新 酒 1     200句

征く君に熱き新酒とおぼえけれ   石橋秀野

新酒   今年酒  新走

作品
作者
掲載誌
掲載年月
新酒酌み交して彼の一周忌
稲畑汀子
ホトトギス
199810
新酒の名「銀河鉄道」届けらる
小澤克己
遠嶺
199812
皿踊新酒の酔ひが手に足に
林翔
199812
肝臓はむつつり右門新酒酌む
松田都青
京鹿子
199812
山祇へ新酒の瓶の並び立つ
高木良多
春耕
199901
祝杯を上げし新酒につゞきけり
稲畑汀子
ホトトギス
199910
すみません二度は嫌味よ新酒飲む
桑原敏枝
いろり
199911
杜氏の名も確かめ新酒買ひにけり
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
百薬の長と嘯き新酒酌む
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
新酒汲むわれの身ぬちに澱すこし
藤村真理
200001
山の大気に新酒の酔を醒しけり
金森教子
雨月
200002
新酒の香据ゑられてゐる起工式
飯塚ゑ子
火星
200012
君と酌まむ夢ははかなしこの新酒
林翔
200012
新酒くむ蜑の厨の潮暦
乾佐知子
春耕
200012
蔵人の動ききびきび新酒どき
江木紀子
雨月
200102
越後より灘より新酒便りかな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200103
黒板に新酒火入れの日取かな
高橋とも子
百鳥
200111
甘辛の好みを分かつ新酒かな
桑垣信子
いろり
200111
夫在さば新酒に吉四六話出む
紺野とも子
200112
わが句碑を見てきし夜の新酒酌む
小澤克己
遠嶺
200112
生一本の灘の新酒は杓できく
水島夜雨
京鹿子
200201
九十翁囲み新酒の夜でありし
本郷桂子
円虹
200201
口中の闇に新酒の雫かな
延広禎一
200201
文部省選定の宿新酒酌む
保科次ね子
百鳥
200201
漂泊をしさうな猫と新酒酌む
小澤克己
遠嶺
200201
恙なく相手の出来て新酒かな
高山瑞恵
200201
零緯度の船路に新酒「美少年」
品川鈴子
ぐろっけ
200207
強情を褒められてゐる新酒かな
高田令子
200301
亀の額古り浦島社に新酒かな
大森美恵
風土
200301
返盃は星の父より新酒酌む
工藤進
200301
新酒酌む杜氏に郷里の唄一つ
鵜飼紫生
雨月
200302
新酒提げ馬関の僧の嗄れ声
古田考鵬
雨月
200302
新酒酌み肝胆照らす仲なれや
古田考鵬
雨月
200302
この後の新酒に心躍る句座
稲畑廣太郎
ホトトギス
200310
新酒呑み過ぎて宇宙をさ迷へり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200310
新酒酌むあとはなんにもいらないと
稲畑廣太郎
ホトトギス
200310
古酒新酒こもごも旅の夜の更けぬ
大串章
百鳥
200310
新酒吐いてころりと逝きし山頭火
松崎鉄之介
200311
新酒出る頃と決めをり越の旅
竹内喜代子
雨月
200401
封切れば酔はせる匂新酒糟
楯野正雄
200401
弾痕を遺す格子戸新酒旗
田中敬
200401
杜氏らゐて新酒仕込の柳生邑
小林成子
200402
新酒どき杜氏の法被の紺の濃き
小林成子
200402
牧水の歌を掲げて新酒売る
甲斐ゆき子
百鳥
200402
正月を伏見の新酒もて祝ふ
服部菰舟
雨月
200404
新酒利くときは禁酒の枷を解く
稲畑汀子
ホトトギス
200410
新酒酌まむ出でよ猿飛霧隠
長谷川閑乙
馬醉木
200411
黒田節新酒の酔に謳歌せり
永井孔雀
200412
「白子宿」てふ銘の新酒や佐渡生れ
柴崎甲武信
春燈
200412
旅づかれ癒やす新酒の二タ三口
白井剛夫
200412
新酒樽積まるる宮に神楽笛
中川晴美
春耕
200412
住吉に新酒くみたり芭蕉の碑
谷村幸子
200501
還暦の父へ新酒の封を切る
大串若竹
百鳥
200501
氏神に奉納樽は新酒の香
丸山佳子
京鹿子
200501
酒好きに古酒も新酒もなかりけり
小林朱夏
200502
神在の新酒の甘露と諾ひぬ
宮原悦子
雨月
200502
磐梯山晴れ渡りたる新酒かな
隠居正暢
対岸
200504
新酒整列デッドソルジャー(廃瓶)累々
岡田芳べえ
200504
下戸の吾も飲める新酒の「京女」
吉本昭子
ぐろっけ
200505
激震や新酒の話途切れけり
福山至遊
200505
もつこすのもたらす新酒「美少年」
品川鈴子
ぐろっけ
200510
船長に先づ注ぐ新酒「美少年」
品川鈴子
ぐろっけ
200510
樽酒の樽の香これぞ新酒の香
林翔
200510
魂宿る彫刻の家新酒酌む
林雪江
春燈
200511
新酒酌む吉井勇のごときかな
大澤邦雄
四葩
200512
海や窟に新酒祀りゐて
近藤きくえ
200601
新酒の香の満つ蔵にチェロを弾く
伊藤マサ子
ぐろっけ
200601
モンゴルのチェロの調べに新酒酌む
伊藤マサ子
ぐろっけ
200601
吉野杉升に新酒をなみなみと
伊藤マサ子
ぐろっけ
200601
ユトリロの母に母あり新酒かな
安永圭子
風土
200602
新酒酌む日本シリーズは禁句
山田弘子
ホトトギス
200603
辛口の新酒供へし父恋ふる
池崎るり子
六花
200603
書き上げし稿に新酒の待つてをり
稲畑汀子
ホトトギス
200610
封切つて新酒に祝がん杯高く
稲畑汀子
ホトトギス
200610
新酒とて禁酒の戒を解くべきか
稲畑汀子
ホトトギス
200610
新酒古酒問はず禁酒の身なりけり
稲畑汀子
ホトトギス
200610
淵明の新酒を飲みて逝きしならむ
松崎鉄之介
200610
外つ国の新酒に早も心馳せ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200611
村相撲高く積まれし新酒かな
あさなが捷
200611
新酒酌む眼下にうねる赤い海
加藤峰子
200612
モツアルトの調べ流せる新酒蔵
森山のりこ
あを
200612
新酒酌む久留里は水の佳きところ
勝見玲子
200701
新酒ならむ出土木簡に酒四升
須原正三
200701
整体治療手入れをさをさ新酒酌む
舘泰生
風土
200701
ただならぬ世の片隅に新酒酌む
峯桜子
遠嶺
200702
食前に山ももの新酒鄙の宿
浮田胤子
ぐろっけ
200702
子のやきしぐいのみに新酒なみなみと
浮田胤子
ぐろっけ
200702
モーツァルト聞かせしといふ新酒出来
後藤比奈夫
ホトトギス
200703
利酒といふ疾く回る新酒あり
後藤比奈夫
ホトトギス
200703
廃窯を労ふ新酒供へられ
森脇貞子
雨月
200703
二次会に新酒待たせて句会かな
橋本くに彦
ホトトギス
200704
新酒の香甲斐路はすべて山の中
安晨子
200704
元禄の古き藏より新酒生る
大城重子
八千草
200705
沢乃井新酒ころがる喉の至福かな
大城重子
八千草
200705
正客の座へと新酒のあひしらひ
小澤克己
遠嶺
200709
新酒酌みて犬自慢の夫婦かな
中山静枝
200712
新酒酌むにも蘊蓄のありにけり
堀口希望
200712
晩年の仲間は嬉し新酒汲む
西口鶴子
遠嶺
200801
新酒酌む古き交はりうち重ね
中村悦子
200801
白抜きの新酒ののぼり旧街道
高尾豊子
火星
200801
一ト口に新酒の味と判りけり
二村蘭秋
雨月
200801
新酒もて自祝す九十四翁
二村蘭秋
雨月
200801
飲み心地よかりし新酒の銘いづれ
二村蘭秋
雨月
200801
高々と新酒の包み布衣の友
大村真佐子
遠嶺
200802
京へ十五里熊川新酒みやげにと
丸山佳子
京鹿子
200802
新酒蔵柳はすでに大揺れす
松本鷹根
京鹿子
200802
杉玉をくぐり新酒の猪口受くる
藤井良子
200802
新酒嘗め津和野の旅を満たしけり
藤井良子
200802
新酒とて杜氏の黄泉の父と酌む
苑田ひろまさ
200803
鬼の山傾けて酌む新酒かな
山本康夫
200803
新酒汲むまた一年を生き伸びて
柳生千枝子
火星
200808
箸先で味見してより新酒かな
ことり
六花
200811
新酒酌む石柱太き地下回廊
丑山霞外
炎環
200812
語りあふ昔のシネマ新酒酌む
上田敬
遠嶺
200812
乱打せる太鼓聴きつつ新酒かな
ことり
六花
200812
血の色や白玉楼に汲む新酒
中島陽華
200901
魯山人のぐい呑で干す新酒かな
河本利一
200901
句碑除幕祝ぐ養老の新酒かな
久保田雪枝
雨月
200901
新酒とて注がるる木曾の「七笑」
木暮剛平
万象
200902
酒林新酒出荷を見下せり
中島伊智子
酸漿
200903
きき酒や新酒の銘の八重桜
小林成子
200905
新酒酌む父娘の絆ありにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200910
虚子塔に新酒の香り満ちみちて
稲畑廣太郎
ホトトギス
200910
生真面目を取り繕うて新酒かな
ことり
六花
200910
鰻重とくれば尾張の新酒かな
益本三知子
馬醉木
200911
封切るは銘「御神渡」新酒かな
田下宮子
200912
利き酒の龍馬の新酒腑を巡る
山口キミコ
200912
新酒蔵残る伏見の川港
山口キミコ
200912
利き酒の龍馬の新酒脇を巡る
山口キミコ
200912
聞き上手の亡き父なりき新酒酌む
豊谷ゆき江
春燈
200912
反抗期ありし子と酌む新酒かな
内藤庫江
末黒野
200912
新酒酌みおのづと昭和語り出す
泉田秋硯
201001
こもりくの新酒に夫の上機嫌
山口キミコ
201002
蔵元の高き棚から新酒買ふ
成田美代
201002
駅弁に新酒も添へて改札ヘ
神田惣介
京鹿子
201003
牧水や李白や新酒酌み交はし
次井義泰
201003
訪ひくるる灘の新酒を携へて
浅井青陽子
ホトトギス
201004
キャンドルの揺るる火影や新酒酌む
小澤徳江
遠嶺
201008
新酒ちびりあとはいつもの酒ぐびり
布川直幸
201009
古酒に笑み新酒に微笑翔先生
古屋元
201012
立飲みの新酒利き酒枡に塩
鶴巻誉白
ろんど
201012
白秋忌藍の切子に新酒透き
村上光子
馬醉木
201101
酔へばもう新酒も古酒も無き親族
新堀満寿美
末黒野
201101
心地よき火照り新酒の利酒に
蓮尾みどり
ぐろっけ
201101
新酒酌みぼそと呟く李白の詩
成瀬櫻桃子
櫻桃子選集
201105
居酒屋に喜久子氏偲び新酒酌む 仁平則子 201112
新酒酌む何をやつても駄目なとき 高橋将夫 201112
ゆるやかに佐原ばやしや新酒酌む 荒木甫 201201
百年を瞬てふひとと酌む新酒 石田きよし 201201
新酒酌み病歴自慢古稀と喜寿 歌代進 ろんど 201201
ワイン新酒人は蘊蓄傾ける 鶴巻誉白 ろんど 201201
新酒酌む山紫水明ありてこそ 荒井千瑳子 201201
ボヘミアングラスに新酒うす明り 町山公孝 201201
同郷と知れば友なり新酒酌む 五十嵐章子 201202
言ひたきを言へず仕舞や新酒酌む 鈴木一三 末黒野 201202
ちちははへ何を語らむ新酒汲む 本多俊子 201203
新酒入荷張紙白き鄙の店 川井素山 かさね 201204
友の住に残る新酒も味気なし 水野弘 ぐろっけ 201204
枡に飲む木曽の新酒の七笑 北崎展江 くりから 201209
こもりくの新酒に夫の上機嫌 山口キミコ 九十九島 201209
曖昧な気持片隅新酒汲む 中岡佐知子 ぐろっけ 201211
新酒酌むさるやきつねを置く蔵に 細野恵久 ぐろっけ 201211
酒蔵の季節限定新酒かな 江見巌 六花 201212
手付けずに逝きし新酒を酌み交はす 山口ひろよ 201212
安徳宮新酒一本献じられ 仲田眞輔 ぐろっけ 201301
新酒酌む山紫水明ありてこそ 荒井千瑳子 201301
子細聞く前に新酒を注ぎけり 宮崎高根 201301
古壺新酒虚子のこころも読みはじむ 熊岡俊子 雨月 201302
夜さこいは夜さり来よてふ新酒酌む 大島翠木 201302
馥郁と新酒ゆたかや酒林 宮崎左智子 201302
夜さこいは夜さり来よてふ新酒酌む 大島翠木 201302
あと一人遅参の一人待つ新酒 北川英子 201311
古酒新酒肉身ひとりひとり欠け 丸山佳子 京鹿子 201312
父の忌や新酒注ぎぬ盆栽に 岩木眞澄 ぐろっけ 201312
大樽より新酒を詰めてサイン入れ 門伝史会 風土 201401
明治蔵大正蔵や新酒成る 田中佐知子 風土 201401
白壁の残る蔵町新酒の香 荒木治代 ぐろっけ 201401
何たるや新酒の候に禁酒令 吉田耕人 ぐろっけ 201402
新主宰祝ぐワインもて新酒もて 古賀しぐれ ホトトギス 201403
練達の顔なり新酒火入れして 柳川晋 201409
禁酒守る新酒の頃と思ひつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201410
杉玉の色が新酒の熟れ加減 鳳蛮華 201411
古酒新酒お国自慢の始まれり 兼久ちわき 馬醉木 201412
働いて妻と新酒を酌みにけり 四條進 201412
新酒注ぎ受けし優しさ源義忌 相沢有理子 風土 201501
猩猩といふ大杯に新酒酌む 岩下芳子 201501
旅に買ふ地酒は新酒天狗舞 河合とき 末黒野 201502
蔵出しやゆたかに醸す新酒の香 伊東和子 201502
上々の灘の新酒の初しぼり 西垣順子 201504
饒舌と寡黙の二人新酒酌む 石川賢吾 201504
はるか世の父へ新酒をこここここ 辻美奈予 201510
名にぞ知る新酒名札の宇陀簀和紙 能村研三 201512
降る雨も過客のひとり新酒酌む 濱上こういち 201512
相棒は今も植木屋新酒酌む 松崎雨休 風土 201512
新酒まづ捧ぐる丘の開拓碑 渡会昌広 馬醉木 201601
新酒酌むただそれだけの差し向かひ 服部早苗 201601
注ぎ注がれ新酒一升またたく間 三村純也 ホトトギス 201602
新酒酌む鳴呼泊雲よ余花朗よ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
新酒とは祝勝会にこそ似合ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
新酒酌み新監督の話など 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
新酒 →2      

 

2021年10月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。