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  乾鮭  塩鮭 (新巻 荒巻 塩引)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鮭漁を待つとは日向ぼこに似し 今瀬剛一 対岸 200501
網を噛む鮭の歯白くして太し 今瀬剛一 対岸 200501
砂子ちりばめオホーツクの女王鮭 品川鈴子 ぐろっけ 200501
にんげんのいまはの呼吸鮭に見し 安嶋都峯 対岸 200502
鮭簗の帰路の海辺を通りけり 長谷川三津子 200502
水際まで轍のつづく鮭の簗 長谷川三津子 200502
鮭打棒の干されて番屋誰も居ず 長谷川三津子 200502
鮭漁の男長靴光りけり 石川敬子 対岸 200502
合はせ網きらりと白き鮭の腹 石川敬子 対岸 200502
みながみのすでに暮れをり鮭の簗 長谷川三津子 200502
鮭下げて勝鬨橋の別れかな 吉田順子 帆船 200503
鮭のぼるあはれ人影さへ怖ぢず 長沼三津夫 200503
秋鮭の一本釣りを自慢して 貝田遊山 200505
帰りなむふるさとに鮭遡るころ 伊藤白潮 200510
木々は声ひそめて鮭の川のぼる 犬塚芳子 200511
塩あまた鮭にかけたる旅疲 宮地れい子 春燈 200511
渡し場跡の高き堤防鮭のぼる 松下セツ子 200512
ひらひらと銀河をのぼる鮭あらむ 中沢文次郎 200601
ほつちやれ鮭見しより鮭を食ふ気無し 松崎鉄之介 200601
知床の鮭来る川の朝日かな 飯塚ゑ子 火星 200601
台風の墓場といへど鮭日和 澤田緑生 馬醉木 200601
鮭巻きこみて秋濤の波頭 荏原徹 対岸 200601
生臭し簗にうごめくほつちやれ鮭 紺野とも子 200601
色変へて川遡る鮭の群 宝玉トシ子 200601
鮭簗を離れ来し木に鷹一羽 松崎鉄之介 200601
鮭簗へ続々と鮭遡り来る 松崎鉄之介 200601
鮭簗で鮭飯食ひて食傷せり 松崎鉄之介 200601
鮭まつり粗汁底をつきにけり 紺野とも子 200601
日の差してあまたの影の鮭であり 荏原徹 対岸 200601
晴天や鮭釣る船はみな白し 坂本ひさ子 遠嶺 200602
生死宿して川遡る鮭の日や 川端正紀 春潮 200602
鮭ほぐす箸止む事故の報またも 相沢有理子 風土 200602
ガラス器の海や微塵の鮭孵る 三谷道子 万象 200606
時鮭の極上ものの切身とふ 伊藤白潮 200610
新鮭に塩をすり込む男の掌 荒井和昭 200611
曇天に鮭の産卵まだつづく 宇都宮滴水 京鹿子 200611
青ざめて鮭豊漁の市の闇 小田司 馬醉木 200612
初鮭や遡上一途の鰭力 江草礼 春燈 200701
鰭立てて鮭宙を跳ぶ暑寒別川(しょかんべつ) 岡本敬子 万象 200701
まつ黒の鋼となりて鮭遡る 岡本敬子 万象 200701
千歳川鮭捕る水車空廻り 松原智津子 万象 200702
水しぶき上げて鮭飛ぶ地引網 鈴木朗月 万象 200702
鮭簗に河川工事の待つたなし 鈴木政子 200702
ほつちやれ鮭初雪の衣を着せらるる 片桐まこと 200702
城ありき鮭上る川堀として 村松紅花 ホトトギス 200703
鮭の尾のはみ出す箱の重なれる 関口道代 200703
ひたすらに鮭さかのぼる野辺の川 小野寺節子 風土 200705
人の声きく耳もたず鮭のぼる 小野寺節子 風土 200705
小屋に吊る乾鮭むしり肴とす 佐藤哲 万象 200705
鮭大漁の知床死せし漁夫偲ぶ 長尾和子 200711
鮭の子を放せし浅瀬わが素足 山本耀子 火星 200711
水くらく滾りて鮭の遡る 杉浦典子 火星 200712
受け口の紅鮭どんと横たはる 丹生をだまき 京鹿子 200712
鮭の川乳母車が橋渡りゆく 杉浦典子 火星 200712
川のぼる大鮭簎で仕留めけり 阿部月山子 万象 200802
尾白鷲昂る鮭へ突つ込めり 古川京子 万象 200802
本膳の鮭の粕汁伊那の里 宮田豊子 春燈 200803
数本の鮭軒先に武家屋敷 山下良江 万象 200804
鮭の稚魚飼ふ水槽へ雪解水 甲田雅子 200805
骨切りをまづは称へて鮭料理 小川匠太郎 200807
はつ夏のひかりとなれり鮭の稚魚 岡本敬子 万象 200809
石狩の海に湧き立ち鮭颪 石山雅之 遠嶺 200901
北斎の朱俎板に鮭半身 中田禎子 白猪 200901
鮭颪艀化場の屋根鳴つてゐる 森山暁湖 万象 200901
鮭の日の片や新たに介護の日 萩尾亜矢子 炎環 200901
晒されて乾鮭いよよ古武士貌 佐藤哲 万象 200902
ひとふりの坂青く立つ鮭颪 鳥居おさむ ろんど 200909
湯引き鮭花さながらに盛られけり 風間邦子 200910
端正な顔秋鮭の刃を待てり 森岡正作 200911
初鮭に漁師破顔のかがやけり 飯田角子 酸漿 200912
腹みせて光る一瞬鮭遡上 松本周二 200912
蒼空を映す水表鮭遡上 山本無蓋 201001
開拓史刻む碑鮭上る 大文字孝一 春燈 201001
死ににゆく鮭遠山の白くあり 中田禎子 201001
晩秋の川の底ゆく鮭の群 柴田鏡子 201001
瀬波立て鮭遡りつく夕月夜 根岸善雄 馬醉木 201002
遥か来し遡上の鮭に勢ひあり 遠藤和彦 遠嶺 201002
捨てられし鮭打棒や番屋閉づ 根岸善雄 馬醉木 201002
大葉添へ初鮭おとし昼の膳 西垣順子 201009
塩鮭の三日つづきや梅雨籠 宮崎左智子 201009
鮭一尾乾坤一榔さかのぼる 古田考鵬 雨月 201011
瀬を砕き婚姻一路に鮭遡る 石崎浄 風土 201012
ふる里の水面盛り上げ鮭のぼる 庵原敏典 末黒野 201012
まぶしきは朝日つぎつぎ鮭打たれ 大崎紀夫 やぶれ傘 201101
遡る鮭の背びれに枯れの色 大内和憲 万象 201103
鮭の来る川アラスカの黒き色 赤座典子 あを 201103
病む母の吾に鮭焼くと這ひ出づる 鈴木榮子 繭玉 201105
鮭のぼる日は雲さわぐこともなく 豊田都峰 京鹿子 201111
ほつちやれの鮭安らぎの口開くる コ田千鶴子 花の翼 201111
のけ反りて天へ投げ打つ鮭の網 大内和憲 万象 201201
死ぬために生きなむために鮭遡り 工藤節朗 201201
鮭半身日に曝されて焼かれける 中田禎子 201201
襤褸となる鮭の安らぎ水やさし 岡本敬子 万象 201202
渾身の鮭が逸れれば鳥はやる 岡本敬子 万象 201202
万の鮭遡る沙流川はがね色 大内和憲 万象 201202
鰭立てて鮭が鮭越え瀬をのぼる 岡本敬子 万象 201202
荒々と川を叩きて鮭遡上 遠山のり子 201202
番小屋の日向に鮭を叩く棒 大崎紀夫 やぶれ傘 201203
塩の濃き焼き鮭北海(きた)の夜が聞こゆ 服部郁史 京鹿子 201204
大漁旗かかげ鮭漁解禁す 上家弘子 ろんど 201207
鮭 →3      

 

2021年9月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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