早 春 2     100句

早春の鳶を放ちて宝寺    阿波野青畝

春浅し  早春  浅春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
早春の小倉日記の街を歩す 松永唯道 円虹 200206
早春やひと雨ごとの土の色 北島上巳 酸漿 200206
早春の黄の花つづく道を行く 阿部正枝 遠嶺 200206
早春の晴々とある湖の街 重高涌子 遠嶺 200207
炎にも早春の色ありしこと 山田弘子 ホトトギス 200207
早春の日差を返し鴎群れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
早春の旅に心地のよき目覚め 稲畑汀子 ホトトギス 200302
早春の一消息として聞きぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200302
早春や中央線の車両赤 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
早春の空の曖昧晴れゆける 稲畑汀子 ホトトギス 200302
早春の太陽風と鬩ぎ合ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
早春の籠る仕事の山抱きて 稲畑汀子 ホトトギス 200302
早春の水尾気紛れな蛇行かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
早春の旅路を濡らす朝の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200302
早春の潮の騒きでありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
早春の水草かがよふ潮だまり 朝妻力 雲の峰 200303
地の起伏陽が早春をみだす 渡邉友七 あを 200303
忘れ潮ひとつ早春ものがたり 華明日香 銀化 200304
白樺に早春の日の眩しさよ 川合広保 雲の峰 200304
早春や客足増えし渡し舟 二村蘭秋 雨月 200304
補助輪を取り早春の風をきる 藤田壽穂 雲の峰 200304
早春の光を集め陶土練る 樋口多嬉子 雲の峰 200304
早春の路地かろやかに人力車 田中重子 雲の峰 200304
早春や一木に鳩百羽ほど 藤田壽穂 雲の峰 200304
切株に坐し早春と思ひけり 落合絹代 雨月 200305
早春の細流響き合ひ光り合ひ 江木紀子 雨月 200305
早春や貨車だまりより人の声 大堀由子 200305
むら雲や早春の野に耳たてて 禅京子 風土 200305
早春の海豚見に出る小桟橋 岡山裕美 雲の峰 200305
早春や千早赤坂村野づら 石脇みはる 200305
早春の湖に近江の逆さ冨士 吉江潤二 築港 200305
早春の音の坩堝の水車小屋 長岡新一 200305
早春の河の流れに歩を合はす 中村茂子 築港 200305
早春の塗り直されて城の壁 大森美恵 風土 200305
早春のひかりの奥の農夫かな 布施まさ子 風土 200305
早春の山の続きに千年家 吉村玲子 円虹 200305
早春の山彦濡れて戻りけり 近藤喜子 200305
早春の雨粒ひとつづつまどか 菊地登紀子 百鳥 200305
角ばつてゐる早春の刃物店 田村すゝむ 風土 200306
早春の河津七滝巡りかな 腰塚弘子 雲の峯 200306
早春の朝日のまぶし紀の瓦 谷合青洋 酸漿 200307
早春の光をまとふ那智の滝 谷合青洋 酸漿 200307
関八州いま早春の弾み来る 田中時子 八千草 200309
早春を粧ひ咲けり胡蝶蘭 増田八重 酸漿 200311
早春の裾野をかすめ「あさま号」 小山徳夫 小春の山河 200401
早春や鰐の半眼水の中 竹内弘子 あを 200403
遠敷(おにゅう)早春泥もて記す山と八 朝妻力 雲の峰 200404
早春や水車の軸に油さす 神蔵器 風土 200404
早春の風なほ荒き多摩堤 清水房夫 帆船 200404
早春の渚に放つ犬二頭 木下節子 雲の峰 200404
極上の早春の月岩畳 赤座典子 あを 200404
早春の一枚はおり小買物 小池洋子 雲の峰 200404
賀寿式を終へ早春の風を受く 奥谷スミ子 雲の峰 200404
ヘリコプター早春の空ふるはする 岡淑子 雨月 200405
早春は黄からはじまるいさぎよし 鎌倉喜久恵 あを 200405
玻璃越しに見る早春の海鳴りす 川口弘子 築港 200405
ラウンジの窓打つ雨や早春賦 松村富子 200405
早春の病棟仰ぎ退院す 二村蘭秋 雨月 200405
早春や車あふるる城ヶ島 高梨美佐子 遠嶺 200405
早春の抛物線の由比ヶ浜 池田加代子 風土 200405
早春の瀬や宿木の毬みどり 矢崎すみ子 200405
早春の光を撥ねて群鴎 白鳥彰子 200405
早春や鸚哥何やら訥々と 谷村祐治 雨月 200405
早春のざわざわとする山河かな 高橋将夫 200405
早春の土手にオカリナ吹く少女 榊原百合子 ホトトギス 200406
早春の鳩獄門に来て遊ぶ 九万田一海 河鹿 200406
早春の山居の庭に虚子憶ふ 浅井青陽子 ホトトギス 200406
住み古りしこの小城下の早春に 浅井青陽子 ホトトギス 200406
旅心もて早春の奈良町に 辻千緑 ホトトギス 200406
早春の今日の日和を信じ得ず 古賀浪路 ホトトギス 200406
早春の日ざしまだ風織りまぜて 安原葉 ホトトギス 200406
早春の教会の鳩狙ふ猫 堤剣城 ホトトギス 200406
早春の風に潜んでゐる敵意 古賀浪路 ホトトギス 200406
早春の香〓(火主)きこめし大広間 千原叡子 ホトトギス 200406
早春の光にはやる犬曳いて 千原叡子 ホトトギス 200406
早春の乙女座すでに色香持つ 青野迦葉 ホトトギス 200406
早春や金糸雀色の娘が土手に 下田青女 ホトトギス 200406
早春の土手ゆく歩数かぞへつつ 辻千緑 ホトトギス 200406
早春の湾処にはやも釣仲間 辻千緑 ホトトギス 200406
早春のすばる艶めくものとして 青野迦葉 ホトトギス 200406
溜めてゐし早春の日の跳ねる屋根 白根純子 ホトトギス 200406
早春の雲むらさきにたなびきて 榊原百合子 ホトトギス 200406
自負心のぐらつきやすく早春も 古賀浪路 ホトトギス 200406
早春のオリオンにある帰心かな 青野迦葉 ホトトギス 200406
早春賦歌碑へ草刈るひびきかな 川口崇子 万象 200408
咲くものの早春の香に囲まるる 稲畑汀子 ホトトギス 200502
次々と早春の日のはかりごと 稲畑汀子 ホトトギス 200502
早春の期待集めてゆく会話 稲畑汀子 ホトトギス 200502
どら焼は早春のもの配らるる 稲畑汀子 ホトトギス 200502
早春の明るき会話もて集ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200502
早春のまだ風が身にそはぬ街 稲畑汀子 ホトトギス 200502
早春や稲荷神社の清め塩 萩原みどり 雲の峰 200504
早春賦唄ふ少女の息白し 武部光子 200504
早春や枝を飛び交ふ四十雀 山本康郎 酸漿 200504
早春のやさし水くき書道展 鎌倉喜久恵 あを 200504
早春の雪に明るき鞍馬寺 深川知子 雲の峰 200504
早春の夕影淡し独り病む 三枝きぬ子 帆船 200505
早春の手ざはりなりし遊び紙 高橋将夫 200505
早春の大きな耳とすれちがふ 吉村一郎 百鳥 200505
早春の角とれてをり千枚田 代田青鳥 風土 200505
早春→ 3

 

2021年2月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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