立 春 1     100句

立春の二階へ舟が入り来る    井上青穂

立春  春来る  春立つ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
立春の水ひとつぶの落ちにけり
山田禮子
きらら
199400
真冬日にして立春の日差しなる
野沢しの武
風土
199811
立春や命あまして仮の世に
保坂加津夫
会者定離
199900
立春の艮にちゆと書きゐたり
岡井省二
199902
立春の大地の鼓動確とあり
稲畑廣太郎
ホトトギス
199902
立春に躓く風のありにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
199902
立春の夜の花鰹ひとつかみ
山尾玉藻
火星
199903
立春や大和国原雪景色
酒井章鬼
風土
199904
立春の夕べの湯気の雪花菜
岡井省二
199904
立春や泥鰌のうごく桶の底
渡辺信也
春耕
199904
立春の屋根より猫が下りてくる
岬雪夫
199905
立春の孤独会ひたき友多し
宍戸富美子
馬醉木
199906
立春の光あつめて砂遊び
宍戸富美子
馬醉木
199906
立春の陸橋より兄の声
長沼都
船団
199906
立春の光を回す水車かな
吉村玲子
船団
199907
立春の舳先揃へし入江かな
穴澤光江
花菜風
199907
立春大吉トレーに浸る摘出胃
安井よしこ
ヒッポ千番地
199910
立春の大地に根付く象の足
小枝恵美子
ポケット
199911
立春の耳から目覚めていることよ
津田このみ
月ひとしずく
199912
立春やじんべえ鮫が流し目す
津田このみ
月ひとしずく
199912
立春の喉仏なりよく動く
津田このみ
月ひとしずく
199912
立春の雪に声あげ産まれけり
田中佐知子
風土
200001
立春の生首あたり海
岡井省二
200002
立春の暮影一翅をとどめとす
宇都宮滴水
京鹿子
200002
年内立春鬱金の泥を落しけり
各務耐子
200003
立春や雨垂れの穴まざまざと
皆川盤水
春耕
200003
立春に書かねばならぬ手紙かな
わたなべじゅんこ
鳥になる
200003
岩窟に聞く立春の水雫
小田悦子
雲の峰
200003
立春大吉夫婦の齢百五十
水原春郎
馬醉木
200004
立春大吉寄り来る鳩の艶増して
小林清之介
風土
200004
しらあへや立春の日のまだ没らず
小山森生
200004
立春の日差に外出促され
久保晴子
雨月
200004
立春の雪掻いて妻上京す
村上一葉子
200004
立春のまつくらがりの傘屋かな
篠原俊博
銀化
200004
立春は魔法使ひのマントから
松木知子
ヒッポ千番地
200004
立春大吉ざくざく米を洗ひけり
大和田鏡子
俳句通信
200004
立春の木の香走らす薪作務
手島靖一
馬醉木
200005
立春のひかり渦巻く水車かな
檜紀代
200005
立春の日の空となるお通夜かな
加藤君子
火星
200005
立春や幸先の良き事有りて
大塚民枝
酸漿
200005
立春のひかりを放ち鳩の群
石田邦子
遠嶺
200005
立春の雪残りをり桂川
岡田有紀子
遠嶺
200005
立春の文字美しき便りかな
平居澪子
六花
200005
四つ手網立春の譜をひろげたり
木原不二夫
酸漿
200006
立春の路地この先行き止まり
朝日彩湖
船団
200006
立春大吉髪膚そよぎてゐるやうな
稲見光
船団
200006
立春の海を見たくて観覧車
鶴濱節子
船団
200007
立春や一本きまる背負い投げ
宮嵜亀
船団
200007
立春の方程式を組み立てし
宮嵜亀
船団
200007
立春や擦り傷だらけの子が戻る
宮嵜亀
船団
200007
立春の小指に包帯巻きおりぬ
宮嵜亀
船団
200007
立春の地球の上の文庫本
成定紋子
船団
200008
立春の三毛猫の道僕の道
岡清秀
船団
200009
二丁目の立春まげる道路ミラー
岡清秀
船団
200009
立春のグラスは水を盛り上げて
中原幸子
遠くの山
200010
立春や鬼と呼ばれて美しき
小西昭夫
船団
200010
立春の一面くらき三面鏡
夏秋明子
ヒッポ千番地
200010
さざなみはみな立春の日のかけら
長谷川鉄夫
200101
立春といふ名ばかりの都心かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200102
立春や又も強風注意報
稲畑廣太郎
ホトトギス
200102
立春を繋ぐ日裏と日表と
稲畑廣太郎
ホトトギス
200102
立春の大地に動き確とあり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200102
立春やわが家の芯に正一位
丸山佳子
京鹿子
200103
立春や尾骨から尻尾かな
吉弘恭子
あを
200103
丈高きケーキ入刀あす立春
赤座典子
あを
200103
ラジオより立春の日のオペレッタ
中御門あや
俳句通信
200104
立春の日射し嬰待つ心せち
久保晴子
雨月
200104
立春の慈愛の日差病者らに
安陪青人
雨月
200104
髪吹かれゆく立春の向ひ風
多摩茜
春耕
200104
立春の息吹きかける船の窓
暮城孝子
火星
200105
立春の巻かれてありし航海図
杉浦典子
火星
200105
立春大吉虫籠が庭の木に
黒田咲子
200105
蛭鐶を打ち立春の茶室成る
祐森弥香
遠嶺
200105
立春の心もとなき日差しかな
宮倉浅子
遠嶺
200105
立春なり夜の止り木をふと知る
金子皆子
海程
200105
立春の雉子鳩われを揺さぶれり
金子皆子
海程
200105
立春や絵皿一枚割れました
金子皆子
海程
200105
立春や三半規管に水あふる
吉弘恭子
あを
200105
立春や母校より来る野球寄付
武友朋子
200107
立春の一気に上がる昇降機
岩岡中正
ホトトギス
200107
立春の闇に吸われし山の音
鶴濱節子
船団
200107
立春の闇にまぎれて駆けてみる
鶴濱節子
船団
200107
立春大吉眼薬をまた逸らす
折原あきの
船団
200107
立春の挿絵の猫が目くばせす
田中桜子
船団
200108
立春の闇に音叉が連なれる
宮嵜亀
船団
200109
立春の空どこまでも鳥の径
掛井広通
200201
立春の光しづめて雲低し
稲畑汀子
ホトトギス
200202
立春の独りのときは鳥になる
松山律子
六花
200202
立春や影のひとつに松葉杖
宇都宮滴水
京鹿子
200202
立春や地球儀にある海の張り
鷹羽狩行
200202
立春に登山シューズの置かれたり
福田みさを
いろり
200203
立春大吉越の村人餅を搗く
根岸善雄
馬醉木
200204
天上大風立春の幣畦に挿す
根岸善雄
馬醉木
200204
立春の影曳きつれて郵便夫
有山八洲彦
200204
立春の搗きたて餅を頂けり
村越化石
200204
立春や餌台に光る洗ひ米
當麻幸子
雲の峰
200204
立春や水無川に雀群れ
岡山裕美
雲の峰
200204
立春大吉篆刻印のためし捺し
谷口みちる
200204
立春や風は無垢なる匂持ち
加藤はま子
200204
立春や声に体温鴉にも
丸山佳子
京鹿子
200204
立春2 →      

 

2021年2月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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