立 春 6    100句

立春の海よりの風海見えず   桂信子   歳時記(講談社)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
パセリ噛んで血を青くせりけふ立春 塩貝朱千 京鹿子 201704
立春の光集めしソーラーパネル 岩下芳子 201704
北口で立春の気配待ち望む 東秋茄子 京鹿子 201705
立春の俄に壊るスマホかな 遠山悟史 京鹿子 201705
こんなにも碧空立春の土を掘る 上野紫泉 京鹿子 201705
立春に届く一瓶搾りたて 高橋まき子 風土 201705
立春と思ひて拾ふ星の砂 落合絹代 雨月 201705
幾たびも立春の空仰ぎ見る 岡田正義 雨月 201705
立春大吉馬券大きくはづれたる 竹内悦子 201705
立春や友快方の車椅子 数長藤代 201705
立春を四日待たずに逝かれけり 小林愛子 万象 201705
立春や肥やし袋のゆるびたる 戸栗末廣 201705
立春と書く便箋の白さかな 松本三千夫 末黒野 201705
立春のパン跳びあがるトースター 金子正道 京鹿子 201706
立春大吉大提灯に迎へられ 藤代康明 201706
立春の靄の中より調教馬 中田みなみ 201706
立春の米とぐ音の軽さかな 中村弘 万象 201708
立春に心ほどきし朝の雨 稲畑汀子 ホトトギス 201802
立春の緯度耀へる海洋図 鈴鹿呂仁 京鹿子 201803
信じたき立春大吉今日よりぞ 金森信子 雨月 201804
立春寒波やたら元気な鼓笛隊 上谷昌憲 201804
立春大吉果樹園に猫車 齊藤陽子 201804
立春の噴水硬ききらを撒き 黒岩武三郎 201804
立春の天元を打つ一意かな 鈴鹿呂仁 京鹿子 201804
立春の寝釈迦の雲となりゐたり 竹内悦子 201805
立春や刻の結び目ほどく音 有松洋子 201805
立春車椅子の少年咆哮 田尻勝子 六花 201805
立春の水全身へ行きわたる 高木晶子 京鹿子 201805
立春や戸毎に届く検針票 篠藤千佳子 201805
弾むもの立春と書くペンの先 落合絹代 風土 201805
立春の九十九灘や海荒れて 田中臥石 末黒野 201805
立春の光眩しき狭庭かな 大橋晄 雨月 201806
両岸にビルの林立春の川 大石よし子 雨月 201806
立春の水なみなみと水瓶座 井上菜摘子 京鹿子 201806
立春の野に置く終のトロンボーン 井上菜摘子 京鹿子 201806
立春の野に踏み入るる一歩あり 立村霜衣 ホトトギス 201806
立春大吉私の家の窓光る おーたえつこ 201806
立春や水青むまで菜を濯ぎ 大沢美智子 旬日 201808
立春の音たててゐる竹林 石橋幾代 201808
立春や卵の殻の道に落つ 青木朋子 201808
弾むもの立春と書くペンの先 落合絹代 風土 201901
立春や気持ちの棘は抜けぬまま 吉宇田麻衣 201902
立春の風に吹かれてわが歩み 樺山翠 雨月 201903
立春の雨粒あまし土鳩鳴く 石田阿畏子 馬醉木 201904
立春の風吹き入るや大手門 前田美恵子 201904
立春大吉印泥の練り艶を増す 細川洋子 201904
立春の射的屋に大きカレンダー 浅田光代 風土 201904
立春の天地をつなぐ雨の音 高木晶子 京鹿子 201904
立春寒波明日あることを知り尽し 伊藤希眸 京鹿子 201904
警蹕の声か立春星走る 定梶じょう あを 201904
立春の風強き宵吾子走る 秋川泉 あを 201904
立春や写メにてしばしご挨拶 秋川泉 あを 201904
立春の日差しにゆるぶ十指かな 荒井ハルエ 春燈 201905
立春を十日過ぐるに綿半纏 小林輝子 風土 201905
立春や薬味に味噌に贅尽くす 山田健太 風土 201905
立春や駅の硝子にそばうどん 江見巌 六花 201905
立春の陽の匂ひなり悉く 磯野青之里 六花 201905
立春の思はぬ風に目覚めたり 森清堯 末黒野 201905
立春大吉舟屋にひびく鑿の音 小澤冗 201905
立春の厨に麺麭を焼く匂ひ 岩佐梢 201905
立春の鷭がさかんに潜りけり 西野桂子 201905
白樺の幹の林立春兆す 飯川久子 201905
立春大吉十年梅酒の甘美さに 五十嵐敏子 201905
立春大吉女系の家に男の子 佐藤哲 201905
立春の頃の川面や最上川 広瀬弘 201905
立春の出羽路に人の影を見ず 広瀬弘 201905
立春やハートのA(エース)動きだす 中田禎子 201905
立春の光紙上へ歳時記へ 三輪温子 雨月 201905
立春大吉届く僧堂よりの護符 本多正子 雨月 201905
立春の函館つるりつるつるり 佐藤日和太 船団 201906
立春大吉割箸うまく割れただけ 松下道臣 201907
立春の回転扉日の匂い 山田邦彦 201907
立春や老医の赤き聴診器 田岡千章 201909
立春の寝床の中の迷ひかな 江島照美 発火点 201909
立春の日が傾ける播磨富士 山田六甲 六花 202003
立春の堆肥濠々牛がをり 山田六甲 六花 202003
立春や日岡の山は亥巳(おい)籠 山田六甲 六花 202003
立春の朝コーヒーと枡の豆 赤座典子 あを 202003
立春の淡き白もて「貴腐ワイン」 小林和世 202004
立春の雨はやさしき恋の水 杉本薬王子 風土 202004
立春の足音と聴く夜の雨 安立公彦 春燈 202004
立春やきくきくきくと首鳴りて 壺井久子 馬醉木 202004
立春や押して掬ひて太極拳 与田幸江 末黒野 202005
旧暦の立春は未だふきのたう 田中臥石 末黒野 202005
立春や楠に鳥語のしきりなる 森清堯 末黒野 202005
立春の明るさ生垣の崩るまま 伊藤希眸 京鹿子 202005
立春の香水として堰き止めず 高木晶子 京鹿子 202005
立春のバスの傾く八坂前 高木晶子 京鹿子 202005
立春や投網かからぬ魚の色 江見巌 六花 202005
立春や神が閂はづす音 有松洋子 202005
立春や喜悦の波動給はりぬ 雨村敏子 202005
立春や英彦山土鈴(がらがら)鳴らさうか 広渡敬雄 202005
立春の光をたたくコンパクト 中村重幸 202005
蹌踉けたる立春大吉の崖の縁 住田千代子 六花 202006
立春や都府楼跡に紙飛行機 小林朱夏 202006
群青の立春ペダル漕ぐ空へ 渡部恭子 202006
立春の日の出見しかと問はれたる 稲畑汀子 ホトトギス 202102
立春と聞きて心に記するもの 稲畑汀子 ホトトギス 202102
立春を過ぎし安堵の旅支度 稲畑汀子 ホトトギス 202102
立春の空瑠璃色に明け初むる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202102
立春 →7

2021年2月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。