老 鶯 2    200句

老鶯や夢の数ほど夢忘れ   あざ蓉子

老鶯  夏鶯  乱鶯  残鶯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
老鶯に沖の半円夕日あり 阿部ひろし 酸漿 200508
老鶯のしきりに鳴けり流人墓地 阿部ひろし 酸漿 200508
をちこちに老鶯囃す仙酔島 正木泰子 ぐろっけ 200508
老鶯の声惜しみなく峡深し 森本美智子 築港 200508
老鶯や手作りバターの土産開く 鈴木石花 風土 200508
老鶯のつい先程と同じこゑ 青山丈 200508
老鶯や大パノラマの阿蘇五岳 沼口蓬風 河鹿 200509
老鶯や道一本を行く決意 村田文一 遠嶺 200509
参道は焼だんごの香と老鶯と 佐藤玲子 春燈 200509
老鶯に湯けむり揚がる谷間かな 三関浩舟 栴檀 200509
老鴬や先師の句碑へ坂きびし 北村香朗 京鹿子 200509
老鶯や雨後の雲吐く阿蘇五岳 藤岡紫水 京鹿子 200509
老鶯無縁になりし針と糸 水野範子 ぐろっけ 200509
老鶯の部落一つを渡るこゑ 中田みなみ 200509
老鴬に湖の一角色晴れり 渡邉友七 あを 200509
老鶯のこだま源平供養塔 志奈禮子 万象 200510
老鶯や奈良の御代より筑波郡 藤江朋子 万象 200510
老鶯や日々新しき空のあり 小澤克己 遠嶺 200510
老鶯の気嫌に梅雨の明けにけり 谷寿枝 酸漿 200510
老鶯のここぞの声や谷渡り 田中きよ子 酸漿 200510
老鶯や木橋の奥に深き森 村田さだ子 酸漿 200510
老鶯や阿波一望の山頂に 近藤豊子 雨月 200510
老鶯や山を削りて施設建つ 須藤美智子 風土 200510
山湖畔老鶯の声はつきりと 伊藤政子 築港 200510
老鶯に下山の膝の笑ひたる 岡田有旦 築港 200510
老鴬の啼き声身近か山祠 丸山冬鳳 京鹿子 200511
老鶯に和尚口笛返しけり 長谷川春 200512
老鶯や和紙工房のひもすがら 中村禎子 八千草 200512
老いを鳴くうぐひす木道尽きにけり 工藤ミネ子 風土 200601
木洩日の吹かるる音と老鶯と 稲畑汀子 ホトトギス 200605
老鶯に山風の吹き渡りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200605
高松塚藪の鶯老を鳴く 亀田やす子 万象 200606
老鶯や不許葷酒の碑罅走り 大畠政子 雨月 200606
山気込め鶯老を鳴きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
老鶯や屋敷の失せし屋敷林 荻野嘉代子 春燈 200607
老鶯や昼しんかんと紙漉村 鷹羽狩行 200607
老鶯の赤駒の碑にしき鳴けり 福澤乙 酸漿 200607
老鶯や日月知らぬ岩に鳴く 渡邉友七 あを 200607
老鶯や畑に鋤き込む草匂ふ 早水秀久 河鹿 200608
老鶯や丈まちまちの屋敷墓 窪田粧子 馬醉木 200608
老鶯や湖水は蒼をかがやかせ 林翔 200608
老鶯の昂れば声きりきりと 林翔 200608
霧分けて老鶯の声曲らずに 中田とも子 200608
百人番所老鶯声を正しけり 宮沢治子 春燈 200608
老いまじといよよ鶯渓のぼる 小宮山勇 遠嶺 200608
老鶯や眼鏡の奥の眼を閉ぢて 岩木茂 風土 200608
老鶯や冷めたる灰を捨てに出て 水野恒彦 200608
老鶯を娯しむ日々や佗住ひ 川崎光一郎 京鹿子 200608
老鶯や頬の飯粒母が喰ぶ 廣畑忠明 火星 200608
老鶯に空ひろすぎる山上湖 雨宮一路 200608
老鶯や昔地名の富士隠れ 篠原木綿 200608
老鶯や日は燦々と千枚田 石原光徳 酸漿 200608
うぐひすの埴輪の森に老を鳴く 田所洋子 雨月 200608
老鶯や風のわたれる一軒家 丸山照子 火星 200609
老鶯や千余の句碑の村興し 小林眞彦 遠嶺 200609
老鴬や一枚張りの山上湖 岩間冴子 200609
老鶯や小さき島の昼下り 中里信司 酸漿 200609
老鶯の磨きし声の谷渡り 浅野恵美子 酸漿 200609
老鶯やいまひと息の上り坂 柳沢典子 酸漿 200609
鳴ききらぬ老鶯のあり寂光院 平島利男 酸漿 200609
おのが声に酔うて老鴬あまたたび 丹生をだまき 京鹿子 200609
老鶯の幾重の箭足下より 丹羽啓子 馬醉木 200610
老鶯に白湯が欲しいか聞いてやれ 戸栗末廣 火星 200610
老鶯や裏磐梯の雨上がり 木暮剛平 万象 200610
老鶯や桐生市長の背筋伸ぶ 鈴木石花 風土 200610
老鶯や漱石庵は昼灯す 八木岡博江 酸漿 200610
この橋に老鶯の声いつも聞く 岡本直子 雨月 200612
老鶯の声警策に打たれけり 今井忍 ぐろっけ 200612
石を裂く樹の根老鴬谺せり ことり 六花 200705
谷あひの老鶯と息あはせ居る 松崎豊 200706
老鶯の一声澄める骨納め 岩木茂 風土 200707
老鶯や世界遺産を縄張りに 楯野正雄 200708
光星の墜ちて老鶯こゑ潜む 佐藤山人 200708
目つむりて聴く禅林の老鶯 中上馥子 春燈 200708
老鶯の真つ只中に佇めり 大澤君子 遠嶺 200708
老鶯の声抜けて行くゴルフ場 佐藤健伍 200709
老鶯のひねもす謡ふ自適かな 川崎光一郎 京鹿子 200709
老鶯に案内され行く嵯峨の奥 舩越美喜 京鹿子 200709
老鶯の声の掴める近さとも 鷹羽狩行 200709
老鶯や手摘の香る五葉松 清水美子 春燈 200709
老鶯の甘き声あり上り坂 明石文子 ぐろっけ 200709
皆老いて夏鶯を聞くばかり 田原陽子 200710
頬杖をしばらくするに老鶯鳴く 木田秀子 200710
口笛で真似老鴬に返し鳴く 齋部千里 ぐろっけ 200710
老鶯窓辺に移す母の床 内山芳子 ぐろっけ 200710
老鶯や昔の恋を語るらん 吉本淳 ぐろっけ 200710
老鶯や前倒しする旅予定 山元志津香 八千草 200710
老鶯の声響きけり滝見橋 青木政江 酸漿 200710
老鴬やいま風鐸のおよび音 宇都宮滴水 京鹿子 200710
老鴬の啼き声まねて鳥の舞 林日圓 京鹿子 200710
老鶯の上下わけてなきしきる 高木伸宜 船団 200710
老鶯や浄瑠璃寺への石畳 長崎桂子 あを 200710
読みがたき碑文字老鶯しきりなる 内山けい子 200710
遠近のさだかならざる老鶯に 浅井青陽子 ホトトギス 200711
老鴬のとつとつ鳴くに話し折れ 岡野峯代 ぐろっけ 200711
老鶯の少しはしょるは疲れかな 森一枝 八千草 200712
老鶯や開け放たれし陶工房 森一枝 八千草 200712
老鶯は森の静寂ゆさぶりぬ 加藤富美子 200806
老鶯ににぎにぎしくも榾の茸 山尾玉藻 火星 200806
老鶯の声の自在や朝の晴 小野喬樹 馬醉木 200807
一瀑を離し鶯老を鳴く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807
老鶯も哭きて義父母の忌を修す 上原重一 200807
老鶯や鴎外太宰ねむる杜 村上光子 馬醉木 200808
老鶯のこゑの坩堝の母の墓 三嶋隆英 馬醉木 200808
老鴬やもったいなくも独り住み 杉本綾 200808
老鴬の確かに彼處樹々の中 田中芳夫 200808
老鶯の日毎の声になごむなり 山崎泰世 200808
老鶯をかたへに朝の畑かな 岡野ひろ子 200808
老鶯の波紋広ごる千枚田 浜田はるみ 遠嶺 200808
老鶯の熟考鳴きの問合とも 渕上千津 200808
老鶯の啼ける全身見たりけり 山本耀子 火星 200808
見上ぐれば老鶯青き陽を零す 松本鷹根 京鹿子 200808
老鶯や雲間に佐渡の覗きをり 阿部ひろし 酸漿 200808
老鶯の声と窓辺の朝日かな 瀬島洒望 やぶれ傘 200808
老鶯の鳴きつぐ山の宿りかな 畑山フミ子 やぶれ傘 200808
老鴬に思はず応へ丹波辯 塩路五郎 200809
老鶯やもつたいなくも独り住 杉本綾 200809
老鶯の声澄む藪の明るさに 森ひろ 馬醉木 200809
一御陵一老鶯の領し鳴く 村松紅花 ホトトギス 200809
老鶯や濡れて深めし岩の碧 小山徳夫 遠嶺 200809
老鶯の声に口笛合はせけり 池部久子 酸漿 200809
老鶯や秘仏闇より浮かび出で 藤田宏 200809
老鴬の棲める千古の杉木立 粟倉昌子 200810
老鶯の長啼き雨の岩畳 川口襄 遠嶺 200810
老鶯や明るくなりし水平線 一ノ木文子 炎環 200810
老鴬に聞き恍れ外す腰道具 川合まさお ぐろっけ 200810
老鶯の一声ありて山深し 岡本直子 雨月 200810
老鶯の声身近なり物干場 中村しげ 酸漿 200810
老鶯の住まふカルスト台地かな 渡邊孝彦 やぶれ傘 200810
老鶯や姿勢正しき樹々ばかり 赤羽正行 遠嶺 200811
老鶯の声を間近に朝餉炊く 新井須美子 遠嶺 200811
老鶯や日照雨湿りの丸木橋 高村令子 風土 200811
老鶯のお札所にあり寿 上崎暮潮 ホトトギス 200901
老鶯に呼応してゐる渦かとも 稲畑廣太郎 ホトトギス 200905
老鶯の虚々実々を語りけり 青柳雅子 春燈 200907
老鶯の人恋うて鳴く島なりけり 都丸美陽子 春燈 200907
老鶯や庭師と暫し立話 高橋照子 雨月 200907
老鶯のこゑ磐座に沁む古刹 小澤淳子 200907
仁右衛門居老鶯しばし縁に聞く 阿部ひろし 酸漿 200907
老鶯の鳴くや庄屋の森深く 水原春郎 馬醉木 200908
老鶯のこゑの水玉こぼれけり 石寒太 炎環 200908
老鶯に励まされけり水辺道 中西蘭子 炎環 200908
老鶯や飯盛山の墓の列 辺見狐音 炎環 200908
鑑真に啼く老鶯の二つ三つ 城孝子 火星 200908
朝の窓まづ老鶯の目覚めけり 西山美枝子 酸漿 200908
仁右衛門島老鶯の声澄み通る 川島澄子 酸漿 200908
老鶯の姿を見せて鳴きにけり 井上幸子 酸漿 200908
老鶯や時ゆるやかに流れつつ 中緒和子 酸漿 200908
老鶯のこゑ佳境にと入りにけり 佐田昭子 ぐろっけ 200908
老鶯や一雲も無き古戦場 菅原末野 風土 200908
遊び好きらしき鶯老いを啼く 石田きよし 200908
老鶯や芭蕉の手水道の端に 来海雅子 200908
老鶯となりて身細る山路かな 安立公彦 春燈 200908
老鶯のまだ鳴きゐたる背戸の藪 高村和子 春燈 200908
鑑真を讃へ老鶯百の律 大橋晄 雨月 200908
老鶯とかけ合ふ祝詞宮詣り 永松輝美 ろんど 200908
裏山に老鶯倦まず鳴く日かな 和田恭子 200909
老鴬へ口笛かへす峠道 和田森早苗 200909
老鶯のBGMなり當麻寺 近藤紀子 200909
老鶯のこゑすきとほり長屋門 伊藤季実 炎環 200909
老鶯や谷戸より見ゆる海の凪 清水美子 春燈 200909
老鶯の声はるかなり千枚田 石井邦子 酸漿 200909
老鴬の声の鎮めの火焔仏 田中貞雄 ろんど 200909
老鴬や北斎終の天井絵 増田一代 200910
老鴬の励まし受けて湖岸行く 駒井のぶ 200910
老鶯に齢重ねし天狗杉 小野喬樹 馬醉木 200910
老鶯に目覚めの一句いただきぬ 米須あや子 遠嶺 200910
老鶯や細川ガラシャ夫人廟 前原早智子 春燈 200910
裏求菩提老鶯ここに果つつもり 木村公子 花貝母 200911
老鶯や白馬連峰晴れ渡り 山下佳子 200911
老鴬や仲人役の責果す 松本文一郎 六花 200911
老鴬やすし桶並べ干しありぬ 松本文一郎 六花 200911
老鶯や若き姿の聖人像 大内恵 酸漿 201001
老鶯や植田千枚声を張り 大内恵 酸漿 201001
老鶯の間遠き次の声待てり 三橋玲子 末黒野 201004
老鶯の小節聴かせる車折 品川鈴子 ぐろっけ 201005
老鶯や凪でつながる瀬戸の島 鷹羽狩行 201006
老鴬や伊根の棚田を一望に 田中芳夫 201007
老鴬や日昏と声といづれ濃き 高木智 京鹿子 201007
足湯して聞く老鶯の声の張り 鈴木阿久 201007
老鴬の声の抜けゆく山の宿 中山静枝 201007
老鴬や山の一声瑠璃色に 和田政子 201007
老鴬や如意穏やかに地蔵尊 塩路隆子 201008
老鴬のアリア激しく峡の里 山本丈夫 201008
老鴬や町のコーラス齢問はず 北尾章郎 201008
老鶯や山寺歓喜天を秘す 冨山俊雄 山居抄 201008
老鶯や磨き痩せたる木曾格子 荒井書子 馬醉木 201008
夫の忌の老鶯墓山囃しけり 福田漣 201008
老鶯の咫尺の人を憚らず 松本三千夫 末黒野 201008
老鶯や千手観音一手空く 神蔵器 風土 201008
老鶯や蒔絵の椀の花クルス 浅田光代 風土 201008
老鶯のつなぐ地獄絵来迎図 堀江惠孑 201008
老鶯の朝の一声晴れわたる 岡田房子 酸漿 201008
老鶯や板葺屋根に並ぶ石 小林優子 酸漿 201008
小節まはす老鶯自身酔ひたるや 篠田純子 あを 201008
さらばとて老鶯のケキョ国訛 堀内一郎 あを 201008
虚子のこと語れば老鶯いくたびも 山崎祐子 万象 201009
老鴬の声の導く菖蒲園 米山喜久子 201009
老鶯のしきりに鳴いてゐる目覚め 浅井青陽子 ホトトギス 201009
老鴬の来て吾が庭の格上がる 隅田享子 201009
老鶯→ 3      

 

2021年6月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。