立 春 5    17句

立春の海よりの風海見えず   桂信子   歳時記(講談社)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
立春大吉オリーブオイルの一しづく 石脇みはる 201104
立春や夢捨つまじく老ゆまじく 木村風師 馬醉木 201104
立春や日向日陰を水流れ 神蔵器 風土 201104
立春や床屋に眠りほける夫 仁平則子 201104
立春や沼に彩立つ水鱗 伊藤希眸 京鹿子 201104
立春のひかり氷柱の中通る 江見巌 六花 201104
立春や庭に新たに巣箱掛け 中川悦子 酸漿 201104
俎板を干し立春の日に晒す 青木陽子 酸漿 201104
立春のひかりあまねく屋根の雪 稲岡長 ホトトギス 201105
立春に壱岐焼酎や海越えて 泉田秋硯 201105
立春の川面まぶしき日でありぬ 荒井和昭 201105
立春の六腑を覚ます水ならむ 荒井和昭 201105
立春や遥かに越えし父の齢 北村香朗 京鹿子 201105
立春の青空鳥の声こぼれ 小川玉泉 末黒野 201105
立春の日の射す破船操舵室 田中臥石 末黒野 201105
立春や磨きたる靴日を撥ねて 小倉正穂 末黒野 201105
立春の部屋のどこやらきしみけり 坂口夫佐子 火星 201105
立春の日を吹きさらす流れ橋 坂口夫佐子 火星 201105
立春の三日月金星寄り添える 澤浦緑 ぐろっけ 201105
立春の日溜りの中佇みぬ 樋口正輝 ぐろっけ 201105
立春や鏡に写す中宝相華 土居通子 ろんど 201105
立春の粒おどらせて米を研ぐ 中田のぶ子 ろんど 201105
立春の軽き声あり四十雀 木村コウ 酸漿 201105
立春や夫に付きゆく盆栽展 永見博子 酸漿 201105
立春の朝の寒さに戸惑へり 家塚洋子 酸漿 201105
立春の上昇気流鳶舞へり 山下美典 ホトトギス 201106
立春の草子届けられ会議果つ 伊吹之博 京鹿子 201106
立春の口笛犬を呼び戻す 當間シズ 万象 201106
立春の昼月をあげ楢林 熊切光子 末黒野 201106
真冬日にして立春の胡桃の木 野沢しの武 風土 201107
立春と聞けば忽ちそれらしく 稻畑汀子 ホトトギス 201202
立春の明るき会話行き交へる 稻畑汀子 ホトトギス 201202
立春と諾ふことも二三日 稻畑汀子 ホトトギス 201202
立春の気のなか五体は暖のなか 布川直幸 201202
立春大吉日差しは夫の気配とも 辻直美 201203
立春やこの部屋なべて日の光 野口かずよ 末黒野句集 201203
立春の幟はためく蕎麦処 村井一之 末黒野句集 201203
立春大吉京菓子の色いろいろ 石脇みはる 201204
立春大吉分厚くハムを切りにけり 楠原幹子 201204
青鷺の背に立春の光かな 杉本薬王子 風土 201204
立春の日の移りゆく船溜り 宮崎きみ枝 201204
立春の窓開け放ち深呼吸 神谷さうび 末黒野 201204
立春や卵産むとき鶏鳴けり 大西八洲雄 万象 201204
立春に雪降り空気改まる 山田をがたま 京鹿子 201204
立春の細き男と鯛でんぶ 中島陽華 201205
立春や塔より鳩の飛び立てる 有松洋子 201205
立春大吉アンパンカレーパンメロンパン 柳川晋 201205
立春の乗り放題のバスの券 足立良雄 201205
立春の市章浮きたつマンホール 古井公代 ぐろっけ 201205
立春の霰ポストに跳ね四散 石垣幸子 雨月 201205
立春の加護に青空みづみづし 溝内健乃 雨月 201205
立春を待たれず弥陀のふところへ 西出しず子 雨月 201205
一塊の雲立春の日にふくれ 佐藤美紀 ろんど 201205
立春大吉こりこりと噛む豚の耳 福島せいぎ 万象 201205
立春の地を嗅ぎ廻るシャベルカー 新保ふじ子 万象 201205
立春と言へどますます雪激し 井海宏子 万象 201205
立春の風にふかれて立ち話 渡辺利子 万象選集 201205
立春の空へと機種を上げにけり 平居澪子 六花 201205
立春や野菜売り場に野菜着く 瀬島洒望 やぶれ傘 201205
立春の京の和菓子のうすみどり 鶴濱節子 始祖鳥 201206
立春の手機にはれる藍の糸 井村和子 風花 201206
立春といふにこの冷え何とせん 阪本ゆたか ホトトギス 201206
立春大吉家買ふ話まとまりぬ 松井洋子 ぐろっけ 201206
立春の窓辺にエプロン姿あり 岡山敦子 京鹿子 201206
立春の田の水口を直しけり 渡邉孝彦 やぶれ傘 201206
立春や水にはじける水の音 五ヶ瀬川流一 六花 201212
立春や切口見つつ肉を食ふ 遠山陽子 201212
立春の戸に狼の魔除札 瀧澤伊代次 伊代次句集 201212
立春の気配つまづく零下五度 布川直幸 201301
立春や神灯を生む燐寸の火 布川直幸 201301
立春の日ざしの刻む田畳の目 竹貫示虹 京鹿子 201302
立春大吉日差しを返す捨鏡 山田六甲 六花 201302
立春や余震のわたる青畳 神蔵器 風土 201303
立春大吉とりあへず笑とこか 山田六甲 六花 201303
立春の潮マリアの御裾打つ 荒井千佐代 201303
立春の空へ弁慶飛び立てり 渡部法子 201304
立春の木のこゑを聴く宮大工 阪本哲弘 201304
立春や心とふ字の笑まひたる 川崎真樹子 春燈 201304
立春の筆なめらかに走りけり 大湊栄子 春燈 201304
立春の川へ遠くへ石つぶて 陽山道子 おーい雲 201304
立春の鳴門の飛沫浴びて立つ 陽山道子 おーい雲 201304
立春の潮差して来し能衣裳 延広禎一 201304
立春や染料溶いて匙鳴らす 渡真利真澄 万象 201304
立春をわが命日と逝きにけり 服部早苗 201304
立春のその夜の風の吹きわたる 服部早苗 201304
立春の睫に白きものを見る だいじみどり 201304
日々眺めけふ立春の竹生島 駒井でる太 馬醉木 201305
立春の特急券を噛む新書 中村恭子 201305
立春のチェロが改札通り抜け 森田節子 風土 201305
立春や円位堂よりひかり満つ 雨宮桂子 風土 201305
立春の雨に濡れたるダンボール 竹内悦子 201305
立春を熱ある身にて過しけり 向江醇子 ぐろっけ 201305
立春の皿ひびき合ふ朝厨 荒木治代 ぐろっけ 201305
立春の雀とび交ふ防風林 三崎千恵子 ろんど 201305
立春の金箔浮けるしんじよ椀 山本耀子 火星 201305
傘ひらき立春の雨弾きたる 小林成子 火星 201305
立春やとぎれとぎれのオルゴール 市川伊團次 六花 201305
立春や母子の吊るす御礼絵馬 西川みほ 末黒野 201305
立春や砂を引きずる漁師網 太田良一 末黒野 201305
巳の年の立春大安小雨降り 小原登志春 雨月 201305
立春の駅のそばから来たな、君 坪内稔典 船団 201306
立春大吉イクメンは鎌研いでいる 中原幸子 船団 201306
立春の窓辺に青い砂時計 陽山道子 船団 201306
立春の広場の遊具ひかりあふ 松本正生 やぶれ傘 201306
雪国も立春の日をたまはりし 安原葉 ホトトギス 201307
立春の明るさの雪なりしこと 安原葉 ホトトギス 201307
立春の日ざしに開く旅の地図 師岡洋子 ぐろっけ 201307
立春の雉鳩霜を啄めり 瀧春一 花石榴 201312
立春といふ節目より満つるもの 稲畑汀子 ホトトギス 201402
立春の過ぎたることも忘れけり 稲畑汀子 ホトトギス 201402
衿立てて立春の風受け笑顔 羽賀恭子 201404
立春大吉松の鱗の亀甲に 山田六甲 六花 201404
立春初雪歯科医の椅子に仰臥して 上谷昌憲 201404
立春を笑ふごとくに雪降り来 和田政子 201404
立春の空がわくわく浜広し 羽賀恭子 201404
立春の駅にSL伴走車 仁平則子 201404
何買はう立春大吉花屋混み 定梶じょう あを 201404
立春に降るはすなはち春の雪 須藤美智子 風土 201405
立春大吉大原の紫蘇ビール 竹内悦子 201405
立春を雨や雪やがはやしをり 佐藤喜仙 かさね 201405
立春や全取替の香炉灰 田中貞雄 ろんど 201405
立春の和食の要御御御付 吉田美智子 末黒野 201405
立春の浮雲皓とまどかなり 浅井青二 雨月 201405
立春の軸に一筋日のほのか 吉田美智子 末黒野 201405
立春の海撫でて行く汽笛かな 堀田清江 雨月 201405
立春の句座へと弾む歩となんぬ 山本漾子 雨月 201405
立春の夜や白雲のとく流れ 西村節子 火星 201405
立春や俎たてに干されけり きくちきみえ やぶれ傘 201405
きららかに立春の日が入惜しむ 窪田佳津子 雨月 201405
立春大吉下総の空でつかいぞ 和田紀夫 201405
立春の波頭固きを崩さざる 甕秀磨 201405
降りみ降らずみ立春の雪となる 松本三千夫 末黒野 201405
つんつんと青空を突く立春 中村あいこ 船団 201406
立春大吉ねずみもちの木の実のきもち 鳥居真里子 船団 201406
立春や化粧直しの頬たたく 伊藤希眸 京鹿子 201406
立春の耳にほくろのある男 中島陽華 201406
立春の玉子サンドのやさしさよ 羽賀恭子 201406
立春の榎の瘤と話し込む 東英幸 船団 201406
立春のふーんふーんと怒り肩 中原幸子 船団 201406
金星へ風が匂へる立春以後 堀内一郎 堀内一郎集 201412
立春大吉那須野ヶ原に水の音 近昌夫 春燈 201412
立春の音たてて来るポストかな 山田六甲 六花 201502
鶏が夢見る立春の望月に 能村研三 201503
立春の握手にて成る約ひとつ 甲州千草 201504
立春や散歩に憩ふ競走馬 中山静枝 201504
立春や背筋伸ばして撮しける 粟倉昌子 201504
立春やひと声零し鷺の空 頼田幸子 201504
立春の日射浴びよと呼ぶ鴉 伊藤純子 201504
立春や小窓の開く鳩時計 伊東和子 201504
立春や人の温みに生かされて 石田厚子 馬醉木 201504
立春やポストの背より少しだけ 佐藤恭子 あを 201504
立春大吉老など鬼に呉れてやり 錫木妙子 馬醉木 201505
立春大吉卵の黄味の盛り上がる 岩木茂 風土 201505
山門に入る立春の永平寺 雨宮桂子 風土 201505
立春の窓より入れるピアノかな 竪山道助 風土 201505
立春や星やはらかくうるみをり 大橋伊佐子 末黒野 201505
立春の日の出にひたり露天の湯 森清尭 末黒野 201505
立春を包みきれない無言館 鴨下昭 201505
立春や花舗に溢るる夢の色 鈴木セツ 201505
立春大吉一刀彫の黒光り 小林和世 201505
立春のその一木のあすならう 小林和世 201505
立春の宙をやぶりて太極拳 熊川暁子 201505
立春の改札とほる石叩 松原三枝子 万象 201505
立春や鴉は鬼の豆を食む 田中幹也 万象 201505
立春や小鳥尻あげつつぱしる 三枝正子 万象 201505
立春や朝刊開くインクの香 古川忠利 ろんど 201505
立春のビニールハウスより時報 大島英昭 やぶれ傘 201505
立春や紅茶の茶葉を匙二杯 丑久保勲 やぶれ傘 201505
立春とふ日差に心和むかな 久保晴子 雨月 201505
立春の満月鬼を消しながら 上野紫泉 京鹿子 201505
立春やぽんと背中を押されたる 河島坦 京鹿子 201506
線香の灰の直立春の雷 菊池洋子 やぶれ傘 201506
立春やじやんけんのパー出しやすし きくちえみこ 港の鴉 201510
立春の茶柱碗の中心に きくちえみこ 港の鴉 201510
立春の卵茹でるに砂時計 きくちえみこ 港の鴉 201510
立春やいつも忿怒の鬼瓦 布川直幸 201602
立春の竹の節より水の音 伊藤通明 201603
立春の富士烈風をあらはにす 池田友之 夏雲 201603
老ゆまじや立春のわが九十四寿 水原春郎 馬醉木 201604
立春や小学生の声通る 秋川泉 あを 201604
立春の朝の光をポストまで 大橋晄 雨月 201604
立春大吉佳しとし普請着工す 奈辺慶子 雨月 201604
立春の日を浴びゐたり猫と居て 小野喬樹 馬醉木 201605
立春の日差涙のごと溢れ 根岸善行 風土 201605
立春や日の明るさを言ひ合へり 小林愛子 万象 201605
立春の雨だれの音やはらかし 佐藤三男 万象 201605
ノクターン夜を揺らしてあす立春 塩貝朱千 京鹿子 201605
立春には程遠きかな子へ便り 東秋茄子 京鹿子 201605
立春のまだ水固きを言ひ合へり 甕秀麿 201605
立春の列なして来る乳母車 江澤弘子 201605
立春の列なして来る乳母車 江澤弘子 201605
立春の鳥語明るし森の池 松本三千夫 末黒野 201605
立春の暁闇の富士茜さし 森清堯 末黒野 201605
立春や駅の茶房のアッサムティー 石黒興平 末黒野 201605
総門に立春大吉すがすがし 長島博司 末黒野 201605
立春の日ざしにひらく旅の地図 阪上多恵子 雨月 201605
立春大吉届く僧堂よりの護符 本多正子 雨月 201605
立春の卵立ちたる佳き日かな 野畑さゆり 201606
立春の朝の光をポストまで 大橋晄 ホトトギス 201607
昨夜の雪降り継ぐ雪や立春以後 野沢しの武 風土 201607
立春大吉目くばせのごと誤字一つ 内田美紗 船団 201612
立春は心のよるべ明るけれ 稲畑汀子 ホトトギス 201702
立春 →6      

2021年2月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。