浅 春 1      139句

春浅し  早春  浅春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
浅春の野に遠景となりあそぶ 豊田都峰 山の唄 198600
浅春の水際で払ふ帽の塵 前田陶代子 199901
浅春の雨に色濃き煉瓦道 木下節子 俳句通信 199904
浅春の産綱揺るる産屋かな 北吉裕子 俳句通信 199905
浅春や風待ち船の灯が増えて 萩原記代 199906
浅春や水あをあをと和紙の里 平田安生 風土 199906
浅春をはこばれてくる九官鳥 大和田鏡子 俳句通信 200004
浅春の日々を宿痾の騒がしき 大橋敦子 雨月 200004
浅春の息で突きたる三文判 山県總子 銀化 200004
浅春のたよりいろいろあるものだ 松沢久子 いろり 200005
浅春や小鳥こぼるる雑木山 渡辺立男 馬醉木 200005
浅春や桜三里の雪景色 河野友子 六花 200006
浅春や鯉に吊りたる鯉の魚鼓 山口たけし 俳句通信 200104
浅春の靄立ちのぼる国栖の山 谷野由紀子 俳句通信 200104
浅春の水一口の室戸かな 小形さとる 200105
浅春の風の刃にあがなひて 保坂加津夫 いろり 200203
浅春の川の交はるところかな 小形さとる 200204
浅春や残月山に入りにける 唯野まり 200204
竹林に入り浅春の香と思ふ 朝妻力 雲の峰 200204
浅春の耳あてて聞く幹の音 杉江茂義 雲の峰 200205
浅春や汀に浮かぶ鳥の羽 穴澤光江 遠嶺 200205
浅春の日を背に黙し遺跡掘る 浜田南風 200205
浅春の婚歌や泪もろきとき 小林成子 200206
取材済み浅春の夜気纏ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200302
浅春や愁ひを秘めし子守唄 水原春郎 馬醉木 200303
浅春の水のふくらむ柿田川 川野喜代子 雲の峰 200304
片男波浅春の忘貝を掌に 大橋敦子 雨月 200304
浅春や帯戸引手に揚羽紋 山口たけし 雲の峰 200304
草庵を出づ浅春の舟と櫂 小澤克己 遠嶺 200305
浅春の泉にをんな跪づく 瀬戸悠 風土 200306
浅春の拳の中に満つるもの 林裕子 風土 200306
浅春の日差し啄む畑の鳥 邑橋節夫 遠嶺 200307
浅春やひと日術きもの書きて 青砥真貴子 200401
浅春の尾羽荒れたる鴉かな 金子つとむ 雲の峰 200404
書肆浅春新選組の文字あふれ 木下節子 雲の峰 200404
浅春の川のかがよふ国栖の里 金森信子 雨月 200404
浅春の篁さやぐ寂光院 酒井多加子 雲の峰 200404
浅春の谿へ落ちゆく水の音 谷村祐治 雨月 200405
浅春の時計は明治の音を打つ 平野静 京鹿子 200405
浅春の両手でさする撫で仏 河野高明 雲の峰 200405
浅春の突き当りなる余呉湖かな 深澤鱶 火星 200406
浅春の日差し松葉のささら揺れ 荒木伊左夫 200406
浅春の湖へ迫り出す浮御堂 橋添やよひ 風土 200504
浅春の岸辺行交ふ神田川 関口房江 酸漿 200505
浅春の石のベンチに鳥の羽 藤田佑美子 栴檀 200506
浅春の野を墨客の二三人 小澤克己 雪舟 200506
浅春の浪漫街道旅ひとり 島元文 遠嶺 200508
浅春や日の残したる金の鴟尾 横井博行 万象 200510
一直線に浅春の川海に入る 島谷征良 風土 200602
浅春や象の親子になみだ染み 石川笙児 200604
浅春の北野に晴れを賜ひけり 大竹淑子 風土 200605
浅春の海に逆立つ小白鳥 前田陽子 200605
浅春の岩根深し波けむり 中野京子 200605
浅春や佐渡あすなろの能舞台 大坪景章 万象 200606
浅春や月が重なる星一つ 阿部文子 酸漿 200606
浅春の忍冬亭の跡に佇つ 林いづみ 風土 200611
浅春の海をまたぎし橋の朱 松原仲子 200704
浅春の木霊行き交ふ峰を行く 筒井八重子 六花 200705
浅春の庭に小鳥の遊びをり 金月洋子 六花 200706
浅春の空や覚えし草木の名 峯桜子 遠嶺 200706
浅春の桃の木青天提げいし 飯田泰子 八千草 200709
浅春の流れに律の調べあり 大竹淑子 風土 200805
浅春の命あるもの光あふ 須藤美智子 風土 200805
浅春の風神遊ぶ竹林 前川明子 200805
浅春や塗箸すべる嵯峨豆腐 村上絢子 馬醉木 200805
浅春の橋立の果て星尖る 吉田裕志 200806
浅春の身をはなれざる風の音 片山由美子 200903
浅春の夕日を櫂に乙女たち 水原春郎 馬醉木 200904
浅春の青天樹々のうごめけり 坂上香菜 200904
浅春の駅のベンチに膝抱く 伊藤季実 炎環 200904
組む腕に罅浅春のモニュメント 妹尾貞雪 春燈 200905
浅春や切り出しの竹地を擦れる 山田美恵子 火星 200905
浅春の浜や汚点のごと鴉 高垣和恵 雨月 200905
浅春の糸きりきりと絞り染 峰幸子 200905
浅春の屋根に乗せある砂袋 荒井千佐代 200905
浅春の月中空に檸檬いろ 杉本綾 200905
浅春のケージ孔雀のひかりの輪 川口襄 遠嶺 200906
浅春の閂くろくぬれてをり 遠山みち子 200907
浅春の池の底より泥けむり 山本右近 万象 200907
浅春や五分足らずの渡し舟 村田くにいち 風土 201003
浅春や身に付けしもの総て遺品 荒井千佐代 201004
浅春やうつらうつらと神馬老ゆ 田中美智子 201004
浅春やあてなく結ぶ靴の紐 菅野蒔子 末黒野 201005
浅春の風素通りの港町 溝内健乃 雨月 201005
浅春の川波の綺羅眩しめり 小川玉泉 末黒野 201005
浅春の対岸白をまぜて描く 遠山みち子 201005
浅春や旅のチラシに目を止む 矢崎暉文 酸漿 201005
浅春のとんとん刻む磯のもの 林郁子 201006
浅春や田に真向かひの駐在所 瀬島洒望 やぶれ傘 201008
浅春の相手に合はす白ワイン 宮内とし子 201104
少女立つ声浅春の水の景 中山純子 万象 201104
浅春や油ゑのぐのかをり満ち 成田美代 201105
浅春の庭のしじまや鹿おどし 石井邦子 酸漿 201105
浅春の岸壁へ船黒々し 遠山みち子 201105
浅春や日毎に伝ふ地震騒ぎ 大西八洲雄 万象 201105
浅春やうすくれなゐの葉書買ふ 山田佳乃 ホトトギス 201107
浅春や鍋囲みをる親子の声 長島清山 かさね 201204
浅春の日差の中に便届く 川崎利子 201204
浅春や竹の踏切よく撥ねて 小嶋洋子 201204
浅春や白波沖へ沖へ立つ 森高武 風土 201205
浅春や見舞ひの階に押すボタン 坂場章子 201205
浅春やシュークリームに白き粉 宮内とし子 201205
浅春や埴輪の巫女の首飾り 浅田光代 風土 201205
浅春や潮の香至る無人駅 森清信子 末黒野 201206
浅春や水動かさず動く鯉 石黒興平 末黒野 201206
浅春の八方尾根に雪五尺 林いづみ 風土 201206
浅春の汽水の色を越えにけり 奥田順子 火星 201304
浅春や衆生やはらぎ始めたり 時澤藍 201306
浅春や消印の濃き一封書 栗山よし子 馬醉木 201405
浅春やくぐもり残す鳥の声 大文字孝一 春燈 201405
浅春の山行き木綿縞を著て 中山純子 万象 201405
浅春の光差し込む産屋かな 田中佐知子 風土 201405
浅春の一筆箋選る鳩居堂 林いづみ 風土 201405
浅春の明るさ残る葱畑 中江月鈴子 201405
浅春の木々沈黙のままなりし 岩月優美子 201505
浅春や百躯に余る破損仏 金森教子 雨月 201506
浅春や名草の奥に巨石群 須藤美智子 風土 201506
浅春の暮色を灯し島泊り 森清堯 末黒野 201506
浅春の声ちぎれ飛ぶデッキかな 本池美佐子 201506
浅春の列車踏切軋み過ぐ 大橋晄 雨月 201604
浅春の月のかかりし梢かな 根岸善行 風土 201605
浅春の膝に抜きゐるしつけ糸 林いづみ 風土 201605
浅春の全力檣の風力計 間島あきら 風土 201605
浅春の空テニスボールの音軽く 佐藤まさ子 春燈 201605
浅春や枝の影さす倉の壁 古川幸子 春燈 201605
浅春やほろほろ割るる宇陀の葛 密門令子 雨月 201605
浅春の闇の竹林奥嵯峨野 山本無蓋 201606
ぬくぬくのパン浅春の散歩路 東野鈴子 雨月 201706
浅春や風の機嫌は脅かす 長崎桂子 あを 201705
浅春や鉄鎖の軋む貯水場 能美昌二郎 201805
浅春や引き波強き和歌の浦 上辻蒼人 風土 201805
海山のこゑ浅春の鎌倉は 松本三千夫 末黒野 201805
浅春や人寄らば鯉散りにけり 志方章子 六花 201806
伐採の音浅春の響きあり 湖東紀子 ホトトギス 201807
浅春や乾ききつたる音の絵馬 笹村政子 六花 201905
浅春のせせらぎせせる小鷺かな 菅野日出子 末黒野 201905
浅春の紅茶と菫の砂糖漬 神野未友紀 201905
病窓に見ゆ浅春の空と雲 片岡良子 雨月 201905
浅春や鴉は白き糞落し 大西乃子 201909
浅春 →2      

 

2021年2月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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