短 日 4      150句

短日の狂ひ出でたるサクソフォン   石川郷子   ザ・俳句

短日  日短  暮早し

作品
作者
掲載誌
掲載年月
短日の道戻りゆく愚かさよ 中杉隆世 ホトトギス 200804
短日の肩より歩くかち烏 本田ヒデ子 京鹿子 200804
短日の一草に目を凝らしたる 中杉隆世 ホトトギス 200805
短日やそれぞれに持つ家の鍵 大槻美千江 200805
短日やいつも何かを探しをり 高倉恵美子 200805
短日の気の短さの病臥かな 亀田虎童子 200811
短日や仕事残してならざりし 稲畑汀子 ホトトギス 200811
短日の時間やりくりせしも旅 稲畑汀子 ホトトギス 200811
短日の心づもりの出来るまで 稲畑汀子 ホトトギス 200811
短日に従ふ旅程ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200811
短日の飛機より低き日差かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200811
短日の用早々に切り上げし 稲畑汀子 ホトトギス 200812
短日や鉄階のぼる人の影 鷹羽狩行 200812
短日を間引き蹴鞠の音はづむ 神蔵器 風土 200812
短日やスクランブルの交差点 芝尚子 あを 200812
短日やせめて一歩を門外へ 林翔 馬醉木 200901
短日や枝打ち払はれ大櫻 稲見寛子 炎環 200901
短日や鉄切り落とし火を散らす 高野幸次 200901
短日のワインで煮込む肉野菜 小林奈穂 200901
短日の顔より暮るる香時計 神蔵器 風土 200901
短日の片眼の視野のおぼつかな 木村茂登子 あを 200901
短日の牛や反芻急きもせず 吉田裕志 200902
短日の鯖釣舟に門波立つ 市ヶ谷洋子 馬醉木 200902
短日や墓地行き止まり行き止まり 山田暢子 風土 200902
短日やにぎり鋏の鈴鳴つて 浅田光代 風土 200902
短日や付録の多き雑誌買ふ 柿沼盟子 風土 200902
短日のやまひ加齢は分つべし 安立公彦 春燈 200902
短日やくの字に下る女坂 岩井泉樹 春燈 200902
短日の時計の主張入院拒否 禰寝瓶史 京鹿子 200902
短日の隅田川来ぬ旧友と 椿和枝 200902
短日や陳皮のあがり上上に 加藤みき 200903
短日のはやばや届く新刊書 松原仲子 200903
短日の骨余さずに拾ひけり 曽根新五郎 炎環 200903
地下街に遊び短日忘れゐし 片岡良子 雨月 200903
風が渦巻き短日のビルの街 上田明子 雨月 200903
短日の日々の献立迷ひをり 船越美喜 京鹿子 200903
それぞれの違ふ短日もて集ふ 森洋子 京鹿子 200903
短日の人込みに身をまかせをり 北川とも子 ぐろっけ 200903
短日や出句を迫る刻太鼓 栗田武三 ぐろっけ 200903
短日のけふ五右衛門の忌日てふ 藤井美晴 やぶれ傘 200903
短日を歩幅大きく男行く 黒澤登美枝 200904
短日の座敷童子(わらし)がもの隠す 久保田由布 ぐろっけ 200904
短日や実用の書の増えしこと 谷村鯛夢 炎環 200904
短日や乗り換へばかりして終る 谷村鯛夢 炎環 200904
短日や電子の声に指図され 山田弘子 ホトトギス 200905
短日の追ひかけて来る非常口 梶浦玲良子 六花 200905
短日の歩をゆるめ我ありと思ふ 鷹羽狩行 200912
短日やこの猫何が言ひたいねん 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
短日や予定三つにふくらみぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200912
短日の渋滞に巻き込まれけり 稲畑汀子 ホトトギス 200912
短日といふ言ひ訳はなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200912
短日の暮れてはかどる仕事あり 稲畑汀子 ホトトギス 200912
短日の予定狂ふといふことも 稲畑汀子 ホトトギス 200912
旅話聞くも短日なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200912
短日の鏡の奥にわれの貌 藤岡紫水 京鹿子 201001
短日やガレのランプの「ひとよ茸」 田下宮子 201002
短日や書肆の灯明り背に受けて 安立公彦 春燈 201002
短日や影を背負うて下山道 林紀夫 春燈 201002
短日や王子稲荷の狐穴 生田高子 春燈 201002
短日の烏がる棕櫚の皮 生田高子 春燈 201002
短日や横浜西口地下通路 舘泰生 風土 201002
短日の空地に子等の声しきり 松下八重美 201002
短日や持ち合はすもの使ひ切る 鈴鹿仁 京鹿子 201002
短日の一駅ごとに人こぼし 戸栗末廣 火星 201002
短日や運河を渡る船の影 川合八重子 酸奬 201002
短日の海の夕焼見てをりぬ 川合八重子 酸奬 201002
茶房出てすぐ短日の歩に馴染む 稲岡長 ホトトギス 201003
短日の街に古書店漁りして 山本漾子 雨月 201003
短日や浮灯台の灯の淡し 菅野日出子 末黒野 201003
短日の音立ててゐる心電図 遠藤和彦 遠嶺 201003
短日や手の甲母に似てきたる 太田佳代子 春燈 201003
短日に失せ物続き古希間近 高橋大三 ぐろっけ 201003
短日や家路を急ぐ街灯り 増田一代 201004
短日に身を置きすこし息を継 井上浩一郎 ホトトギス 201004
短日の舗道に花を置く花屋 丑久保勲 やぶれ傘 201004
短日や籠の目白の落ち着かず 熊切光子 末黒野 201004
短日は小さき万歩計使ふ 中島ひろし 末黒野 201004
三人三様短日の洋食屋 佐々木紗知 京鹿子 201005
短日や日記に恙無き余白 市村健夫 馬醉木 201012
短日の実感といふ歩幅かな 稲畑汀子 ホトトギス 201012
弔辞書き終へて短日昏れてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201012
短日や三つの会の済めば夜に 稲畑汀子 ホトトギス 201012
短日の中途半端といふ仕事 稲畑汀子 ホトトギス 201012
短日の工事の音の昏れそめし 稲畑汀子 ホトトギス 201012
短日の暮れてまだまだ時間あり 稲畑汀子 ホトトギス 201012
短日の下校のチャイムけんけんぱ 柳橋繁子 201012
短日の時裏返す砂時計 神蔵器 風土 201012
用の無い友に立ち寄りああ短日 丸山佳子 京鹿子 201101
短日や人の途絶えし大極殿 笠井清佑 201102
短日の厨にひと日割烹着 宮崎左智子 201102
短日の天守に残る金落暉 田中芳夫 201102
短日や靴の音さへ忙し気に 藤見佳楠子 201102
短日の文に一撃食らひけり 上山永晃 春燈 201102
短日や閂錆びし不浄門 佐藤信子 春燈 201102
短日の畳に割つて広辞苑 南うみを 風土 201102
短日の五重塔に入りにけり 宮川みね子 風土 201102
短日や一人の家の鍵の穴 鈴木とおる 風土 201102
短日の代引きといふ届き物 和田満水 201102
短日や話のうまき靴みがき 吉田きみえ 末黒野 201102
短日のビルを上りぬビルの影 大橋伊佐子 末黒野 201102
短日や別離の卓のあれやこれ 平居澪子 六花 201102
短日や海鼠のやうに眠る河馬 廣瀬雅男 やぶれ傘 201102
短日や自動車くるまに潜る整備工 丑久保勲 やぶれ傘 201102
地下街に短日はなし老舗市 柴崎富子 春燈 201103
短日の駅へふたりの影長し 西岡啓子 春燈 201103
短日の噴水夕日まみれかな 竹内涼子 末黒野 201103
短日や戸板に売つて市のもの 大竹淑子 風土 201103
短日や火を赫赫と鶏毮る 杉浦典子 火星 201103
短日やみ顔まぢかく伎芸天 丸山照子 火星 201103
短日の門辺に惜む別れかな 服部珠子 雨月 201103
短日や下校促すチャイム鳴り 服部珠子 雨月 201103
短日の終りの見えぬ農作業 田中清子 雨月 201103
短日を使ひ切ったるひと日かな 上原恒子 雨月 201103
短日や燈火が少ない下校道 沖則文 ぐろっけ 201103
短日の心はやくも厨事 伊藤一枝 酸漿 201103
短日のめがね探してゐるばかり 井上浩一郎 ホトトギス 201104
短日や庭の手入の忙しく 田村元 ホトトギス 201104
短日の背負ひしままの心の荷 安武晨子 201104
短日のクレーン腕を伸ばしきる 小林朱夏 201104
短日や一人を待ちし朱塗椀 桑名さつき ろんど 201104
短日やあちらこちらに知らぬ傷 山田佳乃 ホトトギス 201106
短日や暮れてはかどる稿債も 稲畑汀子 ホトトギス 201109
短日の誰が言ひ出せしことなるや 稲畑汀子 ホトトギス 201109
短日の内緒話はつつぬけに 稲畑汀子 ホトトギス 201109
短日の風荒るる日の空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201112
あるやうで無き短日の太陽よ 稲畑汀子 ホトトギス 201112
短日の予定加はり来しままに 稲畑汀子 ホトトギス 201112
短日の次の会へと急ぎけり 稲畑汀子 ホトトギス 201112
短日や事故渋滞といふ表示 稲畑汀子 ホトトギス 201112
遅るるもみな短日のせゐにして 稲畑汀子 ホトトギス 201112
短日のきちんと疲れゐる体 辻美奈子 201202
書類おほかた短日のシユレッダー 細川洋子 201202
忘れ物して短日を折り返す 森岡正作 201202
短日や耳遠き日も近き日も 神蔵器 風土 201202
短日の胸にかかへし乗馬靴 瀬戸悠 風土 201202
短日を押し出すやうに車椅子 雨宮桂子 風土 201202
短日やいつまでつづく立話 本田保 春燈 201202
短日やふつと消えたる己が影 鷹崎由未子 春燈 201202
短日やどつと被さるビルの影 大橋伊佐子 末黒野 201202
短日や机ひとつの衛士詰所 田中文治 火星 201202
短日の灯ともし葬儀弥撒を弾く 荒井千佐代 201203
短日を擦り江ノ電のすれ違ふ 森岡正作 201203
短日の駅舎学生呑み込めり 岡澤田鶴 201203
短日のバス定刻を違へず来 石田康明 春燈 201203
短日やむかし揚屋の陶つるべ 伊勢きみこ 火星 201203
短日の引く波にある力かな 松本三千夫 末黒野 201203
短日の深きに沈む大落暉 佐々木紗知 京鹿子 201203
短日や日おもて残る東山 三枝邦光 ぐろっけ 201203
短日の心ばかりが先走る 中村芳子 ホトトギス 201205
短日や膝を机にすることも 近藤牧男 六月 201206
短日→ 5      

 

2021年11月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。