障子 3     109句

出雲から紙来て障子あらたまる   飴山實

作品
作者
掲載誌
掲載年月
猫間障子昭和ごころを擽れり 入江節子 ろんど 201103
おびんづるさま障子明りの肩やさし 井口初江 酸漿 201103
冬障子昼の温もり囲ひたる 西尾京子 酸漿 201103
破れ障子繕はぬまま風の道 大松一枝 201104
人影の立ち上がりける紙障子 藤井美晴 やぶれ傘 201104
うどん屋の障子に午後の日差しかな 天野美登里 やぶれ傘 201104
黄ばみたる障子のままや侘住居 岡野ひろ子 201104
障子真白に隅田川を上る屋形船 江木紀子 雨月 201104
返り血の一点もなき障子かな 竹内弘子 あを 201104
病む人に雪見障子を上げにけり 久松和子 万象 201105
いとし追ひこいし逝きけり白障子 松岡水学 ぐろっけ 201105
喜多院の仏に障子明りかな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201105
雪止みて障子に映る鳥のかげ 池田いつ子 酸漿 201105
障子閉め退屈な顔仕舞ひけり 中山純子 万象 201108
わが手つき障子を洗ふ母に似て 増田一代 201111
午後の陽の障子に映る萩の花 飯田ひでを 201112
離れ家の雪見障子は軋みけり 赤座典子 あを 201112
障子閉づ不断念仏無我の声 谷岡尚美 201201
母死後も雪見障子を開けて置く 工藤節朗 201201
十三夜蚕屋の障子の毛羽立つる 大山文子 火星 201201
ほとけらに障子あかりの萩すすき 城孝子 火星 201201
飛ぶ鳥を目で追ってゐる障子越し 吉成美代子 あを 201201
母の忌の潮鳴りせまる白障子 荒井千佐代 201202
波音が海鳴りとなり白障子 柴田佐知子 201203
身と心ひとつになりぬ白障子 岡部名保子 馬醉木 201203
障子閉め心の扉ひらきけり 藤兼静子 201203
病む姉に障子明りの柔らかし 嵐弥生 末黒野 201203
帰国して師より一服白障子 伊吹之博 京鹿子 201203
きつぱりと濁世を隔て白障子 中島霞 ぐろっけ 201203
子が覗き猫もときどき障子穴 蓮尾みどり ぐろっけ 201203
穴よりも大きな穴の障子かな 佐藤喜孝 あを 201203
投げやりな返事障子の向こうから 濱上こういち 201204
白障子日向の匂ひ残しをり 赤羽陽子 春燈 201204
障子より小鼓洩るる楽屋口 大久保白村 ホトトギス 201205
ねむりゆく母のてのひら白障子 亀井紀子 201205
初障子座敷童の指の穴 北村淳子 ろんど 201205
冬障子閉めても山の気配あり 近藤牧男 六月 201206
独身とはこんなもんかい障子貼る 前田恵美子 青鷹 201210
我と我が声にうなづき障子貼 山尾玉藻 火星 201210
ぞんがいにすすむひとりの障子貼 山尾玉藻 火星 201210
さみだるる障子に皺や千代尼堂 伊藤美音子 万象 201210
諦観も羨望も無し障子貼る 宮井知英 201210
障子貼つて明るき書斎竹の影 雨村敏子 201211
救急車のサイレン障子貼り居れば 山本町子 風土 201212
終焉の祖母に障子を開けにけり 藤生不二男 六花 201212
身に入みて障子の桟の矩形かな 定梶じょう あを 201212
障子貼るあたかも心灯すかに 雨村敏子 201301
障子貼り手元あやふき肥後守 川井素山 かさね 201301
亡き母の手と重なりて障子貼る 長久保郁子 かさね 201301
名刹の和尚みづから障子貼る 山本みゆき 万象 201301
障子貼り思へど動かぬ我が手足 樋口正輝 ぐろっけ 201301
障子洩る声に惹かれてまだ老いず 西川織子 馬醉木 201302
障子明り昼餉の締めは芋の飯 坂上香菜 201302
日を濾して念仏を待つ白障子 石川寿夫 ろんど 201302
障子より灰色の海つづきけり 吉田葎 201302
障子閉づる縁に手造り糊の盆 山内節子 201303
鳥影に雪見障子を開けにけり 田中文治 火星 201303
句仲間や障子のうちの一壺天 片山博介 春燈 201303
切り貼りの見ゆる障子や火灯窓 松本三千夫 末黒野 201303
貼り終へし障子に風の改まる 城戸緑 末黒野 201303
同志とて一線画す白障子 田原陽子 201303
灯も闇も美し白障子 中野京子 201303
巫女溜りの障子に洩るる声清し 奈辺慶子 雨月 201303
古りし家の残る四枚の障子貼る 宮本俊子 雨月 201303
手探りや暮の帳の白障子 松本文一郎 六花 201303
香煙の匂う座敷の白障子 金田けいし ろんど 201303
誓ひても命尽きなむ白障子 古川夏子 201303
手の荒れる埃まみれの寺障子 福本すみ子 201304
張替へし障子に庭の息づかひ 今村征一 ホトトギス 201304
子の指の障子の影絵こんと鳴く 水原春郎 馬醉木 201304
三が日すぎたる障子明かりかな 浅田光代 風土 201304
勤行の障子のすきま初明り 福島せいぎ 万象 201304
文を読む障子明りのやはらかく 前川美智子 末黒野 201304
江戸刷毛は我家の歴史障子貼る 中村月代 末黒野 201304
膝の子の絵本そら読み冬障子 亀田やす子 ははのこゑ 201306
木洩れ日の水玉模様白障子 瀧春一 花石榴 201312
鴫立沢の音のふくらみ白障子 山崎靖子 201401
密教の密洩らさざる灯の障子 西川織子 馬醉木 201401
木洩れ日の障子の内に花袋かな 須藤美智子 風土 201401
黙といふやすらぎに在り白障子 高村令子 風土 201401
白障子閉めるや夜叉になりにける 前田美恵子 201402
山峡の婚や障子を開け放ち 堀田順子 馬醉木 201402
子狐もゐるぞ影絵の白障子 植村一雄 201402
助六を踊る幇間白障子 青木由芙 末黒野 201402
僧坊の影の気配や白障子 国包澄子 201402
茶室にて開け閉てしたる白障子 中道愛子 201402
庭の花くつきり揺るる白障子 市橋香 ぐろっけ 201402
和机の受験勉強白障子 市橋香 ぐろっけ 201402
やはらかに紙も息する白障子 板橋昭子 201403
不安ふと障子開けても閉ざしても 荒木治代 ぐろっけ 201403
亡き母の声は平仮名冬障子 布村松景 春燈 201403
禅堂にしはぶき絶えて日の障子 遠山風 馬醉木 201403
糟糠の白とは言へぬ白障子 相良牧人 201403
退院に障子張り替え間に合わす 池田久恵 ぐろっけ 201403
殿中でござる障子の白顕たせ 伊藤希眸 京鹿子 201403
玻璃の雫障子に映ゆる朝かな 甲州千草 201403
白障子閉めて山籟遠くなる 谷村祐治 雨月 201403
もちの実の黄金色照る新障子 岡崎禎子 201403
牡蠣舟の昼の障子のなんともなし 山本耀子 絵襖 201404
白障子写経の肘の鋭角に 後藤桂子 万象 201404
白障子晴れたる朝の日の強さ 北本奈津子 万象 201404
写経する障子に走る落葉影 布川孝子 京鹿子 201404
茶柱や障子に立木の影移る 森理和 あを 201404
預りし赤子の眠る白障子 戸栗末廣 201404
光陰の音は通さず白障子 梶浦玲良子 六花 201404
釣具屋の障子を覆ふ魚拓かな 上月智子 末黒野 201405
常夜燈の真白き障子大石忌 浜口高子 火星 201406
障子閉て一切の私語禁じられ 田丸千種 ホトトギス 201407
閉めてなほ障子明かりの部屋となり 池田光子 201405
障子→ 4      

 

2021年11月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。