早 春 5     100句

早春の鳶を放ちて宝寺    阿波野青畝

春浅し  早春  浅春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
早春の光り充ちたる無人駅 黒澤登美枝 201204
早春やレンズに狙ふ鷺一羽 山崎稔子 末黒野 201204
早春のファッション軽き飾り窓 木戸宏子 201204
早春の長瀞よりの嶺の雪 吉田啓悟 かさね 201204
早春の雨のにほひて朝まだき 溝内健乃 雨月 201205
早春や池中の龍の雲を得む 難波篤直 201205
早春の樹々少し濡れ小糠雨 長島清山 かさね 201205
早春のランプシエードの和紙明り 須藤美智子 風土 201205
早春の峡に響ける文弥節 河野尚子 万象選集 201205
早春の小さき画廊の小さき展 有松洋子 201205
早春の茶屋街朝より人の列 小林登喜枝 万象 201205
早春は名のみのことと便りする 東秋茄子 京鹿子 201205
早春や巻向川の水速き 石垣幸子 雨月 201205
早春や曽孫の小さき靴並べ 細川コマヱ 雨月 201205
早春賦奏でるごとく節分草 松岡和子 201205
早春の口の端ふいと革命歌 荒井千瑳子 201206
早春や潮騒まろき由比ヶ浜 川村亘子 末黒野 201206
早春の空へさし入る野の煙 白石正躬 やぶれ傘 201206
早春の会話ふくらむ家族会 塚本政子 万華鏡 201206
早春の灯はふくよかにカステーラ 古川忠利 ろんど 201206
早春の同窓会やみんな古稀 原口頌子 ろんど 201206
早春や炉煙浸むる太き梁 石黒興平 末黒野 201206
早春へ開く少女の花瞼かな 山田佳乃 ホトトギス 201207
土匂ひルーペのなかの早春譜 小池清司 かさね 201207
早春の遺影にこぼす涙かな 川口利夫 ホトトギス 201207
早春の伎芸天女のやうな空 今村征一 ホトトギス 201207
早春や君は還らぬ旅に発ち 川口利夫 ホトトギス 201207
日差なき日は早春のあと戻り 稲畑汀子 ホトトギス 201302
早春の星を夜空に置き初めし 稲畑汀子 ホトトギス 201302
早春の旅とて一喜一憂す 稲畑汀子 ホトトギス 201302
窓ガラス拭きつつ唇に早春賦 竹貫示虹 京鹿子 201302
早春の冨士を引き寄せ指定席 中川すみ子 201304
カーナビを頼り早春アイランド 中川すみ子 201304
早春の雨に膨らみ来たる嶺々 宮平静子 雨月 201305
早春のスープに馴染む銀の匙 碇天牛 雨月 201305
早春や雀等に藪ふくらみて 乗光雅子 雨月 201305
眼を皿にして早春の雑木山 山路紀子 風土 201305
早春のみ空にメタセコイア触れ 森田節子 風土 201305
早春のレモンをしぼる昼餉かな 片岡久美子 201305
早春の日ざし茶庭のつくばひに 武生喜玖乃 雨月 201305
早春や欅がまとふ朝の光 安立公彦 春燈 201305
早春の星降る地球雪が舞ふ 今井千鶴子 ホトトギス 201306
白き野に見えぬ早春さがしをり 佐藤淑子 201306
早春の星のかけらの降りし夜 今井千鶴子 ホトトギス 201306
早春のビル数本を蹴っ飛ばす 早瀬淳一 船団 201306
早春の眉月沈みゆくところ 今井千鶴子 ホトトギス 201306
早春やもの言ひたげに橅大樹 森清信子 末黒野 201306
早春やビルに囲まれ橅林 小林和世 末黒野 201306
早春の空に呼ばれてをるやうな 河野美奇 ホトトギス 201307
針箱の針のかずよむ早春譜 中山純子 万象 201401
早春やフエリーは暗き口を持つ 石塚涼 船団 201401
早春やもうあなたとは駄目なのね 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
早春の風音に水音に覚め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
早春の旅路一泊なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201402
早春の茶房のドアの鈴鳴れり 宮内とし子 201404
早春や特急車でのふたり旅 石川かおり 福袋 201404
早春やどの燭となく潤みゐて 内藤静 風土 201405
早春の風音走る口縄坂 玉置かよ子 雨月 201405
野を渡り来る早春の風の色 玉置かよ子 雨月 201405
出航を待つ早春の大型船 大橋晄 雨月 201405
早春のゆるき坂道城下町 高橋照子 雨月 201405
早春の貝の囁き弓ヶ浜 碇天牛 雨月 201405
早春の坂に青春回顧の碑 玉置かよ子 雨月 201405
早春やクラフトの猫並びゐる 藤本千鶴子 火星 201405
早春や磨き上げたる銀食器 伊藤憲子 201405
早春や孫の手作りサンドイツチ 水谷直子 京鹿子 201406
瀬戸内に渡る汽笛の早春賦 神戸やすを 201406
早春の光遍く柞山 新堀満寿美 末黒野 201406
早春の真ん中に置く己が鼻 鴨下昭 201407
早春の瀬の音に暮れこけし村 赤川誓城 ホトトギス 201407
早春の画廊にピアノコンサート 落合由季女 雨月 201410
早春のスニーカーの縦結び 有松洋子 緑光 201411
早春の踏めば音する地の中に 堀内一郎 堀内一郎集 201412
波音を聞き早春の島へ旅 稲畑汀子 ホトトギス 201501
早春の会二つ済みたる安堵 稲畑汀子 ホトトギス 201502
早春や話せば解ることばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201502
早春の野を渡り来し訃報かな 稲畑汀子 ホトトギス 201502
早春のカレンダーに行事の丸 長崎桂子 あを 201504
早春に千人の歌クレッシェンド 羽賀恭子 201504
早春の日差しに里の笑仏 安部和子 雨月 201504
水際打つ波が奏でる早春譜 藤岡紫水 京鹿子 201504
早春の日の差しゐたる蛇窯かな 笹村政子 六花 201505
早春の光練り込み轆轤挽く 稲岡みち子 雨月 201505
早春や人語容れざる雑木山 生田作 風土 201505
早春の雲に溶けゆく白き風 大坪あきら 万象 201505
早春の川面に揺るろ木々の影 塩千恵子 201505
早春の夜空を焦がす火の怒濤 今井充子 201505
早春の帽子屋に置く丸鏡 平野みち代 201505
早春の里を貫く川一本 吉永すみれ 風土 201505
早春の水で洗ひぬ膝小僧 中嶋陽子 風土 201505
早春の色付く靄や小松原 松原三枝子 万象 201505
早春の夜の風呂場にひとり居る 出口誠 六花 201505
早春の空のなかなる鳶かな 白石正躬 やぶれ傘 201506
早春の土手を人声通りけり 白石正躬 やぶれ傘 201506
早春の風に凛とし今ここに 頼田幸子 201506
早春の街あとにしてしなの号 青木朋子 201506
唄ふごと早春の陶並びをり 木暮陶句郎 ホトトギス 201507
安曇野に聞く早春の水の音 安部和子 雨月 201507
早春の日ざし睫毛に乗せてをり 今橋眞理子 ホトトギス 201507
早春や青続きたる信号機 山田佳乃 ホトトギス 201507
早春 →6

 

2021年2月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。