今年酒     94句

今年酒訪ひ來りしは馬の事   三千丈

新酒 今年酒  新走

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ながらへよとて今年米今年酒 鷹羽狩行 199811
海鳴りや封印を解く今年酒 山田禮子 遠嶺 199812
今年酒まだ酌み交す友の居り 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
約束をせずに揃ひて今年酒 花島陽子 遠嶺 199912
陽を寄せて杉玉青し今年酒 小田悦子 俳句通信 199912
古稀といふ教へ子と酌む今年酒 松木実 200012
吹きぬけの声よく通り今年酒 館容子 200101
杉玉の青さを誇り今年酒 江木紀子 雨月 200102
積まれたる神事の杜の今年酒 花島陽子 遠嶺 200105
今年酒抱へ酒豪の女かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200110
今年酒峯を渡れる夜半の月 関口ゆき あを 200110
今年酒昔の水路失せてゐし 飯塚ゑ子 火星 200201
夕星を据ゑゐてひとり今年酒 関口幹雄 遠嶺 200201
旗揚げのあと香りくる今年酒 志水芳秀 雲の峰 200202
今年酒お色直しという不在 角田信子 六花 200202
今年酒夫は今宵ちびちびと 熊谷みどり いろり 200202
この街の風にも馴染み今年酒 北畠明子 ぐろっけ 200204
今年酒振舞ふ飛騨の里祭 山本喜朗 雨月 200301
溢るるを受けてこぼさず今年酒 鷹羽狩行 200312
喧騒の極まれる街今年酒 山本無蓋 200401
じんわりと胸に沁みゆく今年酒 関口ゆき あを 200401
今年酒仏の夫に買ひもして 鈴木綾 200401
太白や眠りなほしの今年酒 渋谷辰夫 帆船 200401
大盃の澄みのいかにも今年酒 鷹羽狩行 200401
蔵の土間濡れてをりけり今年酒 久保知音 対岸 200402
今年酒殊更なにも言はざりし 齋藤厚子 200411
止まり木に旅人のゐて今年酒 石堂絹子 河鹿 200504
限定てふ瓶のラベルや今年酒 石川賢吾 200505
軒に吊る大杉玉や今年酒 木暮剛平 万象 200603
詩百篇湧き出づるかと今年酒 村田菊子 遠嶺 200606
出稼ぎの荷にひそませる今年酒 佐藤哲 万象 200612
今年酒ぱつと開ける霜の眉 小宮山勇 遠嶺 200701
甘口辛口海辺の蔵の今年酒 岡本敬子 万象 200701
今年酒使ひこまれし有田焼 酒井美津 遠嶺 200702
今年酒つくば山水透きとほり 佐々木幸 200702
魯山人の徳利で独り今年酒 河本利一 200702
懸命に生きし実感今年酒 塩路隆子 200703
今年酒十二月八日を忘れゐる 河内桜人 京鹿子 200704
剣菱の薦びしと被(き)て今年酒 鷹羽狩行 200711
剣菱の薦びしと被て今年酒 鷹羽狩行 200711
賢治の詩詠んで一献今年酒 小田切明義 春燈 200712
八十路明日なすことあらむ今年酒 穐好樹菟男 馬醉木 200712
胸中の父と乾杯今年酒 塩路隆子 200801
ささやかにひと日を送る今年酒 西岡啓子 春燈 200801
催しの談義始まる今年酒 大空純子 ぐろっけ 200801
灯の海を窓に切り取り今年酒 藤原はる美 200901
僧房に猫と五勺の今年酒 佐藤眞隆 京鹿子 200901
携帯の圏外に居り今年酒 古屋元 200912
ぐい呑みのかたちに注がれ今年酒 阪野徹 201001
はらからの福耳揃ふ今年酒 黒滝志麻子 末黒野 201001
鍬胼胝の掌もて酌みたる今年酒 水谷靖 雨月 201001
杉玉の智恵子の生家今年酒 多戸昌子 遠嶺 201002
碧き眼の杜氏も交へし今年酒 伊東湘三 春燈 201003
苞重し天領日田の今年酒 吉田耕人 ぐろっけ 201102
待ち顔の遺影の夫に今年酒 岡野ひろ子 201201
下戸の吾にためしさかづき今年酒 川下明子 雨月 201201
捨てし地のふるさと自慢今年酒 宮内とし子 201201
去年今年酒母を眠らす蔵二つ 佐藤雄二 万象選集 201205
良き話重なりにけり今年酒 宮崎高根 201301
今年酒老いし愛車にかけやりぬ 宮田豊子 春燈 201301
苞とせむ古里の名の今年酒 斉藤マキ子 末黒野 201304
県境の小旗の列や今年酒 古沢幸次 ろんど 201312
今年酒下戸も寄り来て試し飲み 岩崎可代子 ぐろっけ 201402
しのぶ日のよろこびの日の今年酒 古賀しぐれ ホトトギス 201403
今年酒もすこし生きてゐたくなる 竹貫示虹 京鹿子 201410
今年酒旅のみやげを広げけり 西岡啓子 春燈 201501
今年酒そそぎし墓と向き合へり 湯谷良 火星 201502
今年酒そろそろ仕込みの始まるや 故角南昧波 201504
杉玉を替へて振舞ふ今年酒 佐藤貞子 雨月 201602
今年酒酌めば横川に一忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
酒旗の鮮やぐ銘や今年酒 尾崎千代一 末黒野 201702
叡山の忌日に供へ今年酒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
爼はこんなにも音今年酒 佐藤喜孝 あを 201711
今年酒遺愛の杯と仏前に 服部珠子 雨月 201901
心して酌む平成の今年酒 本郷桂子 ホトトギス 201903
ふくよかな河童のゐしき今年酒 中島昌子 201903
酒林碧く色づき今年酒 谷口一献 六花 201911
集まりて神に手向けし今年酒 田中美恵子 201912
法被着た杜長が注ぐ今年酒 田中信行 202002
湯上りの舌にころがす今年酒 有賀昌子 やぶれ傘 202002
今年酒召され白寿の矍鑠と 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
今年酒赤子の気分にて泊まる 江見巌 六花 202012
手に馴染む薩摩切子や今年酒 針谷忠郎 202110
切り口の立てる刺身や今年酒 辻泰子 春燈 202112
風呂敷を解けば二本の今年酒 鈴木基之 202112
子に送る讃岐うどんと今年酒 赤座典子 あを 202112
虚子塔へ水の近江の今年酒 古賀しぐれ ホトトギス 202202
男と女など言はぬ仲今年酒 渡辺富士子 末黒野 202204
今年酒鬼灯色の日が落ちる 田邑利宏 202210
切り口の立てる刺身や今年酒 辻泰子 春燈 202212
クラス会開けぬままに今年酒 坂本和穂 やぶれ傘 202212
徳利からとくとくとくと今年酒 高橋宜治 やぶれ傘 202212
世話役の座持ち上手や今年酒 太田良一 末黒野 202212
ぐつぐつと雪平鍋や今年酒 大内由紀 末黒野 202301

 

2023年10月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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