖へいよいよ高みつつ 櫻井幹郎 百鳥 200406
鳥帰る黄道光のかなたかな 高橋将夫 200406
中ぞらにVの字の型鳥帰る 長崎桂子 あを 200406
鳥帰るなり足元にざざと波 福井隆子 対岸 200406
鳥帰る尖塔多き港町 松井淑子 200406
鳥帰る鶏山に埋めらる 内山芳子 ぐろっけ 200406
鳥帰る野に人形の忘れられ 櫛原希伊子 百鳥 200407
白鳥帰る一羽づつ湖を抱き 柴田佐知子 200407
鳥帰る空見る鷺の一本足 吉田多美 京鹿子 200407
鳥帰る大和三山空に置き 陣野今日子 風土 200407
二日降り二日の晴れて鳥帰る 酒井十八歩 草の花 200407
朝市の角を曲りて鳥帰る 富沢敏子 200407
この島へ降りぬ一群鳥帰る 今瀬剛一 対岸 200407
鳥帰る波のうしろも濡れてゐて 八田木枯 「夜さり」 200409
薄墨のにじむ白紙しらがみ鳥帰る 谷口佳世子 200412
鳥帰るしるべに岬のマリア像 品川鈴子 六香 200501
大空に渋滞はなし鳥帰る 稲畑汀子 ホトトギス 200503
鳥帰る空にさざなみひろごれる 寺門丈明 あを 200504
連れ鳴きて湖からつぽに鳥帰る 府中谷幸枝 馬醉木 200505
鳥帰る村に流離の仏たち 浜福恵 風土 200505
鳥帰るあかねの湖を残しおき 豊田都峰 京鹿子 200505
校庭の立たされ坊主鳥帰る 吉村一郎 百鳥 200505
鳥帰る帰る故郷ありてこそ 村越化石 200505
筆塚に古き筆あり鳥帰る 中嶌テル子 築港 200505
鳥帰る→3      

 

2021年3月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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