早 春 6     155句

早春の鳶を放ちて宝寺    阿波野青畝

春浅し  早春  浅春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
早春の点となりゆく歩荷かな 布川直幸 201601
早春の音を軋ませ山手線 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
早春の明るさにある油断かな 稲畑汀子 ホトトギス 201602
早春のステンドグラス射抜く日矢 布川直幸 201602
早春のこの日待たるる旅路あり 稲畑汀子 ホトトギス 201602
早春といふ安心のなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201602
早春の会に集へる二十人 稲畑汀子 ホトトギス 201602
過去のこと皆早春に弾け飛ぶ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
早春の虚子誕生日てふ合点 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
早春の船出となれる一会かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
早春を奏でるチェロの十二人 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
早春の静かながらも池面揺れ 安部和子 雨月 201603
早春や渚静まり柔らかき 長崎桂子 あを 201604
堤防は早春の色ここかしこ 長崎桂子 あを 201604
窓に日の差し早春の息吹かな 長崎桂子 あを 201604
早春や絹目の空の県境 四條進 201604
早春のパステルカラーはこぶ風 山本喜朗 雨月 201604
早春のひかり溢るる野に山に 今井妙子 雨月 201605
早春箕面連山日を返し 大橋晄 雨月 201605
早春の日の良く当る保育室 渡辺輝子 201605
早春や天のどこかでオルゴール 有松洋子 201605
早春や鳥語と瀬音奏であひ 南光翠峰 馬醉木 201605
早春の日矢放たれて街目覚む 嶋崎豊子 雨月 201605
早春や夫なき後は娘につきて 森幸 雨月 201606
早春の光となりて銀の針 本多俊子 201606
早春の光を紡ぎ波がしら 安斎久英 末黒野 201606
早春の厨揺るがす演習音 野木富貴 雨月 201607
早春の羽音窓辺の昼下り 鶴濱節子 船団 201612
早春の別れを告げるロシア文字 宇都宮哲 船団 201612
早春の港いろはに帆を上げて 児玉硝子 船団 201612
早春の少し汚れたパンナイフ 早瀬淳一 船団 201701
早春の光集めて大会に 稲畑汀子 ホトトギス 201701
早春の夜明けの池の水鏡 沼田巴字 京鹿子 201702
早春の入日林中の笹を染む 水原秋櫻子 馬醉木 201702
旅終へてより早春の一頁 稲畑汀子 ホトトギス 201702
早春や恙の話消えしより 稲畑汀子 ホトトギス 201702
何か出てきさう早春の砂を掘る 吉田政江 201704
早春の空に声あり大欅 松本鷹根 京鹿子 201704
早春の風と乗り込む旅のバス 大川暉美 末黒野 201705
早春の烏の親子鳴き交はす 井上静子 201705
早春のひかりを異に刃物店 米山のり子 馬醉木 201705
早春の日の束となり雀翔ぶ 大内マキ子 万象 201705
五線紙をはみ出している早春賦 高野昌代 201705
早春の河口の波の尖りたる 山田天 雨月 201705
早春の銀のナプキンリングかな 内藤静 風土 201705
パレットヘ早春の色並べをり 中村洋子 風土 201705
園から五分口笛の早春譜 酒本八重 201706
早春の風に花あげ野水仙 久保東海司 201706
早春の満ち潮に立つ大鳥居 塩見治郎 雨月 201706
早春やたなびく雲にうれひなし 藤波松山 京鹿子 201707
早春の光回して万華鏡 和田華凛 ホトトギス 201707
病床の母に歌ひし早春賦 岩下きぬ代 201708
熱望の『早春』上梓初あかり 園部蕗郷 春燈 201803
早春の高き梢のせせらげる 佐藤喜孝 あを 201804
『早春』を仰ぎ今年の一歩かな 加藤良子 春燈 201804
早春やギター教則本の文字 中田禎子 201804
早春のひかりをはじき鳩の胸 森清堯 末黒野 201805
早春や海をはるかに風見鶏 岩永はるみ 春燈 201805
早春とふ佳き言の葉の季となりぬ 三宅文子 春燈 201805
早春野へ白き羽毛を付けてゆく 鷺山珀眉 京鹿子 201805
早春の川道草をして海へ 平居澪子 六花 201805
早春の息吹ありける樹の膚へ 岩月優美子 201805
早春や流れてゆきし日の欠片 近藤喜子 201805
早春の光きらめく琵琶の湖 村上悦子 雨月 201806
早春やかならずどこか濡れてゐて 土井三乙 風土 201806
大股で歩く早春の風の中 林田麻裕 201806
早春の息は空色クラリネット 片山煕子 京鹿子 201806
早春の黄色のひと日ゴッホ展 片山煕子 京鹿子 201806
早春の風まだ固し厨窓 五十嵐富士子 末黒野 201806
早春の仔牛の尻尾振りやまず 水谷保子 雨月 201806
早春や淀の日差を眩しめる 大橋晄 雨月 201806
早春や折り目正しき鶴に息 服部早苗 201807
早春のサービスエリア手をのばす みさきたまゑ 船団 201809
早春をポケットに入れ駆け足で 松永啓子 船団 201809
早春の宅急便が届く朝 松永啓子 船団 201809
早春の雲間より射す日の強し 落合由季女 雨月 201811
早春のジェラート安達太良山仰ぐ 中原幸子 船団 201811
早春の一光芒に母郷あり 藤岡紫水 京鹿子 201904
早春の丘にふたりや弥生土器 庄司久美子 201905
早春と書けば黄色の花が咲く 片山煕子 京鹿子 201905
早春や蒿雀遊びし勿来関 佐藤やすこ 風土 201905
夜半の雨に早春の音ありにけり 近藤紀子 201905
早春や靴音軽く煉瓦道 佐藤まさ子 春燈 201905
忍びつつあつく歌ふよ早春賦 竹村淳 201906
早春は舌にはりつくオブラート 梅村光明 船団 201906
常念岳の斑雪まぶしむ早春賦 小森泰子 馬醉木 201906
早春のうた北国はまだ雪の中 伊藤昌枝 201907
早春の窓マネキンが手招きす 田岡千章 201909
純白の祈りの塔や京早春 本郷 公子 京鹿子 202001
早春や新作菓子のそろひしよ 沼田巴字 京鹿子 202002
早春の食堂新築賑々し 大橋晄 雨月 202003
早春や麒麟と同じ空を見る 岩永みはる 追伸 202003
早春の翳みな淡し利根川原 荒井千瑳子 202004
早春や俄かに跳ぬる牧の馬 宮内とし子 202004
早春の光ころがる水車かな 西本花音 春燈 202004
早春の道の駅なる昔菓子 田中藤穂 あを 202005
春浅しつい口遊む早春賦 高木邦雄 末黒野 202005
早春の賑はふ音や鉄工所 黒滝志麻子 末黒野 202005
早春の鬣風に馴染み得ず 鈴鹿呂仁 京鹿子 202005
早春の風の運べり喜悦の句 阿部さちよ 202005
早春の風の匂ひの聞こえ来し 笹村政子 六花 202005
早春の雲追ひかけて逝きにけり 寺田すず江 202005
早春の街は疼きの色を見せ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202005
早春の大気のうねりとめどなく 赤川誓城 ホトトギス 202006
早春の天の羽ごろも与謝郡 西村白杼 京鹿子 202006
早春の川定まらず蛇行せり 小林朱夏 202006
早春の散歩靴紐締め直し 浅嶋肇 やぶれ傘 202006
早春の太陽が好き生き物ら 酒井たかお 202006
ついてくる雲早春というかたち 太田沙良 202007
早春の築地川から隅田川 佐藤喜孝 あを 202007
早春の白猪どつしり伊吹山 今泉忠芳 日輪馬車のタクト 202009
早春の光を集め淡路島 岡村尚子 202010
早春の木曽谷攻める靄の波 石原孝人 京鹿子 202101
早春の湖の微光や浮御堂 福森順子 京鹿子 202101
物忘れせし早春の大事かな 稲畑汀子 ホトトギス 202102
早春の余裕といへる落とし穴 稲畑汀子 ホトトギス 202102
早春の浦曲の震へ返し波 鈴鹿呂仁 京鹿子 202104
早春の君の口唇朱を解かず 鈴鹿呂仁 京鹿子 202104
早春の日暮眼科に刻委ぬ 松本鷹根 京鹿子 202104
蔵町をゆく早春の千切れ雲 五十畑悦雄 202104
山脈のやうな雲あり街早春 田中藤穂 あを 202104
公園を早春の風わたりゆく 松村光典 やぶれ傘 202105
早春の地球颯爽と公転 三木亨 202105
早春の海見下ろして男神 三代川玲子 春燈 202105
早春の森の吐息のちぎれ雲 山中志津子 京鹿子 202105
早春や光ついばむ群雀 西村白杼 京鹿子 202105
堰越える水の二拍子早春賦 石原孝人 京鹿子 202105
早春や音なき雨の雑木山 石原孝人 京鹿子 202105
早春の堀の水照るなまこ壁 北村梢 京鹿子 202105
一期一会のごと早春の風と逢ふ 北村梢 京鹿子 202105
早春の句暦捲る音めくる 大谷茂樹 京鹿子 202105
早春の声を紡げる水車小屋 大谷茂樹 京鹿子 202105
早春の渚の砂に足取られ 森高武 風土 202105
早春の鍋にパスタの華ひらく 森田節子 風土 202105
早春の日差しを溜むる畷かな 黒滝志麻子 末黒野 202105
早春の秀つ枝ふくよか段葛 上野静子 末黒野 202105
早春の花舗さまざまな色踊る 仁上博恵 202105
日溜りに早春の花名を知らず 土田野里子 202105
早春や山に雑音増え始む 田丸千種 ホトトギス 202106
早春といふ大時計の長針 鷺山珀眉 京鹿子 202106
早春の木々の膨らむ気配して 畑田久美子 202110
ひづめやはらか早春の神馬かな 村田あを衣 京鹿子 202201
直情に徹す早春嵯峨竹路 松本鷹根 京鹿子 202203
早春の厨にしばし菜を刻む 谷口摩耶 202204
早春の街高階に望む富士 安原葉 ホトトギス 202205
早春の瀬音押しゆく瀬音かな 鈴木直充 春燈 202205
早春の潮のにほひも明石焼 石田康明 春燈 202205
早春の畑深々と獣跡 若松恭子 春燈 202205
早春の候と書き出す見舞かな 佐々木茂 202205
早春や海に溶けゐる空の色 大川暉美 末黒野 202205
早春賦を口遊む姉猫柳 東小薗美千代 末黒野 202205
見上ぐるや早春の鳶ゆうゆうと 津野桂子 末黒野 202205
早春といふひびきにも惹かれけり 橘正義 春燈 202206
早春の園はむさし野江戸の松 安原葉 ホトトギス 202207
早春の貝殻はまだ濡れてをり 藤井啓子 ホトトギス 202207
早春の風の便りに安堵して 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
早春の息吹列島はみ出して 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
早春の車窓の富嶽よそよそし 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
早春→1      

 

2023年2月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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